2021年4月から放送を開始した、TVアニメ『SSSS.DYNAZENON』とTVアニメ『ドラゴン、家を買う。』。
●誰かと「合体」するためには「不完全」でなければならない
――同クールで放映されるアニメでOP主題歌を担当、4月21日の同日リリースとなりました。
オーイシマサヨシ そうですね。でも、同時リリースはたまたまで。コロナの影響でスケジュールがズレたんですよ。放映時期が決まっていなかったので早め早めに作り始めていましたし、制作も同時並行ではなく、『SSSS.DYNAZENON』のオープニングである「インパーフェクト」から作り始めました。今回みたいに作詞作曲に歌唱も、となるとかなりのカロリーになりますし、しかも2作品ともすごく大きなタイトルだったのでそこは助かりました(笑)。
――ではまず、「インパーフェクト」についですが、『SSSS.DYNAZENON』はどのような作品と捉えましたか?
オーイシ 「たくさんの人に聴いてほしいので間口の広い、キャッチーな楽曲を作ってください」とは言われていました。それから、「ヒーロー然として、疾走感のあるかっこいい曲を」とも。TRIGGERさんとお仕事するのは2回目ですし、(OxTとして『SSSS.GRIDMAN』OPテーマ「UNION」を担当)『SSSS.GRIDMAN』の大ファンであるというところを前面に押し出しながら、モチベーションを貯めてから制作し始めたんです……が、実はこのときの僕、スランプに陥っていまして(笑)。去年の4月くらいだと思うんですけど、その少し前からライブの延期や中止が発表され始めて、日本全体に閉塞感が漂っていたじゃないですか。
一応、僕もシンガーソングライターあがりなので、制作とライブを活動の両ウィングとしてやっていたんですけど、片翼であるライブ活動がなくなったことで、制作だけが風船のようにパンパンに膨れ上がってしまう状態になってしまって。ライブでアウトプットできないことがこんなにも大変なのかと思い知ったとき、ブツッと緊張の糸が切れ、そこから1ヵ月くらいかな? 楽曲が書けなくなってしまいました。その最中に書いていたのが「インパーフェクト」なんですよ。要はスランプを脱した曲でもあるんですね。
――スランプ脱出のきっかけが『SSSS.DYNAZENON』だったということですか?
オーイシ もちろん、『SSSS.DYNAZENON』の台本も読ませていただいていて、僕は作品の1つのモチーフが「合体」だと読み取ったんです。それで「合体とは?」と考えたとき、僕が思うに「自分の力だけではどうにもならないから仲間の力を借り、合体して、巨大な怪獣を倒しに行く」ということかなと。つまり、合体するためには自分は完璧だったらダメなんですね。足りないものがないと合体することができない、ともすれば不完全でないと誰かと絆を確かめあったり出会ったりすることすらできないんじゃないか、この作品を通じてそう思いました。
――TVアニメ『多田くんは恋をしない』ED主題歌の「ラブソング」や、先日の“オーイシマサヨシ オンラインワンマンライブ「世界が君を必要とする時が来たんだ」”など、よくご一緒している岸田さんですね。
オーイシ ほかにもたくさんの優秀なミュージシャンの方々にお世話になったんですけど、いつもと違って、あまり煮詰まっていない状態のデモを投げて、返ってきたものを作品とさせてもらいました。僕の制作チームにも、スケジュール管理で調整してもらいましたし。スランプだったので(笑)。それから、「コンテが上がってきたので共有します」「キャストが決まったのでボイスのサンプルを送っておきます」といったヒントになるような素材をたくさんいただきました。「インパーフェクト」には、たくさんの方々に助けられ、色んな人たちと合体して作り上げたという印象がありますね。あの時期にしかできなかった、できるべくしてできた楽曲なんじゃないかな、とは個人的に思っています。
――煮詰まっていないデモと仰いましたが、完成形も想定できていませんでしたか?
オーイシ デモの段階では本当に未完成でした。構成も甘かったですし、メロディも途中で変わりました。
――自身のバンドであるSound Scheduleでも同じやり方ですか?
オーイシ バンドのときは、一応「こういうふうに」とは言いますけど、基本ぶん投げてますね。メンバーも個性的な人たちなので(笑)、自分色に変えてくれて、それがバンドのカラーになっていたとは思います。そういった意味では今回、バンド的な作り方と言えるかもしれないですね。
――前作の主題歌「UNION」との繋がりは意識しましたか?
オーイシ めちゃくちゃしました。やっぱり1つのシリーズものなので、乖離しすぎるのは良くないと思いましたね。例えばなんですけど、サビ頭で、(「UNION」の)“目を醒ませ”に対して“立ち上がれ”になっているとか、命令口調にしようというのは最初から考えていました。
――勢いのある、サビのリズムも継承されている感じがしました。
オーイシ 例えば、「UNION」の場合は字余りだったんですよね。本当は最初や最後の音符、“僕らの世界が何者かに侵略されてるぞ”の“ぞ”はいらない。でも、“ぞ”まで持っていくことによる面白さを楽曲に封じ込めた感じはあります。今回も、いわゆるシンコペーションを多用して、どこでシンコペするのかがわかりづらくなっています。シンコペーションのいいところってやっぱり、疾走感を加速させる感じがあるところで。小節頭の1拍前に音符を持ってくることで前のめり感が生まれるので、体感よりもBPMが速く感じられる効果があるんですよ。その辺は狙っていて、僕らがよく「食う」って言うやつなんですけど、食う瞬間の気持ち良さをかなり追求したつもりではいます。
――『SSSS.DYNAZENON』の資料がヒントになったという話でしたが、作品のどういう点に魅力を感じましたか?
