【特集】「学園アイドルマスター」七瀬つむぎ(有村麻央役)イン...の画像はこちら >>

【その他の画像・動画等を元記事で観る】

アイドルマスター」シリーズの6年ぶりの新ブランドとなるアプリゲーム「学園アイドルマスター」(以下、「学マス」)が、5月のサービス開始以降、大ヒットを続けている。ヒットの要因は様々あるが、“アイドルへの挑戦状”をテーマに掲げた楽曲の数々もそのひとつ。

近年の音楽シーンを彩る多才なコンポーザーたちが参加した、アイドル作品の枠を超えた楽曲たちは圧倒的なインパクトを残している。リスアニ!では、各アイドルの1stシングルリリースを記念して、楽曲や音楽面にフィーチャーしたキャストインタビューを実施。今回は、幼い頃から歌劇のスターに憧れ、自身もかっこいい王子様系アイドルを目指している3年生・有村麻央役の七瀬つむぎに話を聞いた。

INTERVIEW & TEXT BY 千葉研一

誰にも渡さない!私が絶対に演じるんだ!と挑んだオーディション

――キャスト発表の生配信「初星学園HR 最終日!」で、七瀬さんはご自身の声があまり好きではなかったと話していました。プロデューサー(「アイドルマスター」シリーズのファンの呼称)の声を代弁して言いますが、とても素敵な声だと思います。

七瀬つむぎ ありがとうございます!

――麻央役に選ばれたことで、自分の声に対する意識が変わったそうですね。

七瀬 はい。麻央を演じるうえで、あまり声を作らないようにしているのですが、生配信のときにプロデューサーの皆さんから「声がすごくいい」「素の声が麻央だ」と言っていただいて、この声で良かったと実感しています。この声だからこそ麻央に出会えたのかなと思うと、嬉しい気持ちでいっぱいです。

――そういう意味でも、麻央との出会いは運命的だったと思いますが、オーディション資料で最初に麻央を見たときはいかがでしたか?

七瀬 資料には“白パンツスタイルである制服姿の麻央”と“かわいいスタイルの麻央”が両方載っていて、かっこいいし、かわいいので、「何だこの子は!?」と思ったのが第一印象でした。私は元々、女性キャラだとかっこいい系を好きになりがちなので、見た瞬間に絶対受かりたいと思って。設定に目を通したら自分自身と重なる部分も多く、「誰にも渡さない!私が絶対に演じるんだ!」という気持ちが大きかったです。

――そのイラストと設定から、麻央をどのように役作りしてテープオーディションに臨んだのでしょうか?

七瀬 麻央は3年生だけど、まだアイドルとしての活動が上手くできていない。

でも、子役のときから憧れていた、かっこいい王子様系のアイドルになるんだ!という強い意志は3年間変わらず持ち続けていると思ったので、その強い意志を大きく出すようにしました。

――「学マス」メインプロデューサーの小美野日出文さんによると、オーディションではかっこ良さを前面に出した声にする人が多かったそうですが、七瀬さんはそうではなかったと。

七瀬 確かに、かっこ良さを出すために低い声にしようとは考えなかったです。私自身、普段の声が低い方なので、別に低くしようと意識しなくてもいいんじゃないかと思って。そのままの声で挑んで上手くいったので良かったです。

――その後のスタジオオーディションで、さらに意識したことはありますか?

七瀬 がむしゃらだったので、ちょっと記憶は薄いのですが、柔らかく演じようと思いました。私自身、真面目な部分もあるので、その真面目さがいい塩梅に麻央と一致したらいいなとも思っていて。あとはとにかく楽しんで演じようと。ブースに1人という緊張感もありましたが、少しずついい意味で気を抜いて演じることができたかなと思います。

――歌唱オーディションの方はいかがでしたか?

