千葉翔也、1度しかない特別な1stソロライブ“千葉翔也 1s...の画像はこちら >>

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2024年1月に1st EP「Blessing」でソロアーティストとしてデビューを果たした千葉翔也が、念願の1stソロライブ“千葉翔也 1st Live 2025「Living Streak」”を開催。最新アルバム『Streak』と同じく「光」をコンセプトに、ここまで制作した全楽曲を披露するこのライブ。

人生で一度きりの機会であるその瞬間に、自身の人生のすべてを歌に乗せ、力強く放った公演をレポートする。

PHOTOGRAPHY BY 草刈雅之
TEXT BY えびさわなち

千葉翔也の人生のすべてを乗せる1stソロライブ

まるで夏のロックフェスティバルに訪れているような、様々なジャンルのアーティストのサウンドがSEとなって流れるフロアの音が止むと、スクリーンに千葉が考案したひつじのキャラクターが登場。千葉自身の名前の一文字「翔」から「羽」のある「羊」として生まれたマスコットの名前が「ようようすけ」に決まったことがアナウンスされると、フロアは観客の笑顔と盛大な拍手に包まれる。そのまま開演にあたっての注意事項を読み上げたようようすけのコールから“千葉翔也 1st Live 2025「Living Streak」”は幕を開けた。

アンビエントなSEにギター、ベース、ドラム、鍵盤の音、そしてフロアのクラップのリズムも加わり、会場全体で紡ぎ出すジャムセッションのようなオープニングが始まり、その音に誘われるように黒い衣装に身を包んだ千葉がステージ中央に。そしてシンバルのカウントから「Brightness」が響き出す。最新アルバム『Streak』でも1曲目を担ったハードなロックンロールナンバーにフロアから歓声が沸いた。「『Living Streak』! 最初からトップギアでいくぜー!」と叫ぶ千葉が、疾走するビートに熱情宿るボーカルを乗せて会場を圧倒していく。「オイ!オイ!」とチャントが響く会場は白いペンライトの光も揺れた。軽快にギターが歌うようなイントロへと繋がり、オーディエンスの掛け声が沸くなか、「Contrail」へ。小気味良く刻まれるビートと千葉のボーカルにクラップも加わって、軽やかかつエモーショナルなメロディがフロアを浸食していく。パワフルな声からハイトーンで広がるサビへと駆け上がると、“Contrail=飛行機雲”をタイトルに冠した1曲の、飛び立つような勢いを持ったカラフルな歌声が観客を魅了していった。

苦悩した時間も胸に抱いて、共に未来へ

「ついに1stライブです!僕は楽しみにしていたんですけど、皆さん楽しみにしていましたか?」と声をあげる千葉にオーディエンスが応える。このライブではこれまで作ってきた楽曲のすべてを披露しながら、観客が「光」を感じて、明日から前に進んでいける、もっと目線が前を向くような、さらに千葉自身もそれを感じられるようなライブにしたいのだと語りかけると拍手が巻き起こった。

ここでバンドのメンバーを紹介。バンドマスターでキーボードの小幡康裕から、ドラムの堀越一希、ベースのIGO、ギターの上杉 悟が紹介され、最後に千葉が名乗ると一層大きな拍手と声があがった。勢いをつけた幕開けの後には、これまでに「もっとこうしたい」と葛藤を抱えていた頃の思いを、残さず曲にして未来へ連れていこうと作った楽曲たちで紡ぐと告げ、「Liar Game」からそんな葛藤の想い滲むパートに突入。ピアノの旋律が情感豊かにメロディを歌いあげるアッパーチューンを、真っ直ぐに、想いを込めて歌う千葉のボーカルが刺さる。続いたのは「You/Me」。爪弾かれるギターに合わせ、言葉を紡ぐように重ねていく千葉自身が作詞を担ったこの曲は、透明感あるサウンドがエモーショナルに響く中で伸びやかで感情深い歌声が苦悩と葛藤の果てに前進するように鳴り、もがくような慟哭にも似た歌声が胸を打った。続いたのは同じく千葉が作詞をした「I’ll be」。ポジティブな思いに満ちた瑞々しさある歌が響くと、“Wow Wow”とフロアの歌声も重なり、胸の透くような空気が会場を席捲していった。

