「地球のアニメ界の覇権を握るためにU2次元からきた★彡ミュータント」をキャッチコピーに、6月5日にメジャーデビューシングル「silent days」を発売するあま津うに。Instagramフォロワー約10万人を集める彼女。
――あま津うにさんは、Instagramを通し先に海外で人気を得た方なんですね。なかなか珍しいパターンですよね?
あま津うに 海外から人気が出たというよりも、最初に自分でターゲットとして定めていたのが海外でした。なので、タグもすべて海外向けにしていました。というのも、日本ではすでにTwitterを通して人気や支持を得ている人たちが多かったので、そこへ新規参入して勝ち抜くよりも、海外での支持が高く人気も高いInstagramで頑張ろうと。そこから知名度を上げようと狙いを絞ってマーケティングリサーチもしていて、最初から海外を狙っていたんです。
――そこは、狙い通りにいった形でしたね。
あま津うに そうなんですけど。そのぶん、かなり努力もしました。
――その海外戦略、言える範囲で構いませんので教えてください。
あま津うに まず、海外のネット市場で人気のあるアニメやキャラクターを調べては、そのアニメやキャラクターたちを好きな人たちに向けて、コフプレをした自撮り写真をInstagramへ次々とアップしていきました。
――とくに支持の高いコスプレって、どの辺なんですか?
あま津うに 『ラブライブ!』は根強いですね。私は、アイドルアニメ絡みや魔法少女系のかわいいコスプレを多くやっていきました。
――そこの基盤を作ったうえで、今度はそれを国内へ向けてという形にしたわけですね。
あま津うに それも必要を感じてといいますか。今でも、国内よりも海外のほうか認知度が高い現実はあるんですけど、海外でもしっかり成功を収めるには、アニソンを歌ったり声優としての活動があるなど、もっと日本国内でアニメに絡んだ実績という基盤を固める必要性を感じたことが、そのきっかけになりました。私の夢は、あま津うにを最初に熱狂的に支持してくれた人たちが多いインドネシアでワンマン公演を行うことなんです。でもまずは、国内である程度の基盤を持っていないと、海外で本当に成功するには難しいという現実を知ったので、今は、国内で市場をしっかり作り上げいくための活動をしています。
――あま津うにさんは、『けものフレンズ2』でオグロヌー役を担当。他にも、アプリゲーム「マーダーメイデン」でルナリス役を担当と、声優としても活動を始めています。アーティストとしても、アニメ『女子かう生』のテーマ曲「silent days」を歌って、6月5日にはシングルリリースも決定。国内でも、望む形に近づき始めました。
あま津うに 自分が活動を始めたときの目標でもあった「アニメの主題歌を歌う」ことと「TVアニメの声優をやる」という夢をひとつずつ叶えられたとはいえ、ようやくスタートラインに立てたという状態です。
――そのスタートラインに立つまでも、実際には大変なことが多いですよね。
あま津うに そのチャンスを手にするまでには、こんなにも過酷なんだという現実は実感しています。活動を始める前までは「アニソンを歌ったら絶対に大スターになれる」「TVアニメの声優をやったら絶対にスターになれる」と思っていたんですけど、自分が思い描いたものを実際に求め始めると、理想とはぜんぜん違うし、思った以上に厳しい現実がありました。もちろん、良い成果もありますけど、それ以上に、つらいことのほうが多いのが現実です。でも、自分が生きることができる場所はここしかないから辞めようとは思わないです。それに、私には引退後の夢があるので、そのためにも今、ここで挫けるわけにはいかないんです。
――引退後の夢ですか……それ、教えてください。
あま津うに 自分でプロデュースをした男性グループを作りたいんです。それがアニメ系とJ-POPの狭間をいくボーイズグループ。アニメのキャラクターが実際に出てきたような声優グループをやりたくて。もちろん女子でも、 第二のあま津うにを発掘してプロデュースしたいし、いつかいろんなアーティストをプロデュースする自分の事務所を立ち上げたい夢もあります。