七瀬 麻央ならどう歌うかを意識しつつも、セリフと同じように歌もあまり作り込み過ぎず、等身大で表現しようと臨みました。最初はかっこいい要素を多めにしていたのですが、ディレクションをいただいて、かわいい要素、微笑んでいる優しい要素、3年になってやっとここまでこられた達成感や多幸感……様々な表情を表現するように意識しました。

――事前に考えていた麻央と、少しイメージが変わった部分もありそうです。

七瀬 そうですね。かっこ良く歌うと表情が固くなりがちだったのですが、もっと色んな表情を出していい子なんだとすごく思いました。

――その後、面接もあったそうですが、印象的だった質問や会話を教えてください。

七瀬 包み隠さず自由にお話するなかで、ご飯の話題にもなりました。私はその頃、食べ放題に行っていっぱい食べることが多かったので、「1人でうどん2人前とおにぎりを食べました」とか「ホールケーキを1人で全部食べた」とか、そういう話をしたのを覚えています(笑)。近くにお薦めのうどん屋さんがあると教えていただき、オーディション後にやり切ったと思って、るんるんでうどんを食べて帰ったのを覚えています。

――そういうことを経て、見事麻央役に選ばれたわけです。合格の知らせはどのような形で受け取ったのでしょうか?

七瀬 事務所に呼び出され、さらっと「受かったよ」と言われて(笑)。麻央には自分に近いものを感じていたので、すごく嬉しかったです。

――作り込みすぎなかったのも良かったのでしょうね。

七瀬 そうだと思います。これからずっと寄り添っていくわけですし、素に近いというか、表現しやすい役に選ばれて嬉しいです。

――しかも、麻央は初めてオーディションに受かった役だとか。

七瀬 そうなんです。スタジオオーディションまで進めたこと自体が2回目で、役に合格したのは麻央が初めてでした。なので、収録や諸々の経験は「学マス」が初めて、ということが多いです。

――「学マス」は挑戦的な楽曲も多いですし、最初からいきなり鍛えられていますね。

七瀬 はい。ビシバシとやっていただいています(笑)。でも、すごく楽しいです。

憧れの声優は「アイドルマスター」シリーズのキャストも務めるあの人

――七瀬さんは元々「アイドルマスター」のことはどの程度知っていたのでしょうか?

七瀬 すごく詳しいわけではなかったですが、「アイドルマスター シンデレラガールズ スターライトステージ」はプレイしていました。なので「まさかこんな日がくるとは……!」という気持ちでいっぱいです。

――では、特にお気に入りのアイドルや楽曲を教えてください。

七瀬 最初はなかなか決められなかったですが、初めてガシャでSSRをお迎えしたのが一ノ瀬志希ちゃんで、それがきっかけで志希ちゃんのことがすごく好きになりました。私、猫が大好きなので、彼女のちょっと猫っぽい口もすごくチャーミングで好きです。

――「にゃはは~」って笑い方がかわいいですよね。

七瀬 本当にかわいいです。特に好きな楽曲は「Tulip」(速水 奏、塩見周子、城ヶ崎美嘉、宮本フレデリカ、一ノ瀬志希)で、振りも真似していました。

――合同ライブとかで麻央が「Tulip」を歌ったら、めちゃくちゃ似合いそうです!

七瀬 私も歌って欲しいです!他にも、「Love∞Destiny」(佐久間まゆ、北条加蓮、小日向美穂多田李衣菜緒方智絵里)や「アンデッド・ダンスロック」(松永 涼、白坂小梅)、「バベル」(一ノ瀬志希、二宮飛鳥)、「VOY@GER」(THE IDOLM@STER FIVE STARS!!!!!)が好きで、かっこいい系やロック、ちょっとダークな感じの曲が好みなので、いつか麻央にそういう曲を歌って欲しいなと思います。

――「アイマス」以外ではどんな音楽を聴いて育ったのでしょうか?

七瀬 小学生の頃はAKB48さんが大好きで、テレビに出ていると一緒に歌って振り真似をしていました。中学以降はアニメやゲームにどっぷりはまって、アニソンや声優さんの楽曲、ボーカロイドの曲も聴くことも多かったです。

あと、ちょっと路線は変わりますが、母がhyde(HYDE)さんのことを好きだったので、家では幼い頃からL’Arc~en~CielさんのMVやライブ映像がずっと流れていて、車でもL’Arc~en~Cielさん、HYDEさん、VAMPSさんの曲をよく聴いていました。私も母とライブに行くぐらい大好きです。

――生配信で、趣味・特技は「ライブ・舞台鑑賞」と書かれていましたが、そういうライブだったのですね。

七瀬 はい。あとは声優さんのライブも好きで、ペンライトや拳を突き上げて楽しんでいる側でした。

――声優では誰に憧れていたのでしょうか?

