LiSAのオリジナルブックシリーズ『xLiSAxBOOKx』プロデュースによる最新刊『りさのことば』は、LiSAがデビュー前からずっと書き続けているオフィシャルブログ「今日もいい日だっ」からの引用をメインに、彼女がアーティスト活動を通じて大切に伝えてきた「ことば」が散りばめられた、ファン必携の1冊だ。LiSAの“始まりの場所”である沖縄での撮り下ろしフォト、デビューから今までのプライベートフォト、最新ツアーのライブフォトなど、貴重な写真も盛りだくさんな「りさのことば」。
INTERVIEW & TEXT BY 阿部美香
「ブログや歌詞を書くときは、絶対に自分に嘘を吐かない」
――LiSAさんのブログのメッセージを書籍化しようという企画は、スタッフサイドからの提案だったそうですね。
LiSA はい。主に今、皆さんに読んでいただいている「今日もいい日だっ」ブログの文章から、すごく丁寧に言葉を拾い上げてくださいました。私がずっと大事にしてきたブログの言葉を、スタッフの皆さんも同じように、これはすごく大事なものなんじゃないか、ぜひ本にして残しておきたい、と思ってくれた。だからこの本の企画をいただいて、すごく嬉しかったですね。
――今はSNSでもファンに想いを伝えているLiSAさんですが、ブログで書いてきたことには、また特別な想いがありそうですね。
LiSA ありますね。元々私がブログを始めたのは、自分の言葉で気持ちを発信する練習場所みたいにしたかったからなんですよ。私にとっては歌詞も同じなんですけど……もしリアルな友達に、面と向かって熱い話とか、自分のドロッとした気持ちを話したくても、引かれたらどうしよう?って思うんですよね。それでその子との関係が変わってしまったり、何かが壊れてしまう気がするから……できなくて。だから自分にしか考えられない、自分にしか見えない景色みたいなものについては、ブログに書いたり、歌詞にしてきたんです。私にとってブログや歌詞の言葉は人前では口にできないけど、魂から出てきた言葉。
――ライブのMCもそうですよね。
LiSA そう!子どもの頃からそうなんですよ(笑)。言葉に気持ちが入り込むと、涙が出てくる。同じ事がブログや歌詞でも起きるんですよね。だからブログや歌詞を書くときは、絶対に自分に嘘を吐かないって決めてるし、自分のカッコ悪い部分もあえて言葉にする。
――まさに魂の言葉ですね。
LiSA 表面的に取り繕った言葉じゃなくて、自分が誰にも見せたくないところを見せているのが、私にとっての歌詞だしブログでもある。だから共感してくれる人がいて、同じ気持ちになって読んでくれるのかな、とも思うんです。私はそういう行為を“血を流す”って呼ぶんですけど(苦笑)、自分の血を込めた大事なブログの言葉たちをこうして本にしたいと言ってもらえたことで、私にとっても「りさのことば」は大切な宝物になりました。