――それ、あまりにも大きな夢だけに、それを叶えるためのハードルもまだまだたくさんありそうですね。
あま津うに いっぱい出てきます (笑)。
――夢をつかむため、これまでどんな努力や仕掛けをしてきたのかも教えてください。
あま津うに 「ここでこうしたら、こういう反応がある」など、いろいろ考えては実行してきました。具体的にひとつ挙げるなら、動画配信サービスのSHOWROOMで、生配信を700日以上、1日も欠かさず毎日行っています。そこで国内のファンを、0から3300人まで掴みました。生配信は、TwitterやInstagramどころか、どこにもいっさい告知していません。そこにも、私なりの狙いや想いがありました。
――それ、教えてください。
あま津うに 動画配信は動画配信のフィールドで、TwitterはTwitterのフィールドでというように、それぞれの分野でのファンを増やす活動を自分は心がけています。
――そうやって仕掛けていくことを、あま津うにさん自身楽しんでいるんでしょうね。
あま津うに 楽しいです。もちろん、うまくいかないこともありますけど。いろいろ仕掛けていくなかで、私に協力をしてくださるようになった大人の方々との出会いもありました。今回のメジャーデビューに関しても、運はもちろんのこと、私に興味を持っていただいた大人たちとの出会いもとても大きかったこと。同時に、私は、いつだってファンの人たちの存在を大切にし続けてきました。きっとチャンスを活かすというのは、ファンの人たちの支持と運営側の協力という両方がバランス良くあってこそできること。それがあって、初めてチャンスを広げていけることだと私は感じています。例えばの話、いくら私がセルフプロデュースで頑張っても、アニメのタイアップなどは大人たちの力がなければ絶対に取れません。また、私がなんのバックボーンもなく、運良く大人たちと出会い、アニメのテーマ曲を歌ってデビューできたとしても、そこにファンが生まれなければ、結果が出ずに終わってしまう。
――あま津うにさんは、「地球のアニメ界の覇権を握るためにU2次元からきた★彡ミュータント」をキャッチコピーにしていますよね。
あま津うに キャッチコピーではなくて、私はU2次元から来たミュータント。地球で言う、宇宙人なんです。
――えっ?? うっ、うっ、宇宙人なんですか?!
あま津うに そうです。ここは、3次元じゃないですか。でも、パラレルワールドとなった、U2(うに)次元という、こことは違う次元があります。わたしは、U2次元にある水星で生まれたミュータントになります。ミュータントの祖先は人間と言われているように、宇宙に対応した身体になった人間がミュータントなんです。なので、限りなく人間に近い見た目をしているんですけど、じつは人間ではないです。わかりやすく言うなら、より進化したバージョンの人間です。
――U2次元の人からしたら、地球の人間って愚かに見えません?
あま津うに 人間のほうが、感情があるなと思います。
――こういう活動を始めたことで、あま津うにさん自身の中にもどんどん感情が芽生えてるということ?
あま津うに そうなってきましたね。前にインディーズで出したシングル盤が、ファンの方々の力もあって3日で目標枚数に達したことがあったんですけど。そのとき、人生で初めてうれし泣きをしました。うれし泣きって、私には無縁だと思っていたんですけど。あのときは、「私にもうれし泣きができるんだ」と思いました。
――6月5日にシングル「silent days」を発売し、あま津うにさんはメジャーデビューを飾ります。アニメソングを歌うという目標は、アニメ『女子かう生』の主題歌となったこの曲を歌うことで叶いましたね。
あま津うに テレビからアニメの映像と一緒に「silent days」が流れた瞬間、「これぞ私の夢見ていた第一歩」と思えて感動しましたし、胸の奥が熱くなりました。
――アニメ『女子かう生』についての印象はどうですか?