七瀬 上坂すみれさんをすごく応援していました。

声優になりたいという夢が固まったのも、この方たちに出会ったことが大きいです。

――上坂さんはアナスタシア役で、「アイマス」シリーズのキャストでもありますから、一緒のステージに立てたらいいですよね。

七瀬 夢です。いつかその日が来ることを待ち望んでいます。

麻央と私は共通点が多く、自分のことのように感じます

――もうひとつ聞いておきたいのは、メガネ愛についてです。生配信でもメガネ好きのアピールが飛び抜けていましたが、メガネはいつ頃から好きになったのですか?

七瀬 気づいたら好きになっていましたが、本格的に好きだと感じのは、多分高校からです。中学のときは思春期なのも相まって、コンタクトにしたいと思っていた時期がありました。結局コンタクトにすることはなかったですが、そこから色んなキャラクターを知るうちにメガネがすごく魅力的だと気づいて。メガネキャラを好きになることが多くなり、自分でもメガネやメガネの雑貨を集めるようになりました。

――「学マス」のゲーム内でも、プレミアムミッションパスの報酬にメガネが登場しましたね。

七瀬 もう本当にありがたいです。すぐ買いました(笑)。

――さらに、特技の「手芸」も話題で、生配信で着ていた衣装が自作だったのもすごいです。

手芸を始めたのは上京してからとのことで。

七瀬 はい。本格的に始めたのは上京してからです。でも、元々、母や母方の両親が服飾系のお仕事をしていたんです。家にはミシンがありましたし、昔から母が洋服を手作りしてくれていたので、母にできるなら私にもできるんじゃないかなと思って(笑)。他に特技がなかったので、極めようと思いました。

――麻央もプロフィールに「手先が器用」とありますし、やっぱり共通点が多いですね。

七瀬 そうなんです。たくさんあって嬉しい限りです。

――麻央と同じように、七瀬さんも背の低さがコンプレックスだったと話していましたが、身長が低いようには感じないですね。

七瀬 よく言われます。自撮りはバストアップが多いこともあって、160cmくらいありそうに見えるみたいなのですが、実際に会ってみると結構小さいので驚かれることが多くて(笑)。麻央みたいに牛乳をたくさん飲んでいたのに、身長はあまり伸びなかったです。

――他にも麻央との共通点や境遇が重なる部分はありますか?

七瀬 私はAKB48さんが好きでよく聴いていたこともあり、かわいさに憧れていた時期があって。でも地声が低いので、私の中でのかわいいイメージとのギャップがあったんです。麻央の場合は、逆にかっこ良くありたいけど見た目がかわいいというギャップがあって、理想とのギャップという意味で似ているなと思いました。他にも、甘いものが好きなところや、お化けが嫌いなところもすごく似ています(笑)。

――細かいところまで。

七瀬 そうなんです。シナリオを読めば読むほど、自分と似ているという気持ちが大きくなりました。それと、私は中学で生徒会長をしていたので、人前に立ってまとめる役割を担っていたところも、寮長である麻央と通じるのかなと思います。

――まさに麻央と一心同体といいますか、シンクロするところが多いですね。

七瀬 はい。本当に自分のことのように一緒に喜び、傷つき、これから先も色んな景色を見ていただけたらと思っています。

「Fluorite」は聴けば聴くほど麻央の色んな表情が見える曲

――ここからは楽曲のことをお聞きします。麻央の初ソロ曲「Fluorite」をいただいたときの第一印象から教えてください。

七瀬 イントロを聴いた瞬間から麻央の曲だとすごく納得したというか、麻央が歌っている姿を想像できました。これは麻央の曲だ!って。

――作曲・編曲のMoe Shopさんは、オタク文化とダンスミュージックを融合させた曲を作られる方で、「Fluorite」もダンサブルなナンバーになっています。こういった曲調に馴染みはあったのでしょうか?

七瀬 昔からボーカロイドが好きで、Perfumeさんを聴いている時期もありましたから、馴染みはありましたし、イメージもしやすかったです。低音がドゥンドゥンするかっこいい部分もありつつ、Moe Shopさんはかわいい要素も得意だとお聞きしていた通り、かわいさもたくさん散りばめられていて。曲を聴いて早く歌いたい気持ちでいっぱいでした。

――さらに、やぎぬまかなさんが書かれた歌詞は、理想と現実のギャップに悩む麻央のことを知っていると本当に心に響きますね。こちらの印象はいかがでしたか?

