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TVアニメ『逃げ上手の若君』EDテーマ「鎌倉STYLE」、TVアニメ『負けヒロインが多すぎる!』OPテーマ「つよがるガール feat. もっさ(ネクライトーキー)」、TVアニメ『ババンババンバンバンパイア』EDテーマ「NE-CHU-SHOW」と、個性的なアニソンを次々とリリースしてきた“ひとりぼっちロックバンド”を自称する“地球外生命体”アーティスト・ぼっちぼろまる。そんな彼の最新曲「桜風」が、『銀魂』のスピンオフ作品であるTVアニメ『3年Z組銀八先生』OPテーマとして現在オンエア中、11月12日にはシングルリリースも決定している。
TEXT BY 阿部美香
『銀魂』から『3年Z組銀八先生』へ──ドタバタな日常とくだらない笑いの奥に
まずはここで、アニメ『銀魂』をおさらいしておこう。原作は皆さんもよくご存じ、「週刊少年ジャンプ」連載を出発点としてコミックス77巻で完結した空知英秋原作のSF時代劇コメディ漫画だ。TVアニメは2006年からスタートし、幾度かの休止を挟みつつ約12年の長きに渡って放送。2018年10月7日の第367話をもって最終回を迎えている。さらに劇場版アニメとして2010年には『劇場版 銀魂 新訳紅桜篇』、2013年には原作者がストーリーを書き下ろした『劇場版銀魂 完結篇 万事屋よ永遠なれ』が話題を呼び、2021年には原作漫画のラストを描いた映画『銀魂 THE FINAL』が公開。それ以降もファンの心を熱く保ったまま、原作で人気の名エピソードの新作アニメ映画『新劇場版 銀魂 -吉原大炎上-』も2026年2月公開がアナウンスされている。
そんな『銀魂』シリーズ最大の魅力は“なんでもアリ”な世界観とストーリーだ。宇宙人・天人(あまんと)が支配する江戸時代末期の「かぶき町」を舞台に、無気力な侍・坂田銀時とツッコミ役・志村新八、口が悪く破天荒なチャイナ服娘・神楽による「万事屋銀ちゃん」の仲間を中心に、江戸の治安を守る個性派集団「真選組」などのハチャメチャなキャラクターたちが、ギャグとパロディ要素全開!時にシリアスな涙を誘うエピソードを交えながら、ドタバタな日常を繰り広げる。
そんなハチャメチャ、ドタバタ感満載の『銀魂』をモチーフに書かれた番外編スピンアウト小説が「3年Z組銀八先生」(大崎知仁著)。単行本はすでにシリーズ10冊目を数える人気作で、その小説をベースに“銀魂まるちばーすアニメ”化されたのが、TVアニメ『3年Z組銀八先生』だ。銀髪の天然パーマに死んだ魚のような目がトレードマークの高校教師・坂田銀八が担任を務めるのは、ドルオタ、ゲロイン、ストーカー、マヨラー、ドS、ヤンキーなどなど、自由すぎるクセ強な生徒が集結した「銀魂高校 3年Z組」。もちろんその生徒たちこそ、性格や属性はそのままに高校生となった『銀魂』キャラクターたちだ。
筆者も『3年Z組銀八先生』のアニメ化を聞いて小躍りした人間の1人だったが、『銀魂』スピンアウト作であることはタイトルや絵から分かるものの、事情を知らない人にいきなりぶつけるのはチャレンジだよなぁと思っていたが……第1話の冒頭を観て、さすがアニメ『銀魂』!と感心してしまった。精神世界が登場し、坂田銀時から坂田銀八へと「主人公引き継ぎの儀」を自虐の入ったぶっちゃけ話で始め、本編キャラクターたちが学ランとセーラー服へと着替えるシーンや制作スタッフのバトンタッチまで盛りこんでのメタなスタート。アニメオリジナル回の荒唐無稽さでも人気を博してきた本シリーズらしい、『銀魂』スピリットの健在ぶりを見せつけてくれた。本編に入っても、有名作品のパロディネタはもちろん、『銀魂』本編にまつわる小ネタも健在。ファンには堪らない(そしてファンじゃない人にもインパクト大の)話数を重ねている。
OPテーマ「桜風」に注がれたぼっちぼろまるの『銀魂』愛
そんな『銀魂』の魅力を引き継ぐ『3年Z組銀八先生』への限りない愛情を感じるのが、ぼっちぼろまるによるOPテーマ「桜風」だ。ぼっちぼろまる本人が公式コメントで語っているように、主題歌オファーがあった時“銀魂に夢中だったぼっち学生時代を思い出した”という彼。“銀さんみたいな大人になりたかった”“あの時の自分はほぼ新八だった”“神楽ちゃんに恋していました”などなど、さまざまなエピソードを交えて『銀魂』が彼の青春だったことを告白していた。
彼の『銀魂』愛は、「桜風」のさまざまなポイントから読み取れる。まずタイトルに入った「桜」の文字。