オーイシ 制作のときには会話劇のシナリオとキャラデザしかもらってなかったんですけど、テキストベースのお話でも「相変わらず面白いな」と思いました。なおかつ『SSSS.GRIDMAN』ではできなかったことややらなかったことに挑戦していて、TRIGGERさんや雨宮(哲)監督の、一所には留まらない姿勢は非常に魅力的でした。あと、キャラデザもよくできていて。2秒で推しが決まりましたね(笑)。
――ちなみに誰ですか?
オーイシ 今回は(飛鳥川)ちせちゃん推しですね。
――『SSSS.GRIDMAN』では?
オーイシ 前回はブレましたね。最初は(宝多)六花推しだったんですけど、結果的に(新条)アカネ推しに(笑)。
――続いて「ロールプレイング」の制作にも取りかかったわけですよね。
オーイシ スランプを脱してすぐ書いたんですけど、めちゃくちゃ速かったですね。多分、実際に書いた時間は3、4日だったんじゃないかな。
――え!? むしろスランプ前は常にそれくらいのペースだったんですか?
オーイシ そうですね。だから、書けないこと自体が珍しくて。人生の中で1ヵ月も書けないなんてなかったんですよ。だから、すごくびっくりしましたし、いかに「インパーフェクト」のときが異常事態だったか。
――「インパーフェクト」で歌っているように“これは僕のエマージェンシー”だったんですね。あの歌詞は本当にリアルな心境だったと(笑)。
オーイシ ドキュメンタリーな(笑)。でも、スランプのなかでももちろん、『ドラゴン、家を買う。』の原作は読んでいたので、言葉にしたりメロディにしたりという下準備は整っていたんです。だから早く書けたんでしょうけど。
――『ドラゴン、家を買う。』に対してはどのようなイメージで捉えましたか?
オーイシ 元々原作を知ってはいたんですけど、今回お話をいただいてから読んでみたらめちゃくちゃ面白いんですよね。コメディだけどハートフルな部分を押さえていて、「感動する物語だなぁ」と改めてファンになりました。じゃあその上で、「この作品の真髄はどこにあるのか?」と考えたとき、まずは「すれ違い」ネタですよね。ドラゴンなのにステータスが弱い、不動産屋なのに魔王、勇者なのに性格が悪い、そういった掛け違いの面白さが絶妙なコミカルさを生んで僕らに響いていると思うんですけど、その下地にあるのって「RPGあるある」なんですよね。ドラゴンのステータスが高いはず、ということを例えば、うちの婆さんとかは知らないわけですよ(笑)。作品中にハンターが出てきたり、勇者のパーティの構成だったり、魔王とはこういうものという固定観念だったりというのは知識がないと成り立たない。なので、ど頭に「人生は一生をかけたロールプレイング」ってフレーズを持ってきて、RPGであることを匂わせる導入にしたいと思いました。実はこのフレーズ、RPG界のレジェンドである堀井雄二さんの言葉を引用させていただきまして。何年か前にNHKの特番(「ドラゴンクエスト30th~そして新たな伝説へ~」)を観てから、「人生はロールプレイングゲームである」っていう発言がずーっと頭にあったんですよ。今回の『ドラゴン、家を買う。』の主題歌にぴったりだと思い、そこを出発点に書いていったって感じでしたね。
――そこが作品の主題の1つであるRPG感であると思いますが、もう1つのテーマである不動産関係については?
オーイシ RPG部分の上に成り立っていて、ドラマの面白さという下地になっているのが、その不動産アニメの部分ですよね。「理想の住居を探す」という異世界不動産アニメである、と。で、理想の住居が何かというと、主人公・レティの居場所のことを示していると思ったんです。家を勘当される前には気づかなかったことに気づき、仲間たちといることが人生における「ホーム」になっている。だからこの歌に関しても、理想の住居というのはどこに住むかではなく誰と住むかなんだ、というつもりで書きました。
――ちなみに、オーイシさんは住居探しは好きなタイプですか?
オーイシ 好きですね。特に僕らクリエイターって、家で音を出せないとダメじゃないですか。なので防音物件をめちゃくちゃ調べていて、都内の物件は大体把握しています。クリエイター同士で話していても、「あ、お前あそこに住んでんの?「何号室が空いてたよね」って話をしますね。
――では引っ越しも苦にならない?
オーイシ そうですね。同じマンション内で引っ越すということもありますよ。号室だけを変えるとか。
――ああ、そうすると周辺環境は変えずに済みますね。
オーイシ そうそうそうそう。今の家がそうで。実は僕、験を担ぐところがあって、今の家に来てからヒット作に恵まれたんですよ。それもあって極力環境を変えたくなかったんですけど、手狭になってきたところに運良く同じマンションの広めの部屋に空きが出たので引っ越しました。
――それは非常にラッキーな。歌詞についてもRPGらしい民族音楽風味を感じさせながら、ロックオペラな面も持っていると感じました。作曲はどういったイメージから進めたのでしょうか?
