今までリリースしてきたアルバム1枚ずつをコンセプトに、毎月1回、全12回の配信ライブとして全国、全世界、どこにいても体感できる配信ライブ“炎の12ヶ月”。リスアニ!WEBではそんな月イチオンラインライブをレポート!今回は『アイル』!■LIVE REPORTこの日のために作られたオープニングSE「Theme of アイル」で視聴者をアルバムの世界へと誘っていくと、鳴り出したのは「Re:member」だ。KEIGOのケガで活動を休止していたFLOWが再び集結し、メンバーとしての固い絆を確かめた、バンドにとっても大切な1曲。そんな1曲で幕をあけたアルバム『アイル』のライブ。熱くライブを彩ってきたナンバーに続いたのは、力強く響くロックがどこか切なさを持つ「Carry on」。オーディエンスのライブへの想いが並んだチャット窓に「三十路」の文字が次々に打ち込まれていく。そう。40代の男たち(一人は50代)による「Smells like thirty spirit」だ。リリース当時よりも脂の乗った大人の男の弾ける歌声とバンドの音に心が躍る。「FLOW炎の12ヶ月『アイル』へようこそ!」とKEIGOが声をあげる。初のパワステ(日清パワーステーション)のステージに上ったFLOW。KOHSHIのハットにサングラス姿、という現在のスタイルはこの『アイル』からだったと話すKOHSHIに画面の反応も盛り上がる。「思いっきりみんなで盛り上がって、最高の熱で締めようと思っています!」そんなMCに続いたのは大人っぽさのある都会的な「Welcome to my misery」。ジャジーなベースラインとピアノの旋律、そしてユニゾンで聴かせていくサビメロは印象的だ。さらに続いたラテンのエッセンスいっぱいに作られた「冬の雨音」によってFLOWがただ真っ直ぐにロックンロールを放つだけではない、表現力の探求を止めないバンドであることを感じさせる。飛び交う電子音の中でギターのフレーズが鋭く響く中でドラマチックに展開していく「Answer」がその美しいメロディラインと共に響いた。「いいですね。目の前にみんなのコメントが見れるって」とKEIGOとKOHSHI。この会場では画面に打ち込まれたオーディエンスからのコメントが見えるのだ。「日清パワーステーションさんの威力をヒシヒシと感じます」(KOHSHI)雰囲気のある曲での演出も彼ら自身非常にぐっときたと話す。映像でも楽しめる仕様となっている彼らのライブに、ここでwyolicaのazumiがゲストとして呼び込まれる。当時同じ事務所の先輩後輩だったという彼ら。出会った当時のことを話すazumiとKEIGO、KOHSHI。後輩であるFLOWの様子を楽しそうに話すazumiは笑顔。そんなazumiを迎えての「陽だまり feat.azumi from wyolica」。以前、渋谷公会堂のFLOW THE PARTYでも歌ったことがあるというこの曲がライブで歌われるのは非常に珍しいということで、貴重な機会に。厳かな雰囲気ある音が柔らかな空気を感じさせるミディアムチューン。1つ1つの言葉をそっと差し出すように歌うKEIGOとKOHSHI、そして透明感と独特の清涼な色あるazumiの歌声が名曲を紡ぎ、FLOWの魅力をさらに広げる、そんなパフォーマンスだった。バラードやスロウな曲が多い『アイル』からさらにつま弾かれるギターと語りかけるボーカルとで綴っていく「太陽の唄」が響き出し、繊細に歌が紡がれていく。美しく壮大なストリングスとピアノの音とが沁み出すように響くとコメント欄が「泣かせにきている」と喜びの声が並ぶ。イントロから感動が約束されたと言っても過言ではない珠玉チューン「椿」。KOHSHIが柔らかな歌声を聴かせるとそっと寄り添うようなKEIGOの声が重なっていく。会場のLEDによる演出も相俟って大きな感動へと繋がっていった。初めての日本武道館ワンマンに向け、1年半をかけて全国ツアーを敢行していた当時の思い出を語るFLOWの面々。しばしバラードを聴かせてきたライブは「思いっきり楽しんで締めますよ!」とKEIGOが声を上げて「NIGHT PARADE by FLOW ∞ HOME MADE家族」へ。MVがバンドの後ろに映し出されているためにHOME MADE家族も共に参加しているようなファンク感たっぷりのライブに。盟友・HOME MADE家族とのコラボでKEIGOとKOHSHIのファンクなカラーも引っ張り出されるような、そんなボーカルを聴かせた。FLOWを一歩も二歩も前進させたと言っても過言ではない「COLORS」へ。