多彩なゲストを迎え、ヒット曲たっぷりの大盤振る舞い! 2日間...の画像はこちら >>

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2025年9月27、28日。埼玉県・さいたまスーパーアリーナにて開催された“オーイシSSA ~オーイシマサヨシ ワンマンライブ at さいたまスーパーアリーナ~”。

2014年「君じゃなきゃダメみたい」で鮮烈な“アニソンシンガー”デビューを果たしたオーイシマサヨシが、多彩なゲストを迎えて歌声を届けた2日間。ヒット曲たっぷりの大盤振る舞い! ガラリと違うセットリストと豪華な演出で、自身の“アニソン人生”をファンと辿り、未来に繋げた2daysを丸ごと振り返る!

TEXT BY 阿部美香
PHOTOGRAPHY BY 大参久人、二上大志郎、濱谷幸江

【DAY1】
ヒーローショーも健在!オーイシマサヨシのアニソン人生を一緒に体験するセットリスト

さいたま新都心駅の改札を抜けると、彼が特命広報アンバサダーを務める電力会社J-POWERの広告に描かれた大きなメガネのイラストが見えた。メガネの下の「みんなのおかげや。ここまで来れたで。」の文字が目に飛び込み、ずっしりとした感慨が早くも襲ってくる。けやき広場のフォトスポットには長蛇の列。ペデストリアンデッキ下に配置された各種のコラボキッチンカーにも、物販エリアにもたくさんの人が並んでいる。2日間ともチケットはソールドアウト。どれだけ多くのオーイシファンが、この2daysを楽しみにしていたことか。初日だからこそなおさら膨らむ、はやる気持ちを抑えながらアリーナに吸い込まれていく人々の後を追う。

開演前から終演まで、持てるアイデアを出し惜しみせず、全力でファンを楽しませてくれるのがオーイシ流だ。昨年の“オーイシ武道館”でも披露されていた開演前映像も、今回はニュースの街頭インタビューを演出した“覚醒”がキーワードのSSA仕様の新作に。客席からは大きな笑いが起き、「オーイシが人生をかけた覚醒を刮目せよ」とのメッセージが送られる。そして開演の18時。

再び会場は暗転。沸き上がる歓声をバックにスタートしたオープニングムービー。口上を担当しているのが声優中村悠一だと分かると、ますます会場の熱は高まり、「アニソン王の伝説を、皆でともに刻みましょう、いざ開幕です!」の言葉とともに、センターステージのせり上がりから笑顔で手を振りながらオーイシマサヨシが登場する。

オープニングナンバーは、彼のアニソンシンガーとしての矜恃を感じさせる「エンターテイナー」。ステージに座り込み、客席のクラップに身を委ね、まさに今この場所がそうじゃないか!という笑みを浮かべて、“1万を超える人が手を叩き大声を上げる なんてこった”と嬉しそうに歌う。お馴染みのオーイシバンド――ギター&バンマス・奈良悠樹、ドラム・髭白 健、ベース・工藤 嶺、キーボード・半田彬倫、トランペット・Atsuki (FIRE HORNS)、サックス・ヒロムーチョ、トロンボーン・Tocchi (FIRE HORNS)が待つメインステージに走り寄ると、「最高の1日にしようぜー!」と声を挙げる。メインビジョンの上手と下手に置かれた縦長ビジョンには、これもオーイシワンマンではもうお馴染み、配信視聴者の喜びのコメントがスピードを上げて流れ、伸びやかなオーイシの歌声が「インパ-フェクト」へと熱を繋ぐ。

大きく手を広げて「オーイシSSAへようこそ!アニソン界のおしゃべりクソメガネことオーイシマサヨシです!」と挨拶。いつものようにオーディエンスの大歓声を自虐を交えていじりつつ、「自分ら、ちょっと情緒おかしいんとちゃいますか? でも情緒おかしくなるのもわかるわ。だってここ、さいたまスーパーアリーナだもんね、エグない?」と笑うオーイシ。SSAは自分にとっては特別な場所だから、生半可な気持ちでは埋まるわけがないと思っていたからこそ「今日は人生をかけて、このオーイシSSAを楽しんでいきたいと思ってます。最後までどうぞよろしくお願いします!」と宣誓し、ユーモラスなMCを続ける。