オーイシ まず、ケルトな要素に関して説明すると、『ドラゴン、家を買う。』の劇伴にケルトミュージックを採用しているということは事前に聞いており、OP主題歌にもケルティックな要素を入れてほしいとはあらかじめオーダーをいただいていました。ただ、ケルティックな音楽でポップスらしいキャッチーさを獲得するのって、めちゃくちゃ難しいんですよ。なので、ケルトと同じような開放弦の響きを持っていて気持ち良さそうなのは何か? と考えました。そうしたら、ロックオペラの三度のハマりがあるものをかけ合わせたらめちゃめちゃパンチのある楽曲になるかな、って考えに至ったのが楽曲制作のミソですね。結構、転調もしているんですけど、転調の面白さというか妙も出していますし。あと、冒頭のAメロはポップスというより、メロの運びや言葉の並びがミュージカルを感じさせるような語り口調で始まっているのも、RPG然としていていいと思ったからでした。「おお、しんでしまうとはなさけない」みたいな(笑)。語り部の語りから始まるという入りにしたいとは思っていました。
――今仰ったところもそうですが、特に“手を(手を)”の合唱部分は歌詞からも楽曲からもQUEENを感じさせますね。
オーイシ オマージュ感はご想像にお任せしますが、QUEENを継承したと言われるMIKAというアーティストがいて。QUEENも大好きなんですけど、僕は彼が大好きなんですよ。彼の世界的なヒット曲である「Grace Kelly」のオマージュが入っていて、その辺りは音楽好きな方が「ニチャア」としてくれたら嬉しいな、と(笑)。
――コロナ禍の影響で生まれて初めてのスランプを経験したというお話でしたが、奇しくも10年前には、東日本大震災の発生をきっかけにTwitterを始められてもいます。エンタメの貴公子であるオーイシさんとしては、何か現状に対して思うところはありましたか?
オーイシ そういう意味では、10年前に誰かと繋がりたくてTwitterを開設したように、コロナの閉塞感から抜け出すべく、個人のYouTubeチャンネルを強化し始めたというところはありました。たくさんの方々と繋がりたくて、お金を取るってこともなく、ただただ弾き語りの夜を垂れ流すということを頻繁にやっていましたからね。ちょうどあのときがスランプのピークだったんですよ。だから、抜け出したくてアウトプットしたい、というところからああいうことを始めたわけですし、実際来てくださる方に助けられました。結局、僕が音楽をやっているのって人と繋がりたいからなんだな、って思いますね。一人で面白いことをしたいわけではなくて、皆と御神輿を担ぎたくてやってるようなもので、僕の場合、たまたま得意だったのが音楽だったということです。でも、それがエンタメの神髄なのかな、とは最近すごく思うんです。
――ただ、それほどエンタメに対する想いが強いにも関わらず、コロナ前に、「オーイシマサヨシ」としての活動を終える可能性も口にされていました。コロナを経験した今、心境に変化はありましたか?
オーイシ いや、なくなってないです、なくなってないです。いつでも辞めるつもりでいます。40歳になるときもなんとなく発言が流されましたけど、本気でしたからね。
――逆に今も辞めていない理由は何ですか?
オーイシ 必要とされているから。その1点だけですね。
――では、必要とされる限りは活動を続けてもらえる可能性もあるわけですね。
オーイシ もちろんありますね。でも、必要とされなくなったら、いつでも眼鏡を置いて普通の大石昌良に戻ります。マイクを置く、キャンディーズ方式です(笑)。チーム内でもよく言っているんですよ。「今、全力を出さなくてどうするんですか?」「3年後はオーイシがいるかわかんないすよ」って。別に脅し文句ではなくて本気で。やっぱり、それくらいインターネットのニーズって今は激流の中にいる気がしているんですよ。日に日に環境が変わっていますから。
僕、20年前にデビューしてから今までの間に3回くらい必要とされなくなる「引き波」を体感していて、その虚しさもすごく感じているので、そのときが来たら何かが終わるっていうのもよく知っているつもりです。だから、守りに入るのではなく、アグレッシブに攻めの体勢で動き続けるためにも、オーイシマサヨシはいつでも辞めます、というスタンスでいようと思っています。
――あるいは、必要とされたらまた戻ってくる可能性もあるわけですね。
オーイシ かもしれないですね。「帰ってきたウルトラマン」よろしく「帰ってきたマサヨシくん」(笑)。結局、アニソンシンガーというエンタメのコンテンツとして立ち上げたのがオーイシマサヨシであって、やっぱりそれは枝葉でしかないんですよね。大石昌良が幹としてあって、そこからやりたいこと、やらなきゃいけないことが枝分かれして、現状の色々なアカウントがあるって感じです。オーイシマサヨシもあくまで枝葉の1つで、たまたまこうやってインタビューしていただく機会や、メディアに出させていただくことが多いので、きれいな花が咲いているように見えますけど、僕としてはもっと重要なものがあるので。そこを見紛ってしまったらダメだと自分的にはずっと思いながら活動しています。
――活動の場所が少なくなるなか、「アニソンに救われた」というアニソン歌手やアーティストもいますが、オーイシさんとしてはどのような気持ちを抱いていますか?
