謎に包まれていた『リベンジ』というタイトルの意味がつまびらかになった第1話から、早くも話題沸騰となっている本作。佐賀出身の大物俳優・白竜が降臨した第2話を経て、第3話では「伝説の平成のアイドル」こと水野 愛と「伝説の昭和のアイドル」こと紺野純子の関係性を軸に、物語は大きな山場を迎えることに。ここでは期待が高まる第4話の放送を前に、源さくら役の本渡 楓、紺野純子役の河瀬茉希、星川リリィ役の田中美海に、第3話までの振り返りを含め、話を聞いた。
キャスト陣が感じる、TVアニメ1期からの成長と変化
――いよいよ届けられる『ゾンビランドサガ リベンジ』。この取材を行っている時点では、まだ放送開始前ですが(取材は2021年2月に実施)、皆さんはここまでアフレコ作業を進めてきたなかで、全体的にどんな印象をお持ちですか?
河瀬茉希 いい意味で(第1期の頃と)変わらず、そのうえでさらにパワーアップしたと思います。1期と同じライブハウスでアウェイな状況から始まるところは当時を思い出しましたし、そこで新曲(「REVENGE」)を歌ってスタートするところに『ゾンビランドサガ』らしい進化を感じることができて。
田中美海 楽曲的にも1期の雰囲気を引き継いだうえで、2期感がすごくあるよね。「ヨミガエレ」の進化バージョンって感じがするし。
河瀬 でも、アフレコしている私たちは変わらないんですよね。久しぶりにお会いしたキャストさんもいたんですけど、あの頃の雰囲気と一緒で懐かしいなあと思って。心がポッとあたたかくなるような現場でした。
本渡 楓 『ゾンビランドサガ』の現場は本当にあったかいです。
――1期の頃と比べて、ご自身の演じるキャラクターに変化や成長を感じた部分はありますか?
本渡 私が演じる源さくらちゃんは、よりたくましくなった気がします。特に第1話の居酒屋で自暴自棄になっている(巽)幸太郎さんを説得しに行くところは、今までならきっと他のメンバーと一緒に行こうとしていたと思うのですが、みんなに「私が説得しに行く」とはっきり伝えて、心が折れそうになりながら何度も言葉をかけにいく姿に触れて、さくらは1期から2期までの間にとても成長したんだなと思いました。それを知れたのが個人的にとても嬉しかったです。
田中 (星川)リリィは1期の頃から自分の考えをズバズバ言うタイプではあったんですけど、『リベンジ』ではみんなが動くきっかけになったり核心を突くような言葉を言う感じがさらに強くなっていて。フランシュシュは異色なメンバーばかりですけど、リリィはみんなのことが本当に好きっていうことが会話の空気感からも伝わってきて、お互いの絆をより感じられる気がします。
河瀬 (紺野)純子は1期の半ばぐらいまでは、ずっと下を向いていたり、背中を向けていたり、一歩引いた距離感でみんなと接しているところがあったので、今回の2期では1話目からちょこんとソファーに座ってみんなと会話しているだけですごく嬉しくて。「死んでますけどね」と言うときも、昔は独り言みたいにボソッと言う感じだったのが、今はみんなに向かって語りかけるようになって、みんなに心を許しているんだなあと思って嬉しくなりました。でも、第3話では思い詰めてしまう部分も出てくるので……果たして彼女は強そうに見えて本当は脆いのか!? 4話をお楽しみに!!(笑)。
アフレコや挿入歌の裏話も! 第3話までの注目エピソード
――記事掲載時点で放送されている第3話までの間にも、フランシュシュには様々な波乱がありました。皆さんが特に印象に残っているシーンやエピソードを教えてください。
河瀬 私は2話です! 実は今朝、初めて音声が入った状態の映像資料を観たんです。もちろん内容は知っていたんですけど、アフレコは別録りだったので、(二階堂)サキちゃんやさくらの声を聞くのは初めてで。そしたら、今まで絶対涙を見せてこなかったサキちゃんがあんな風に泣くんだと思って、朝からボロ泣きしました。
田中 うん、あれは切ない……。
河瀬 ゾンビであるが故に、死なないし、何したって無敵だと思っていたけど、死なないからこそこの涙があるっていう切なさ。私、1話でも泣いたのに、2話でもまた泣かされて、さくらみたいに干からびるんじゃないかと思って(笑)。(二階堂サキ役の田野)アサミさんもすごいし、えーでちゃん(本渡 楓)の重ねてくる泣きにさらにグッときちゃって。2話はエモかったです。
本渡 2話のアフレコでは、さくらとサキちゃんとホワイト竜さんの3人でアフレコを行う割り振りだったので、私は(ホワイト竜役の)白竜さんと一緒に収録することができまして。もう全部が印象的でした。
――というのは?
