3rdアルバム『Rhythmic Flavor』を引っ提げたツアーを大盛況のうちに終え、アーティストとしてますますの成長を見せた伊藤美来が、早くもニューシングル「No.6」を完成させた。TVアニメ『戦闘員、派遣します!』のOPテーマとなる表題曲は、2ndシングル「Shocking Blue」以来となる園田健太郎が提供した爽快なブラスファンクチューン。
炎のロックから涙のMCまで――夢のように楽しかったツアーの思い出
――まずは3月に開催されたライブツアー“伊藤美来 Live Tour 2021 Rhythmic BEAM YOU”の感想をお聞かせください。
伊藤美来 ツアーは初めての経験で、大阪でのワンマンも初めてだったので緊張しましたけど、楽しかったです。今回は『Rhythmic Flavor』(2020年12月リリースの3rdアルバム)を引っ提げてのライブだったので、アルバムの雰囲気を崩すことなくそれぞれの曲が活きる曲順にしたくて、演出もより印象的なものになるよう、チームのみんなで一緒に考えて作っていきました。
――特に思い出深い演出を挙げるとしたら?
伊藤 横浜公演で「Born Fighter」を歌ったときの炎の演出が印象的でした。まさか私のアーティスト活動で、炎を使った演出を行うなんて想像もしてなかったので、「炎を出しましょう!」と言われたときにはビックリしました(笑)。実際にリハをしてみたら結構熱くて、「熱っ!しかも結構ずっと出てる……!」と思って(笑)。「Born Fighter」はライブで映えるロックな曲をイメージして作っていただいたので、あんなに派手な演出でかっこよく見せられて満足です。
――「vivace」の歌唱時と、そのあとの幕間の時間には、撮り下ろしの映像を使った演出もありましたね。
伊藤 今回のライブは、自分の中では「夢のような幸せな空間を作り上げたい」というコンセプトがあったので、幕間の映像もライブの世界観を崩さないものにしたくて。幕間はセットリストで言うと「vivace」と「BEAM YOU」の間に用意したのですが、『Rhythmic Flavor』の曲順だと「BEAM YOU」はアルバムの最初、「vivace」はアルバムの最後の曲なので、ループで聴くと「vivace」の次に「BEAM YOU」が流れるんです。個人的にはその流れが心地良くて夢の中をぐるぐるしているようなイメージがあったので、ライブでもその順番にしました。
――なるほど。「vivace」のときにステージにベッドが登場して、伊藤さんがそこに腰かけながら歌っていたのは、夢の中をイメージした演出だったんですね。
伊藤 「vivace」の曲にとても合った神秘的な映像も、夢を見ているような感覚になってもらえたらと思って撮影してもらいました。そこから(「vivace」を歌唱後ベッドに横たわって)眠っていなくなったけど、これは現実なのか夢なのか、どっちなんだろう?という雰囲気にしたくて、幕間の映像はモーニングルーティン風にしました。私が黙々とモーニングルーティンをこなしている姿を見せられるっていう、普通に考えたら謎な映像ですけど(笑)。
――かなり優雅なモーニングルーティンでしたが、あれは普段の伊藤さんの朝の姿をイメ―ジしたものですか?
伊藤 まったく1つも重ならないです(笑)。あれはかっこつけたバージョンのライブ限定モーニングルーティンですね。
――(笑)。じゃあ伊藤さんの普段の朝はどんな感じですか?
伊藤 まずあんなに時間をかけないです。起きてすぐバタバタしながら用意するので(笑)。観葉植物に水をあげたりもしないし、トースターでトーストを焼かないし、お洒落な緑のビンに入った水なんか飲まないし。一緒なのは、顔を洗うところぐらいだと思います(笑)。
――あと横浜公演で触れたいのが、ライブ本編のラストの曲「Good Song」を歌われる前のMCです。感極まって涙を流す場面もありましたが、改めてあのときの気持ちを聞いていいですか?