オーイシ 僕もそうですよ。「遅咲きの大石」と言われているように、30歳を過ぎてからアニソン業界に入り、そこで救われて、様々な景色を見させていただきました。ただ、そこも1点、必要とされたからだと思うんですよね。Tom-H@ckに呼ばれたとか、必要とされる窓口が多くなっていっただけで。むしろ、必要とされない場所で活動していくということはとても大変なことなので、必要とされる自分であり続けようというモチベーションに繋がってはいます。「アニソンに恩返し」ってめちゃくちゃ素敵ですし、僕もそういう気持ちはありますし、美談ですよね。でも、もうそこだけではない現代にきているとは感じていて。やっぱり「延命」するのは嫌なんですよ。だから、本当に大切なものをちゃんと持っていたら、いつでも眼鏡を置ける瞬間を意識しながらやれるという気持ちなんです。
――大石昌良としての音楽活動という幹を大事に。
オーイシ そうですね。音楽家としては続けたいと思っているので。自分にはっぱをかけるためにも、1つのノルマとして持っておきたいですね。必要とされるというのは。
――制作でのスランプはありつつも、コロナ禍でもアグレッシブに活動されていました。振り返ることなどはしていましたか?
オーイシ 振り返ることよりも先のことを考えることが多かったですね、1月にやったオンラインワンマンライブの企画を練るか、未来へのモチベーションしかなかったです。それに、スランプ中は足踏みしていたので、溜まってしまった宿題がスランプを脱した今も実はまだ続いているんです。結構大渋滞というか、玉突き事故を起こしてしまっていて、かなり大変な感じです。
――やはり今のアニメ界には不可欠な存在なので、眼鏡を置く日が来るとしてもかなり遠そうです。最後に2020年を踏まえた、2021年の目標をいただけますか?
オーイシ メンテナンスですね。先日公表したようにこのシングルの発売日である4月21日に声帯ポリープの手術をするんですよ。2019年のツアーを回っている最中に声が出なくなったことがあって、病院で診断を受けたらポリープということでした。本当は去年の4月に手術する予定だったんですけど、緊急事態宣言からあれよあれよという間に1年経ってしまって。そんなに難しい手術ではないと言われているので多少の安心感はありますけど、不安は不安ですし、それまでにやりたいことはやりきりたいですね。それに、本当の声を取り戻すには何ヵ月もかかると言われているので、それこそ自分のこれまでを振り返ったり、これからやりたいことを見つめ直したりできる時間になるとは思っています。だから、4、5月はフィジカルとメンタルのメンテナンスを。そのためにも今、締切の迫った仕事を必死で頑張っています(笑)。
INTERVIEW & TEXT BY 清水耕司(セブンデイズウォー)
●リリース情報
TVアニメ『SSSS.DYNAZENON』OP主題歌
6thシングル
「インパーフェクト」
2021年4月21日(水)発売
【通常盤】
品番:PCCG-01996
価格:¥1,400(税込)
【アニメジャケット盤】
品番:PCCG-01997
価格:¥1,400(税込)
【ピザラジ・きゃにめ限定盤】
品番:SCCG-00072
価格:¥1,900(税込)
<収録曲>
M1.インパーフェクト
M2.パワフルバディ
M3.インパーフェクト (TV Edit)
M4.インパーフェクト (Instrumental)
M5.パワフルバディ (Instrumental)
TVアニメ『ドラゴン、家を買う。』OP主題歌
7th シングル
「ロールプレイング」
2021年4月21日(水)発売
【通常盤】
品番:PCCG-01998
価格:¥1,400(税込)
【アニメジャケット盤】
品番:PCCG-01999
価格:¥1,400(税込)
<収録曲>
M1.ロールプレイング
M2.キンカンのうた2020
M3.ロールプレイング (TV Edit)
M4.ロールプレイング (Instrumental)
M5.キンカンのうた2020 (Instrumental)
関連リンク
オーイシマサヨシ 公式サイト
https://www.014014.jp/
オーイシマサヨシ 公式Twitter
https://twitter.com/Masayoshi_Oishi
オーイシマサヨシ 公式YouTube channel
https://www.youtube.com/channel/UC6FmznwRG0CpdjtNyHucmTA
TVアニメ『SSSS.DYNAZENON』公式サイト
https://dynazenon.net/
TVアニメ『ドラゴン、家を買う。』公式サイト
https://doraie.com/
この両作品でOP主題歌を担当したのがオーイシマサヨシ(作詞・作曲・編曲名義は大石昌良)だ。かたや「UNION」のヒットも記憶に新しい、バイブスが一気に高まるヒーローソング。かたや民俗要素やオペラの雰囲気をもったRPGテーマソング。それぞれに大石&オーイシらしさをまといつつも多彩さぶりを発揮する才能に飲み込まれそうだ。そんな同時タイアップ曲が誕生した背景には、昨今の新型コロナウイルス感染症の影響もあったという。大石&オーイシの音楽的思考回路に迫る。
●誰かと「合体」するためには「不完全」でなければならない
――同クールで放映されるアニメでOP主題歌を担当、4月21日の同日リリースとなりました。
オーイシマサヨシ そうですね。でも、同時リリースはたまたまで。コロナの影響でスケジュールがズレたんですよ。放映時期が決まっていなかったので早め早めに作り始めていましたし、制作も同時並行ではなく、『SSSS.DYNAZENON』のオープニングである「インパーフェクト」から作り始めました。今回みたいに作詞作曲に歌唱も、となるとかなりのカロリーになりますし、しかも2作品ともすごく大きなタイトルだったのでそこは助かりました(笑)。
――ではまず、「インパーフェクト」についですが、『SSSS.DYNAZENON』はどのような作品と捉えましたか?
