アイドルマスター SideM」のイベント“THE IDOLM@STER SideM PRODUCER MEETING WELCOME TO PLEASURE 315 G@RDEN!!!” DAY1が2021年3月13日、武蔵野の森総合スポーツプラザ メインアリーナにて開催された。

【画像】その他ライブ写真など

DAY1にはDRAMATIC STARSより天道輝役の仲村宗悟、Jupiterより天ヶ瀬冬馬役の寺島拓篤、Wより蒼井悠介役の菊池勇成、FRAMEより握野英雄役の熊谷健太郎、木村龍役の濱健人、信玄誠司役の増元拓也、彩より華村翔真役のバレッタ裕、清澄九郎役の中田祐矢、神速一魂より紅井朱雀役の益山武明、黒野玄武役の深町寿成、High×Jokerより伊瀬谷四季役の野上翔、秋山隼人役の千葉翔也、若里春名役の白井悠介、冬美旬役の永塚拓馬、榊夏来役の渡辺紘、Cafe Paradeより神谷幸広役の狩野翔、もふもふえんより岡村直央役の矢野奨吾、橘志狼役の古畑恵介、Legendersより葛之葉雨彦役の笠間淳、北村想楽役の汐谷文康、古論クリス役の駒田航が出演した。
寺島は事前に急性腰痛を発症したことが発表されており、体調に配慮した形での出演となった。

今回のイベントは現地会場+オンライン配信の形態で行なわれ、「アイドルマスター SideM」では久々の有観客開催イベントとなる。今般の状況に合わせ、会場での発声やコールはなし。協賛企業紹介ではあたたかい拍手が広がった。開演前には315プロ齋藤孝司社長と事務員山村賢による影ナレが会場を盛り上げた。齋藤社長の、1年ぶりにイベントを開催できた喜びや、困難な状況の中頑張ってきたプロデューサーたちへのパッションあふれるねぎらいに胸が熱くなった。

イベントオープニングでは、出演アイドルたちがステージに登場して「NEXT STAGE!」を披露。仲村が「今日は最高のパーティにしようぜ!」と宣言すると、配信画面では無数の星がこちらに飛んでくるAR演出が映し出された。衣装はパーカー風のカジュアルな感じが新鮮。古畑恵介が志狼の髪型をかなり忠実に再現していたり、狩野の髪色がかなり明るくなっているのが印象に残る。キャストたちからの一言挨拶は、本当に久しぶりのリアルイベントの開催と、プロデューサーたちとの再会を喜ぶ言葉であふれていた。

最初のコーナーは朗読劇。
陽光さわやかな屋外庭園を舞台に、ガーデンパーティの準備をするアイドルたちの姿が描かれる。庭園内には庭園迷路があり、Jupiterの御手洗翔太や齋藤社長が何やらたくらんでいそうだったりと一筋縄ではいかない様子だ。スクリーンには今回現地出演していないアイドルたちもキャラクター映像で登場し、ステージ上の演者たちと掛け合いながらの朗読劇となった。劇中にはお菓子作りチームが「ドーナツを作る」or「クッキーワッフルを作る」といった選択肢が表示され、現地Pや配信Pがどちらかを選ぶ双方向性のある演出も。お菓子作りはHigh×Jokerが中心ということで、ここではもちろん(春名が好きな)ドーナツが選ばれた。朗読劇ではユニットの枠を越えたアイドルたちの交流も多く、輝のダジャレに対するツッコミが不在だったりするのも楽しい。キャスト陣からも「彩とLegendersが絡むのは新鮮」といった感想があった。