歌詞の中身に目をやると、ここにも『銀魂』スピリットがいたるところに存在している。サビの一節“くだらぬ話 永遠に続け”から始まる冒頭から、まさにくだらない笑いが貫く長寿作品となった『銀魂』ワールドが全開だ。漫画の読者もアニメの視聴者も、この『銀魂』のくだらない笑える話がいつまでも続けばいいと願ったはずだ。“ケンケンパーで歩いて 電柱衝突間一発で神回避”から始まる1番Aメロは、スラップスティックな『銀魂』アクションを想起させるハチャメチャなシーンを、ぼっちぼろまる流のワードに重ねて表現。Bメロの“一緒に行こうぜ! 空に爆笑が竜巻く春へ” も『銀魂』ワールドの空気をそのまま運び、『3年Z組銀八先生』が描くさらにヘンテコで笑える日常――銀八先生やZ組の面々が巻き起こす、馬鹿馬鹿しくも真っ直ぐなドラマを想起させる。
さらに注目したいのが、サビだ。“くだらぬ話 永遠に続け”から繋がる“踊れ! 騒げ! 笑え!”はもちろんのこと、繰り返される“笑え! 笑え! 笑え!”のリフレインと、そこに添えられた“泥だらけでも”や“いつだって側にいるんだ”のフレーズには、『銀魂』キャラクターがそれぞれに内包する、表には出さない人間味あふれる痛みや辛さを引き受けた上での前に進もうとする強い意志と、仲間との想いを感じる。
笑えるだけではない、この曲からは「バカをやりながら、正しくちゃんと生きる」こと、そして「くだらない日常を笑って肯定する」こと。銀さんと仲間たちがずっと私たちに示してくれている「笑いの奥にある誠実さ」という『銀魂』らしいメッセージを、受け取ることができるのだ。ちなみに、1番Aメロ頭に出てくる“晴天”と対をなして、2番の頭は“曇天”から始まる。この“曇天”もアニメ『銀魂』ファンから爆発的人気を博すDOESの同名主題歌を連想する、オマージュ感あふれる言葉。他にも、“風船ガム”や“桃源郷”といった歴代主題歌を思わせるワードが散りばめられており、思わずニヤッとしてしまったことは伝えておきたい。
次ページ:真っ直ぐなロックサウンドが表現する青春の疾走感
真っ直ぐなロックサウンドが表現する青春の疾走感
音楽面でも「桜風」は、ぼっちぼろまるにとって新しい扉を開いた1曲になっている。元々ぼっちぼろまるの楽曲は、彼のアーティストとしてのキャラクター性も反映し、「鎌倉STYLE」や「つよがるガール feat. もっさ(ネクライトーキー)」「NE-CHU-SHOW」などのアニメタイアップ曲においても言葉遊びも多彩なポップでコミカルな作風を、フックの強いロックサウンドに乗せて人気を博してきた。その作風をさらにポジティブにし、これまでのぼっちぼろまるの楽曲にはなかったテイストのストレートなポップロックに昇華しているのが「桜風」なのだ。
その曲調から漂うのは、学園物である『3年Z組銀八先生』にもふさわしい“青春感”だ(『3年Z組銀八先生』が、王道の学園ストーリー、青春ストーリーを描いているかはまた別の問題として!)。彼がずっとこだわり続けている切なさのあるメロディーラインを跳ねるように歌い、王道的に進行するメジャーコードを重ねてシンプルに躍動するビートを歩ませることで、駆け出したくなるような青春の疾走感が表現され、爽快に開かれるサビは、まさに“桜を舞い上がらせるような風”が吹き抜ける高揚感=フレッシュさを高めている。
最初にも引用したぼっちぼろまるの「桜風」公式コメントには、『銀魂』からは“かっこよくてロックな主題歌たちで音楽を学び”という言葉もあるが、彼が学んだ『銀魂』ロックを、“青春”や“学園物”のフィルターを通してより明るいエピソードに彩られた『3年Z組銀八先生』に!という彼の愛情も、この曲が伝えてくれる。
だが「桜風」が伝える“青春感”は、なにも『3年Z組銀八先生』という作品だけに寄り添ったものではない。ここでまた、ぼっちぼろまるの「桜風」公式コメントに目をやると、“銀魂に夢中だったぼっち学生時代を思い出しました”“銀魂をはじめて読んだ時、自分の漫画だと思った”という言葉から、まさに彼の青春が『銀魂』とともにあったことが分かる。そんな想いを詰め込んだ「桜風」は、ぼっちぼろまるの過ぎてしまった“青春=『銀魂』”への、今こそ届くラブレターといえるだろう。