あま津うに 面白いですよね。わたしはU2次元にある魔法学校へ100年通ったんですけど。『女子かう生』で描かれている学校生活が、その魔法学校と限りなく近い感じだったし、自分の性格が主人公のもも子ちゃんと似ていたので、そこを注目して観ていました。
――「silent days」の作詞を、あま津うにさんみずから担当。歌詞の内容は、『女子かう生』の世界観とリンクする形で書いたのでしょうか?
あま津うに 「silent days」の歌詞は、完全に原作を思い浮かべて書いています。私自身がアニメヲタクだから、アニメソングの場合、この歌詞はこのシーンのことを現しているんだというのがわかったほうがいいなという想いがあります。この「silent days」も、「わかりやすい歌詞とわかりやすいタイトルこそがオープニング曲」という思いを持って書きました。
――「silent days」の中、とくにポイントに置いたところも教えてください。
あま津うに 歌詞の一節に“一瞬の煌き 君といれたらいいな”と出てくるんですけど、学生時代にしか感じられない青春の輝きってあると思います。煌めいているあの日々って、当事者であるときは当たり前と思っているから気づかないけれど、あとから考えると、あの日々は輝いていたなぁと振り返れる。そんな気持ちを投影した歌詞になっています。そういう気持ちって、その日々が終わったあとに気づくんですよね。わたし、魔法学校で100年もダラダラ過ごしてきましたけど(笑)、実際終わってみると、「あの日々は最強だったな」と思い返しますからね。
――カップリングに収録した「春とウソツキ。」からも、青春の甘酸っぱさを覚えました。
あま津うに 「silent days」も「春とウソツキ。」も青春をテーマにしています。ただし「春とウソツキ。」は、『女子かう生』とは切り離した内容にしています。こちらは、どちらかといえば恋愛要素のある歌詞にしてみました。「春とウソツキ。」に出てくる女の子は、好きな人に想いを告白できない気持ちを持っている子。今の関係が壊れてしまうと思ったら、告白できない気持ちになるのもわかるけど……という気持ちを書いているので、もどかしい青春っぽい感じですよね。
――こういう経験って、たくさんの人たちが経験していますよね。
あま津うに してると思います。だけどU2次元にはない感覚だからこそ、「おっ、人間にはこんな感情が巡ってて、こんな経験をしてるんだ」と思いながら(笑)、私はその感情を勉強していました。
――人間界に触れながら、あま津うにさん自身もいろんな感情を学んできたわけだ。
あま津うに そうなんです。友達との友情は魔法学校でも経験してきましたけど。魔法学校は恋愛禁止でずっと経験できなかったから、そこはアニメや漫画を通してですけど、この世界に来てから人の恋する感情を勉強しています。
――あま津うにさんは、声優としても、アニメやゲーム作品への出演経験を重ね始めています。
あま津うに 声優はプロフェッショナルな仕事なので、生半可な気持ちで掴めるものではないというのは強く感じています。私は、歌一本声優一本ではなく、総合力で勝っていく考え方。いろんな表現の総合力を力に、これからも仕事を掴んでいこうと思っています。
――完成したシングル盤、今のあま津うにさんにとってどんな作品になりましたか?
あま津うに 楽曲を、私がずっと書いていただくのが夢だった渡辺拓也さんに2曲とも書いていただきました。「silent days」も「春とウソツキ。」も、インストの時点で神曲。誰が聞いても、「いい曲」と思っていただけるメロディの歌になりました。わたし、見た目と性格は変わっているんですけど。曲だけは王道で行きたいんです。アニソンを知らない方にも、「これ、いい歌だな」と感じていただける曲を歌っていくのも理想としています。
――「あにめ系あーてぃすと」という表記も気になりました。
あま津うに ひらがなの表記で真ん中だけが漢字というのは、「あま津うに」と共通しているスタイルで、自分の名前とリンクさせています。あにめ系という言葉には、「アニメ界のすべての仕事をして、私がいちばんになって征服する」という思いを込めています。声優・アニソン歌手・作詞家はもちろん。最近はアニメのコラムも書いていれば、原作やキャラクターデザインもやっています。アニメに関わるすべてをやっていきたいからこそ、「あにめ系あーてぃすと」と名乗っています。
――まだまだ夢への道は長いですが、例えば1年後には、どうなっていたいですか?
