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2025年2月22日・23日に東京・立川ステージガーデンにて、スフィアによるワンマンライブ“LAWSON presents スフィアライブ2025 「Welcome!!!!!」”が開催された。2020年2月の<LAWSON presents Sphere 10th anniversary Live 2020“スフィアだよ!全曲集合!!”>以来5年ぶりとなるワンマンとなったこの2日間。

ユニットの過去と現在というファンと共に歩んだ道を辿るようでもあり、同時にこの先の未来を示すような、寿美菜子、高垣彩陽、戸松遥、豊崎愛生の4人だからこそ作り上げられる空間を体験することができた。多くの歓喜と祝福、そして最高の“Welcome(ようこそ)”と“Welcome back(おかえり)”に包まれた5年ぶりの惑星直列から、2月23日の公演の模様をお届けしよう。

TEXT BY 澄川龍一
PHOTOGRAPHY BY 佐藤 薫

5年ぶりの再会はとてつもない熱量と共に

会場となった立川ステージガーデンには開演前からスフィアの楽曲たちが流れ、楽曲に合わせてペンライトが振られたり、お馴染みのコールがところどころで聞かれるなど、観客も5年ぶりの再会に準備万端といった様相を呈している。そんななか開演を告げるブザーが鳴り響いてしばらくしたのちに会場が暗転すると、ステージを隠すように降ろされた紗幕には巨大な時計が映し出される。文字盤の頂点に記されたのは周年を示す”15”の数字。やがて時計の時針、分針、秒針がその頂点で重なろうというところで、あのストリングスのイントロが流れる。そしてバンドの音が加わると、紗幕にはカラフルな球体のモチーフが散りばめられ、一際大きな円の中に寿、高垣、戸松、豊崎が現れる。そしてこの日の幕開けとなる「Shining days, shining stars!」が4人によって歌われた。同曲のMVを思わせる演出と共に5年ぶりのワンマンライブが、スフィアのデビュー15周年記念ソングで幕を開けるというのも感慨深い。客席はメンバーカラーのパープル、ピンク、オレンジ、グリーンと、ユニットカラーのブルーという5色が煌めく。対してステージ上の4人は銀色の衣装をまとってパフォーマンスするという、スフィアらしい宇宙空間が形成されていった。紗幕を半分ほど上げ、上部をLEDモニターのように活用しているのも新鮮だ。途中、寿が「立川のみんな、心を1つにクラップしましょう!」と叫ぶと、観客も歓声と拍手で応える。

久々のライブ、冒頭からステージと客席が一体となって盛り上がっていった。

続いてはイントロに大歓声が起こった「キミが太陽」へ。紗幕が全開となると、ステージ後方を覆っていた暗幕が解け、そこからバンド隊の姿があらわになる。タイトながら熱量の高いサウンドのなかで、4人も息の合ったフォーメーションを見せ、サビの最後にはお馴染みの“ありがと”が客席から響き渡る。続く「Planet Freedom」ではステージ後方に置かれた台車のようなハンドルがついた光る椅子が前方に運ばれると、そこに戸松が座ってパフォーマンスを披露した。

最初のMCでは高垣が音頭をとって「ご来場ありがとうございます!」と改めて再会を祝した。戸松が「この1ヵ月、ずっと気持ちが文化祭!」と興奮気味に語る。そして1人1脚用意された光る椅子それぞれに、戸松は“うに”で、寿は“ぶどう”、高垣は“生ハム”、豊崎は“メロン”とイメージカラーになぞらえた名前をつけていく。そして寿が昨日のステージの映像を観返して「泣いちゃった」と話し、「さらにそのライブを超える勢いで最高のライブを作っていきましょう!」と語りかける。高垣も観客に熱量高く語りかけたあと、「木曜会えるかな、金曜会えるかな、土曜“あWelcome!!!!!”、にち“ようこそ”ライブがあるよ、“Welcome!!!!!”だけに!」と相変わらずハイブロウなダジャレを展開。最後に豊崎が「皆さんのおかげでスフィア17年目に突入しました!」と言ったのち、「私たちもみんなに伝えたい気持ちたくさんあります。懐かしい曲も色々用意していますので、そこに乗せてみんなに思い切り届けたいと思います」と宣言した。

そんなスフィアらしいにぎやかなMCの後には「Now loading…SKY!!」へ。ステージ後方の階段を活かしたダイヤモンド型のフォーメーションでパフォーマンスし、続く「HIGH POWERED」でさらにボルテージを上げていく。お馴染みの“イカポーズ”も見られるなか、階段上部に座る戸松の両サイドにギターの平井武士とベースの平本陽一郎がネックを重ねて巨大なダイオウイカポーズを完成させて会場を大いに沸かせた。

豊崎による「ここからはゆっくり曲になるので」というMCの後、この日のグッズで販売されたフラッグを持って「風をあつめて」へ。フラッグがはためくなか4人の澄んだ歌唱が美しく響く。続く「らくがきDictionary」でもエバーグリーンな魅力がじんわり伝わるしっとりとした歌声を聴かせ、そこから「一分一秒君と僕の」へ。メロディアスな楽曲が続くブロックのなかで、4つの椅子を使ってメンバーが代わる代わる座ったり立ったりと、細かなフォーメーションを見せたのが印象的だった。

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17年目のスフィアが切り拓いていく未来とは

メンバーが退出した後は再び紗幕が降りて「スフィアからの挑戦状」と題した幕間映像が流れる。メンバーのワードやジェスチャーをヒントに、スフィアのどの楽曲について説明しているか観客に答えてもらうという、これもまた終始ハイテンションなクイズが展開されていった。