“ラブレター”ということでいうと……ぼっちぼろまるファンなら既にご存じかも知れないが、彼の活動初期からファンに愛され続けているナンバーをリアレンジしたメジャーデビュー曲「シン・タンタカタンタンタンタンメン」の主人公が、“君と一緒に世界を救いたいな”と願ったのは、雲の上から落っこちてきた未来人のチャイニーズガールで、“語尾にアルがつく女の子”。深読みかもしれないが、モデルは当然、彼が恋していたという神楽のことだろう。原曲の「タンタカタンタンタンタンメン」のリリックMVが動画サイトで公開されたのは、2017年のこと。長きに渡る『銀魂』&神楽愛から「桜風」へと繋がる、ぼっちぼろまるストーリーもなかなかエモい。
カップリング「さよならグリーンデイズ」には“合唱”をフィーチャー
さらに、11月12日にリリースされるシングル「桜風」のカップリングには、こちらも“青春”をテーマにした「さよならグリーンデイズ」が収録される。ぼっちぼろまるが切々と歌い上げるロックテイストあふれるメロディックなこのミドルバラード曲は、大切な人との過ぎ去った日々を思い出しながら、1人で前に進んでいこうとする想いを感動的に描いている。タイトルの「グリーンデイズ」という言葉には、輝かしい日々である青春時代を象徴する意味合いもある。曲の途中には男女の合唱がフィーチャーされているのだが、それもまるで学生時代の合唱コンクールのようで、懐かしさを覚える。
歌詞には“思い出すのは くだらない時間 ドラマじゃない 僕らの1ページ”とあるのだが、“くだらない時間”というフレーズには、「桜風」にも感じた“『3年Z組銀八先生』み”もつい感じてしまう。まず、そんな未来があるかないかは分からないが、もしもZ組が高校卒業を迎えて、彼らが大人になった時、銀八先生に馳せる想いはこういうことなのかも知れない……などという妄想も、許してもらえそうなスケールの大きな楽曲になっている。
……とここまで書いてはきたが、「桜風」も「さよならグリーンデイズ」も、『銀魂』や『3年Z組銀八先生』という文脈なしにも、きちんと成立する楽曲であることも重要なポイントだ。桜の季節に吹く風は、卒業や旅立ちを象徴する普遍的なモチーフだ。「桜風」に登場する“桜風が吹くまで”は、卒業までの学生時代をめいっぱい笑って過ごそう、楽しもう!というメッセージ。さらに、 “恥ずかしげもなく 大人になろう (なりたい)”というフレーズには、青春の思い出は消えず、仲間との思い出もなくならないからこそ、それを力にして真っ直ぐな大人になろう、というメッセージが込められているように思える。それは、とても普遍的なものだ。『銀魂』と『3年Z組銀八先生』を愛する人には格別な想いを与え、『銀魂』をまだ知らないリスナーには自分自身を重ね合わせてエモくなれる、ぼっちぼろまるの最新ナンバーにぜひ注目してほしい。
●リリース情報ぼっちぼろまる ニューアルバム
「COMICAL」
12月3日リリース
https://botchiboromaru.lnk.to/8qbqQQ
ぼっちぼろまる ニューシングル
「桜風」
11月12日リリース
【デジタル:先行配信中】
https://botchiboromaru.lnk.to/DBuqq6
【OP映像:公開中】
https://www.youtube.com/watch?v=a8ZVyJiYpjQ
【CD:初回仕様&期間生産限定盤】
https://botchiboromaru.lnk.to/lfhSvS
定価:1,980円(税込)
品番:AICL-4813
7inchレコードサイズアニメ絵柄描きおろし紙ジャケット仕様
初回仕様限定CDサイズジャケットカード・オリジナルステッカー1種を封入
※初回仕様の在庫がなくなり次第、通常仕様に切り替わります。
【CD:完全生産限定盤】
https://botchiboromaru.lnk.to/lfhSvS
定価:3,500円(税込)
品番:AICL-4811~4812
ぼっちぼろまる オリジナルフィギュア付き
7inchレコードサイズアニメ絵柄描きおろし紙ジャケット仕様
CDサイズジャケットカード・オリジナルステッカー1種を封入
<収録内容>
01. 桜風
02. さよならグリーンデイズ
03. 桜風 (Anime Edit)
04. 桜風 (Instrumental)
関連リンク
アニメ『3年Z組銀八先生』公式サイト
https://www.anime-gintama.com/ginpachi/
ぼっちぼろまる 公式サイト
https://www.boromaru.tokyo/
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