立て続けに披露された3曲について語る千葉。かなり前に作られ、ライブで初披露となった「Liar Game」の話題では、ライブで聴くことを楽しみにしていたファンも多かった様子で、大きな拍手が沸く。歌詞を書く際に「その時の気持ちを正直に歌詞に残す」という千葉にとって、デビューを準備している頃の自分自身の覚悟や想いのすべてを刻んだ楽曲群だったのだとか。聴いた人の気持ちがほんの少しでも上向きになってくれるように、との想いを込めた音楽制作の中で、そのメッセージを持って制作された「I’ll be」を会場に集まったたくさんの観客に届けることができて幸せだ、と笑顔を見せた千葉。

続くパートでは肩の力を抜いて楽しんでほしいと話し、甘くも爽快なアカペラ「感情論」を歌い始める。歌声でステップを踏むような軽やかさのあるポップチューン。千葉が腕を右へ左へと振って見せれば、会場が一体となってそよ風を生むように手を揺らした。楽曲の中盤では低音でのポエトリーラップもスパイスとなって表情豊かなサウンドを彩り、千葉の持つ音楽のレンジの広さを見せつけた。続く「Night Thief」はスクリーンに流れゆく街の景色が映し出される。時間によって印象を変える街並みを背に、躍動するベースのビートとソウルフルな歌声とが響く都会的なダンスロックナンバーだ。躍るようなコーラスと共にペンライトの光もリズミカルに跳ね、グルーヴ感たっぷりなボーカルに耳を奪われる。バンドメンバーそれぞれのソロパートも加わり、千葉流の豪奢なパーティチューンという顔も感じさせた。大きな拍手を送られると、轟くスピーディなエレクトロの音。「国際フォーラム、遊べますか!?」と声をあげ、ハイトーンのフェイクから全貌を表したのは「逆さ絵」だ。アブストラクトなラップと艶めく歌とが交差するような遊び心に満ちたエキレントリックな1曲は、スクリーンにもパンチあるリリックが押し寄せるように刻まれ、VJの映像とのシンクロでも楽しませた。

“これまでの自身”を見せた前半から“これからの千葉翔也”のステージへ

ステージを降りる千葉。するとスポットの当たるステージの中央に置かれたマイクスタンドと響く波の音。

そこに千葉の穏やかな声が。それは静かな砂浜に立つ“僕”の言葉。砂浜で繰り広げられる対話は、千葉の描いてきた歌詞が散りばめられ、彼の描く世界が言葉として届けられるようなポエトリーリーディングだった。言葉が止まるとピアノが煌めく音を紡ぎ、ステージ後方の幕が開く。そこに出現したのは白い世界。そして白い衣装に身を包み、このライブのために新調したという白いテレキャスターを手にした千葉が姿を現し、「この光を持ち帰ってください。『パノラマ』」と曲名をコール。ストレートなロックンロールが響く。ギターを掻き鳴らす千葉も含め、バンド一体での疾風怒濤に鳴らすアッパーな1曲は千葉自身の作詞作曲によるもの。高らかに歌い上げる声に自然とフロアからはクラップが沸き、ラウドビートに重なっていく。叩き込まれるビートで会場を圧倒した後には「明日へ向かって進んでいきましょう!」と声をあげピアノロック「Youth」へ。メロディアスに奏でられるピアノをアクセントに軽快に歌い上げる千葉の伸びやかなボーカルが爽快に広がり、フロアの熱気を1つにしていくのを感じた。

「僕の人生をこの『Living Streak』に乗せるとなった時に、僕的には声優の仕事をしているということを乗せたくて。間に言葉を読むターンを設けさせていただきました」と語り掛ける千葉。この朗読はアルバムとライブのテーマである「光」について、今の千葉自身が感じる言葉を綴ったものだとか。ライブの中で声優活動を感じさせる機会となったことに達成感を感じていると言うと、フロアから拍手が送られた。衣装も白へと変わり、“これまでの千葉翔也”と“これからの千葉翔也”をライブの中で表現していきたいと語る。声優を夢見た時から歌をうたいたいとも思っていた自身が今日までどのような想いを持って進んできたのか。言葉にしながらも、ここまでのライブのパフォーマンスもまた千葉の過ごしてきた時間とその姿を体現してきていることに気付かされる。彼の言葉からも改めて“Living Streak”と銘打たれたこの1stライブが「人生を乗せたライブ」なのだと感じさせた。自身の想いを届けたMCパートからそのまま語り掛けるように「Best Wishes」が鳴りだし、ライブは次のパートへ。隣にいる人へと差し出すような言葉が情感宿る温かな柔らかさと力強さとを内包したバンドサウンドに乗ると、フロアはハートフルな空気に包まれた。「今日、こうやって見てくれている方は僕にとってめちゃくちゃ大切な人です。本当にありがとうございます」と千葉。