TVアニメ『コードギアス 反逆のルルーシュ』のオープニングを飾った名曲は今も色褪せることなく聴く者の心に青い空を呼ぶ。ヘビーにラウンドにイントロが轟くとそのままご機嫌なスカサウンドの「Just do it!」へ。軽妙なロックで画面の向こうのオーディエンスも拳を突き上げているはず。そして、「2020年大変なこともありましたが、最後はみんなで暴れ狂おうぜ!」とTAKEの声に心の中はモッシュにダイブだったはず。現状の困難も絶対に乗り越えられる。そんなFLOWの想いが形になった普遍の応援ロック「SURVIVE ~mission No.149~」では文字で「おーおーおー!」と全身全霊の声が上がる。世界の閉塞感をブチ破る意気あるナンバーに続いたのは開放感と爽快感に溢れたタイナミックなロックンロールナンバー「Around the world」。広がりあるサウンドと映し出された彼らの旅路の写真の数々に心が飛び出すような感覚を味わう。「こうやって配信でライブが出来て、みんなのコメントを見ていると、一緒にライブを作っているなと感じます。本当にありがとう。2020年、今日が最後のライブということで、本当に誰もこんなふうになると思ってもいなかっただろうし、こんなにもライブが出来ないときがあるんだ、と思ったと思う」とKEIGO。それでもどんな形でもいいからみんなと繋がれないかと模索したという彼ら。18年間ファンのみんなと作ってきた音楽、絆、ライブ。その全ての想いを届けるようにラストナンバーに「ありがとう」を、想いを込めて歌ったFLOW。あの初めての日本武道館の映像も流され、感動の瞬間がリアルに蘇った夜となった。ライブの真のラストはもちろん、みんなでライブで育てる「衝動」。いよいよ完成したコロナ禍を勢いよく吹き飛ばすラウドロックの真骨頂を披露して、2021年を予感させながらライブは幕を閉じた。配信ライブを届けることに特化したライウハウス・日清パワーステーションならではの、躍動感とライブ感を堪能させたこの夜のライブは2020年を熱く灯したのだった。<セットリスト>01. Re:member02. Carry on03. Smells like thirty spirit04. Welcome to my misery05. 冬の雨音06. Answer07. 陽だまり feat.azumi from wyolica08. 太陽の唄09. 椿10. NIGHT PARADE by FLOW∞HOME MADE 家族11. COLORS12. Just do it!!!13. SURVIVE mission No.14914. Around the world15. ありがとう16. 衝動■DISC REVIEW『アイル』2008年リリースの4thアルバムで、前作からはベストアルバムを挟んでなんと約3年ぶりのリリースとなったが、この間にFLOW史上最長となる約1年半に渡る全国ツアー“FLOW LIVE TOUR 2007-2008『アイル』”を敢行していた。そんなライブの中で育ててきた楽曲群が1枚のアルバムに集約されて完成した、まさに彼らのドキュメントアルバムというべき作品だ。ドラマ「探偵学園Q」のオープニングを飾ったデジタルビートとストリングスの音色とラウドなバンドサウンドが融合した「Answer」から幕を開ける本作は、TVアニメ『NARUTO-ナルト-』OPテーマでFLOW節炸裂のロックナンバー「Re:member」へと続き、まるでライブ序盤のような勢いと熱とを感じさせるも、次曲はラテンの雰囲気を散りばめた哀愁メロウナンバー「冬の雨音」に。編曲の亀田誠治による亀田マジックが余すことなく発揮された1曲だ。FLOW史上最もバラード曲が多いアルバムを象徴するような「椿」はピアノの音色としっとりと響く弦楽が胸に沁み入るナンバー。素直でストレートな言葉がジャジーなサウンドに乗り、ユニゾンに切なさ滲む「Welcome to my misery」までの、ライブでの緩急の緩さを感じさせたあとには力強く紡がれるビートで拳を上げ、ライブの密な空間を感じさせる「Carry on」へ。そしてFLOWのエレクトロロックの真骨頂「COLORS」が響き出す。TVアニメ『コードギアス 反逆のルルーシュ』のOPテーマであり、煌めきのポップメーカー・蔦谷好位置をアレンジャーに迎えたこの曲。色鮮やかなキーボードの音が散りばめられたドラマチックな展開が新たなFLOWのサウンドワールドを感じさせた。そんな1曲に続いたのはこれもまた色彩感豊かな「陽だまり feat.azumi from wyolica」。