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“七色の歌声”で魅了するシンガー・シユイが2025年7月21日、東京・Veats Shibuyaにて、自身4度目のワンマンライブ“LAWSON presents シユイ 4th Live 「シユイさんといっしょ #04」”を開催した。昨年10月の“「シユイさんといっしょ #03」”から約9ヵ月ぶりとなるワンマンステージ。
TEXT BY 阿部美香
PHOTOGRAPHY BY hikari
ドラマチックな幕開けから7曲を駆け抜ける
開演の17時。暗転したステージに、シユイのテーマカラーでもある“青”のライトがぼんやりと灯される。同時に流れてきたのは、ポコポコと揺れるあぶくの音、そしてほのかに聴こえてくる何かの遠い鳴き声のような音……まるで海中に沈み込んだようなSEをバックに、西山ケイン(key/mani/バンマス)、伊佐次真大(ds)、富岡陽向(b)、Koki(g)、杉村謙心(g)、5人のバンドメンバーがゆっくりとポジションにつく。客席から拍手が起こり、かすかなつぶやきの声と共に、海の底から湧き上がるような壮大なシンセサイザーの音色が響き、赤いライトが点滅する。
そしてシユイが登場。バックライトを浴びて彼女の姿がシルエットになると、歪んだストロークが鳴り、両手を広げて歓声を受け止めたシユイが、“長い夢を見てた 冷たい闇の中で”と朗々と声を響かせて始まったOPナンバーは「ホロウ」。かすかな吐息もサウンドに変え、そこから激しく爆発するエモーショナルな歌声。彼女にしか出せない音空間。1曲目から激しく歌い、叫び、床に倒れ込むシユイ。感情渦巻くドラマチックな空間。ああ、やっとシユイに会えた!そんな想いに包まれる。間髪入れずに2曲目の「GLOW」へ。
1曲1曲、表情を変えながらステージは続く。シームレスに伊佐次のドラムがリズムを刻み、改めてシユイが挨拶。「声出して、ジャンプして、自分の好きなように楽しんでください!」とメッセージして、ブラスも弾む「ハピネス オブ ザ デッド」へ。お立ち台から飛び降りたシユイは、ステージを徘徊しながらクールなラップを刻み、美しいファルセットを響かせる。心地よいジャジーなメロディとミラーボールの光が降り注いだ「君君舞」では、オーディエンスがワイパーでシユイと一体になり、クールなメロを畳みかける「バームクーヘン」ではシユイがコケティッシュなボーカルを聴かせながら、リズミカルに腰を揺らす。そして軽やかに飛び跳ねながらの「BOOOM!!」。
秋リリース予定の新曲「inferior」を初披露!
7曲を立て続けに演奏したところで、ようやく最初のMCタイム。「シユイさんといっしょ #03」ではボブヘアにブラックの衣装だった彼女だが、今日の衣装は白一色のパンツスタイル。背中から右の肩口にかけて、ブルーグレーのシアーな布がふわりと袖に沿うようにたなびき、ふわふわのショートヘアにはラメが散りばめられてキラキラと光っている。まるで、ここではないどこかからやってきたボーイッシュな妖精のようだ。
「久々に会えて嬉しいですね。来てくださって本当にありがとうございます。よろしくお願いします」とシユイが語ると、客席からも「よろしくお願いします!」と礼儀正しい挨拶が飛ぶ。「今年も暑いですけど、皆さん、素敵な夏にしましょう」と言って、次のブロックへ。
“夏”というワードに良く似合う、アダルトで涼しげなイントロからスタートしたのは「麗春花」。語りかけるようなボーカルが起伏に富んだ弧を描き、漂うようなギターが余韻を残す。
もう一度、「久々に会えて嬉しいですな」と心からの声を何度も言葉に変えて、オーディエンスと想いを共有するシユイ。そして一度目線を下げ、大きく「新曲をやろうと思います!」と思いの丈を振り絞るように告げると、フロアから喜びの声が挙がる。曲名と共に放たれたのは、真っ赤なライトを浴びた「inferior」!ゴシックな香りが漂うエモーショナルなナンバーは、トイピアノのクラシカルなフレーズも耳に残る、シユイの奥深いボーカルが映える1曲。生々しくしゃくり上げ、叫び歌う彼女の声が胸に迫った。
ついに生で歌われたあのカバー曲にフロアがどよめく