そして「この方の成長とともに、僕はアニソンシンガーとして成長してきたなと思う」と言って、最初のゲスト、ウーリャを呼び込んで「オトモダチフィルム」を一緒にダンス。これまでもワンマンライブにはよくゲスト出演してきたウーリャだが、今回は2018年のMVと同じ衣装で登場。会場も沸きに沸き、続く「ギフト」では、ウーリャとオーイシダンサーズを引き連れてセンターステージに赴き、華やかなダンスショーを繰り広げた。

改めて「今回はゲストの方にも来ていただいて、オーイシマサヨシのアニソン人生をみんなと一緒に体験していく感じの内容になっています」とコンセプトを紹介し、続いての曲が「死んだ!」であることを告げる。この曲のMVにオーイシのそっくりさんを公募。その彼らが“オーイシナカヨシ”としてファンにも有名なことに触れ、客席に向かって「(オーイシ)ナカヨシって今日来てるの?」と問いかけると、4人中3人がいることが発覚。さっそく「お前ら、来い!」と呼び込むサプライズ!「こういうのって事前に声を掛けるはずなんやけど、ガチです。1人足りないっていうのがリアリティ」と笑いながら、ぶっつけ本番の見事な振りつけで「死んだ!」をパフォーマンスし、喝采を浴びる。

サプライズはまだ終わらない。MCの途中、不穏な鳴き声とともにステージに現れたのは、宇宙恐竜ゼットン!そしてオーイシが「大きな声で助けを呼べば、あの兄弟が助けにきてくれるハズです!」と先導し、『ウルトラマンR/B』の変身の合い言葉「オレ色に染めあげろ!」「ルーブ!!」を全員でコール。メインステージのポップアップからウルトラマンロッソとウルトラマンブルが飛び出し、勇壮な「Hands」をバックに、2人のウルトラマンとゼットンがバトルを繰り広げる。だが戦況は厳しく、ロッソとブルにピンチが訪れると……ついに2人が融合し、新たにステージにウルトラマンルーブが出現!曲のクライマックスにはゼットンを撃退し、オーイシとルーブが勇ましくガッツポーズを決める。

さらにもう1曲、ウルトラマンロッソとウルトラマンブルにウルトラウーマングリージョも参戦して届けたのは「Hands」のカップリング曲「ウルトラ Sing!!」。3人の仲間達は客席に降りて練り歩き、元気いっぱいにSSAをウルトラ色に染め上げた。

トロッコには“あの人”も!鈴木愛理と一緒に“あの曲”もカバー!

賑やかなヒーローショーから一転。次に放たれたのは「英雄の歌」。シリアスなMVを彷彿とさせるように、黒一色の背景に白い光とリリックが舞い、スモークが流れるステージで真っ白な衣装のダンサーが幻想的に踊り続ける。客席で揺れるのは白いペンライト。さっきまで繰り広げられていたヒーロー達の活躍に思いを馳せるかのように、“僕は救世主にならなくていい 世界を歌う主役より 君だけの英雄になりたい”と感情を溢れさせるオーイシの歌声は、ミラーボールから放たれる美しい光に鮮やかに溶けていく。そこからまた景色は一変。雄々しいコーラスと重厚な4つ打ちリズムが広がり、世界は黒から赤へと色を変える。センターステージに歩み寄ったオーイシを取り囲んだのは、妖しい和装のきつねダンサーズ。EDMな最新ナンバー「かごめかごめ」をクールに踊りながら歌い上げ、SSAをダンスフロアに変えた。