伊藤 私はソロライブではMCを事前にカチッと決めていなくて、ステージに立ったそのときに言いたいことをお話するんですけど……なのでMCは毎回まあまあグダグダになるんです(笑)。でも、この日のライブの最後のMCでは、ツアーを開催できたこと、お客さんが来てくれたことに対する感謝を伝えようと思っていたんです。それで話していたら、だんだん「なんか私いいこと言ってるかもしれない……」って、自分の言葉に自分がグッときちゃったんです(笑)。
――自分でも意図せず、気持ちが込み上げてきたんですね。
伊藤 特に、私のことを支えてくれる人、家族、友達、スタッフの皆さんのことを1つ1つ言っていったときに、その人たちの顔が鮮明に思い浮かんだことに1番グッときて、あのタイミングで涙が堪えられなくなってしまって。その後はより一層グダグダになって、自分でも「まとまってないなあ」と思ったんですけど、「拙いながらも伝われ!」と思って、話し続けたMCでした。
みっくが軽やかに歌い上げる、ピースフルな新境地「No.6」
――そんな横浜公演で初披露されたのが、今回のニューシングルの表題曲「No.6」。作詞・作曲は園田健太郎さん、編曲はLowland Jazzの千葉岳洋さんで、ビッグバンド系のブラスをフィーチャーしたナンバーです。この曲を最初に受け取ったときの印象はいかがでしたか?
伊藤 園田さんに楽曲を書いていただいたのは「Shocking Blue」以来だったので、「わ~!園田さんの楽曲だ!」という高まりがあったのと同時に、成長したところを見せたくて気合いが入りました。イントロからブラスがとてもかっこよくて。受け取った時点で『戦闘員、派遣します!』のOPテーマになることも決まっていたので、秘密結社感というかスパイ映画の音楽のようなかっこよさを感じましたし、でもサビは爽やかで、とてもポジティブな印象を受けました。
――『戦闘員、派遣します!』自体にはどのような印象をお持ちですか?
伊藤 出てくるキャラクターたちが主人公やヒロインも含めて、それぞれヤバいところを持っていて、正統派がいないんですよね(笑)。みんなやり方が卑怯なところが秘密結社らしいし、(原作を)読み進めていっても、主人公はやっぱりゲスいところに辿り着くので、そういうところが本当に笑えて面白いですし、読んでいてスカッとするところがあって。日常で自分ができない卑怯なことだからこそ、それをやってくれるとちょっと気持ちいいというか、そのゲスさが清々しいなあと思います(笑)。むしろ敵側の魔王軍のほうがかわいそうになる瞬間もあるぐらいで、どのキャラもゲスいところはあるけど、憎めないなあって思います。
――実際、この作品は敵側も味方側も憎めない部分がありますよね。本作の主人公は秘密結社の戦闘員で、本来はヒーローの敵役として描かれる立場ですが、その侵略者の側にも親近感が沸くっていう。
伊藤 私もヒーローが好きですけど、この作品を読んで「No.6」を歌ってみて、敵側は敵側なりの事情があるということを理解しました。この曲の歌詞にある通り、“誰かの〇は誰かの×で”なんだなって。悪の組織側からしたら、地球を侵略することが正義なわけだから、それを「お前は悪だ!」って決めつけるのは、いかがなものかっていう。すごく心が広くなれました。
――その意味では、今回の「No.6」の歌詞は、『戦闘員、派遣します!』の世界観としっかりリンクしているように感じます。
伊藤 私もそう思います。
――言葉遣いも優しいと言いますか、聴き手に委ねてくれるような心の広さがありますよね。例えば“踏み出す前に一瞬考えてみてもいい”というフレーズは、考えてみてもいいし、逆に考えてみなくてもいいっていうことですし。
伊藤 そうですね。「これが正解!」って決めつけるのではなく、「あれも正解かな?」って考える余裕があると、色んな考えを持てるし、人の意見にも寄り添えるので、大人として大事なことが書かれているなあと思いました。
――伊藤さん自身も、そういった色んな価値観があることを受け入れる考え方に共感しますか?
