そうしたニーズに応える形で、2025年10月1日に最先端の設備と専門医療を備えた『JARVIS どうぶつ医療センター Tokyo』が開院。
アニコム先進医療研究所株式会社代表取締役社長の堀江亮氏は、「飼い犬や猫の高齢化が進むなかで、医療の高度化や飼い主のニーズが多様化しています。
しかし、獣医師は心臓外科や眼科など複数の診療を担当しなければならず、こうしたニーズに応えるのは簡単ではありません。
また、都市部に獣医師が集中しており、地方では十分な医療が受けられない状況もあります」と話します。
堀江氏は、まず人手不足や地域格差の解消が獣医療の発展に欠かせないと強調しました。
また、より専門的な検査や二次診療を行える最先端設備を導入。
人工知能を搭載し、稼働音が非常に静かな最新型3テスラMRI、短時間で撮影可能な320列マルチスライスCT、さらに小動物にも対応できる専用設計の人工心肺装置などです。
手術室やリハビリ室はガラス張りの造りとなっており、どうぶつだけでなく飼い主にも安心感を与える、透明性の高い医療を提供しています。
最大の特徴は力覚フィードバック機能。
手術中に加わる力の感覚の情報を検知し、操作する医師の手元に感覚として伝えることで、直感的に力加減をコントロールできます。
開発元のリバーフィールド株式会社代表取締役社長の只野耕太郎氏は、「従来のロボットは医師の手の動きを再現するのに優れていても、力の感覚や徴候を検知して伝えることまでできなかった」と語り、この課題を解決するために『Saroa』を開発したといいます。
また、アニコム先進医療研究所CMOの田村勝利獣医師は手術支援ロボットの導入において、「これまでの手術ではお腹を大きく開くなど痛みを伴う手技が多かったが、ロボットの導入で術後の負担を大幅に軽減できる」と話します。
さらに「同じモニターを共有しながら学べるため、獣医の教育にも有効」と述べ、将来的には人手不足や地域格差の解消にもつながると期待を寄せていました。
最先端の技術と動物への優しさが両立した医療センター。
手術支援ロボットの導入や透明な院内設計など、人と動物の未来を見据えた取り組みに、これからの獣医療の新しい可能性を感じました。
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