「久しぶりに(女性ファンの)黄色い声聴いたわ!」と言って、アコースティックギターを抱えたオーイシ。彼のファンにいかに男性が多いかをコール&レスポンスで確認し、「お風呂にする?ご飯にする?それとも僕と寝るー?」のセリフから始まったのは「枕男子」だ。

“電気消して”のコールで会場の照明が消え、オーイシによく似たローディーのタカザワくんが、オーイシと同じ衣装で登場するお馴染みの演出は健在……だったが、2度目の“電気消して”では、暗転の中で響く「こんな大舞台ですからね、さぞかし似てる人にスポットライト当たるんでしょうね」というオーイシのアナウンスに続いて、なんとセンターステージに彼と瓜二つの親戚、シンガーソングライター・大石昌良がせり上がりから登場し、「ファイヤー!」を弾き語りだす。火花を上げながらブルージーでテクニカルなスラム奏法を駆使し、パワフルな歌声をSSAいっぱいに響かせた大石の勇姿は圧巻だった。そして再び暗転。センターステージに戻り、スタッフと「バレてないバレてない」とオフマイクで小芝居をしながら、元に持っていたアコギをセッティングして再び「枕男子」へ。途中に挟み込まれたメンバー紹介のバンドセッションでは、オーイシを紹介する順番になってもう一度ローディーのタカザワくんが登場。一人二役のメドレーをトリッキーな演出で楽しませてくれた。

そしてまた会場は暗転。ステージのLEDビジョンに大きく「ソイヤッ」の文字が走り、「禊」の文字が書かれた白い半被の男の背中が映る。リズミカルな和太鼓の音と「ソイヤッ」の声にのって、ステージ下手からトロッコが出現し、ビジョンには「加藤純一参戦!」の文字が浮かぶ。トロッコに真剣な表情で座り込んだ加藤とそこに乗り込んだオーイシが一礼を交わし、「あとの祭り」がスタート。アグレッシブな歌詞で観客を煽りながら歌うオーイシと、厳粛な顔の加藤のコントラストに、会場を揺るがすような大歓声が送られた。そしてトロッコにオーイシが残り、弾むブラスがお祭り気分をさらに助長する「ギャンブリングホール」で会場をゴージャスに盛り上げた。

ダイナミックな演出はまだまだ続く。今度はビジョンに「お手持ちのペンライトをOFFにしてください」の文字が浮かび、ペンライトが消灯。軽やかなクラップとファンキーなカッティングギターに乗せて、スポットライトを浴びたオーイシがラップを刻む「エレクトリックパレード」へ。MVと同じようにダンサーズ(J-POWERマン)が着込んでいる作業服がカラフルなネオンカラーに発光すると、オーディエンスから「おおー!」と声が挙がる。そして曲がブレイク、ビジョンに「ペンライトをつけてください」と映し出されると、一斉に客席がイエローの光で埋め尽くされた。

めくるめく歌と演出の連なりを「立て続けでしたけども、脳みそ整理できてますか?」と話すオーイシに「最高!」と声が飛ぶ。「エレクトリックパレード」のスマホを点ける演出を「マジで街に光が灯っていく感じが、こちらから見てたらすごかった」と言うオーイシが、自分のスマホでもう一度、同じ光景を撮影するひと幕も。そして「ここでもう1人ゲストの方に来ていただこうと思います」と呼び込んだのは、鈴木愛理!ピンクのフリフリのミニドレス姿で彼女が登場するやいなや、客席のペンライトが一斉にピンクに変わる。10月8日から放送を開始する、鈴木愛理主演ドラマ『推しが上司になりまして フルスロットル』(テレビ東京)に、オーイシが主題歌として「一生☆キミ推し」を鈴木に提供したこと、オーイシがドラマにも出演することが報告され、温かな拍手が沸く。そして2人のデュエット曲「主人公になろう!」とTVアニメ『【推しの子】』挿入歌となったアイドルソング「サインはB」を軽やかに届け、キュートな魅力を振りまいた。

ライブアンセムを一挙に放出!SSAがひとつに!