「315プロデューサー会議」では、事前に行なったプロデューサーアンケートを紹介。ステージ上のキャストを入れ替えながら、ライブに持っていく必需品は? アイドルが緊張している時どうする? といったテーマに対するプロデューサーたちの愛情あふれる回答の数々を紹介した。緊張しているアイドルに、彼が仕事やレッスンで輝いていた時の写真を見せてはげますという回答を見た永塚が「思い出ボムですね……」と漏らしていたのが、流石ベテランアイマスプロデューサー(プレイヤー)という感じだった。テーマ楽曲アンケートも紹介され、“部屋でリラックスしたい時に聴きたい曲”では、FRAMEの「スリーブレス」が、“通勤・通学中に聴きたい定番曲”ではS.E.Mの「From Teacher To Future!」が1位に輝いた。各人がおすすめしたい楽曲話の流れでは、4月7日に「THE IDOLM@STER SideM NEW STAGE EPISODE:14 彩」のリリースを控えた中田とバレッタが新曲「装 -So Beautiful-」を熱烈アピールしていた。



ユニット初期曲あり、プロミ名物のシャッフルありのライブパート
ライブパートはソロメドレーからスタート。ライブパートでは白と緑を基調とした揃いのライブ衣装に着替えており、右肩を覆うゆったりとした布地が特徴的なデザインだ。トップバッターは狩野翔の「A CUP OF HAPPINESS」で、狩野はのびやかな歌声を気持ちよく響かせ、きらびやかな“素敵なステッキ”を軽快に操ってみせた。優しい笑顔と共に癒しのステージを繰り広げた狩野は「初披露の時もトップバッターだったので、懐かしくも新鮮な気持ちで歌えました」と語った。

菊池勇成の「”W”orldwide Ambitions!」は、Wが双子アイドルであるからこそ、ソロでのステージが新鮮だ。大きく手を振る振付に、会場いっぱいの黄色いライトが応援の気持ちを返していく。緊張のあまり最初に踏み出す足を間違えたという菊地は「いろんな想いをぶつけさせて頂きました」。

仲村宗悟は「THE FIRST STAR」を披露。ステージ狭しと動き回りながら会場中のプロデューサーに、配信の向こうのプロデューサーに向けて、ひとりひとりに語りかけるような情熱的なアピールを見せた。アウトロであざやかなターンから拳をつきあげる姿には、会場から自然と拍手がわきおこった。久しぶりのライブに仲村は「この感覚久しぶりだな、超幸せだな」と感慨深く語ると、「みんなとひとつになれた気がしました」と感謝を伝えた。

続いてはユニットメドレー。
赤と青のふたりがバックショットで熱い「宣誓!」をぶちかましたのは、もちろん益山武明、深町寿成の神速一魂による「オレたちの最強伝説 ~一世一代、破羅駄威棲!~」だ。インファイトで拳をかわしあうような最強ナンバーだが、昨今の状況をふまえて振付が一部変更されていたのは逆にレアかもしれない。

High×Jokerによる「JOKER↑オールマイティ」は、生感のあるバンドサウンドによるイントロが期待感を盛り上げる。さわやかな「Oh Yeah!」のリフレインと共に登場した5人が赤いタオルをぶん回すと、会場全体で赤い光が踊る。かつては若さと勢いを感じる楽曲だったが、表情を含めたパフォーマンスのクオリティや、スケールの大きな動きに確かな成長を感じた。これも長く歌い続けてきた初期楽曲ならではの感覚だろうか。歌い終えた5
人は会場の光の印象や、初期曲を歌う感慨を語りあうと、千葉翔也が「この曲での赤一色に最高にパワーをもらえた」とまとめていた。

楽曲投票でも人気だったFRAMEは「勇敢なるキミへ」を披露。ダイナミックなダンスと特撮ライクな歌唱が印象的で、ぐいっとポジションを下げたダンスや力強いキックの安定感が体幹の強さを感じさせる。間奏の凛々しい敬礼や、ソロダンスの旋風脚など目を奪われるシーンが続く。絶好調だったのが濱健人の歌声で、「今なら」の歌い上げが西城秀樹ばりにハスキーで色気がある。歌い終えた熊谷健太郎は「ペンライトが眩しすぎて涙がちょちょぎれた」と照れ隠しにおどけながら語っていた。