あま津うに 来年は“アニサマ”に出たいです。絶対にメインステージに立ちたい。できれば日曜日に(笑)。国内のライブでは、最大に出たい場所です。声優としては、アイドルアニメの主役級を演じたいです。ただし、それはここ2-3年をかけての目標です。
――その夢が叶いますように。最後に、ひと言メッセージをお願いします。
あま津うに 「侵略をしていきます」と、人類に宣戦布告をしておきます。「人類ども、わたしのアニメ界征服を、目を離さずに見ているがいい。ハッハッハッハッハッ!!」
……私はまだ駆け出しなので、たくさんの方に応援していただけたらとてもうれしいので、皆さんぜひ私のことを応援してください。よろしくお願いします。
――急に謙虚になったね(笑)。
あま津うに 最後は人間界のルールに則って、ちゃんと謙虚に言葉を届けたいと思います(笑)。
Interview & Text By 長澤智典
●リリース情報
メジャーデビューシングル
「silent days」
6月5日発売
【初回限定盤(CD+DVD)】
価格:¥1,800+税
<CD>
M-1 silent days
M-2 春とウソツキ。
<DVD>
silent days ミュージックビデオ+メイキング映像
【通常盤(CD)】
価格:¥1,300+税
<CD>
M-1 silent days
M-2 春とウソツキ。
M-3 silent days (Instrumental)
M-4 春とウソツキ。(Instrumental)
●イベント情報
リリース記念イベント
6月4日(火) 19:00~ Spece emo 池袋
6月5日(水) 19:00~ 渋谷MODI内 HMV&BOOKS SHIBUYA
6月8日(土) 12:00~ ソフマップAKIBA4号店 アミューズメント館
6月9日(日) 15:00~ アニメイト秋葉原本館
18:30~ ソフマップAKIBA1号店 サブカルモバイル館
6月30日(日) 18:00~ AKIHABARAゲーマーズ本店
※時間はいずれも開演時間です。
※参加方法など詳細は下記でご確認ください。
http://www.teichiku.co.jp/artist/amatsuuni/
CD購入特典
ゲーマーズ: L判ブロマイド(ゲーマーズver.)
アニメイト: L判ブロマイド(アニメイトver.)
ソフマップ: L判ブロマイド(ソフマップver.)
とらのあな: L判ブロマイド(とらのあなver.)
Amazon:L判ブロマイド(Amazon ver.)
タワーレコード:L判ブロマイド(タワーレコードver.)
HMV:L判ブロマイド(HMV ver.)
全国対象店:L判ブロマイド(全国共通Ver.)
●作品情報
TVアニメ『女子かう生』
2019年4月より“ふたばにめ”枠内にて放送中
TOKYO MX 毎週月曜24:15頃~
AT-X 毎週土曜23:15頃~(リピート有)
BSフジ 毎週火曜24:15頃~
関連リンク
あま津うにレーベルサイトTVアニメ『女子かう生』公式サイト
フォロワーの8割はインドネシアやタイなどのアジア圏で、日本を飛び越え、アジア圏を舞台に活動の場を広げている。みずから「あにめ系あーてぃすと」と名乗る彼女の魅力を紐解いていく。
――あま津うにさんは、Instagramを通し先に海外で人気を得た方なんですね。なかなか珍しいパターンですよね?