名残惜しそうに鈴木がステージを降りると、「続いてもう一度、この方に登場していただきましょう」とアナウンスし、センターステージにやってきたのは加藤純一。オーイシと固く握手とハグを交わす。昨日も夜寝られず、「あとの祭り」の前は緊張で震えていたという加藤。

出会った頃、それぞれの業界の端にいた同士だった2人がビッグになって、こうしてSSAという大舞台で共演できたことを喜び、彼らは「泣きそう」と言葉を重ねる。いつものライブでは、録音した加藤のナレーションをバックに歌っていたが、「今日みんなに本物を見せてやりましょ!」と、披露したのはもちろん「ドラゴンエネルギー」。オーイシがプラカードを掲げてコールを呼びかけ、加藤が力を込めてパフォーマンス。肩を組み合った2人の笑顔に、会場は沸きに沸いた。

改めて、今日のゲスト陣を振り返り「すげーな。いろんな出会いがあったんだね。今日1日だけでめっちゃ自分の歴史のページをめくってるような気分。俺のアニソン人生ヤバすぎ」と微笑むオーイシ。「俺、まだまだアニソンシンガーやり続けます。うちのファンの方々は優しいからさ、俺のことをもう“アニソン王”だよと言ってくれるんですけど、僕は正直、まだまだアニソン王への道は遠いなと思ってます。ただ、これからみんなと作る未来の中で、すげぇ楽しい国、めっちゃ楽しい空間作り上げて、幸せなひとときをたくさん過ごして、その延長線上にアニソン王があるんだったら、いってみたくない? 俺たちの国を築き上げて、ここを幸せな場所にしましょう。そんな気持ちを込めて歌います」と、「ロールプレイング」を朗々と歌い上げた。そしてもう一度アコギを掻き鳴らし、「一言言わせてもらっていいですか? さいたまスーパーアリーナじゃなきゃダメみたいー!」と叫んだ本編ラストの1曲は、ファンへの思いを重ねる「君じゃなきゃダメみたい」。力強く美しいオーイシの声が、SSAを満たしていった。

待ち望んだアンコールは、白いペンライトに迎えられた「なまらめんこいギャル」からスタート。オーディエンスが一体となって掛け声を飛ばし、オーイシがギャルピースで応える。「これで1日目なの、ヤバない?明日、セトリガラッと変わんねんけど、どないしよう。俺、持つかなこれ。今日何回か意識なくしてるからね、マジで」と苦笑いするオーイシ。そして「でも、まだみんなは元気が残ってるみたいやから、ちょっと賑やかな曲やりましょうかね」と言うと、響いてきたイントロは「ようこそジャパリパークへ」。オーディエンスの大合唱と合いの手、そして頭上から舞い落ちるゴールドの花吹雪を、オーイシは嬉しそうに受け止める。そして高らかに右手の拳を突き上げて始まったのは、まさにファンと彼を一体にするアンセムソング「uni-verse」!センターステージから360度を見回し “ここが僕らのユニバース”と歌い上げるオーイシマサヨシと彼を包み込む大合唱。銀テープが降り注ぎ、いつの間にかメインステージに揃った今日のゲストたち。鈴木愛理も涙で頬を濡らし、歌い終えたオーイシも「ヤバいね、俺、ちょっと泣いちゃった」と感動を共有。ゲストを送り出したオーイシは、もう一度みんなのところに行きたいとトロッコに乗り込んで、何度も「ありがとう」の言葉を伝える。「ようこそジャパリパークへ」を再び合唱したSSAには、どこまでも幸せな空間が広がっていた。

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【DAY2】
オーイシのエンターテインメントショー、DAY2の幕開けは『アースグランナー』 OP主題歌から