伊藤 私自身も色んな意見があったほうが助かるタイプだし、「自分の意見は正しいのかな?」とか「あんまりまとまってないけど、言ってもいいのかな?」と思うことがよくあるんですけど、とりあえずパターンを出してみることが大事だと思っていて。でも、それを出すのは勇気がいることなので、そういうときにこの曲みたいな考えの方が周りにいてくれると、とてもいいですよね。世の大人が全員「そうだよね、それもあるね」っていう考え方になると、世界は平和になると思いました。この曲を聴けば、戦争がなくなります(笑)。
――そう、実はめちゃくちゃピースフルな楽曲ですよね。そんな楽曲を歌うにあたって、今回はどんなイメージでレコーディングに臨みましたか?
伊藤 かっこいい曲調だし、楽器の音もインパクトがあって、歌詞も1つ1つの単語にしっかりと意味があるので、歌声的にはその言葉が耳にスッと入っていくように、風のような軽やかさを意識してレコーディングしました。
――園田さんはディレクションにいらっしゃったのですか?
伊藤 はい、ディレクターさんと一緒に細かく見てくださって。レコーディングが終わったあとには「すごく良くなりましたね」というお言葉をいただいて、私もすごく安心しました。
――今回は作詞も園田さんですが、歌詞について何かお話はされましたか?
伊藤 私は直接お話ししていないんですけど、ディレクターさんによると、今回、園田さんが最初に書いてくださった歌詞は、基本的な軸は今と変わらないんですけど、言葉の選び方がもっと前向きで明るめだったらしいんです。そこに伊藤美来らしさを入れるために、ディレクターさんとすごく話し合ってくださったみたいで。
――「伊藤美来らしさ」というのは?
伊藤 ディレクターさんが「伊藤美来というのはこういう人間で……」みたいな説明をしてくださったみたいなんですけど、それが「前にガンガン進もう!」ではなくて「ちょっとだけでも前に進めたら嬉しい」っていう。細かいニュアンスなんですけど、伊藤美来とはそっち側です、みたいな(笑)。園田さんもそれで理解してくださって、私の考え方にすり合わせてくださった、というお話は聞きました。もちろんアニメにも寄り添った歌詞ですけど、私自身にもすごく寄り添って考えてくださった歌詞だなあって、読んだときにも感じました。
――伊藤さん自身も、自分はそういうタイプという認識があるのですか?
伊藤 そうですね。「ガンガン前に行くぜ!」みたいなことは性格的に考えられないので(笑)。
――たしかにそういう曖昧さは大切かもしれないですよね。目標を見定めて行動するのは、気持ち的にしんどくなる面もあるわけじゃないですか。
伊藤 それができるのはとてもかっこいいことだなあと個人的には思うんですけど、私には似合わないかな?と思ってしまいますね(笑)。
――そのお話を聞くと、この曲の歌詞の言葉遣いが優しい理由がわかった気がします。
伊藤 「巡り合えるはず!」とか「満ちていくよ!」ではなくて、“巡り合えますように”とか“希望で満ちますように”ってお祈りみたいになってますものね(笑)。私のことをすごく理解して書いてくださったことが歌詞からも伝わったので、大事に歌っていきたいなと思いました。
――「No.6」のMVについてもお聞かせください。今回はダンスをフィーチャーした映像になっています。
伊藤 今までのMVも、自分探しの旅に出かけたり、カラフルな世界観を作り上げたり、色々なものがありましたけど、今回もまた違った新鮮さを観てくれる方々に与えたかったので、ダンスがメインのMVになりました。前回の「BEAM YOU」のMVはカラフルだったので、今回は白と黒のモノクロでシンプルかつスタイリッシュに作っていただいて。楽曲的にも2つのことが混ざり合うのは素敵だよねっていう内容なので、ピッタリの内容になったと思います。