続くユニットメドレーはもふもふえんの「うぇるかむ・はぴきらパーク!」。矢野奨吾と古畑恵介のデュオバージョンだ。動きや表情のニュアンスのひとつひとつが本当にかわいらしく、声だけでなく全身を使った表現の洗練を感じる。間奏ではスクリーンにもふもふえんの集合写真が2種映し出されて「まちがいさがし」を行なう演出があったのだが、矢野演じる直央が「かのんくんの笑顔がすてきすぎる?」「志狼くんの笑顔がかわいい?」と間違える様子が天使のようにかわいい。控え目なかわいさと、かっこいい少年ならではのかわいさ、表現の対比が楽しめるのはデュオ編成ならではだった。間奏を含めたやりとりは、ふたりで一緒に考えながら演じたとのことだ。

彩はバレッタ裕、中田祐矢のデュオバージョンで「喝彩!~花鳥風月~」を披露、雅で力強いパフォーマンスを見せる。本来キリオが担当する「にゃんす!」のパートは、バレッタが手の動き付きで茶目っ気たっぷりに披露。間奏には動きのニュアンスを大切にした舞うようなダンスが入った。歌い終えた中田は間奏の進化に言及すると「さらに高みを目指して挑戦したい」と語っていた。

Legendersは「String of Fate」を披露。汐谷文康の歌声の甘やかさ、笠間淳のビターな低音、駒田航の朗々たる高らかさと歌声の個性が粒だっている。
間奏のダンスソロにも個性がのぞいていて、特に汐谷の素早い身のこなしと鮮やかな静止が生む動きのキレが際立つ。円陣で手を差し伸べ合い、力強く想いを通わせる姿を様々なアングルから見せる演出も印象的だった。歌い終えた3人は久々の披露にかなり緊張したそうで、直前まで振付確認をしていたことを笠間が明かしていた。

ライブ後半戦は楽曲シャッフル企画から。組み合わせや楽曲はプロデューサーによる事前投票で決定された。トップバッターは仲村宗悟、寺島拓篤、菊池勇成、狩野翔による「千客万来ニーハオサァカス!」! 仲村の力強い歌い出しや菊池の特徴的なボーカル質のアクセントなど、原曲との色の変化が明瞭で楽しい。“弛まぬ努力のハート”のフレーズでの狩野の控えめなウィンクがとてもキュートだ。寺島はボーカルのみで参加し、4人揃ってのパフォーマンスとなった。歌い終えた狩野は「本番の俺らが一番最高だった!」と最高の笑顔を見せた。

「夜空を煌めく星のように」はもふもふえんとLegendersの異色のコラボレーション。美しいピアノの旋律と淡い逆光の中5人が並ぶと、共通衣装の効果もあって思ったよりおさまりが良くひとつのユニットのようだ。右腕を振り下ろすばってんダンスのシンクロ感がいい。
個性が溶け合ったサビの響きも新しく、コラボ感をとても強く感じさせる組み合わせだ。古畑の「い・く・ぜ!」の煽りからのラストの畳みかけでは、ステージから放たれる光が星となって画面をまばゆく満たした。

「流星PARADE」では彩とFRAMEがコラボ。ふたつのユニットが共に歌う合唱の趣きが強く、歌唱中の5人の笑顔が印象的だ。基調となるFRAMEの力強い低音の中に、彩、特にバレッタの艶っぽいニュアンスが時折覗くのが楽しい。映像演出では、ふたつのユニットを象徴する紫と緑の星がステージに舞う。アウトロのきらめいたピアノの音と共に5人がゆっくりと頭を振ると、その視線の先に流星が見えた気がした。MCで濱が「この曲めちゃめちゃ楽しいな!」と振り返ると、ライブ中に目線を合わせる動きについて盛り上がっていた。