DAY1の余韻がまだ冷めやらない“オーイシSSA”DAY2。開演前映像も“覚醒”をテーマにしつつも、映画の予告編を模した内容に。オーイシの狂気(?)シーンを寄せ集めた映像の数々に、笑い声が起こる。今日もびっしり埋まった客席に、早くもペンライトの赤い光が灯っている。開演時間の16時を回り、DAY1同様、オープニングムービーが流れる。今日のナレーションは、中村悠一の盟友・杉田智和が担当。勇ましい「アニソン王の伝説を、皆と一緒に作るのだ!」の声に客席から雄叫びが挙がり、オーイシを挟んでポップアップからメインステージに飛び出したのは『トミカ絆合体 アースグランナー』からグランナーRとグランナーK。曲はもちろん「世界が君を必要とする時が来たんだ」だ。すっくと立った2人のヒーローは、オーディエンスが放つ“ライドオン!”の声に、力強くポーズを決めてダンス。続くゲーム『A3!』にオーイシが楽曲提供した「MANKAI☆開花宣言」では、お得意のプラカード芸でオーディエンスのコールを求める。

爽やかなポップチューンからスタートしたDAY2も、もちろんチケットはソールドアウトの満員御礼。配信視聴者のコメントに「今日は昨日よりキレイ」とオーイシが笑い、DAY1は配信も大盛況でサーバが一度パンクしたという。そして、せっかく2日間あるのだから「同じセットリストで皆さんに臨むのもちょっと失礼かなと思って、今日は大幅にセットリストも変えまして。演出もめちゃくちゃ変わってます」と宣言。「続いての楽曲は、僕の持ち歌の中でも多分、一番知名度が高い曲。珠玉の名曲」と言って、ムーディーなトランペットソロから始まったのは「キンカンのうた2020」! KINKANのポリシーを早口でまくしたて、オーイシダンサーズとともに「キンカン」の瓶を手に踊る姿が楽しい(もちろん、商品のカメラアピールも忘れない!)。さらに昭和の夜のラテン歌謡テイスト満載の「沼」を披露。黒ずくめのダンサー達と妖しいステージを繰り広げる。

推しにのめり込む気持ちを歌った「沼」を受けてのMCでは客席の推しグッズに触れ、オーイシマサヨシのアニソンシンガー人生を振り返ると、オタクのみんなからいじられたり真似されたりがあってこそ、ここまで伸びることができたと回想し、「今日も、ちょっとそんなオタクをステージに上げたいなと思っている」と告げる。DAY1ではオーイシナカヨシをノーアポで合流させていたが、今日のターゲットは、「ギフト」のフリを完コピした動画がバズり、去年の“オーイシ武道館”にもオーイシからのムチャぶりで出演を果たしていた“2人組のオタク”!フロアで大きく手を挙げた2人に、オーディエンスも大興奮だ。センターステージに上がってパフォーマンスした曲は……もちろん「ギフト」! オーイシダンサーズに交じって、リハーサルもなしに堂々とダンスを披露すると、オーイシもオフマイクで爆笑。ラストは3人で肩を組んで喝采を浴びた。
一息ついたオーイシから、ここでもう1つ。この幸せな気持ちを「メディアに残したいじゃん!」と言って「今日は僕の方から懇願しまして。特別なことしたいなと思って、次の曲だけ撮影許可します」とサプライズな提案とともに届けられたのは「好きになっちゃダメな人」。オーイシは歌いながらフロアに降りて通路を歩き、ファンと温かに交流。笑顔と笑顔が重なり、幸せな空間を作り上げた。

Sound Schedule&REAL AKIBA BOYZ&Tom-H@ck!朋友と見た最高の景色

メインステージに戻り、アコースティックギターをスタンバイしたオーイシ。「こんなふうにたくさんの方に愛を注がれて、応えないわけにいかないでしょう。この愛をどうする?お風呂にする?ご飯にする?それとも僕と寝るー?」と、お馴染みのセリフに繋いで「枕男子」がスタートする。“電気消して”のくだり、DAY1は大石昌良が登場したあの場面、果たして今日は?……の予想通り、センターステージからバンドセットがせり上がって登場したのは、彼のミュージシャン人生の出発点である3ピースバンド、Sound Schedule!