――“誰かの〇は誰かの×で”という歌詞に合わせて、〇サイドと×サイド、2パターンの伊藤さんが登場しますが、片方はパンツルック、片方はスカートで、対照的な衣装を着ていますね。
伊藤 今回はビッグバンドっぽいアレンジだったので、そのイメージでアーティスト写真はカチッとしたパンツルックにすることが決まって、MVでは〇と×の2パターンが必要ということで、全体的なイメージは変えずに、髪型とスカートで違いを出すようにしました。「かっこいい」と「かわいい」で分けるのではなくて、どっちも「かっこいい」だけど着てる服が違うっていう。で、最終的にはどっちも私で、〇も×も一緒になったらいいよね、ということを表現したMVになりました。
竹内アンナとのタッグ再び! 初のラップに挑戦した胸キュン乙女ソング
――カップリング曲の「気づかない?気づきたくない?」は、『Rhythmic Flavor』のリード曲「BEAM YOU」を作詞したシンガーソングライターの竹内アンナさんが作詞・作曲を担当。竹内さんとは以前にリスアニ!WEBで対談していただきました。
伊藤 あの取材のあとにもちょっとお話をして打ち解けて。私は竹内さんの楽曲がすごく好きで、こんなかっこいい曲を歌えるようになったらいいなあと思っていたんですけど、対談してすぐの頃に「No.6」のカップリングをどうするか打ち合わせがあったんです。私から「アンナさん、また曲を書いてくれるって言ってくれてたし、忙しいのはわかってるけど……どうですかね?」という提案をしたら、スタッフの方が頼んでくださって実現しました。早めのおかわりでした(笑)。
――伊藤さんご自身の希望だったんですね。竹内さんにはどんなふうにお願いしたのですか?
伊藤 私はアンナさんの曲のお洒落で最先端なところが好きなので、竹内さんエッセンスたっぷりでお願いしますとお伝えしたら、ラップが来てしまいました(笑)。楽曲をいただいてから「そうだ、アンナさんは帰国子女で英語もペラペラだし、ラップもやるんだった……」ということに気付きまして。
――そこまでは想定していなかったと(笑)。
伊藤 聴くぶんにはノリノリになって自然と聴けちゃうじゃないですか。でも仮歌を聴いたときに、「そうだ、これ私が歌わなくちゃいけないんだ……」って(笑)。仮歌もアンナさんが歌われていたので、めちゃめちゃかっこよくて、「もうこれでいいじゃないですか!」って何回も言ったんですけど……難易度は高いけどすごくいい曲だし、アンナさんが私のために書いてくださったので、これは頑張らなくちゃと思いました。
――自分の恋心に気づいた女の子の心情を描いたポップなダンスチューンですが、楽曲を受け取ったときの印象はいかがでしたか?
伊藤 グルーヴ感があるし、かっこよさや今時感もあるんですけど、歌詞はすごく乙女チックで、かわいい曲だなあと思いました。「青春!甘酸っぱい!」みたいな。学生の子とか、こういう状況にある子だったら「わかる!」ってなるようなリアルさがあって、キュンキュンしました。
――伊藤さんが特にキュンときたポイントは?
伊藤 全部がそうなんですけど、“二人だけの合図 半分したアイス”は「アイスを半分こしてるんだったら、もう好きじゃん!」って思いました(笑)。“他愛ない電話”とかも、「他愛ない電話してるのは、もう好きなんだって!安心して告白しなよ」って思っちゃうけど、でもそこから一歩踏み出せないのが乙女心なんですよね。楽しい時間を壊したくないから言えないもどかしさ。恋する女の子が抱える複雑な気持ちにとってもキュンキュンしました。
――伊藤さんもそういう乙女心に共感する?
伊藤 この曲に関しては完全に第三者目線で見てましたね。歌詞を読めば読むほど「もう付き合っちゃいなよ!」「大丈夫だって、いけるから」って友達みたいな感覚になっちゃって(笑)。でも、このもどかしい乙女心は、女子ならきっとみんな持っているだろうし、男性でも同じようなことがあると思います。
――レコーディングはいかがでしたか?