あま津うに 海外から人気が出たというよりも、最初に自分でターゲットとして定めていたのが海外でした。なので、タグもすべて海外向けにしていました。というのも、日本ではすでにTwitterを通して人気や支持を得ている人たちが多かったので、そこへ新規参入して勝ち抜くよりも、海外での支持が高く人気も高いInstagramで頑張ろうと。そこから知名度を上げようと狙いを絞ってマーケティングリサーチもしていて、最初から海外を狙っていたんです。
――そこは、狙い通りにいった形でしたね。
あま津うに そうなんですけど。そのぶん、かなり努力もしました。
――その海外戦略、言える範囲で構いませんので教えてください。
あま津うに まず、海外のネット市場で人気のあるアニメやキャラクターを調べては、そのアニメやキャラクターたちを好きな人たちに向けて、コフプレをした自撮り写真をInstagramへ次々とアップしていきました。
わたしはコスプレイヤーになりたいわけではなく、アーティストになりかったわけですが、そこへ繋がる最初のきっかけとして、アニメやコスプレ好きな人たちへ向け、SNSを通した写真映えという狙いを持ってコスプレを始めました。
――とくに支持の高いコスプレって、どの辺なんですか?
あま津うに 『ラブライブ!』は根強いですね。私は、アイドルアニメ絡みや魔法少女系のかわいいコスプレを多くやっていきました。
――そこの基盤を作ったうえで、今度はそれを国内へ向けてという形にしたわけですね。
あま津うに それも必要を感じてといいますか。今でも、国内よりも海外のほうか認知度が高い現実はあるんですけど、海外でもしっかり成功を収めるには、アニソンを歌ったり声優としての活動があるなど、もっと日本国内でアニメに絡んだ実績という基盤を固める必要性を感じたことが、そのきっかけになりました。私の夢は、あま津うにを最初に熱狂的に支持してくれた人たちが多いインドネシアでワンマン公演を行うことなんです。でもまずは、国内である程度の基盤を持っていないと、海外で本当に成功するには難しいという現実を知ったので、今は、国内で市場をしっかり作り上げいくための活動をしています。
――あま津うにさんは、『けものフレンズ2』でオグロヌー役を担当。他にも、アプリゲーム「マーダーメイデン」でルナリス役を担当と、声優としても活動を始めています。アーティストとしても、アニメ『女子かう生』のテーマ曲「silent days」を歌って、6月5日にはシングルリリースも決定。国内でも、望む形に近づき始めました。
あま津うに 自分が活動を始めたときの目標でもあった「アニメの主題歌を歌う」ことと「TVアニメの声優をやる」という夢をひとつずつ叶えられたとはいえ、ようやくスタートラインに立てたという状態です。
――そのスタートラインに立つまでも、実際には大変なことが多いですよね。
あま津うに そのチャンスを手にするまでには、こんなにも過酷なんだという現実は実感しています。活動を始める前までは「アニソンを歌ったら絶対に大スターになれる」「TVアニメの声優をやったら絶対にスターになれる」と思っていたんですけど、自分が思い描いたものを実際に求め始めると、理想とはぜんぜん違うし、思った以上に厳しい現実がありました。もちろん、良い成果もありますけど、それ以上に、つらいことのほうが多いのが現実です。でも、自分が生きることができる場所はここしかないから辞めようとは思わないです。それに、私には引退後の夢があるので、そのためにも今、ここで挫けるわけにはいかないんです。
――引退後の夢ですか……それ、教えてください。
あま津うに 自分でプロデュースをした男性グループを作りたいんです。それがアニメ系とJ-POPの狭間をいくボーイズグループ。アニメのキャラクターが実際に出てきたような声優グループをやりたくて。もちろん女子でも、 第二のあま津うにを発掘してプロデュースしたいし、いつかいろんなアーティストをプロデュースする自分の事務所を立ち上げたい夢もあります。
でも、一度みずから表に出た以上は、まずは自分がすごく上の位置に行かないと人に尊敬されないじゃないですか。誰もがこの存在についていきたいと思えるくらいの尊敬される位置まで、まずは私自身が表で活躍しなきゃいけないと思うので、ちょっとしたことで挫けるわけにはいかないんです。