「皆さんどうでしたかね?この『inferior』という楽曲は秋にリリース予定なので、皆さん、SNSなどでチェックしていただけたらと思います」の声に、もう一度歓声が巻き起こる。そして「毎年やってるんですけど、カバー曲をね!」と言葉を重ねると、オーディエンスから「おおっ!!」とまたも大きな声が挙がり、シユイも嬉しそうだ。“歌ってみた”がルーツでもある彼女らしい、ワンマンライブ恒例のカバー曲コーナー。今回お披露目された1曲目は、このライブ直前、シユイのYouTubeチャンネルに“歌ってみた”動画もアップされていた164の「天ノ弱」。
「いかがでしたでしょうか?」と客席に問いかけると「最高―!」の声が飛ぶ。「良かったー! いつもは(カバーを)カラオケでやっていたんですけど、今日はバンドでアレンジしてくれて……ありがとう、ケインくん!」とバンマスの西山に、嬉しそうに声をかけるシユイ。そしてバンドの新しい仲間として改めてギターの杉村謙心を紹介し、他にもシユイを取り巻く音楽環境に新しい変化があったことを報告。「新しいことというのは、どんどんやっていかなきゃいけないですから!」と声を大きくすると、温かい拍手が贈られた。
セットリストもいよいよ後半戦。「行けるか渋谷!」とシャウトして、叩き込まれたのは「べらべら」!シユイが「カモン!」と煽ると、“ライライライライ”とフロアが大合唱。シユイがお立ち台の上で跳ね、テンポを変え、表現を変え、歌声を縦横無尽に響かせる。続く「ONI」では、2人のギターとベースがステージ前に並び、シユイと一緒にヘドバンをかます。
新しいことにどんどん挑戦していくシユイの決意
大きな「アンコール」の声、そして拍手。バンドが姿を現すと、その声は「シユイ!」のコールに変わる。「アンコールありがとう!」と笑顔でステージに走り込んでくるシユイ。お立ち台に飛び乗り、軽快なビートに乗って始まった「ラブコール」。“まあまあいいじゃん それもいいじゃん”と重なる声に、彼女は微笑みながらマイクを向けた。
MCではバンドメンバーを巻き込んで、オーディエンスとも会話しながらグッズを紹介。「買ってくれた人はどれだけいますか?」とフレンドリーに話しかけ、観客がシユイに身につけたグッズを見せると、嬉しそうに笑う彼女。歌っている時とはまったく違う、お茶目な表情を見せてくれるのもライブだからこそ。
「シユイの活動でも、noteを始めてみたりTikTokを頑張ってみたりしてるんですけど、新しいことって、本当に楽しいなと思っていまして。これからもまだお知らせできてない、いろんな新しいことが待っていますので、皆さんぜひ目を離さず、ついてきていただけたら嬉しいなと思います!」
そして届けたラスト2曲は「Mercury」と「はちみつ」。ジャジーな「はちみつ」で歌われた“きっと忘れない 忘れないまま”の言葉は、この日の楽しいライブそのものの景色に思えた。
この日、何度もオーディエンスに「ありがとうございます」と感謝の言葉を届け、深くお辞儀していたシユイ。今年秋には新曲「inferior」のリリース、そして12月21日には神奈川・横浜ベイホールにて初の「棗いつき×シユイ ツーマンライブ」の開催も決定している。唯一無二のシユイの歌声に触れるチャンスを、決して逃さないでほしい!
<セットリスト>
M1. ホロウ
M2. GLOW
M3. 不毛劇
M4. ハピネス オブ ザ デッド
M5. 君君舞
M6. バームクーヘン
M7. BOOOM!!
MC1
M8. 麗春花
M9. in
M10. ひとちがい
MC2
M11. インフェリア(新曲)
MC3
M12. 天ノ弱(164 feat.GUMI cover)
M13. 君の知らない物語(supercell cover)
M14. 眩暈(鬼束ちひろ cover)
MC4
M15. べらべら
M16. ONI
M17. RE RE REPLAY
M18. 君よ 気高くあれ
M19. オーバーラップ
ENCORE
EC1. ラブコール
EC2. Mercury
EC3. はちみつ
関連リンク
シユイオフィシャルサイト
https://www.shiyui.jp
シユイオフィシャルX
https://x.com/Shiyui_0111
シユイオフィシャルYouTube
https://www.youtube.com/channel/UCx36iGYN8RNvCHRTgEecjnQ