エレキの愛器・ギブソンES-335TDを抱えたギターボーカル・大石昌良、タイトなリズムを刻むドラムス・川原洋二とベースの沖裕志が奏でるのは、もちろんあの名曲「ピーターパン・シンドローム」だ。彼らが大人への階段を上っていた2002年。大人になりたくないわけじゃない、夢のない人間にはなりたくないというメッセージを込めたと、当時大石が語っていたこの曲こそ、今の彼らとオーイシ/大石の音楽を愛してきたファンの心を射抜くナンバーになった。 “急行電車に飛び乗り 僕らがいた場所へ向かった”、“最終的に僕達は それぞれの道へと進んだ”、そして“どういう未来を待ってる? ねえどういう明日を夢見てる?”……彼らが飛び乗っていた急行電車は、紆余曲折を経て今、SSAという大きなステージに到着した。一緒に明日を、未来を夢を見ていた3人が集い、顔を見合わせながら歌い、演奏を終えてハイタッチを交わす姿に、思わず目頭が熱くなった。

バンドメンバー紹介のセッションを終え、ここからはオーイシの卓越した歌唱力と音楽センスを遺憾なく発揮するゾーンに突入。華やかなラテンナンバー「楽園都市」、巻き起こる歓声にダイナミックなハイトーンが天から降り注ぐ「碧い砲撃」。そしてハイテンションのダンスチューン「かごめかごめ」がエンディングを迎えると、バンドが静かでドラマティックなインストゥルメンタルを奏で、再びオーイシが笑顔で手を振り、トロッコに乗ってステージ下手の通路から登場!DAY1では祭りの山車のように飾られていたトロッコも、今日は装いを一変し、舵輪を掲げた船仕様に。曲はもちろん「黄金航路」だ。ファンサービス満点のオーイシに赤、青、黄色のカラフルなペンライトが振られ、“幸せに突き進む冒険の旅”を描いた「ロールプレイング」へ。“どこにいても広がる素敵な世界地図 「幸せ」という名の住所は僕らの中にある”と歌い、「そうだろ、さいたまスーパーアリーナ!」と呼びかけるオーイシに、大歓声が「そうだ!」と応える。その多幸感は「エレクトリックパレード」へと導かれ、きらびやかな光のショーへとエナジーを引き継いでいく。

少し息を切らせながらファンと掛け合い、MCなしで駆け抜けた6曲を振り返るオーイシ。中でも「エレクトリックパレード」のペンライトを消す演出は、オーイシが最初から実現したかったものだと言う。「あれ絶対やりたかったんですよ。っていうのも、電気とオタクって同じやなと思って」と語るオーイシ。電気が点いている場所の1つ1つに、1人1人の生活や人生があると思うと「1個1個の電気って、めっちゃ尊いなと思ってね。だからアニソン歌ってるときにオタクたちが灯すこのペンライトも、めっちゃ尊いんですよ」と言葉を続ける。だから一度ペンライトを消し、再び点ける演出で「みんなの存在を近くに感じられる」と考えたのだという。

そして「僕のアニソンシンガー人生の中で、この人たちに出会わなければ、きっとブーストしなかったんじゃないかなと思います。盟友です」とステージに呼び込んだのは、REAL AKIBA BOYZ(RAB)。まずはMVにも登場していた涼宮あつき、けいたん、DRAGON、ムラトミ、マロンとともに「なまらめんこいギャル」を届け、1人1人の見事なフリーダンスにオーディエンスが沸き、一緒に高くジャンプする。ハイテンションな「なまらめんこいギャル」に続いてもう1曲、美しいピアノとオーイシの伸びやかな歌声で察したオーディエンスが大歓声を挙げて始まったのは……Snow Manの佐久間大介にソロ曲として楽曲提供した「守りたい、その笑顔」の仮歌バージョン! RABのとぅーし、ゾマやかじゃない!、ネス、龍も合流し、“オタク用語”連発の歌詞に合わせてオーディエンスが大合唱。この日一番の盛り上がりを見せた。