オーイシ 「たくさんの人に聴いてほしいので間口の広い、キャッチーな楽曲を作ってください」とは言われていました。それから、「ヒーロー然として、疾走感のあるかっこいい曲を」とも。TRIGGERさんとお仕事するのは2回目ですし、(OxTとして『SSSS.GRIDMAN』OPテーマ「UNION」を担当)『SSSS.GRIDMAN』の大ファンであるというところを前面に押し出しながら、モチベーションを貯めてから制作し始めたんです……が、実はこのときの僕、スランプに陥っていまして(笑)。去年の4月くらいだと思うんですけど、その少し前からライブの延期や中止が発表され始めて、日本全体に閉塞感が漂っていたじゃないですか。
一応、僕もシンガーソングライターあがりなので、制作とライブを活動の両ウィングとしてやっていたんですけど、片翼であるライブ活動がなくなったことで、制作だけが風船のようにパンパンに膨れ上がってしまう状態になってしまって。ライブでアウトプットできないことがこんなにも大変なのかと思い知ったとき、ブツッと緊張の糸が切れ、そこから1ヵ月くらいかな? 楽曲が書けなくなってしまいました。その最中に書いていたのが「インパーフェクト」なんですよ。要はスランプを脱した曲でもあるんですね。
――スランプ脱出のきっかけが『SSSS.DYNAZENON』だったということですか?
オーイシ もちろん、『SSSS.DYNAZENON』の台本も読ませていただいていて、僕は作品の1つのモチーフが「合体」だと読み取ったんです。それで「合体とは?」と考えたとき、僕が思うに「自分の力だけではどうにもならないから仲間の力を借り、合体して、巨大な怪獣を倒しに行く」ということかなと。つまり、合体するためには自分は完璧だったらダメなんですね。足りないものがないと合体することができない、ともすれば不完全でないと誰かと絆を確かめあったり出会ったりすることすらできないんじゃないか、この作品を通じてそう思いました。
それが自分のスランプの状況とめちゃくちゃリンクしたんですよ。今までは「作詞、作曲、編曲、歌唱、全部をやりたい」「やらなきゃ」という気持ちで自分を奮い立てていたんですけど、人に頼るということをもう一度見直してみようと思ったんです。スランプを脱出することができた「インパーフェクト」の作詞・作曲・編曲は僕ではありますけど、ストリングスアレンジに入ってもらった岸田勇気くんとか。
――TVアニメ『多田くんは恋をしない』ED主題歌の「ラブソング」や、先日の“オーイシマサヨシ オンラインワンマンライブ「世界が君を必要とする時が来たんだ」”など、よくご一緒している岸田さんですね。
オーイシ ほかにもたくさんの優秀なミュージシャンの方々にお世話になったんですけど、いつもと違って、あまり煮詰まっていない状態のデモを投げて、返ってきたものを作品とさせてもらいました。僕の制作チームにも、スケジュール管理で調整してもらいましたし。スランプだったので(笑)。それから、「コンテが上がってきたので共有します」「キャストが決まったのでボイスのサンプルを送っておきます」といったヒントになるような素材をたくさんいただきました。「インパーフェクト」には、たくさんの方々に助けられ、色んな人たちと合体して作り上げたという印象がありますね。あの時期にしかできなかった、できるべくしてできた楽曲なんじゃないかな、とは個人的に思っています。
――煮詰まっていないデモと仰いましたが、完成形も想定できていませんでしたか?
オーイシ デモの段階では本当に未完成でした。構成も甘かったですし、メロディも途中で変わりました。
コード進行も結構曖昧でしたね。それを皆で肉付けしていった、という感じでした。普段は結構、デモの段階からめちゃくちゃ作り込むんですよ。ドラムもよく、僕が作ったフレーズを完コピしてもらっているんですけど、今回に関しては任せました。ベースもギターもピアノもそうですし、弦に関しては岸田くんに丸投げでしたし。そこでめちゃくちゃ助けられましたし、デモではありえない魔法がかかりましたね。
――自身のバンドであるSound Scheduleでも同じやり方ですか?
オーイシ バンドのときは、一応「こういうふうに」とは言いますけど、基本ぶん投げてますね。メンバーも個性的な人たちなので(笑)、自分色に変えてくれて、それがバンドのカラーになっていたとは思います。そういった意味では今回、バンド的な作り方と言えるかもしれないですね。
――前作の主題歌「UNION」との繋がりは意識しましたか?