「Compass Gripper!!!」ではHigh×Jokerと神速一魂が共演。どちらもコンセプト色が強いユニットだけに、清涼で力強いボーカル重視の楽曲でのパフォーマンスはとても新鮮だ。さわやかな歌唱表現を見せながら、要所や間奏の煽りでオラオラ感をにじませる益山のバランス感覚が面白い。歌い終えたステージでは「最高のコングリだった!」の声が飛び交い、白井はふたつのユニットが高校生同士であることを紹介。千葉は隼人としてシャッフルに参加することが初めてであることを明かすと、「3rdライブの仙台公演(THE IDOLM@STER SideM 3rdLIVE TOUR ~GLORIOUS ST@GE!~)でみんなが披露した姿を思い出して力をもらいました。楽曲に俺たちの新しい気持ちが乗りました」と語っていた。

そして、今回のライブならではのオリジナルな体験となったのが、狩野、汐谷、熊谷、バレッタ、渡辺、矢野の原曲メンバーが集った「ALL nOR NOTHING」の初披露だった。

画面に「BestGame~女神はどちらに微笑むか~」のロゴとカジノをイメージした映像が映し出されると、ドラマCD「Best Game 2~命運を賭けるトリガー~」で描かれた劇中劇をモチーフにしたストーリーがスタート。前半は画面の中のアイドルたちによるドラマ、後半はそれにステージ上での朗読劇が加わる構成だ。息詰まるポーカー対決や、予想外の人物の登場が物語を盛り上げると、クライマックスに重なるようにゴージャスなサウンドによるイントロがスタート。そのままシームレスに「ALL nOR NOTHING」のライブステージに突入した。それぞれの歌声の個性が見える構成で、矢野とバレッタが向かい合って質の違う艶っぽさを表現しあう姿に引きこまれる。動きや表情のひとつひとつがとてもスタイリッシュで、画面を撃ち抜いて眼差しを伏せる汐谷の表情がたまらなくセクシーだ。

ユーザー投票による作中劇企画から生まれた楽曲を、「ドラマ」と「ライブパフォーマンス」の両方で見せるのはとてもぜいたくな時間で、歌い終えたキャスト陣にとっても特別な経験になったようだった。

ラストには、出演者全員がそれぞれの想いがこもった挨拶を行なった。永塚の「ただいま」の言葉や、声を出せない観客全員の分までの想いを込めた益山の「バーニング!!」の叫び、矢野の「SideM大好きだ!」の独白などが記憶に残った。

イベントを締めくくるラストナンバーは、「DRIVE A LIVE」。一列に並んだ出演者たちが大きく手を振りながら、客席の光と心をひとつに、はじまりの楽曲を歌う姿は忘れられない光景になった。やはり、ライブは315だ。

Text by 中里キリ

THE IDOLM@STER SideM PRODUCER MEETING WELCOME TO PLEASURE 315 G@RDEN!!! DAY1
2021.03.13 武蔵野の森総合スポーツプラザ メインアリーナ
セットリスト
M01:NEXT STAGE!(全員)
M02:A CUP OF HAPPINESS3(狩野)
M03:“W”orldwide Ambitions!(菊池)
M04:THE FIRST STAR(仲村)
M05オレたちの最強伝説~一世一代、破羅駄威棲!~(神速一魂/益山、深町)
M06:JOKER↑オールマイティ(High×Joker/千葉、野上、白井、永塚、渡辺)
M07:勇敢なるキミヘ(FRAME/熊谷、濱、増元)
M08:うぇるかむ・はぴきらパーク!(もふもふえん/矢野、古畑)
M09:喝彩!~花鳥風月~(彩/中田、バレッタ)
M10:String of Fate(Legenders/笠間、汐谷、駒田)
M11:千客万来ニーハオサァカス!(仲村、寺島、菊池、狩野)
M12:夜空を煌めく星のように(矢野、古畑、笠間、汐谷、駒田)
M13:流星PARADE(中田、バレッタ、熊谷、濱、増元)
M14:Compass Gripper!!!(千葉、野上、白井、永塚、渡辺、益山、深町)
M15:ALL nOR NOTHING(狩野、汐谷、熊谷、バレッタ、渡辺、矢野)
M16:DRIVE A LIVE(全員)

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