伊藤 とても難しかったです。韻を踏むこともそうですし、かわいらしい曲ではありますけど、歌い方的に乙女チックになりすぎたり、キャピキャピするとまた違うものになるので。レコーディングにはアンナさんも来てくださったんですけど、どちらかと言うと気怠そうに歌ったほうが、歌詞がスッと入ってくるとおっしゃっていて。
――たしかにちょっとアンニュイな雰囲気が、恋心に悩んでいる歌詞ともマッチしています。
伊藤 でも、感情が出るところはしっかりと気持ちを入れるようにしました。ラップのパートもそうですし、2番の最後にある“いつも通りってどうやるんだっけ”の“だっけ”は、「もうどうでもいいや」みたいな感じというディレクションをいただいたので、ちょっと投げやりな感じで歌ってみて。細かい感情の入れ方も工夫しました。
――初挑戦のラップはどうでしたか?
伊藤 私は英語が苦手なので、まずは英語の授業を受けるところから始まりました(笑)。プリプロのときに、仮歌を何回も聴きながら英語の部分をヒアリングして、片仮名で上に書いていくみたいな。早口だし、英語だし、韻を踏んでるし、初めてだらけで戸惑いましたが、アンナさんがすごく助けてくださって。発音とかも教えてくださりありがたかったです。
――出だしの“All right”という部分から、すごく雰囲気があってかっこよかったです。
伊藤 良かった~。“All right”も何回もやり直したんですよ。ここが上手くいかないと、その先が全然上手くいかないので(笑)。とりえあずラップ以外の歌を先に全部録って、ラップの部分は何回も繰り返しチャレンジしましたね。気持ちは千本ノックをしている感じでした(笑)。
――竹内さんとは、現場でほかに何かお話しましたか?
伊藤 竹内さんは、歌はすごく大人っぽいですけど、しゃべると本当にかわいらしい方で、2人で「ここの家具屋がかわいい」とか「このサイトがかわいいよ」とか、私にしては珍しく、すごく普通の女子っぽいかわいらしい雑談をしてました(笑)。あとは「いつからギターを始めたんですか?」とか、他愛もないお話から始まって、ワチャワチャと楽しくやってました。
――今回の「気づかない?気づきたくない?」や、以前にゆいにしおさんが書かれた「hello new pink」もそうですが、伊藤さんは女性の方が書いた曲との相性がすごくいいなあと思って。
伊藤 ありがとうございます。それで言うと(「vivace」を書いた)Charaさんもそうですけど、ご自身が歌を作って歌われているシンガーソングライターの方に楽曲をお願いすると、その方の特徴やエッセンスが存分に入った曲を書いていただけるので、そこに私の声が合わさるのは私自身の刺激にもなりますし、その世界観に入れる嬉しさもあって。女子目線を理解してもらえる楽曲ばかりなので、きっと私のことを応援してくださってる男性の方は、女子の気持ちに詳しくなれると思います(笑)。察せる男になるのではないかと。
――勉強になります(笑)。改めて今回のシングルはどんな作品になりましたか? その手ごたえについてお聞かせください。
伊藤 『Rhythmic Flavor』ではたくさん新しいことにチャレンジしましたけど、今作もそれに負けじと、新しい自分を聴いてくれる方に届けたい気持ちがあったので、それを歌い方しかり、ラップしかりで、見せられていると思います。2021年最初のシングルでもあるので、今年も頑張ります!と言えるような1枚になりました。飽きることなく聴いてもらえる2曲になったと思うので、ぜひたくさん聴いてください!
INTERVIEW & TEXT BY 北野 創(リスアニ!)