本渡 白竜さんは俳優として色んな作品に出演されていて、すごくかっこよくて男前なお芝居を拝見していたので、こんなにも穏やかで優しい方なんだと思って。アフレコのとき、サキちゃんの「伊万里港浦ノ崎防波堤灯台みてえにな」っていうセリフに、白竜さんが「懐かしいねえ」と反応されたんです。
田中 優しい!
河瀬 白竜さんも佐賀の方だもんね。
本渡 まさかアルピノでのライブ(2019年7月に行われたライブイベント“ゾンビランドサガLIVE~フランシュシュみんなでおらぼう!~in SAGA”)で江頭さん(江頭2:50)が「これを見ろ!」って言って流れた演説動画に出演してくださっただけでなく、アニメにまで声優として出てくださるとは。かっこいいお芝居はもちろん、ギャグっぽいお芝居も素敵で、ディレクションに対してもすごく真摯に向き合われていて、本当に素敵な方でした。
田中 なかなかない経験だよね。
――本渡さんが他に印象に残っているシーンは?
本渡 どれも印象深いですけど、1話の(水野)愛ちゃんがカブに乗ってバイトをしに行くところから始まるのも衝撃的で大好きです。
田中 社歌(第1話の挿入歌「イカの魂無駄にはしない~小島食品工場株式会社社歌~」)ね(笑)。
河瀬 実はあの社歌、私たちも工場のおばちゃん役として歌っているんですよ。面白かったよね。みんな愛ちゃんの声量を超えるぐらいの大きい声で歌い始めたりして。
田中 それで言うと私、レコーディングのときに佐藤さん(音楽プロデューサーの佐藤宏次)と社歌の話になって。「いやあ、ちゃんまき(河瀬)の声がめちゃくちゃ大きくて」って言ってた(笑)。
河瀬 違うの! レコーディングのとき、私の隣に三石(琴乃)さんがいらっしゃったんだけど、三石さんは「ようこそ佐賀へ」の叫び声以外は『ゾンビランドサガ』の楽曲に参加されていなかったので、「私にとって『ゾンビ』で初の歌だ!」ということで、めちゃくちゃ大きな声で歌われてて。なので私も「負けてられない!」と思って大きい声を出したら、さらにそれを超えてくるような歌声を出してこられたので、急に“SAGAディビジョンバトルマッチ”みたいになってしまって(笑)。
一同 (笑)。
河瀬 なので私はスーパー笑顔でこの曲を歌ってましたね。三石さんの歌声を聴けるのが嬉しくて。
――田中さんはいかがですか?
田中 私も色々ありますけど、特に印象に残っているのは3話の純子のソロ曲(「50と4つの忘れ物」)です。純子ってギター片手にこういう渋めの歌をうたう子だったんだと思って。そりゃあ「伝説の昭和のアイドル」になるわっていう。しかもその歌を横で聴いてるさくらがめちゃくちゃシュールで。
本渡 首だけになるし(笑)。
田中 そうそう。さくらの不幸を呼び込む設定が『リベンジ』でもずっと続いていて。
河瀬 そう思うと記憶を取り戻したさくらが、変わらないさくらでいてくれて良かったよね。
本渡 それはフランシュシュのみんながいるからだよ、きっと。もしみんながいなかったら「はあ、ゾンビになってしまって……」ってなると思うけど、みんながいるから活き活きとしてる。
田中 第2話でリリィが、ぼーっとしているサキちゃんを見て「あのおじさんのこと好きだったのかな」って言ったのも印象に残っているんですけど、その後にさくらが愛ちゃんに向かって「愛ちゃんも好きな人おったと!?」って迫るところも面白くて。そういえばさくらって、元々愛ちゃんのファンだったんだよなあと思って。
本渡 あのシーンのさくらはただのオタクになってたね(笑)。
フランシュシュの絆が試される!? 第4話とその先のSAGAへの期待
――1期からの設定や要素を引き継ぎつつ、各キャラクターの新しい表情がたくさん見られるところは、2期ならではの面白さですよね。
本渡 サキちゃんが「特攻DANCE~DAWN OF THE BAD~」(第1期の挿入歌)の間奏で“時が経てば アタシらのことなんて みんな憶えちゃいないさ”って語りますが、それが『リベンジ』の2話で、ラジオから流れてきたホワイト竜さんの言葉だったことがわかって。色々なことが繋がっていくのが、本当に堪らないですね。
田中 2話はアイドルの恋愛を描くっていうのが本当に堪らないよね。しかもそれがサキちゃんって言う。
河瀬 だから私、今、サキちゃんのウェディングドレスの絵(2019年にスマートアートプリント用に描き下ろされたイラスト)を見ると涙が止まらなくなるんですわ。
本渡・田中 あ~!