オーイシ めちゃくちゃしました。やっぱり1つのシリーズものなので、乖離しすぎるのは良くないと思いましたね。例えばなんですけど、サビ頭で、(「UNION」の)“目を醒ませ”に対して“立ち上がれ”になっているとか、命令口調にしようというのは最初から考えていました。
――勢いのある、サビのリズムも継承されている感じがしました。
オーイシ 例えば、「UNION」の場合は字余りだったんですよね。本当は最初や最後の音符、“僕らの世界が何者かに侵略されてるぞ”の“ぞ”はいらない。でも、“ぞ”まで持っていくことによる面白さを楽曲に封じ込めた感じはあります。今回も、いわゆるシンコペーションを多用して、どこでシンコペするのかがわかりづらくなっています。シンコペーションのいいところってやっぱり、疾走感を加速させる感じがあるところで。小節頭の1拍前に音符を持ってくることで前のめり感が生まれるので、体感よりもBPMが速く感じられる効果があるんですよ。その辺は狙っていて、僕らがよく「食う」って言うやつなんですけど、食う瞬間の気持ち良さをかなり追求したつもりではいます。
――『SSSS.DYNAZENON』の資料がヒントになったという話でしたが、作品のどういう点に魅力を感じましたか?
オーイシ 制作のときには会話劇のシナリオとキャラデザしかもらってなかったんですけど、テキストベースのお話でも「相変わらず面白いな」と思いました。なおかつ『SSSS.GRIDMAN』ではできなかったことややらなかったことに挑戦していて、TRIGGERさんや雨宮(哲)監督の、一所には留まらない姿勢は非常に魅力的でした。あと、キャラデザもよくできていて。2秒で推しが決まりましたね(笑)。
――ちなみに誰ですか?
オーイシ 今回は(飛鳥川)ちせちゃん推しですね。
――『SSSS.GRIDMAN』では?
オーイシ 前回はブレましたね。最初は(宝多)六花推しだったんですけど、結果的に(新条)アカネ推しに(笑)。
――続いて「ロールプレイング」の制作にも取りかかったわけですよね。
オーイシ スランプを脱してすぐ書いたんですけど、めちゃくちゃ速かったですね。多分、実際に書いた時間は3、4日だったんじゃないかな。
――え!? むしろスランプ前は常にそれくらいのペースだったんですか?
オーイシ そうですね。だから、書けないこと自体が珍しくて。人生の中で1ヵ月も書けないなんてなかったんですよ。だから、すごくびっくりしましたし、いかに「インパーフェクト」のときが異常事態だったか。
――「インパーフェクト」で歌っているように“これは僕のエマージェンシー”だったんですね。あの歌詞は本当にリアルな心境だったと(笑)。
オーイシ ドキュメンタリーな(笑)。でも、スランプのなかでももちろん、『ドラゴン、家を買う。』の原作は読んでいたので、言葉にしたりメロディにしたりという下準備は整っていたんです。だから早く書けたんでしょうけど。
――『ドラゴン、家を買う。』に対してはどのようなイメージで捉えましたか?
オーイシ 元々原作を知ってはいたんですけど、今回お話をいただいてから読んでみたらめちゃくちゃ面白いんですよね。コメディだけどハートフルな部分を押さえていて、「感動する物語だなぁ」と改めてファンになりました。じゃあその上で、「この作品の真髄はどこにあるのか?」と考えたとき、まずは「すれ違い」ネタですよね。ドラゴンなのにステータスが弱い、不動産屋なのに魔王、勇者なのに性格が悪い、そういった掛け違いの面白さが絶妙なコミカルさを生んで僕らに響いていると思うんですけど、その下地にあるのって「RPGあるある」なんですよね。ドラゴンのステータスが高いはず、ということを例えば、うちの婆さんとかは知らないわけですよ(笑)。作品中にハンターが出てきたり、勇者のパーティの構成だったり、魔王とはこういうものという固定観念だったりというのは知識がないと成り立たない。なので、ど頭に「人生は一生をかけたロールプレイング」ってフレーズを持ってきて、RPGであることを匂わせる導入にしたいと思いました。実はこのフレーズ、RPG界のレジェンドである堀井雄二さんの言葉を引用させていただきまして。何年か前にNHKの特番(「ドラゴンクエスト30th~そして新たな伝説へ~」)を観てから、「人生はロールプレイングゲームである」っていう発言がずーっと頭にあったんですよ。今回の『ドラゴン、家を買う。』の主題歌にぴったりだと思い、そこを出発点に書いていったって感じでしたね。
――そこが作品の主題の1つであるRPG感であると思いますが、もう1つのテーマである不動産関係については?
オーイシ RPG部分の上に成り立っていて、ドラマの面白さという下地になっているのが、その不動産アニメの部分ですよね。「理想の住居を探す」という異世界不動産アニメである、と。で、理想の住居が何かというと、主人公・レティの居場所のことを示していると思ったんです。家を勘当される前には気づかなかったことに気づき、仲間たちといることが人生における「ホーム」になっている。だからこの歌に関しても、理想の住居というのはどこに住むかではなく誰と住むかなんだ、というつもりで書きました。
――ちなみに、オーイシさんは住居探しは好きなタイプですか?