●リリース情報
「No.6」
4月28日発売
【DVD付き限定盤(CD+DVD)】
価格:¥2,090(税込)
品番:COZC-1743~4
【通常盤(CD)】
価格:¥1,430(税込)
品番:COCC-17871
<CD>
1.No.6
作詞・作曲:園田健太郎 編曲:千葉岳洋
2.気づかない?気づきたくない?
作詞・作曲:竹内アンナ/編曲:名村武
3.No.6(off vocal ver.)
4.気づかない?気づきたくない?(off vocal ver.)
<DVD>
01. No.6 Music Video
02. No.6メイキング映像
関連リンク
伊藤美来 日本コロムビア特設サイト
https://columbia.jp/itomiku/
伊藤美来 公式Twitter
https://twitter.com/InfoItomiku
伊藤美来 公式Instagram
https://www.instagram.com/itomiku_official/
伊藤美来 Official Music Channel
https://www.youtube.com/channel/UC5jcW47_Svq9AFkhNLca4EA
TVアニメ『戦闘員、派遣します!』公式サイト
https://kisaragi-co.jp/
ラップに初挑戦した竹内アンナ提供のカップリング曲「気づかない?気づきたくない?」と併せ、新たなみっくの魅力が詰まった1枚について、本人に話を聞いた。
炎のロックから涙のMCまで――夢のように楽しかったツアーの思い出
――まずは3月に開催されたライブツアー“伊藤美来 Live Tour 2021 Rhythmic BEAM YOU”の感想をお聞かせください。
伊藤美来 ツアーは初めての経験で、大阪でのワンマンも初めてだったので緊張しましたけど、楽しかったです。今回は『Rhythmic Flavor』(2020年12月リリースの3rdアルバム)を引っ提げてのライブだったので、アルバムの雰囲気を崩すことなくそれぞれの曲が活きる曲順にしたくて、演出もより印象的なものになるよう、チームのみんなで一緒に考えて作っていきました。
――特に思い出深い演出を挙げるとしたら?
伊藤 横浜公演で「Born Fighter」を歌ったときの炎の演出が印象的でした。まさか私のアーティスト活動で、炎を使った演出を行うなんて想像もしてなかったので、「炎を出しましょう!」と言われたときにはビックリしました(笑)。実際にリハをしてみたら結構熱くて、「熱っ!しかも結構ずっと出てる……!」と思って(笑)。「Born Fighter」はライブで映えるロックな曲をイメージして作っていただいたので、あんなに派手な演出でかっこよく見せられて満足です。
――「vivace」の歌唱時と、そのあとの幕間の時間には、撮り下ろしの映像を使った演出もありましたね。
伊藤 今回のライブは、自分の中では「夢のような幸せな空間を作り上げたい」というコンセプトがあったので、幕間の映像もライブの世界観を崩さないものにしたくて。幕間はセットリストで言うと「vivace」と「BEAM YOU」の間に用意したのですが、『Rhythmic Flavor』の曲順だと「BEAM YOU」はアルバムの最初、「vivace」はアルバムの最後の曲なので、ループで聴くと「vivace」の次に「BEAM YOU」が流れるんです。個人的にはその流れが心地良くて夢の中をぐるぐるしているようなイメージがあったので、ライブでもその順番にしました。
――なるほど。「vivace」のときにステージにベッドが登場して、伊藤さんがそこに腰かけながら歌っていたのは、夢の中をイメージした演出だったんですね。
伊藤 「vivace」の曲にとても合った神秘的な映像も、夢を見ているような感覚になってもらえたらと思って撮影してもらいました。そこから(「vivace」を歌唱後ベッドに横たわって)眠っていなくなったけど、これは現実なのか夢なのか、どっちなんだろう?という雰囲気にしたくて、幕間の映像はモーニングルーティン風にしました。私が黙々とモーニングルーティンをこなしている姿を見せられるっていう、普通に考えたら謎な映像ですけど(笑)。
――かなり優雅なモーニングルーティンでしたが、あれは普段の伊藤さんの朝の姿をイメ―ジしたものですか?