今も昔も変わらないLiSAの紡ぐ“ことば”
――ブログはいつから書き始めたんですか?
LiSA 2008年からなので、岐阜から上京してきてすぐですね。
――「りさのことば」のサブタイトルは「~なにかになりたかったあの日から~」ですが、まさにそういう“あの日”ですね。
LiSA そう、そうなんです。もう16年前だなんて、びっくりですよね(笑)。今も続いている「今日もいい日だっ」は2010年からしかアーカイブはないんですけど、それでも丸々13年分は残ってるじゃないですか。そこから「りさのことば」のために集めていただいた言葉が、本当にたくさんありました。もちろん私もそれに全部目を通して良いなと思ったものをセレクトしつつ、今の自分の言葉も加えてもらって、まとめていただいたんです。よくこんなに集めてくれました!と驚きました(笑)。
――この「りさのことば」に掲載されているメッセージは、あえて時代順には並べていないそうですが、書いている内容は今のLiSAさんとまったく変わらないことにも驚きました。
LiSA ですよね(笑)!自分でもそう思いました。思ってることを全部をさらけ出してはいるんですけど……子どもの頃から私、自分の言葉には責任を持って喋りたい子だったんです。でも上品な言葉遣いもできないし、今よりずっと口も悪かったから、人前に出す言葉には自信がなかった。それは、ガルデモで歌うようになってからも変わらなくて、ライブのMCもとにかく苦手でしたね。
――今、“昔の自分”を読み返してどう感じます?
LiSA いやぁ、恥ずかしいです(苦笑)。今はもう大人だから、若いなぁ、ヤンチャなこと言ってるなって思いますね。でも、ひとつ気づいたんですけど、やっぱり言ってることは今と何にも変わっていないんですよ。嘘を吐かず、言葉を大事にしながらやってきた自分を誇りに思います。あと、言葉遣いだったり文章の雰囲気を見ると、いつ頃のLiSAかわかるのが面白いですね。漢字が多いとあとのほうかな?とか(笑)。昔の文章は、ひらがなが多いんですよ。語尾も「っ」って元気に終わってるし。
――それは意識していたんですか?
LiSA ボキャブラリーがなかったというのもあるんですけど“親しみやすさ”みたいなものは、大事にしていましたね。今でもそうですけど、もしすごく悲しいことがあっても、ちゃんと悲しい顔ができないっていうか……人に心配させすぎないようにしたいから、そういうときだけ、言い方はちょっとごまかしちゃうんです。ブログは日記でありながら、“LiSAとしての作品”にもしたいと思っていたので、本当のことを言ったり書いたりはしているけど、ポップでいたいんです。

ブログの言葉やライブのMCで語られたフレーズが歌詞に
――「りさのことば」を開くと、LiSAさんが「アナタへ」と題した前書きがあり、そのなかに《ここから歌詞になったり、MC になったり、音になって届けた“ことば”たちも たくさんあります。》と書かれています。確かに、LiSAさんの曲で歌われているフレーズもたくさん登場しているんですよね。
LiSA はい。ここに出てくる言葉たちは、私自身との対話だから、自分で言葉にして頭の中を整理していたり、やっと気づく気持ちみたいなのがあるんですね。それを、あとから歌詞にしていたこともたくさんあります。
――ブログが自分との対話だとすると、自分に向けて書いている感覚ですか?
LiSA 自分に向けて……いや、それで言うと誰にも向けていないですね。元々私の人間性的に、ブログのタイトルのように「今日もいい日だ」って毎日思える人間じゃないんですよ(苦笑)。どっちかというと、「今日はコレができなかったな、これもダメだったな、こんなこと言っちゃったな」って後悔することのほうが多くて、「だから明日は頑張ろう!」みたいな感じで。「今日もいい日だ」は、そんな私への母からの教え。自分を認めることや自分を褒めてあげることが苦手だからこそ、後悔したこともたくさん書くけど、最後には前を向ける言葉を自分に添えて「今日もいい日だ」で締め括ろう!って決めたんです。そういうクセを付けるために、公開して書いていたのがブログなんですね。
――「りさのことば」には抜粋されたものが載っていますが、言葉の断片からでもLiSAさんの想いや人柄が確かに伝わってきますよね。リスアニ!からの提案としては、ぜひ読んだ皆さんに歌詞になった言葉や、ライブのMCで語られている言葉のルーツを、この中から探してもらいたい。いつも我々が受け取っている想いを、昔からLiSAさんはこうやって言ってくれてたんだということが理解できると、嬉しいですから。
LiSA 確かにそうですね。「りさのことば」を作ってもらえたこともそうだし、今みんなに読んでもらえることの意味がありますよね。私も、そう読んでもらえたら嬉しいです。
大切な思い出の地を巡った撮影エピソード
――LiSAさんの言葉とともに、「りさのことば」にはブログを書き始めた頃から今までの写真も多数掲載。見どころ満載ですよね。皆さんが本書で初めてご覧になる写真としては、沖縄での撮り下ろしフォトがたっぷりと。
LiSA 撮影に行ったのは去年の夏ですね。私がぜひ沖縄で撮影したいと提案させてもらいました。
――なぜ沖縄だったんですか?
LiSA 沖縄っていうとなんかこう……バカンスしたかっただけ?と思われそうですけど、そうではなくて(笑)。
――撮影では、ゆかりの場所も色々巡られたそうですね。特に印象的だったのは?
LiSA 沖縄にいた当時に通った中学校ですね。あれから一度も行ってなかったので、どうなっているのかな?と思ったら……校門の場所も違うし、中もめちゃめちゃ変わってて。写真を撮った場所だと、中庭くらいかな?昔と同じだったのは。

