リスアニ!本誌で好評だったOP・EDレビューがプチ復活! 今回は現在放送中の2021年1月クールのアニメの中から、厳選した6作品のOP・EDテーマを紹介します。いずれの楽曲も、作品とリンクしつつアーティスト各自の個性が発揮されており、アニメ音楽ならではの化学反応が楽しめるものばかり。
音楽的にも幅が広い、新鮮かつ魅力的なこの12曲をチェックすれば、きっとお気に入りの楽曲が見つかるはず!

『IDOLY PRIDE』

●OP「IDOLY PRIDE」星見プロダクション

作詞・作曲・編曲:清竜人

●ED「The Sun, Moon and Stars」 星見プロダクション
作詞:利根川貴之/作曲・編曲:沖井礼二

それぞれの信念を胸にアイドルの頂点を目指す女の子たちの熱い群像劇に花を添えるのは、物語の中心となる星見プロダクション所属の新人アイドルたちが歌うキャラクターソング。

OPテーマは、でんぱ組.inc、ももいろクローバーZらリアルアイドルへの楽曲提供でも知られる清 竜人が詞曲を手がけた、流麗なメロディに胸が躍る王道アイドルポップ。星見プロのメンバーを演じるのはミュージックレイン3期生を含む10人の若手声優ということで、二重の意味でのフレッシュさが眩しい。

それとはまた別種の光を放つのが、利根川貴之×沖井礼二のポスト渋谷系コンビ提供によるEDテーマ。太陽と月の輝きのもとに集った10個の星々によるウィスパー気味の柔らかな歌声が、星屑のように降り注ぐロマンチックな1曲に仕上がっている。


『SK∞ エスケーエイト』

●OP「Paradise」Rude-α
作詞:Rude-α・Lauren Kaori/作曲:EQ・SUNHEE・Rude-α/編曲:EQ

●ED「インフィニティ」優里
作詞:優里/作曲:優里/編曲:CHIMERAZ

スケートボーダーたちの青春ストーリーとあってか、高橋 諒による劇伴およびASH DA HEROらが歌う劇中歌を含め、音楽面においてもストリート感溢れるアプローチがスタイリッシュな本作。

新世代ラッパーのRude-αが歌うOPテーマは、彼にしては珍しくパンキッシュな要素をミックスしたアップリフティングなトラックに乗せて、型にはまらず自由を謳歌する自らの矜持を示した熱い1曲だ。“路上から paradise”というラインに作品とのシンクロも感じる。

一方、「ドライフラワー」のヒットで注目を集めるシンガーソングライター優里の初アニメタイアップとなるEDテーマは、レゲエ調のバックビートがまったり心地良い友情ソング。その歌詞は暦とランガといった劇中のキャラクターたちの絆はもちろん、彼らとその相棒であるスケートボードの関係性にも置き換えられるはず。


『弱キャラ友崎くん』

●OP「人生イージー?」DIALOGUE+
作詞・作曲:田淵智也(UNISON SQUARE GARDEN)/編曲:田中秀和(MONACA)

●ED「あやふわアスタリスク」DIALOGUE+
作詞・作曲:田淵智也(UNISON SQUARE GARDEN)/編曲:広川恵一(MONACA)

弱キャラ高校生が人生という名の神ゲー攻略を目指す、人気ラノベが原作のTVアニメでOP・EDを歌うのは、田淵智也が音楽プロデュースを手がける声優ユニットのDIALOGUE+。

OPテーマではデビュー曲「はじめてのかくめい!」に続き田淵×田中秀和(MONACA)のタッグが実現しており、レトロゲー風ピコピコ音をまぶしたギミック満載(特に2番以降がすごい!)のハイテンションサウンドもさることながら、「頑張れ」という言葉でさえセンシティブに扱われるこの時代において、あえて“がんばって!がんばって!君の時代だ!”と歌うその真っ直ぐさに完敗、いやさ乾杯!