RABを送り出したオーイシは「守りたい、その笑顔」を振り返り、佐久間大介本人が関係者席で一緒に全力で踊っていたのを見て「フリ、間違えてしもーたがな!」と苦笑い。カバーすることを許可してくれたことに感謝を述べた。一息ついて、ゆっくりとMCを続けていたオーイシだが、ここでスクランブルが発生する。DAY1のゼットンに続き、DAY2にはアニメ『SSSS.DYNAZENON』の咬文嚼字怪獣ガギュラが出現!戦闘開始の合図「バトル」「ゴー!」を掛け合ってオーイシが「インパーフェクト」を歌い始めると、ステージにはダイナゼノンが降臨。またも激しいバトルが繰り広げられ、ガギュラに押されたダイナゼノンがピンチを迎えたところにグリッドナイトが参戦し、力を合わせてガギュラを撃退。オーイシとダイナゼノン、グリッドナイトが高らかに拳を挙げて「インパーフェクト」を終えた……かと思いきや、今度はラスボス、怪獣発生源集合体マッドオリジンが襲い来る。
ダイナゼノンとグリッドナイトが去ってしまったステージ。オーイシが「誰か助けてー!ヒーロー!」と叫ぶと、そこに現れたのは、オーイシの相方でもあるTom-H@ck。「アクセス・フラッシュ」を合い言葉にして「UNION」が始まり、グリッドマンとマッドオリジンがバトル。さらには電光超人グリッドマンも参戦し、DAY2のヒーローショーとライブ本編を締めくくったのは、ギターヒーロー・Tom-H@ckの力も借りて今日のゲストヒーローたちが全員登場してド派手に盛り上げた「uni-verse」。センターステージに、シルバーの花吹雪が軽やかに舞い散った。

ただのモブを押し上げてくれたファンに感謝し、次なる野望へ

アンコールの声に応えてオーイシが再びステージへ。感謝の言葉を添えて奈良悠樹、髭白 健、工藤 嶺、半田彬倫のバンドメンバーを呼び込み、「そしてもう一度この方に登場してもらいたいと思います」とTom-H@ckを迎えるが、その顔を見てオーイシが「待て待て待て!バリ泣いてるやん!こんなTomくん知らんぞ!」と笑い出す。今日、バックステージでは何をしても涙が出てきていたというTom-H@ckが「だって12、3年前にさ、大石さんとご一緒してから……まさかさいたまスーパーアリーナに立つなんてさ」と感慨深げに言葉を紡ぐと、「でも、きっかけを作ってくれたのはあなたですよ」と感謝を告げる。「俺はTom-H@ckくんとまだ見たい景色があるで。これからも俺はずっとOxTをやりたいよ」とオーイシが語ると、またTom-H@ckの瞳から涙があふれてくる。

そして、ここだけはオーイシマサヨシではなくOxTとして1曲届けたいとオーイシが語り、「Clattanoia」へ!オーイシとTom-H@ckがハイタッチを交わし、真っ赤な照明と真っ赤なペンライトに彩られたハイパーチューンにオーディエンスが熱狂した。DAY2も終演が近づき、「かっこいい音に包まれてさ、最強のゲストに包まれてさ、頼りになるスタッフに包まれて、そしてめちゃくちゃおもろいオタクたちに囲まれて。いや、マジでこの2日間はヤバかった」と名残惜しさを口にするオーイシ。「俺、ステージ降りたらモブなんす、マジで」と語り、「こんな華やかなステージに、こんなビッグなステージに押し上げてくれてるのは、紛れもなくキミたちなんです。俺はこれから、マジでアニソン王目指すぞ。そして国造る。俺一人じゃない、みんなで作っていこう」「俺はずっとみんなと友達でいたいから、この距離でずっと突っ走るぞ。何言われても、ずっとみんなと一緒に並走していくからついてこい!」 と高らかに宣言した。