事務所の先輩であったwyolicaのazumiをゲストボーカルに迎えてKEIGOとKOHSHIも柔らかな歌声を聴かせる。三十路のハートを歌い上げたライブユースな「Smells like thirty spirit」ではFLOWらしい遊び心溢れるファニーな歌詞が印象的だ。ライブは終盤に加速していくもの。ツアー中に完成したアルバムもやはりライブ感たっぷりの仕上がり、とばかりに「SURVIVE mission No.149」ではアッパーなロックンロールでリスナーにも声を上げさせ、盟友・HOME MADE家族を迎えたファンク・パーティーロックチューン「NIGHT PARADE by FLOW ∞ HOME MADE家族」ではファンキーなビートの中でU-ICHIのスクラッチとKuroとMICROの軽快なラップ、そしてKOHSHIとKEIGOのアゲるボーカルで紡ぐ怒涛の絶妙ファンカヒップを聴かせる。そして熱いライブグルーヴはツアーで出会ったすべての人たちを1つにする旅人の歌「Around the world」で大きなパワーを感じさせるのだった。SUZUKI「SWIFT」のCM曲でもあった広がりある1曲に続いて、アコギで優しく紡がれるギターの旋律と語りかけるような歌が胸に温かく広がっていく「太陽の唄」が鳴り響き、ラストはこのツアーの最後を飾るFLOWの初日本武道館ライブまでの道程、そして武道館での時間を彷彿とさせるメッセージソング「ありがとう」で締め括られる。本作は、2007年から2008年の彼らの時間へと思い馳せるアルバムである。TEXT BY えびさわなち『アイル』2008年3月19日発売【初回生産限定盤(CD+DVD)】品番:KSCL-1235 ~ KSCL-1236価格:¥3,048+税【通常盤(CD)】品番:KSCL-1237価格:¥2,913+税<CD>01. Answer02. Re:member (Album Mix)03. 冬の雨音04. 椿05. Welcome to my misery06. Carry on07. COLORS (Album Mix)08. 陽だまりazumi from wyolica09. Smells like thirty spirit10. SURVIVE ~mission No.149~11. NIGHT PARADE by FLOW ∞ HOME MADE 家族12. Around the world (Album Mix)13. 太陽の唄14. ありがとう<DVD>MUSIC VIDEO01. Answer02. 冬の雨音03. NIGHT PARADE by FLOW ∞ HOME MADE 家族04. ありがとう05. Just do it!!!LIVE VIDEO from FLOW LIVE TOUR 2007-2008「アイル」at 新木場 STUDIO COAST01. Re:member02. COLORS03. AnswerBONUS MOVIE01. 冬の雨音/NIGHT PARADE by FLOW ∞ HOME MADE 家族 Music Video Making02. ありがとう Photo Shooting●公演情報FLOW SPECIAL ONLINE LIVE 全アルバム網羅 炎の12ヶ月Vol.4「アイル」12月26日(土)配信FLOW SPECIAL ONLINE LIVE 全アルバム網羅 炎の12ヶ月2020年9月26日(土)配信:SPLASH!!! ~遥かなる自主制作BEST~2020年10月26日(月)配信:GAME2020年11月26日(木)配信:Golden Coast2020年12月26日(土)配信:アイル2021年1月26日(火)配信:#52021年2月26日(金)配信:MICROCOSM2021年3月26日(金)配信:BLACK&WHITE2021年4月26日(月)配信:FLOW THE MAX!!!2021年5月26日(水)配信:26 a Go Go!!!2021年6月26日(土)配信:#102021年7月26日(月)配信:TRBALYTHM2021年8月26日(木)配信:???●リリース情報FLOWニューシングル「新世界」2021年1月13日発売【通常盤(CD)】品番:VVCL-1679価格:¥1,200+税【初回生産限定盤(CD+Blu-ray+グッズ)】品番:VVCL-1676~1678価格:¥3,000+税TVアニメ『シャドウバース』OPテーマ「新世界」先行配信中関連リンクFLOW 公式サイトFLOW 公式TwitterFLOW 公式YouTube