広川恵一(MONACA)編曲によるゆるふわフューチャーベース仕様のEDテーマも、サビのドロップ的な展開などギミック満載(こっちも2番以降がすごい!)だし、まだあやふやながらも日々成長している彼女たちの姿と作品の内容が重なる名曲だ。



『2.43 清陰高校男子バレー部』

●オープニング・テーマ「麻痺」yama (MASTERSIXFOUNDATION)
作詞・作曲:TOOBOE

●エンディング・テーマ「Undulation」崎山蒼志(ソニー・ミュージックレコーズ)
作詞・作曲:崎山蒼志/編曲:立崎優介・田中ユウスケ

弱小男子バレー部が様々な軋轢を乗り越えながら全国大会を目指す姿を描く、王道のスポーツ青春アニメだからこそ、良い意味でどこか青さを感じさせる期待の新鋭の彼らが本作のテーマ曲を担当することになったのだろう。

オープニング・テーマを歌うyamaは、2020年、「春を告げる」のバイラルヒットで瞬く間に時の人となったシンガー。独特の色気と品格を帯びた中性的な歌声は、金管楽器を大々的にフィーチャーしたファンク調の本楽曲においても青く燃えており、不器用な青春のあがきを後押ししてくれる。

そしてエンディング・テーマを歌う崎山蒼志は、生々しくも生命力溢れる表現で異彩を放つ弱冠18歳のシンガーソングライター。今回の「Undulation」は彼の昔からのレパートリーのため、作品に寄り添って書かれたわけではないが、切れ味鋭い言葉とオルタナティブフォークなサウンドが紡ぎ出す強烈な“うねり”に作品との共鳴を感じるはずだ。


『バック・アロウ』

●OP「dawn」LiSA
作詞:LiSA/作曲:草野華余子、堀江晶太/編曲:堀江晶太

●ED「セカイノハテ」斉藤朱夏
作曲:ハヤシケイ(LIVE LAB.)/作詞:ハヤシケイ(LIVE LAB.)

谷口悟朗(監督)×中島かずき(シリーズ構成)×田中公平(音楽)という座組みの時点でただならぬ作品になることが約束された本作。

舞台となるのは壁に囲まれた世界、その外を目指す主人公の名前がバック・アロウ(=バカ野郎)と、ある種、閉塞した時代に風穴を開けてくれるような物語が期待されるが、そのニューエラの“夜明け”を高らかと示してくれるのが、LiSAによる2021年最初の新曲「dawn」だ。堀江晶太のアレンジによる豪快なリフが牽引するトランシーなデジタルロックと、LiSAの全ての壁を叩き壊すような歌声は圧巻の一言。

一方の斉藤朱夏が歌うEDテーマは、“世界の果て”を否定的な意味合いではなく、自分自身の新しい世界の始まりとして捉えた技ありの爽快ロック。ハヤシケイらしい優しい眼差しに満ちた歌詞が沁みるし、主役の溌溂とした歌声にも元気をもらえることだろう。


ゆるキャン△ SEASON2

●OP「Seize The Day」亜咲花
作詞・作曲:永塚健登/編曲:立山秋航

●ED「はるのとなり」佐々木恵梨
作詞:佐々木恵梨/作曲・編曲:佐々木恵梨・中村ヒロ

アウトドア女子たちのゆるっとしたキャンプライフを描いた人気シリーズの第2期主題歌は、第1期で好評だった亜咲花と佐々木恵梨が続投。

第1期のOPテーマ「SHINY DAYS」を作詞した永塚健登が詞曲、同シリーズの劇伴音楽を手がける立山秋航が編曲を担当した「Seize The Day」は、ジャクソン5風味だった前作に続き、往年のソウル/ディスコミュージック(特にフィリーソウル)からの影響を感じさせる軽快なポップチューンに。
タイトルの「Seize The Day」は「今を生きよう」といった意味で、詞・曲・歌のどこを切ってもポジティブバイブス全開!

「はるのとなり」は前作のEDテーマ「ふゆびより」と同じく佐々木と中村ヒロの共作で、打楽器は一切なし、アコギやストリングスなどで構築された、ブリティッシュフォークに通じる優しくもどこか幻想的な風合いが、まるで音の森林浴といった趣きのマイナスイオン曲。それではおやすみなさい、Zzz……。

TEXT BY 北野 創(リスアニ!)


関連リンク
『IDOLY PRIDE』公式サイト『SK∞ エスケーエイト』公式サイト『弱キャラ友崎くん』公式サイト『2.43 清陰高校男子バレー部』公式サイト『バック・アロウ』公式サイト『ゆるキャン△ SEASON2』公式サイト
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