七瀬 もう言葉にならなくて、大切に大切にグッと噛み締めました。最初は麻央の人生だけを表現する気持ちだったのですが、レッスンをしていくなかで「悩んでいる人の心を軽くする応援する要素もある曲です」と言っていただいて。そこからは、後輩やファンの人たちにそっと寄り添い、大丈夫だよと手を差し伸べている姿もたくさん表現できるように意識しました。歌詞をプリントした紙には、ディレクションしていただいたことも含めて、びっしりと書き込みをして。それもいい思い出です。

――タイトルの「Fluorite」の意味は“蛍石”。蛍石は多彩な光り方をしますから、すごく象徴的だと感じます。

七瀬 そうですね。蛍石は繊細で壊れやすい性質でもあるので、歌うときも息成分を調整して繊細さを乗せるようにしました。特に最初と最後の“フローライト 内なるヒカリ”のところは、息継ぎをかなり意識したところです。

――馴染みのある曲調とはいえ、難易度は高かったと思いますが、レコーディングを振り返っていただけますか?

七瀬 あまり歌が得意ではなかったので、とても緊張しました。ただ、それを麻央に受け継ぐわけにはいかないので、「麻央は歌が得意なんだ!大丈夫!自信を持って……!」という気持ちが第一にありました。麻央はかわいい要素もかっこいい要素も、色んな魅力のあるキャラクターですから、レコーディングでもフレーズごとに「ここはイケメン要素多め」「ここは優しく寄り添う王子様要素多め」「ここはかわいい表情をたくさん乗せて」と表情を変えていて。聴けば聴くほど色んな表情の見える曲になったかなと思っています。

――特に印象的だったところを挙げるならどこでしょうか?

七瀬 やはり、先ほどお話した最初と最後の部分です。最初の“フローライト 内なるヒカリ”のところは一人語り的な感じで、最後の歌詞が“確かなヒカリ”になるところは、かわいい自分も認めたアイドルとして歌いました。

「Fluorite」のMVが公開されたとき、私もプロデューサーさんと同じようにリアルタイムで観たんです。そうしたら、最後にかっこいい麻央とかわいい麻央が一緒に歌っているシーンがあって。レコーディングで表現したところを、MVでもこうやって表現していただいたのが嬉しくて大号泣しました……今も思い出しただけで泣きそうになります(苦笑)。

――麻央は衣装もアシンメトリーになっていますし、かっこ良さとかわいさの両面あってこそですね。ただ、レコーディングをしながらキャラを固めていくのも難しかったのでは?

七瀬 難しかったです。初めてオーディションに受かった役でしたから、どうキャラ作りをすればいいか、そういう根本的なところから悩みながらやっていきました。スタッフさんたちがすごく優しくて、一緒に一歩一歩作っていけたので、とてもいいものになったと思います。

――「学マス」の現場はキャストとスタッフが一緒になって作っている感がすごく強いですね。

七瀬 本当にそう思います。一緒に模索しながら、本当に色んなやり方でアプローチさせていただいて。改めて演技の楽しさにも気づけましたし、すごくやりがいがあります。

――ゲームでのライブ映像を観たときはいかがでしたか?

七瀬 もう大号泣で、ずっと涙を拭きながら観ていました。私、麻央の(親愛度コミュの)シナリオがすごく好きで、自分自身も(ゲーム内の)プロデューサーさんの言葉に救われた部分があるんです。「特に芯の通った強い声質は、あなたにしかないオンリーワンです」という言葉は、グッとくるものがあったので、“True End”で楽しく自分らしく歌っている姿を観てめちゃくちゃ泣きました。

――さらに、この曲はポエムチックなセリフ部分もポイントです。一発OKだったという話ですが、こちらに関してはいかがでしたか?

