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声優アーティスト・伊藤美来が日常で感じたことを切り取り、私らしく文章にしていくエッセイ連載「伊藤美来のmoi!」。
「初めましての方や応援してくれている方にも、表面的な私だけではなく自分の頭の中を見てもらう気持ちで書いていきたい。
そんなオモイを込めて言葉を綴っていきます。
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私の家族にはピノという名のトイプードルがいる。目に入れても痛くないほど可愛いとはこのこと。人は大好きだけど犬同士のコミュニケーションは苦手な女の子。家族みんなを癒し、生きる元気を与えてくれる子。そんなピノと私はどうやって家族になったのか。伊藤家は犬とはまったく無縁の家族だった。正直誰も犬を飼うことに興味もなかった。学校へ行くときに散歩をしている犬を見かけることはあったが、触らせてくださいなんて言ったこともないし、「あ、散歩してるー」くらいにしか思わなかった。ただ別に嫌いというわけでもない。けれど、私はあまり犬に好かれるタイプじゃなかった。
ちょうどコロナが明け始め、世間も仕事が始まりつつあった頃。私はとても荒んでいた。いつまたこんな悲しく苦しい出来事があるかわからない、恐怖と隣り合わせの世界に絶望していた。
面会当日。日差しが強く蒸し暑い日だった。家族総出で(長男以外)その子がいる場所まで車で向かう。全員が初めてのことに車内にも緊張が走っていた。特に母から。ブリーダーさんの施設に着くと、すぐに見つけた。その子は私が想像していたよりも小さく、とてもおとなしかった。犬嫌いの母も抱っこして「小さい……」と何かを噛み締めていた。ブリーダーさん曰く、この子に会いたいと来た人が私の前に何組か来ていたらしい。なぜこの子がまだここにいるのか聞くと「一番早くに連絡をくれた伊藤さんにはちゃんと会ってもらいたいと思って」と……。
今となっては犬嫌いだった母は、ピノの毛繕いなどのお世話全般を笑顔で担当している。伊藤家では今まで流れたことのなかった動物番組が毎週録画されていたのには驚いた。父は毎朝お散歩に行き、ピノの朝ごはんを作っている。弟たちもこんな顔するの?というくらい毎日デレデレだ。私はというと、ピノが不自由なく暮らせるように外でお仕事頑張っている!ピノがうちに来てからいろんなことが変わったけど、すべてが愛おしい思い出だ。ピノもあっという間に年を重ねてきた。最後の最後までピノには幸せでいてもらわなければならない。あーこの家の子で楽しい犬生だったなぁと、ピノの自慢の飼い主になることが目標だ。
▼ピノトリミングまるまるバージョン◎
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