オーイシ 好きですね。特に僕らクリエイターって、家で音を出せないとダメじゃないですか。なので防音物件をめちゃくちゃ調べていて、都内の物件は大体把握しています。クリエイター同士で話していても、「あ、お前あそこに住んでんの?「何号室が空いてたよね」って話をしますね。
――では引っ越しも苦にならない?
オーイシ そうですね。同じマンション内で引っ越すということもありますよ。号室だけを変えるとか。
――ああ、そうすると周辺環境は変えずに済みますね。
オーイシ そうそうそうそう。今の家がそうで。実は僕、験を担ぐところがあって、今の家に来てからヒット作に恵まれたんですよ。それもあって極力環境を変えたくなかったんですけど、手狭になってきたところに運良く同じマンションの広めの部屋に空きが出たので引っ越しました。
――それは非常にラッキーな。歌詞についてもRPGらしい民族音楽風味を感じさせながら、ロックオペラな面も持っていると感じました。作曲はどういったイメージから進めたのでしょうか?
オーイシ まず、ケルトな要素に関して説明すると、『ドラゴン、家を買う。』の劇伴にケルトミュージックを採用しているということは事前に聞いており、OP主題歌にもケルティックな要素を入れてほしいとはあらかじめオーダーをいただいていました。ただ、ケルティックな音楽でポップスらしいキャッチーさを獲得するのって、めちゃくちゃ難しいんですよ。なので、ケルトと同じような開放弦の響きを持っていて気持ち良さそうなのは何か? と考えました。そうしたら、ロックオペラの三度のハマりがあるものをかけ合わせたらめちゃめちゃパンチのある楽曲になるかな、って考えに至ったのが楽曲制作のミソですね。結構、転調もしているんですけど、転調の面白さというか妙も出していますし。あと、冒頭のAメロはポップスというより、メロの運びや言葉の並びがミュージカルを感じさせるような語り口調で始まっているのも、RPG然としていていいと思ったからでした。「おお、しんでしまうとはなさけない」みたいな(笑)。語り部の語りから始まるという入りにしたいとは思っていました。
――今仰ったところもそうですが、特に“手を(手を)”の合唱部分は歌詞からも楽曲からもQUEENを感じさせますね。
オーイシ オマージュ感はご想像にお任せしますが、QUEENを継承したと言われるMIKAというアーティストがいて。QUEENも大好きなんですけど、僕は彼が大好きなんですよ。彼の世界的なヒット曲である「Grace Kelly」のオマージュが入っていて、その辺りは音楽好きな方が「ニチャア」としてくれたら嬉しいな、と(笑)。
――コロナ禍の影響で生まれて初めてのスランプを経験したというお話でしたが、奇しくも10年前には、東日本大震災の発生をきっかけにTwitterを始められてもいます。エンタメの貴公子であるオーイシさんとしては、何か現状に対して思うところはありましたか?
オーイシ そういう意味では、10年前に誰かと繋がりたくてTwitterを開設したように、コロナの閉塞感から抜け出すべく、個人のYouTubeチャンネルを強化し始めたというところはありました。たくさんの方々と繋がりたくて、お金を取るってこともなく、ただただ弾き語りの夜を垂れ流すということを頻繁にやっていましたからね。ちょうどあのときがスランプのピークだったんですよ。だから、抜け出したくてアウトプットしたい、というところからああいうことを始めたわけですし、実際来てくださる方に助けられました。結局、僕が音楽をやっているのって人と繋がりたいからなんだな、って思いますね。一人で面白いことをしたいわけではなくて、皆と御神輿を担ぎたくてやってるようなもので、僕の場合、たまたま得意だったのが音楽だったということです。でも、それがエンタメの神髄なのかな、とは最近すごく思うんです。
――ただ、それほどエンタメに対する想いが強いにも関わらず、コロナ前に、「オーイシマサヨシ」としての活動を終える可能性も口にされていました。コロナを経験した今、心境に変化はありましたか?
オーイシ いや、なくなってないです、なくなってないです。いつでも辞めるつもりでいます。40歳になるときもなんとなく発言が流されましたけど、本気でしたからね。
――逆に今も辞めていない理由は何ですか?
オーイシ 必要とされているから。その1点だけですね。
――では、必要とされる限りは活動を続けてもらえる可能性もあるわけですね。
オーイシ もちろんありますね。でも、必要とされなくなったら、いつでも眼鏡を置いて普通の大石昌良に戻ります。マイクを置く、キャンディーズ方式です(笑)。チーム内でもよく言っているんですよ。「今、全力を出さなくてどうするんですか?」「3年後はオーイシがいるかわかんないすよ」って。別に脅し文句ではなくて本気で。やっぱり、それくらいインターネットのニーズって今は激流の中にいる気がしているんですよ。日に日に環境が変わっていますから。
僕、20年前にデビューしてから今までの間に3回くらい必要とされなくなる「引き波」を体感していて、その虚しさもすごく感じているので、そのときが来たら何かが終わるっていうのもよく知っているつもりです。だから、守りに入るのではなく、アグレッシブに攻めの体勢で動き続けるためにも、オーイシマサヨシはいつでも辞めます、というスタンスでいようと思っています。
――あるいは、必要とされたらまた戻ってくる可能性もあるわけですね。
オーイシ かもしれないですね。「帰ってきたウルトラマン」よろしく「帰ってきたマサヨシくん」(笑)。結局、アニソンシンガーというエンタメのコンテンツとして立ち上げたのがオーイシマサヨシであって、やっぱりそれは枝葉でしかないんですよね。大石昌良が幹としてあって、そこからやりたいこと、やらなきゃいけないことが枝分かれして、現状の色々なアカウントがあるって感じです。オーイシマサヨシもあくまで枝葉の1つで、たまたまこうやってインタビューしていただく機会や、メディアに出させていただくことが多いので、きれいな花が咲いているように見えますけど、僕としてはもっと重要なものがあるので。そこを見紛ってしまったらダメだと自分的にはずっと思いながら活動しています。
――活動の場所が少なくなるなか、「アニソンに救われた」というアニソン歌手やアーティストもいますが、オーイシさんとしてはどのような気持ちを抱いていますか?