――学校の教室にいるLiSAさんの写真も新鮮に拝見しました。
LiSA そう、教室もすっかり綺麗になってましたね。私が行ってた頃は教室に冷房がなくて、天井に扇風機が付いてたんですよ。それにビックリした思い出があるんですけど、さすがに今はエアコンになってました(笑)。中学校以外だと、懐かしいのは毎日歩いていた国際通り。通りの感じは昔とそんなに変わってないんですけど、私がよく通っていたお店は全部なくなっちゃってて。
――それはちょっと寂しいですね。
LiSA あ、でも、私が行ってたのと同じお店ではないんですけど、ぜんざいで有名な「富士家」さんは、泊本店さんがすぐ近くにあって、今回撮影させてもらいました。ぜんざいと一緒に(笑)。私は昔、アジアの屋台で出てくるようなプラスチックの容器で食べていたんですけど、今はすっかりオシャレな食器になってて。でも味も美味しさも全然変わってない。昔を思い出しました。
――そしてもちろん、美しい海での撮影も。
LiSA はい。那覇からフェリーで20分くらいで行ける「ナガンヌ島」という無人島で撮影しました。沖縄でダンスレッスンをしていた頃は、海にもすごく思い出があって。私、ダンスの振り付けを覚えるのがものすごく苦手だったんです。みんなが覚えるスピードについていけなくて、夜中に1人で練習してたんですよ。その場所が、住んでいた家の屋上と海辺。普段はレッスンが終わってからの夜に、真っ暗ななかでカセットデッキを屋上に持っていって練習するんですけど、みんなが寝る時間になったら、迷惑だから海沿いまで行って。夜は誰もいないので、そこでずっと練習してました。私、岐阜の関市育ちなんですけど、山の麓にある町だから、沖縄に行くまでそもそも海をちゃんと見たことなかったんです。だから、沖縄の白い砂浜を最初に見たとき、あまりの美しさに感動したのを覚えてます。今回の撮影は、国際通りだけちょっと雨が降っちゃいましたけど、ほかはお天気にも恵まれて良かったです。
――そういえば、撮影で着た服は、LiSAさんが自分で用意されたそうですね。
LiSA そうなんです。折角思い出の沖縄に行くんだから、自分の好きな服が着たくて!新しく買ったものだけじゃなくて、お気に入りの私物も交ぜているので、これ見たことある!っていうのがあるかも。探してみてください(笑)。

当時の懐かしいLiSA、新しいLiSA――両方が楽しめる濃密な1冊に!
――撮り下ろしフォトのほかにも、写真が本当に盛りだくさんで。昨年行われた“LiVE is Smile Always~LANDER~”ツアーのライブフォトも、とても格好いいんですよね。
LiSA “~LANDER~”ツアーは色々な衣装を着させてもらっていて、それも全部載せてもらっているので、すごく良い思い出にもなりますね。ライブ写真ってネットの記事で見るのとは違って、こうやって紙の本になると、感動も違うじゃないですか。会場でステージを観てくれた方はもちろんですけど、映像で観てくれた方も、あの楽しかったツアーをもう一度思い出してもらえたら嬉しいです。
――そして、LiSAファン必見なのが、デビュー時から最近までのオフショットです。これもかなりの数が掲載されていますね。
LiSA 文章もそうなんですけど、写真でもLiSAの歴史を感じてもらえますよね。スタッフさんに撮ってもらった写真もあるし、私のスマホやカメラで撮ってあったプライベート写真もたくさん提供させていただきました。黒髪ボブの時代、リリースイベントでサイン会をさせてもらったり、新曲キャンペーンでポスターやポップにサインをさせていただいたり。レコーディングやMV撮影、ライブのときの写真、海外に行かせてもらったときのプライベート写真……本当に1枚1枚が懐かしい。自慢しちゃいますけど、私、ここにある写真を撮ったときのこと、全部覚えてるんですよ。きっとリリイベとかに来てくれた人も、私と同じ記憶を共有してくれてると思う。それを、もう一度思い出せるっていいですよね。