――それ、あまりにも大きな夢だけに、それを叶えるためのハードルもまだまだたくさんありそうですね。
あま津うに いっぱい出てきます (笑)。
――夢をつかむため、これまでどんな努力や仕掛けをしてきたのかも教えてください。
あま津うに 「ここでこうしたら、こういう反応がある」など、いろいろ考えては実行してきました。具体的にひとつ挙げるなら、動画配信サービスのSHOWROOMで、生配信を700日以上、1日も欠かさず毎日行っています。そこで国内のファンを、0から3300人まで掴みました。生配信は、TwitterやInstagramどころか、どこにもいっさい告知していません。そこにも、私なりの狙いや想いがありました。
――それ、教えてください。
あま津うに 動画配信は動画配信のフィールドで、TwitterはTwitterのフィールドでというように、それぞれの分野でのファンを増やす活動を自分は心がけています。
それに、私の素性を知りたい方は、自分でいろいろ調べては、他のフィールドにも足を運んでくださいます。なので、私自身SNSはSNSのファンに向けて、配信は配信のファンへと分けてのアプローチをしています。
――そうやって仕掛けていくことを、あま津うにさん自身楽しんでいるんでしょうね。
あま津うに 楽しいです。もちろん、うまくいかないこともありますけど。いろいろ仕掛けていくなかで、私に協力をしてくださるようになった大人の方々との出会いもありました。今回のメジャーデビューに関しても、運はもちろんのこと、私に興味を持っていただいた大人たちとの出会いもとても大きかったこと。同時に、私は、いつだってファンの人たちの存在を大切にし続けてきました。きっとチャンスを活かすというのは、ファンの人たちの支持と運営側の協力という両方がバランス良くあってこそできること。それがあって、初めてチャンスを広げていけることだと私は感じています。例えばの話、いくら私がセルフプロデュースで頑張っても、アニメのタイアップなどは大人たちの力がなければ絶対に取れません。また、私がなんのバックボーンもなく、運良く大人たちと出会い、アニメのテーマ曲を歌ってデビューできたとしても、そこにファンが生まれなければ、結果が出ずに終わってしまう。
だからこそ両方とも欠かせない存在であると思い、それぞれを大切にしながら活動をしています。
――あま津うにさんは、「地球のアニメ界の覇権を握るためにU2次元からきた★彡ミュータント」をキャッチコピーにしていますよね。
あま津うに キャッチコピーではなくて、私はU2次元から来たミュータント。地球で言う、宇宙人なんです。
――えっ?? うっ、うっ、宇宙人なんですか?!
あま津うに そうです。ここは、3次元じゃないですか。でも、パラレルワールドとなった、U2(うに)次元という、こことは違う次元があります。わたしは、U2次元にある水星で生まれたミュータントになります。ミュータントの祖先は人間と言われているように、宇宙に対応した身体になった人間がミュータントなんです。なので、限りなく人間に近い見た目をしているんですけど、じつは人間ではないです。わかりやすく言うなら、より進化したバージョンの人間です。
――U2次元の人からしたら、地球の人間って愚かに見えません?
あま津うに 人間のほうが、感情があるなと思います。
というのも、私の星の人たちは感情がないんですよ。私自身地球を侵略しにきたなかで娯楽文化を自分の中に取り入れたことで、私にも最近「感情」が生まれてきました。娯楽面に関しては、U2次元はぜんぜん進んでなくて、地球のほうがかなり進化しています。それは、食べ物にも言えること。私の星では食べ物は食べずに、全部パワーインジェクションという注射を打つことで、100時間眠ることも食べることもせずに動けます。だから、ご飯を食べて幸せという感覚は地球に来て学びました。たしかに、パワーインジェクションのほうが効率は良いですけど、食べる幸せは感じられないですからね。
――こういう活動を始めたことで、あま津うにさん自身の中にもどんどん感情が芽生えてるということ?