オーイシ 僕もそうですよ。「遅咲きの大石」と言われているように、30歳を過ぎてからアニソン業界に入り、そこで救われて、様々な景色を見させていただきました。ただ、そこも1点、必要とされたからだと思うんですよね。Tom-H@ckに呼ばれたとか、必要とされる窓口が多くなっていっただけで。むしろ、必要とされない場所で活動していくということはとても大変なことなので、必要とされる自分であり続けようというモチベーションに繋がってはいます。「アニソンに恩返し」ってめちゃくちゃ素敵ですし、僕もそういう気持ちはありますし、美談ですよね。でも、もうそこだけではない現代にきているとは感じていて。やっぱり「延命」するのは嫌なんですよ。だから、本当に大切なものをちゃんと持っていたら、いつでも眼鏡を置ける瞬間を意識しながらやれるという気持ちなんです。
――大石昌良としての音楽活動という幹を大事に。
オーイシ そうですね。音楽家としては続けたいと思っているので。自分にはっぱをかけるためにも、1つのノルマとして持っておきたいですね。必要とされるというのは。
――制作でのスランプはありつつも、コロナ禍でもアグレッシブに活動されていました。振り返ることなどはしていましたか?
オーイシ 振り返ることよりも先のことを考えることが多かったですね、1月にやったオンラインワンマンライブの企画を練るか、未来へのモチベーションしかなかったです。それに、スランプ中は足踏みしていたので、溜まってしまった宿題がスランプを脱した今も実はまだ続いているんです。結構大渋滞というか、玉突き事故を起こしてしまっていて、かなり大変な感じです。
――やはり今のアニメ界には不可欠な存在なので、眼鏡を置く日が来るとしてもかなり遠そうです。最後に2020年を踏まえた、2021年の目標をいただけますか?
オーイシ メンテナンスですね。先日公表したようにこのシングルの発売日である4月21日に声帯ポリープの手術をするんですよ。2019年のツアーを回っている最中に声が出なくなったことがあって、病院で診断を受けたらポリープということでした。本当は去年の4月に手術する予定だったんですけど、緊急事態宣言からあれよあれよという間に1年経ってしまって。そんなに難しい手術ではないと言われているので多少の安心感はありますけど、不安は不安ですし、それまでにやりたいことはやりきりたいですね。それに、本当の声を取り戻すには何ヵ月もかかると言われているので、それこそ自分のこれまでを振り返ったり、これからやりたいことを見つめ直したりできる時間になるとは思っています。だから、4、5月はフィジカルとメンタルのメンテナンスを。そのためにも今、締切の迫った仕事を必死で頑張っています(笑)。
INTERVIEW & TEXT BY 清水耕司(セブンデイズウォー)
●リリース情報
TVアニメ『SSSS.DYNAZENON』OP主題歌
6thシングル
「インパーフェクト」
2021年4月21日(水)発売
【通常盤】
品番:PCCG-01996
価格:¥1,400(税込)
【アニメジャケット盤】
品番:PCCG-01997
価格:¥1,400(税込)
【ピザラジ・きゃにめ限定盤】
品番:SCCG-00072
価格:¥1,900(税込)
<収録曲>
M1.インパーフェクト
M2.パワフルバディ
M3.インパーフェクト (TV Edit)
M4.インパーフェクト (Instrumental)
M5.パワフルバディ (Instrumental)
TVアニメ『ドラゴン、家を買う。』OP主題歌
7th シングル
「ロールプレイング」
2021年4月21日(水)発売
【通常盤】
品番:PCCG-01998
価格:¥1,400(税込)
【アニメジャケット盤】
品番:PCCG-01999
価格:¥1,400(税込)
<収録曲>
M1.ロールプレイング
M2.キンカンのうた2020
M3.ロールプレイング (TV Edit)
M4.ロールプレイング (Instrumental)
M5.キンカンのうた2020 (Instrumental)
関連リンク
オーイシマサヨシ 公式サイト
https://www.014014.jp/
オーイシマサヨシ 公式Twitter
https://twitter.com/Masayoshi_Oishi
オーイシマサヨシ 公式YouTube channel
https://www.youtube.com/channel/UC6FmznwRG0CpdjtNyHucmTA
TVアニメ『SSSS.DYNAZENON』公式サイト
https://dynazenon.net/
TVアニメ『ドラゴン、家を買う。』公式サイト
https://doraie.com/
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