オーイシマサヨシのアニソン人生を、新旧セットリストでなぞって届けた“オーイシSSA”。ファンの心に、彼の作る音楽と彼の歌の素晴らしさ、そして類い希なるショーマンシップとエンターテイメント性を見せつけた2日間。その大団円を飾った曲は、「君じゃなきゃダメみたい」と「ようこそジャパリパークへ」だった。
DAY1の終演後には、2026年9月22日の“オーイシ武道館 Vol.3 ~オーイシマサヨシ ワンマンライブ at 日本武道館~”と、9月23日の“大石武道館 ~大石昌良 弾き語りワンマンライブ at 日本武道館~”の開催も発表。DAY2にはニューアルバム『仮歌Ⅲ』が2026年夏リリース予定であることも告知された“オーイシSSA”。鳴り止まない拍手と歓声、オーイシを呼ぶ声は、この空間を共有し、アニソン王の国造りへの第一歩を目撃した、すべての人の心に残り続けることだろう。

“オーイシSSA”
〈セットリスト〉
DAY1
M01. エンターテイナー
M02. インパーフェクト
M03. ギフト
M04. 死んだ!
M05. Hands
M06. ウルトラSing!!
M07. 英雄の歌
M08. かごめかごめ
M09. 枕男子 ~ファイヤー! by 大石昌良~
M11. あとの祭り
M12. ギャンブリングホール
M13. エレクトリックパレード
M14. 主人公になろう! feat. 鈴木愛理
M15. サインはB feat. 鈴木愛理
M16. ドラゴンエネルギー
M17. ロールプレイング
M18. 君じゃなきゃダメみたい
アンコール
M19. なまらめんこいギャル
M20. ようこそジャパリパークへ
M21. uni-verse

DAY2
M01. 世界が君を必要とする時が来たんだ
M02. MANKAI☆開花宣言
M03. キンカンのうた 2020
M04. 沼
M05. ギフト
M06. 好きになっちゃダメな人
M07. 枕男子 ~ピーターパン・シンドローム by Sound Schedule~
M08. 楽園都市
M09. 碧い砲撃
M10. かごめかごめ
M11. 黄金航路
M12. ロールプレイング
M13. エレクトリックパレード
M14. なまらめんこいギャル
M15. 守りたい、その笑顔
M16. インパーフェクト
M17. UNION
M18. uni-verse
アンコール
M19. Clattanoia
M20. 君じゃなきゃダメみたい
M21. ようこそジャパリパークへ

●イベント情報
オーイシ武道館 Vol.3 ~オーイシマサヨシ ワンマンライブ at 日本武道館~
2026年9月22日(火・祝) 開場17:00/開演18:00
会場:日本武道館
出演:オーイシマサヨシ
<チケット>
通常チケット 全席指定 ¥9,800 (税込)
車椅子チケット: 全席指定 ¥9,800 (税込)

大石武道館 ~大石昌良 弾き語りワンマンライブ at 日本武道館~
2026年9月23日(水・祝) 開場15:00/開演16:00
会場:日本武道館
出演:大石昌良
<チケット>
通常チケット:全席指定 ¥8,800 (税込)
車椅子チケット: 全席指定 ¥8,800 (税込)

関連リンク

大石昌良 オーイシマサヨシ オフィシャルサイト
https://www.014014.jp/

大石昌良 オーイシマサヨシ オフィシャルX
https://x.com/masayoshi_oishi

大石昌良 オーイシマサヨシ 公式スタッフX
https://x.com/014014_staff

オーイシマサヨシ オフィシャルYouTube

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