――LiSAさんの言葉を追いかけながら、ビジュアルでは最新のLiSAさんと懐かしいLiSAさんの両方が楽しめる、濃密な1冊になりましたね。
LiSA 本当にそうですね。そういえば、原稿チェックをさせていただいたときに思ったんですけど、この本はほとんど写真1枚と言葉1文がセットになって載っているんですね。その2つは時系列もバラバラなはずなのに、あまりにマッチしていて感動したんですよ。編集スタッフさんが、すごく丁寧に作ってくださったんだなと、感謝しかないです。
――その感動も、「りさのことば」を手に取っていただいた皆さんと、共有したいですね。
LiSA そうですね。この本の中で私、めっちゃ悩んでたりもするんですけど(苦笑)、これを読んでくれるみんなも、夢に向かっている途中で私と同じように悩んでいる人って多いと思うんです。私自身も歴史を重ねて、自分で色んな経験をしていくと、「ああ、アヴリル(ラヴィーン)が昔こう言ってたのは、こういう意味だったんだ」と、自分が同じような立場になって、やっとわかったことがいっぱいあるんですね。誰かの言葉って、自分が必要な時じゃないと自分の中に入ってこないから、みんなが悩んだとき、夢に向かって頑張っているときに必要な言葉、寄り添える言葉が「りさのことば」にあるといいなと思うんです。そんな想いを、受け取ってもらえたら嬉しいです!
●書籍情報
『りさのことば』(Produced by xLiSAxBOOKx)
https://lxixsxaxbookx.com/

定価:7,700円(税込)
仕様・判型:A5変型/並製/オールカラー約300ページ
【2大特典】
その1:タブロイド新聞「LiSA MAGA」(年間2冊発行予定)
その2:専用WEBコンテンツへのアクセス
2024年4月より順次発送予定。
※仕様・判型は予告なく変更になる場合がございますのでご了承ください。
ソニー・ミュージックアーティスツ通信販売サイト「ROCKET-EXPRESS」限定商品および日本武道館公演にて会場販売予定。
会場での販売数には限りがございますのであらかじめご了承ください。
●リリース情報
LiSA 21st Single
「Shouted Serenade」
2024年5月22日(水)リリース
・CD予約
https://lisa.lnk.to/Shouted_Serenade_PKG
【初回生産限定盤(CD+GOODS)】

品番:VVCL-2490~2491
価格:2,200円(税込)
[CD]
1. Shouted Serenade (作詞:LiSA、田淵智也 作曲:田淵智也 編曲:堀江晶太)
2. 拝啓、わたしへ (作詞:高橋 優 作曲:高橋 優 編曲:江口 亮)
3. ハルシネイト (作詞:ツミキ 作曲:ツミキ 編曲:ツミキ)
4. Shouted Serenade -Instrumental-
[GOODS]
・フォトブックレット(20P)
・ステッカー(4枚組)
【通常盤(CD)】

品番:VVCL-2492
価格:1,430円(税込)
[CD]
1. Shouted Serenade
2. 拝啓、わたしへ
3. ハルシネイト
4. Shouted Serenade -Instrumental-
【期間生産限定盤(CD+Blu-ray)】

品番:VVCL-2493~2494
価格:2,420円(税込)
[CD]
1. Shouted Serenade
2. 拝啓、わたしへ
3. ハルシネイト
4. Shouted Serenade -Instrumental-
5. Shouted Serenade -TV ver.-
[Blu-ray]
1. Shouted Serenade -MUSiC CLiP-
2. ハルシネイト -MUSiC CLiP-
3. Shouted Serenade -魔法科高校の劣等生 第3シーズン non-credit opening-
※アニメ描きおろしイラスト使用デジパック仕様
※アニメ描きおろしイラスト使用ステッカー同梱
※2024年8月末日までの期間生産
●ライブ情報
LiVE is Smile Always~i SCREAM~
2024年4月19日(金) 開場17:00/開演18:00
2024年4月20日(土) 開場16:00/開演17:00
関連リンク
LiSA Official Website
http://www.lxixsxa.com/
LiSA Official YouTube
https://www.youtube.com/c/lisaSMEJ
LiSA LISTEN & DL
https://lisa.lnk.to/x1ki3
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