七瀬 初手からポエムが入っているのは難易度が高いので、最初に聞いたときは「え?これをやるの!?」と思ってびっくりしました。実は、最初にいただいたポエムから少し内容は変わったのですが、“僕らと世界は反射する”“僕らは世界を吸収する”とあるように、これまで上手くいかなかった麻央だからこそ、ひとつひとつの言葉を丁寧に言うように意識しました。そうしたら、まさかの一発OKをいただいて驚きました。

麻央のシナリオに重なるフレーズを担当できて嬉しかった

――「Fluorite」だけでなく全体を通して、麻央として歌うときの芯といいますか、忘れないようにしていることがあれば教えてください。

七瀬 どの曲も色んな表情を乗せることが大事だと思っています。「キミとセミブルー」が一番わかりやすいですが、麻央が普段しなさそうな「キャピキャピの女の子!かわいい!」みたいなところをどう表現したらいいか。それを考えたときに浮かんだのが、麻央の“子役の経験”です。素の麻央だったら出さないかもしれないけど、かわいい女の子を“演じる”ならば出せる。役者をしていたからこその表現をたくさん出せるように意識しました。

――素の魅力プラス、演じている麻央の魅力があるわけですね。では、「キミとセミブルー」についても、曲の印象やレコーディングのことをお聞かせください。

七瀬 とにかく楽しかったです。でも、今お話ししたように、最初は麻央がどんな風にはっちゃけて歌うのか全然想像がつかなくて……。麻央なら、みんなが楽しんでいるところを見守る立ち位置だと思っていたんです。でも、そうではなく、一緒になってはっちゃけて欲しい、一緒にわちゃわちゃと夏を楽しんで欲しいとディレクションしていただいて。そこからは“サマーマ!”しました(笑)。

表情としては、この曲もかわいいところとかっこいいところが入り乱れています。“(ドキドキしたわ)”や“(頬に当たる)”、サビ前の“たしかめる?”などはとびきりかわいく歌っていますし、“キミも授業中でしょ いったい何をしてるの”や“一緒に抜け出しちゃおうか”は、王子様っぽいかっこ良さを意識していて。女の子を惚れさせるようなイメージで歌ったので、麻央Pの皆さんは恋に落ちてくれたんじゃないかなと思います(笑)。

――ソロコレクションCD『Season Solo Collection Vol.1「キミとセミブルー」』では、ソロ歌唱バージョンをフルで聴けますからね。シーズンイベントの曲「冠菊」は、また雰囲気がガラリと変わります。

七瀬 「冠菊」はひたすらかっこいい麻央が見られますし、麻央の声質にも合っていると思います。私自身も好きなタイプの曲調でしたから、ただただかっこ良く歌い上げました。曲中にはウィスパー要素もあって、そこはちょっと妖艶な感じが届いていたら嬉しいです。

――続いて、今回のシングルにソロ歌唱バージョンが収録される「初」と「Campus mode!!」のことをお聞きします。全体曲ということで意識した点もあると思いますが、まず「初」はいかがでしたか?

七瀬 「初」は、幼い頃からの憧れである「こういうアイドルになりたい!」という強い意志を第一に表現するよう意識しました。麻央は3年生ですから、“ゼッタイに負けない”“そんな時間はない”“たとえ苦しくて諦めそうでも 負けられない”といったフレーズも印象的で。これまでの葛藤や、乗り越えて前に進んでいく姿を表現できていたらいいなと思いました。

――歌詞はどのアイドルにも刺さる内容ではありますが、“私らしい姿を 目指したあの頃から”は、麻央を思い浮かべて聴くと本当にグッときました。

七瀬 私もこのフレーズはすごく好きです。まさに麻央のシナリオに重なる部分ですから。9人バージョンでこの歌詞の部分の歌割りを麻央が担当しているのを聴いて、本当に嬉しかったです。目指していた夢の通り、今では輝いている姿をたくさん見られて幸せですし、これからも一緒に頑張っていこうね!という気持ちでいっぱいになりました。

――「Campus mode!!」はとても賑やかな曲で、メインの歌以外にも録る要素が多いので大変だったと皆さんおっしゃっていました。最初に聴いたときはいかがでしたか?

七瀬 すごく楽しい曲調ですけど、それこそ歌詞の通り“なんだこれは!? なんなんだこれは!?”と思いました(笑)。楽しいけど、こんなの歌えるはずがない!って。何回も繰り返し聴いて、練習して。「ここのリズムはどうなっているんだろう?」「言葉が収まりきらないけどどうしよう?」と、すごく苦戦しました。「キミとセミブルー」よりも前にレコーディングしたので、この時点ではまだ麻央がどこまではっちゃけるのか自分の中で見えていなかったんです。 “yeah!”や“Fuu!”というフレーズも悩みましたが、ここはブースの中で試行錯誤して、手振りも一緒にやりながら全身で表現しました。私の中での麻央のイメージが広がった楽曲でもあります。

