シユイが魅せた、自身の世界へと巻き込む圧巻のパフォーマンス―...の画像はこちら >>【その他の画像・動画等を元記事で観る】創作における仲間を見つけられるプラットフォーム「MECRE」で、ボカロP・jon-YAKITORYとのコラボ曲「ONI」をきっかけに、約1年という短期間で、アマチュアからシンデレラストーリーを歩んだシンガーのシユイ。活動歴にとらわれず、シユイのオリジナル曲は、ボカロ文化のキーマンと言えるryo(supercell)やDECO*27などそうそうたる面々によるものであることが特徴だ。そんな彼女が、4月12日に東京都・Shibuya WWWで“LAWSON presents シユイ 2nd Live「シユイさんといっしょ #02」”を開催。その特権を持つ理由がこの日のライブで明らかになった。TEXT BY 小町 碧音シユイのスイッチはステージの上に2024年4月12日、東京・Shibuya WWWにて開催された“LAWSON presents シユイ 2nd Live「シユイさんといっしょ #02」”。シユイはステージ上で、満員の客席を見渡しながらこう語りかけた。「皆さん一人一人のお顔を見たら、友達に会った気持ちになったよ」と幼馴染に話すような親しみ溢れるトーンで紡がれた言葉は、会場を温かい空気で包み込んだーー。水色のフリル付きジャケットと広がった裾のパンツを身に纏ったシユイ。ステージの中央に置かれたお立ち台の上に堂々とした出で立ちで登場するや否や、会場は電光石火のごとく彼女のシンガーとしてのオーラに包まれる。ユニークな笑声が耳に残る「ONI」で一声を放った瞬間、普通の女の子のように見えていたシユイの表情は一変し、鋭い眼光を放ち始めた。挑発的でありどこか余裕を感じさせる歌い方と、地鳴りを起こすような力強い歌声に、思わず「ただものではない」という言葉が零れそうになる。歌いながら最前列に伸びる手と楽しげにハイタッチを交わした「ハイスクール・オブ・ザ・クレイジー」。空を見上げたあと、即座に観客へと視線を向け、笑顔で煽る。指先まで意識した繊細な動きだけでなく、表情の細部までこだわり、瞬時にスイッチを切り替えられるのはシユイならではのパフォーマンスといえるだろう。常にその場の空気を感じ取り、生の空気感に身を委ねているのが伝わってくる。真っ赤なライティングに照らされた「ドーベルマン」でも、自身の世界へと観客を巻き込んでいく表現力はプロフェッショナルだ。ギター奏者と目を合わせたり、シユイはバンド全体との一体感を表現しながらスマートフォン向けゲームアプリ「魔法少女まどか☆マギカ scene0」の主題歌「GLOW」を歌い上げた。バンドサウンドと澄んだ歌声が会場に響き渡り、観客の手拍子がシユイの輝きをさらに増幅させる。「時計のエスコート」、TVアニメ『アンデッドアンラック』OPテーマのカップリング曲「エピローグ」が続き、壮大なバラードと溶け合う歌声に、早くもフィナーレの雰囲気が漂うなか、毎週ツイキャスで行っている配信のBGMとして使用している「あんたがたどこさ」へと繋ぐ。ゆったりとしたリズムに乗せた、この日一番柔らかな声色に出会った。シユイは自分が一番輝ける瞬間、すなわち歌を歌っているときにすべてを注ぎ込んでいるように感じた。歌を歌っているときは本当の自分でいられると言わんばかりに。ステージに立つと、シユイのスイッチは明らかに切り替わり、歌うことが彼女にとってどれだけ楽しいことなのかが、明確に感じ取れた。次ページ:新たな顔を見せる未発表曲を初披露新たな顔を見せる未発表曲を初披露普段の配信を彷彿とさせるスタイルで、椅子に座りながらピアノの調べに乗せて歌声を紡いだ「メルト」からスタンドマイクを使った「世界は恋に落ちている」までの5曲を披露した中盤。持参したノートPCを開き、ヘッドホンを装着して音楽に没頭する。まるでシユイだけのプライベート空間を作り上げたかのような感覚を研ぎ澄ませたパフォーマンスは、さらに彼女の心を解放するかのよう。ジャケットを脱ぎ、身軽なタンクトップ姿になり、透明な歌声で雲の上を翔けるように観客を魅了した「レイン」に続いて、ステージを真っ赤に染めるライティングが点灯。スクウェア・エニックスのアクションRPG「FORSPOKEN」のTVCMソング「RE RE REPLAY」を力強く歌い上げ、「Mercury」へ。バンドメンバーも一体となり、躍動感溢れるステージでシユイの笑顔が星のように煌めいている。“SUMMER SONIC 2023”でのイヤモニ装着に苦戦したというエピソードを振り返ると、今回は観客に手伝ってもらいながら装着。