一般的には、ろ過されて捨てられてしまうのが当たり前だった「酢酸菌(さくさんきん)」 に様々な可能性が注目され、この酢酸菌をあえてお酢に残す“にごり酢”が現在、全国的に拡がりを見せています。
そのような中で先日、人気シェフや研究者たちが集い、“にごり酢”の魅力について発表するセミナーが開催されました。
「にごり酢ってどんな味わい?」「どんな健康効果が期待できるの?」
温故知新な発酵食品の、新たな健康効果をご紹介します。

同氏が手がける銀座の寿司店「織音寿し」でも、“酢酸菌にごり酢”をよく利用しているそう。
(奥田シェフ)「酢酸菌にごり酢は、ただの“酸っぱいお酢”じゃないんですよ。酢酸菌由来のうま味がしっかり感じられて、寿司酢に使っても素材の味を引き立ててくれる。お客さまからも、おいしいというお声をよくいただきます」

その要素が、甘味、塩味、油分、酸味、香り、喉ごし、フレッシュ感。
これらをバランスよく組み合わせることで、“食べ飽きないおいしさ”が生まれるそう。
「酢酸菌にごり酢」は、上記要素の“酸味×うま味”という2つを担う存在です。
(奥田シェフ)「ただ酸っぱいだけのお酢は飽きがきます。でも、酢酸菌にごり酢は奥行きがあって、しかも素材のじゃまをしない。
有名店でも「酢酸菌にごり酢」が実際に活躍しており、高い評価を得ているようです。

(堀シェフ)「酢酸菌にごり酢はうま味が豊かなので、減塩につながりつつ、しっかりおいしく仕上がるんです。
腸内環境にもよい影響があって、家族みんなの腸活にもなる。まさに“おいしくて体によい”調味料です」
酢酸菌は乳酸菌や納豆菌とも相性がよいのだそう。
いつもの味噌汁や漬物ににごり酢をプラスするだけで、さらに健康効果が高まりそうですね。

当時のお酢は、ろ過が粗くて酢酸菌がたっぷり残っていたそう。現在流通している一般的なお酢よりも、酢酸菌の健康効果を高く得ていたと考えられます。
実際にキユーピーが酢酸菌にごり酢を使って行った臨床試験では、腸内環境の改善、免疫バランスの調整効果が認められ、味覚センサーでの分析で昆布だし並のうま味も証明済み。
酢酸菌にごり酢は、時代を経て現代人にぴったりの“うま酸っぱい”調味料になったというわけですね。
昨年2024年より、11月25日は「いいにごり酢の日」と制定されました。
“うま酸っぱい”が生み出す、新しい食と健康効果の可能性に期待が高まります。