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声優アーティスト・伊藤美来が日常で感じたことを切り取り、私らしく文章にしていくエッセイ連載「伊藤美来のmoi!」。
「初めましての方や応援してくれている方にも、表面的な私だけではなく自分の頭の中を見てもらう気持ちで書いていきたい。
そんなオモイを込めて言葉を綴っていきます。
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旅をするのはどんな時だろう。一時期はあのウイルスのせいで海外はもちろん、国内を移動することも制限されていた。しかし近頃はだいぶ緩和され、私も仕事で海外に行くことが増えた。昔は海外や旅行にそれほど関心がなかった。というより、当時の自分の環境で精一杯生きるのに必死だったので、他の土地に興味を持つほどの余裕がなかったというのが正しい気がする。「みんなが行きたいって言ってるから私も行ってみたい~」的な軽めのノリ。なので学生の頃は英語の勉強も怠っていたし、海外の歴史などを調べることもなかった。必要だと思う日が来るなんて想像もしてなかった。はあ~、若い。これに関しては、どうしてもっと英語の先生の話を聞かなかったんだ、留学のチャンスを逃したんだ、と後悔するばかりだ。若い頃、何度か仕事で海外に行ったことがある。実は海外ロケはスケジュールが詰まっていることが多く、写真集であれば1日に5着ほどヘアも含めてチェンジをしたり、レストランで晩御飯を食べる姿や、ただ歩いてる姿もメイキングとして映像を回してもらったりする。海外のライブやイベントだと、少し余裕を持って現地入りができれば自由時間が取れるのだが、当時の私は海外という場所に緊張し、次の日の本番が気になりすぎて、その時間を心から楽しめていなかった。仕事では色んなところに連れて行ってもらえて、思い出に残ることがたくさんあったはずなのだが、私には1日がとてつもなく目まぐるしく、その土地の空気をしっかり感じることができなかったと思う。
しかし、あれから制限があった期間を経て、私もその数年で色んな経験を積み、年齢も重ねた。そして、一昨年くらいから海外にも行きやすくなり、海外でのお仕事も徐々に復活した。すると、自分の中で知らない街に行くことへの心の持ちようが変わったことに気づいた。お仕事も含めて旅なんだ。少しだけ心に余裕も生まれ、視野が広がったからか、その土地のことをもっと知りたくなったし、見たことのない景色を見てみたいと思った。目の前にある光景を目に焼き付けないともったいない、調べてみたらより一層面白く映るんじゃないか、と意識し始めた。遠出することへのイメージが数年前とガラッと変わった。
去年初めて、プライベートで海外に行った。仲良くしてくれているメイクさんとスタイリストさんと韓国へ。そう、女子旅というやつだ。やはり旅行だと自由度が高く、仕事で来た時とはまた違うその土地の表情が見られた。行く場所それぞれで発見も多く、素直に楽しかった。もちろんお仕事旅も記憶に残るものばかりだった。ニューヨークで観たブロードウェイミュージカルも、カナダの美しく歴史のある港や公園でくつろぐ人々も、上海の夜景になる前のほろほろと輝き始めた宝石のような夕焼けも、ハワイのカラッとした空気とビビットな青い海や大自然の緑も。その場所じゃないと見ることのできない、私の人生の財産になった。現地の応援してくれる方に会えるのはもちろん、現地で過ごす時間が自分の概念や考えをいい意味で破壊してくれる。文化の違いを楽しんで勉強して、よりその土地のことを好きになる。旅っていいな。もっともっと色んな場所に行ってみたい。
フィンランド……行きたいな。ずっと言ってるマルタ島にも。死ぬまでに絶対叶えたい。みんなが旅したいと思うのはいつだろう。誕生日や記念日、特別な時だろうか。私はなんてことない日に、ふと「あ、あそこ行きたいな……」と急に思いつく。そしてネットを開き、バーっとその国へ行くためのフライト時間を調べたり、お土産を検索する。あとは、現地で着たい洋服や泊まりたいホテル、行きたいパン屋を考える。そして最後に、行っている自分や家族を想像する……。すぐに海外旅行に行けるわけではないので、こうやって妄想で楽しむ。
▼お仕事でのハワイ。カメハメハ大王の前で。
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