曲を作りながらどんな気持ちで歌うか、どういうシーンで聴いてほしいかを1つ1つ考えているという。そして、言葉についても真摯に向き合っている彼が、リスナーに、ファンに願うことを刻んだ1曲「WISH」へ。ギターを手にし、壮大なスケール感のロックンロールを伸びやかなボーカルで歌いあげる。

エモーショナルな2本のギターの旋律が絡み合い、鼓動のようなビートと色彩感豊かなピアノの音が重なっていく。バンドと千葉とでゆっくりと音を紡いでいく1曲はこの先きっとシンガロングなナンバーになっていくだろうという予感がした。ここでソロデビューから使っているギター・グレッチに持ち替えた千葉。静けさの中にあるフロアへと向き直ると「最後に、“はじまりの曲”を聴いていただきます」と告げ、鳴り出したのは力強さがたぎるストレートなロックンロール「Blessing」。“聴いてくれる人の背中を押したい”という想いと“昨日の自分が未来へと進んでいく”勢いとを併せ持つ、まさしく千葉翔也の“はじまりの曲”だ。ライブ感に満ちたこのナンバーではギターの上杉と背中合わせで演奏する場面もあり、千葉を含む1つのバンドとしての一体感をも感じさせるパフォーマンスにフロアのテンションも上昇。明るさや爽快さだけではない、切なさも宿しながら感情を露わにする歌にオーディエンスから「オイ!オイ!」と声があがる。そんな熱気で席捲した「はじまりの曲」でライブ本編は幕を閉じた。

鳴り止まないアンコールの声に応え、ライブTシャツ姿でステージに登場したバンドメンバー、そして千葉。

全員がライブTシャツ姿。ここで座席に用意されていた手形のついた団扇の出番だ。軽快なギターとドラムの音に誘われるように始まった「Hi-Five!」で手形の面をステージに向けて、ステージを駆ける千葉とハイタッチ!ステージとオーディエンスが一緒に楽しむ軽快なポップチューンで会場が一体となって共に歌声をあげ、クラップを鳴らし、ステップを踏みながら笑顔の花を咲かせた。「ものすごい速度で本編が終わって、自分でも驚きました」と言う千葉。「僕にとって1回しかない1stライブを皆さんと過ごせて本当に良かったです。これが僕にとってだけじゃなく、皆さんにとっても特別な日になっていることを祈ります」と言うと、特別な日、記念日は新しい服を着て歌いたいとこのライブのために購入したというストライプのシャツを羽織り、ハートウォーミングなミディアムチューン「Harmonize?」を歌いあげる。

名残惜しさを残しながらも、最後にはオーディエンスみんなを笑顔にする「Steps」を披露。前へと向かうパワーに満ちた1曲で、これからも共に歩んでいくことを約束する千葉。カラフルで爽快なロックナンバーで軽やかなボーカルで響かせると「明日からもずっと一緒にいてくれ!」の雄叫びと共に彼の1stライブは終演した。幕開けからアンコールの最後の楽曲まで、苦悩し迷った時間も、前を向く決意をしたことも、力強さも未来への想いもすべてを詰め込んだ「人生を乗せるライブ」として、ストーリーを持って展開していった“千葉翔也 1st Live 2025「Living Streak」”。千葉翔也の音楽活動はここからさらに未来へと続いていくのだと高らかに宣言するような、そんな一夜だった。

“千葉翔也 1st Live 2025「Living Streak」”
<セットリスト>
M01. Brightness
M02. Contrail
M03. Liar Game
M04. You/Me
M05. I’ll be
M06. 感情論
M07. Night Thief
M08. 逆さ絵
ナレーション
M09. パノラマ
M10. Youth
M11. Best Wishes
M12. WISH
M13. Blessing
アンコール
M14. Hi-Five!
M15. Harmonize?
M16. Steps

ライブセトリプレイリスト公開中
https://shoya-chiba.lnk.to/Living-Streak-setlist

関連リンク

千葉翔也 オフィシャルサイト
https://chibashoya.com/

千葉翔也 オフィシャルX
https://x.com/Shoya_Chiba

千葉翔也 オフィシャルX(アーティスト公式)
https://x.com/ShoyaChibaMusic

千葉翔也 オフィシャルYouTube

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