あま津うに そうなってきましたね。前にインディーズで出したシングル盤が、ファンの方々の力もあって3日で目標枚数に達したことがあったんですけど。そのとき、人生で初めてうれし泣きをしました。うれし泣きって、私には無縁だと思っていたんですけど。あのときは、「私にもうれし泣きができるんだ」と思いました。
――6月5日にシングル「silent days」を発売し、あま津うにさんはメジャーデビューを飾ります。アニメソングを歌うという目標は、アニメ『女子かう生』の主題歌となったこの曲を歌うことで叶いましたね。
あま津うに テレビからアニメの映像と一緒に「silent days」が流れた瞬間、「これぞ私の夢見ていた第一歩」と思えて感動しましたし、胸の奥が熱くなりました。
――アニメ『女子かう生』についての印象はどうですか?
あま津うに 面白いですよね。わたしはU2次元にある魔法学校へ100年通ったんですけど。『女子かう生』で描かれている学校生活が、その魔法学校と限りなく近い感じだったし、自分の性格が主人公のもも子ちゃんと似ていたので、そこを注目して観ていました。
――「silent days」の作詞を、あま津うにさんみずから担当。歌詞の内容は、『女子かう生』の世界観とリンクする形で書いたのでしょうか?
あま津うに 「silent days」の歌詞は、完全に原作を思い浮かべて書いています。私自身がアニメヲタクだから、アニメソングの場合、この歌詞はこのシーンのことを現しているんだというのがわかったほうがいいなという想いがあります。この「silent days」も、「わかりやすい歌詞とわかりやすいタイトルこそがオープニング曲」という思いを持って書きました。
――「silent days」の中、とくにポイントに置いたところも教えてください。
あま津うに 歌詞の一節に“一瞬の煌き 君といれたらいいな”と出てくるんですけど、学生時代にしか感じられない青春の輝きってあると思います。煌めいているあの日々って、当事者であるときは当たり前と思っているから気づかないけれど、あとから考えると、あの日々は輝いていたなぁと振り返れる。そんな気持ちを投影した歌詞になっています。そういう気持ちって、その日々が終わったあとに気づくんですよね。わたし、魔法学校で100年もダラダラ過ごしてきましたけど(笑)、実際終わってみると、「あの日々は最強だったな」と思い返しますからね。
――カップリングに収録した「春とウソツキ。」からも、青春の甘酸っぱさを覚えました。
あま津うに 「silent days」も「春とウソツキ。」も青春をテーマにしています。ただし「春とウソツキ。」は、『女子かう生』とは切り離した内容にしています。こちらは、どちらかといえば恋愛要素のある歌詞にしてみました。「春とウソツキ。」に出てくる女の子は、好きな人に想いを告白できない気持ちを持っている子。今の関係が壊れてしまうと思ったら、告白できない気持ちになるのもわかるけど……という気持ちを書いているので、もどかしい青春っぽい感じですよね。
――こういう経験って、たくさんの人たちが経験していますよね。
あま津うに してると思います。だけどU2次元にはない感覚だからこそ、「おっ、人間にはこんな感情が巡ってて、こんな経験をしてるんだ」と思いながら(笑)、私はその感情を勉強していました。
――人間界に触れながら、あま津うにさん自身もいろんな感情を学んできたわけだ。
あま津うに そうなんです。友達との友情は魔法学校でも経験してきましたけど。魔法学校は恋愛禁止でずっと経験できなかったから、そこはアニメや漫画を通してですけど、この世界に来てから人の恋する感情を勉強しています。
――あま津うにさんは、声優としても、アニメやゲーム作品への出演経験を重ね始めています。
あま津うに 声優はプロフェッショナルな仕事なので、生半可な気持ちで掴めるものではないというのは強く感じています。私は、歌一本声優一本ではなく、総合力で勝っていく考え方。いろんな表現の総合力を力に、これからも仕事を掴んでいこうと思っています。
――完成したシングル盤、今のあま津うにさんにとってどんな作品になりましたか?