本渡 ダメダメ、泣きそうになるから止めよう。
――ストップがかかりました(笑)。さて、先ほど河瀬さんがおっしゃっていたように、第3話では純子の気持ちに迷いが生じるなか、愛がアイアンフリルにスカウトされるところを目撃して幕が閉じ、これからさらに一波乱起こりそうな雰囲気です。第4話を期待しているファンに向けて、今後の見どころとメッセージをお願いします。
河瀬 純子と愛の純愛コンビのお話は、1期では2話に跨いでお話を描いていただいたんですけど、今回も気になるところで次回に続くことになっていて。この先、純子はちゃんとステージに向かえるのか、あるいは、また引きこもってキノコが生えてしまうのか(笑)。私は昭和の時代をソロアイドルとして生き抜いた彼女なら何かを見せてくれるのではないかと思っています。やっぱり愛ちゃんがいないとダメなのかどうかを含め、期待して見ていただけたらと思います。そしてその後のお話もすごいことになっているので、お楽しみに!
田中 4話は本当に激アツです(笑)。1期から2期にかけて絆がさらに深まっているからこそ、ぶつかり合ったり大切に思い合う部分が表れている話数だと思うので、期待して間違いないと思います。そしてリリィ個人としても今後色々ありますので、そこも楽しみにしていただければと思います。
本渡 4話は「こう見せたいのね」ということがすごく伝わってきて、アフレコや絵コンテの段階でもすごく良いんです。セリフの内容も、それを演じる役者さんの息遣いも、カメラワークも、全て素晴らしくて。きっと4話を観たら、二人の関係性をすごく応援したくなると思います。3話の流れを引き継いで、純子ちゃんたちがどういう風に立ち向かっていくのか。もしかして新しい曲とかもあるのかな?(笑)。
河瀬 どうなのかな~(笑)。
本渡 そして今後も見どころだらけなのですが、熱いお話もあれば、かわいらしくてまったりしたお話もあって、変化に富んだ本当に裏切ることのない内容なので、楽しみにしていただければと思います!
PHOTOGRAPHY BY 堀内彩香
INTERVIEW & TEXT BY 北野 創(リスアニ!)
【ギャラリー】
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●作品情報
TVアニメ『ゾンビランドサガ リベンジ』
【スタッフ】
原作:広報広聴課ゾンビ係
監督:境 宗久
シリーズ構成:村越 繁
キャラクターデザイン:深川可純
総作画監督:崔 ふみひで、桑原 幹根
美術監督:大西達朗
色彩設計:佐々木梓
3DCGディレクター:黒岩あい
撮影監督:三舟桃子
編集:後藤正浩
音楽:高梨康治、Funta7
主題歌・挿入歌:SCOOP MUSIC
音楽制作:エイベックス・ピクチャーズ
音響監督:境 宗久
音響制作:dugout
制作:MAPPA
【キャスト】
巽 幸太郎:宮野 真守
源さくら:本渡 楓
二階堂サキ:田野アサミ
水野 愛:種田梨沙
紺野純子:河瀬茉希
ゆうぎり:衣川里佳
星川リリィ:田中美海
山田たえ:三石琴乃
警察官A:吉野裕行
ロメロ:高戸靖広 ほか
<放送>
TOKYO MX:4月8日 毎週木曜24:00~
サンテレビ:4月8日 毎週木曜24:30~
TVQ九州放送:4月9日 毎週金曜25:58~
サガテレビ:4月9日 毎週金曜24:55~
BS11:4月8日 毎週木曜24:30~
AT-X:4月8日 毎週木曜23:30~
リピート放送:毎週月曜11:30~/毎週水曜17:30~
<地上波先行独占配信>
Amazon Prime Video:4月8日 毎週木曜23:15~
ABEMA:4月8日 毎週木曜23:30~
<レンタル(都度課金)配信>
dTV、U-NEXT、ニコニコチャンネル、他
4月11日(日)23:30~順次
<第4話放送直前特番が配信決定>
▼番組名
TVアニメ「ゾンビランドサガ リベンジ」4話放送直前―イカの魂無駄にしないで!しないで~!―スペシャル
▼出演
本渡楓(源さくら役)、田野アサミ(二階堂サキ役)、種田梨沙(水野愛役)、河瀬茉希(紺野純子役)、衣川里佳(ゆうぎり役)、田中美海(星川リリィ役)
▼日時
4月29日(木)22:30~23:30
▼配信URL
https://abema.tv/channels/abema-anime/slots/AUkGYqbfaU2KVh
(c)ゾンビランドサガ リベンジ製作委員会