そんな映像を挟んでの中盤戦、紗幕に巨大な月の画像が映し出される。となると次の楽曲はもちろん「MOON SIGNAL」だ。紗幕越しに見える4人の熱量高いパフォーマンスに、観客も待ってましたとばかりに赤いペンライトを灯す。一気にボルテージが高まったところでこれもまた人気曲の「GENESIS ARIA」が流れ出し、会場はこのうえない熱狂に包まれた。

この曲序盤は戸松が階段上で座り、その下段で寿、高垣、豊崎が並ぶというローマ字の「A」のようなフォーメーション。そして終盤戸松が階段を降り、4人が紗幕の前で横一列に並ぶいつものフォーメーションとなって、サビのアグレッシブなダンスを見せながら歌う。紗幕に映し出されたエフェクト含む神々しいまでのその光景に、歓声は一層膨れ上がった。この日ならではとこれまでのステージングを合わせた本公演のハイライトの1つだろう。寿も「みんなの熱気のおかげで熱いです!」と興奮を隠しきれない様子。

MCを挟んで、スタンドマイクでエモーショナルに歌われる「スクランブルデイズ」のあとは、お祭りナンバー「Ding! Dong! Ding! Dong!」へ。ここでは戸松が座った椅子を豊崎と寿、高垣が押していくトレイン状態でマイクリレーを聴かせる。そこから戸松が「一緒に歌いましょう!みんなの歌声聴かせください!」と叫んで始まった「Future Is Now!」では、観客を交えてのシンガロングが聴かれた。4人のかっこいいフェイクが聴こえる余韻に続いて、さらにロッキンな「Sign」へと畳み掛ける。クライマックスに向けて熱気が高まるセットリストとなっていった。

そして本編最後のMCでは戸松が「ここからはラストスパートの時間になっております!」とアナウンス。そのあと4人が椅子に座ってこの16年を超えるキャリアを振り返っていく。

彼女たちの聖地・国立代々木競技場 第一体育館でのライブをはじめとした多くの思い出を語り合うと、そこから披露したのは「Super Noisy Nova」。メンバーの背後に紗幕が降りて、そこに今のメンバーのパフォーマンスと共に、これまでの「Super Noisy Nova」のライブ映像がシンクロしていく。16年にわたるスフィアのキャリアがステージ上に凝縮されたような、感動的なシーンが描かれていった。そこから「Non stop road」が続けざまに放たれ、ステージ上も客席もエネルギッシュなジャンプを見せた。そして本編最後はスフィア始まりの曲である「Future Stream」へ。4つのミラーボールが煌めくなか、今も色褪せることのない瑞々しい歌声と振付が見られる。最後は階段上部にて4人がお馴染みのポーズを決めて、感動的なエンディングを迎えた。

本編エンディングから数分を経てスタートしたアンコールは「スフィアともっと遊びましょう!」という寿の発言と共に走り出した「Music Power→!!!!」からスタート。ここで“新しい幕開け(ストーリー)”と歌われる結成10周年記念アルバム『10s』のリード曲が鳴らされるのはグッとくる。そこから戸松が「スフィアが感謝を込めて歌いたいと思います」と告げて「Sincerely」を座ったままで優しく聴かせる。そして最後は1人ずつ立ち上がって、改めてこの日の思いを語った。

豊崎が「またいっぱいみんなに会えるスフィアでいたい」と言えば、戸松も「これが最終回じゃない、これからも思い出を作っていくんだ。

17年目以降もスフィアと一緒にたくさんの思い出を作っていきましょう!」と宣言。寿は「毎回“今”のスフィアを、今だからできることを、今をみんなと楽しもうというのがこれからも、この先もずっとスフィアのテーマだと思います」と語り、最後に高垣は「みんなの存在が私たちの力です。どんな変化、進化があっても“楽しいね”って笑いながら、またこうやって笑顔で会いましょう!」と思いを爆発させた。そしてこの日最後には「LET・ME・DO!!」を観客とシンガロング。キラキラと紙吹雪が舞うなか5年ぶりとなるステージを終えた。

5年ぶりのライブはスフィアの4人からの“ようこそ(Welcome)”と、観客たちの“おかえり(Welcome back)”が入り混じった、16年余りのキャリアを共に歩むようなステージとなった。その一方で、最後にメンバーたちが語っていたように、彼女たちの歩むその先というものが変わらずあるということを示唆するものでもあった。高垣がこの日のMCの中で「かつてこんな声優ユニットはいない、パイオニアである」と言われたことがあると語っていたが、開拓者が切り拓く未来はまだ誰も予想できない未知の形をしている。しかしそれがどのような形であれど、スフィアという惑星は変わらず側にある。我々はその星々が再び並ぶ瞬間を待ち続けていきたい。

<セットリスト>
M01. Shining days, shining stars!
M02. キミが太陽
M03. Planet Freedom
M04. Now loading…SKY!!
M05. HIGH POWERED
M06. 風をあつめて
M07. らくがきDictionary
M08. 一分一秒君と僕の
M09. MOON SIGNAL
M10. GENESIS ARIA
M11. スクランブルデイズ
M12. Ding! Dong! Ding! Dong!
M13. Future Is Now!
M14. Sign
M15. Super Noisy Nova
M16. Non stop road
M17. Future Stream
EN1. Music Power→!!!!
EN2. Sincerely
EN3. LET・ME・DO!!

関連リンク

スフィア 公式サイト
https://sphere.m-rayn.jp/

スフィア 公式X
https://x.com/sphere_PS

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