あま津うに 楽曲を、私がずっと書いていただくのが夢だった渡辺拓也さんに2曲とも書いていただきました。「silent days」も「春とウソツキ。」も、インストの時点で神曲。誰が聞いても、「いい曲」と思っていただけるメロディの歌になりました。わたし、見た目と性格は変わっているんですけど。曲だけは王道で行きたいんです。アニソンを知らない方にも、「これ、いい歌だな」と感じていただける曲を歌っていくのも理想としています。
――「あにめ系あーてぃすと」という表記も気になりました。
あま津うに ひらがなの表記で真ん中だけが漢字というのは、「あま津うに」と共通しているスタイルで、自分の名前とリンクさせています。あにめ系という言葉には、「アニメ界のすべての仕事をして、私がいちばんになって征服する」という思いを込めています。声優・アニソン歌手・作詞家はもちろん。最近はアニメのコラムも書いていれば、原作やキャラクターデザインもやっています。アニメに関わるすべてをやっていきたいからこそ、「あにめ系あーてぃすと」と名乗っています。
――まだまだ夢への道は長いですが、例えば1年後には、どうなっていたいですか?
あま津うに 来年は“アニサマ”に出たいです。絶対にメインステージに立ちたい。できれば日曜日に(笑)。国内のライブでは、最大に出たい場所です。声優としては、アイドルアニメの主役級を演じたいです。ただし、それはここ2-3年をかけての目標です。
――その夢が叶いますように。最後に、ひと言メッセージをお願いします。
あま津うに 「侵略をしていきます」と、人類に宣戦布告をしておきます。「人類ども、わたしのアニメ界征服を、目を離さずに見ているがいい。ハッハッハッハッハッ!!」
……私はまだ駆け出しなので、たくさんの方に応援していただけたらとてもうれしいので、皆さんぜひ私のことを応援してください。よろしくお願いします。
――急に謙虚になったね(笑)。
あま津うに 最後は人間界のルールに則って、ちゃんと謙虚に言葉を届けたいと思います(笑)。
Interview & Text By 長澤智典
●リリース情報
メジャーデビューシングル
「silent days」
6月5日発売
【初回限定盤(CD+DVD)】
価格:¥1,800+税
<CD>
M-1 silent days
M-2 春とウソツキ。
<DVD>
silent days ミュージックビデオ+メイキング映像
【通常盤(CD)】
価格:¥1,300+税
<CD>
M-1 silent days
M-2 春とウソツキ。
M-3 silent days (Instrumental)
M-4 春とウソツキ。(Instrumental)
●イベント情報
リリース記念イベント
6月4日(火) 19:00~ Spece emo 池袋
6月5日(水) 19:00~ 渋谷MODI内 HMV&BOOKS SHIBUYA
6月8日(土) 12:00~ ソフマップAKIBA4号店 アミューズメント館
6月9日(日) 15:00~ アニメイト秋葉原本館
18:30~ ソフマップAKIBA1号店 サブカルモバイル館
6月30日(日) 18:00~ AKIHABARAゲーマーズ本店
※時間はいずれも開演時間です。
※参加方法など詳細は下記でご確認ください。
http://www.teichiku.co.jp/artist/amatsuuni/
CD購入特典
ゲーマーズ: L判ブロマイド(ゲーマーズver.)
アニメイト: L判ブロマイド(アニメイトver.)
ソフマップ: L判ブロマイド(ソフマップver.)
とらのあな: L判ブロマイド(とらのあなver.)
Amazon:L判ブロマイド(Amazon ver.)
タワーレコード:L判ブロマイド(タワーレコードver.)
HMV:L判ブロマイド(HMV ver.)
全国対象店:L判ブロマイド(全国共通Ver.)
●作品情報
TVアニメ『女子かう生』
2019年4月より“ふたばにめ”枠内にて放送中
TOKYO MX 毎週月曜24:15頃~
AT-X 毎週土曜23:15頃~(リピート有)
BSフジ 毎週火曜24:15頃~
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あま津うにレーベルサイトTVアニメ『女子かう生』公式サイト
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