さらには、「1stワンマンライブから半年くらいで2度目のワンマンライブをすることができて、私、スタッフさんもメンバーも嬉しいよな?」とボーイッシュな一面を見せる。歌を歌っているときと同じくらいに、バンドメンバーや観客との心を許したやり取りに温かい気持ちになった。ラスサビの“ハイタッチ”で観客と手を合わせたTVアニメ『アンデッドアンラック』OPテーマの「ラブコール」に続いて披露されたのは、TVアニメ『機動戦士ガンダム 水星の魔女』のEDテーマでもあり、鮮烈なデビューを飾ったryo(supercell)による書き下ろし曲「君よ 気高くあれ」。ダイナミックなボーカルレンジと込められたメッセージを噛み締めながら歌うパワフルなエモーションに圧倒される。アンコールでは、アコースティックギターの温かみある音色に乗せて、5月22日にリリースされる1stアルバム『be noble』収録の40mP書き下ろしによるオリジナル曲「ひとちがい」を初披露。これまで作家陣による書き下ろし曲を歌ってきたシユイが、自身の内面にフォーカスした歌詞だという。ここでは、自分という複雑なページを1枚ずつ丁寧に捲っているように見えた。力強さだけでなく、繊細さも兼ね備えた歌声が心に深く響く。自身の想いが込められたこの新曲は、シユイの音楽性における新たな一面を提示するだけでなく、今後の音楽活動における大きなターニングポイントとなる可能性を秘めている。「1stワンマンライブが昨年11月で約半年ぶりのワンマンライブだったので、久々に友達に会うような感覚でいて。今日のMCで話すことはあまり考えていなかったんです。皆さん一人一人のお顔を見たら、本当に友達に会った気持ちになりました。デビューしてまだ間もないのに、すごく豪華な1stアルバムを出すことも決まって、これからも、たくさんの方々に楽曲を届けられるようにもっと頑張らないとなと、本当に思います!」シックなメロディーラインと電子音が心地良い「君君舞」、最後に披露された「ハピネス オブ ザ デッド」で、感動的なアンサンブルと「皆さんの毎日がもっともっとときめきますように!」という熱いエールが贈られる。最後までシユイから湧き出る熱量は止まらなかった。この日、10月14日、東京・ZeppShinjukuにて3回目のワンマンライブを開催することを発表したシユイ。今年の夏には、東海地区最大のライブサーキット“SAKAE SP-RING 2024”や「リスアニ!」×「802 Palette」による“リスパレ!LIVE vol.1”への出演も決まっている。自身の感覚に繊細だからこそ、そのときにおける“生モノ感”を表現できるシユイ。彼女の才能に、たくさんの人が期待を寄せている。今後、その表現力がますます磨かれていく過程を私達は目撃することになるだろう。そう思えた夜だった。■LAWSON presents シユイ 2nd Live「シユイさんといっしょ #02」<セットリスト>M01. ONIM02. ハイスクール・オブ・ザ・クレイジーM03. ドーベルマンM04. GLOWM05. カトレアM06. 時計のエスコートM07. エピローグM08. あんたがたどこさM09. メルトM10. 妄想感傷代償連盟M11. パープルハイブM12. フォニイM13. 世界は恋に落ちているM14. レインM15. RE RE REPLAYM16. MercuryM17. ラブコールM18. 君よ 気高くあれM19. ひとちがい(新曲初披露)M20. 君君舞M21. ハピネス オブ ザ デッド●ライブ情報LAWSON presents シユイ 3rd Live 「シユイさんといっしょ #03」会場:東京都 Zepp Shinjuku(TOKYO)日程:2024年10月14日(月)開場/開演:16:30 / 17:30料金:全自由 ¥5,500(税込/ドリンク代別/整理番号付き)チケット受付中:https://l-tike.com/shiyui/●リリース情報「ひとちがい」 デジタル配信2024年5月8日(水) ALより先行配信サブスク:https://smar.lnk.to/3VYQchMV:https://youtu.be/a10df6-fuww1st アルバム『be noble』2024年5月22日(水) CD発売https://smar.lnk.to/047JkB関連リンクシユイ オフィシャルサイトhttps://www.shiyui.jp「リスパレ!」オフィシャルサイトhttps://funky802.com/lispale/