全編英語やミュージカル系の楽曲も歌ってみたい

――10月14日からはライブツアー“学園アイドルマスター DEBUT LIVE 初 TOUR -初恋公演-”がスタートします。一緒に出演する湊 みやさん(紫雲清夏役)、川村玲奈さん(篠澤 広役)とのレッスンの雰囲気や、意気込みをお聞かせください。

七瀬 レッスンではお互いに「めちゃくちゃいいじゃん!」と言い合って、和気あいあいと気持ちを高め合っています。それぞれの演じるアイドル自体が全然方向の違う魅力を持っていますし、声質も全然違うので、ソロ曲はもちろんですが、全体曲では歌い分けもしっかり感じていただける3人だと思います。“初声公演”“初心公演”に続いて、私たちは3番目なので、前のみんなのライブを観て「こういう風にしてみよう」というのが固まってきているので、それを上手く表現できるように頑張ります。

――ライブと言えば、初ライブツアー開催記念の3曲「がむしゃらに行こう!」「Howling over the World」「ミラクルナナウ(゚∀゚)!」は、歌ってみていかがでしたか?

七瀬 挑戦だったのは「Howling over the World」です。麻央の“役者要素”がより強く出ていると思っていて。レコーディングでも「王子的なかっこよさではなく、少年漫画の主人公を演じるように歌ってください」と言われたので、泥臭く、全身で感じるがままに歌いました。麻央の役者としての魅力をたくさん出せたんじゃないかなと思います。

――これは七瀬さんの声の魅力でもあると思うのですが、個人的には、はっちゃけた曲や熱いフレーズでも、どことなくお洒落な感じを受けるんですよ。

七瀬 嬉しいです。私自身、元々は勢い任せでパワータイプなところがあったんです。それがいい塩梅になるようにディレクションしていただき、今は武器として上手く活かすことができるようになってきたと思います。

――今後は、麻央としてどういう曲を歌ってみたいですか?

七瀬 歌いたい曲はたくさんあります。“THE ロック”みたいなかっこいい曲や、全編英語の曲も麻央に合うと思いますし、元々歌劇に憧れていたからミュージカル系の曲も歌って欲しいです。あとは、麻央とは路線が違いますけど、「世界一可愛い私」(藤田ことね)みたいにコール&レスポンスがたくさんあって一緒に盛り上がれる曲も歌えたらいいなと思っています。

――英語に関しては、七瀬さんの発音が良すぎて「英語が苦手」という麻央の設定を変更したという話ですし、ぜひ全編英語曲を聴いてみたいです。

七瀬 自分でハードルを上げてしまいましたが、歌えたら嬉しいです(笑)。

――最後に、コミュや他のアイドルとの掛け合いについてもお聞きします。麻央だとやはり藤田ことねや姫崎莉波との絡みが印象的です。

七瀬 掛け合いは、相手によって雰囲気が全然違っていて。莉波との掛け合いのときは「長年寄り添った老夫婦のように」というディレクションをいただきました(笑)。なので、そういう空気感をまとって、ゆったりまったり、お互い言わなくても通じるような雰囲気を出しています。ことねとの掛け合いは、てんやわんやで「トムとジェリー」みたいな感じです(笑)。そういう違いがすごく楽しいので、他のアイドルともどう描かれていくのか楽しみです。

――では、もっと絡んでみたいアイドルは誰でしょうか?

七瀬 広とはまだあまり絡んだことがないので、面白い絡みが見られるんじゃないかなと思います。(倉本)千奈や(花海)佑芽も面白そうですよね。3人に対して、やれやれってしている麻央を見てみたいです(笑)。

――補習組の3人との絡みはぜひ見てみたいです。ありがとうございました!

●リリース情報
初星学園
有村麻央 1st Single「Fluorite」
9月25日(水)リリース

品番:BNEI-00171
価格:¥2,500(税込)

<CD>
01 Fluorite
02 初 [有村麻央 Solo ver.]
03 Campus mode!! [有村麻央 Solo ver.]
04 Fluorite [Instrumental]
05 初 [Instrumental]
06 Campus mode!! [Instrumental]

関連リンク

「学園アイドルマスター」公式サイト
https://gakuen.idolmaster-official.jp/

【公式】アイドルマスター ポータル
https://idolmaster-official.jp/

編集部おすすめ