伊藤 まったく1つも重ならないです(笑)。あれはかっこつけたバージョンのライブ限定モーニングルーティンですね。
――(笑)。じゃあ伊藤さんの普段の朝はどんな感じですか?
伊藤 まずあんなに時間をかけないです。起きてすぐバタバタしながら用意するので(笑)。観葉植物に水をあげたりもしないし、トースターでトーストを焼かないし、お洒落な緑のビンに入った水なんか飲まないし。一緒なのは、顔を洗うところぐらいだと思います(笑)。
――あと横浜公演で触れたいのが、ライブ本編のラストの曲「Good Song」を歌われる前のMCです。感極まって涙を流す場面もありましたが、改めてあのときの気持ちを聞いていいですか?
伊藤 私はソロライブではMCを事前にカチッと決めていなくて、ステージに立ったそのときに言いたいことをお話するんですけど……なのでMCは毎回まあまあグダグダになるんです(笑)。でも、この日のライブの最後のMCでは、ツアーを開催できたこと、お客さんが来てくれたことに対する感謝を伝えようと思っていたんです。それで話していたら、だんだん「なんか私いいこと言ってるかもしれない……」って、自分の言葉に自分がグッときちゃったんです(笑)。
――自分でも意図せず、気持ちが込み上げてきたんですね。
伊藤 特に、私のことを支えてくれる人、家族、友達、スタッフの皆さんのことを1つ1つ言っていったときに、その人たちの顔が鮮明に思い浮かんだことに1番グッときて、あのタイミングで涙が堪えられなくなってしまって。その後はより一層グダグダになって、自分でも「まとまってないなあ」と思ったんですけど、「拙いながらも伝われ!」と思って、話し続けたMCでした。
みっくが軽やかに歌い上げる、ピースフルな新境地「No.6」
――そんな横浜公演で初披露されたのが、今回のニューシングルの表題曲「No.6」。作詞・作曲は園田健太郎さん、編曲はLowland Jazzの千葉岳洋さんで、ビッグバンド系のブラスをフィーチャーしたナンバーです。この曲を最初に受け取ったときの印象はいかがでしたか?
伊藤 園田さんに楽曲を書いていただいたのは「Shocking Blue」以来だったので、「わ~!園田さんの楽曲だ!」という高まりがあったのと同時に、成長したところを見せたくて気合いが入りました。イントロからブラスがとてもかっこよくて。受け取った時点で『戦闘員、派遣します!』のOPテーマになることも決まっていたので、秘密結社感というかスパイ映画の音楽のようなかっこよさを感じましたし、でもサビは爽やかで、とてもポジティブな印象を受けました。
――『戦闘員、派遣します!』自体にはどのような印象をお持ちですか?
伊藤 出てくるキャラクターたちが主人公やヒロインも含めて、それぞれヤバいところを持っていて、正統派がいないんですよね(笑)。みんなやり方が卑怯なところが秘密結社らしいし、(原作を)読み進めていっても、主人公はやっぱりゲスいところに辿り着くので、そういうところが本当に笑えて面白いですし、読んでいてスカッとするところがあって。日常で自分ができない卑怯なことだからこそ、それをやってくれるとちょっと気持ちいいというか、そのゲスさが清々しいなあと思います(笑)。むしろ敵側の魔王軍のほうがかわいそうになる瞬間もあるぐらいで、どのキャラもゲスいところはあるけど、憎めないなあって思います。
――実際、この作品は敵側も味方側も憎めない部分がありますよね。本作の主人公は秘密結社の戦闘員で、本来はヒーローの敵役として描かれる立場ですが、その侵略者の側にも親近感が沸くっていう。
伊藤 私もヒーローが好きですけど、この作品を読んで「No.6」を歌ってみて、敵側は敵側なりの事情があるということを理解しました。この曲の歌詞にある通り、“誰かの〇は誰かの×で”なんだなって。悪の組織側からしたら、地球を侵略することが正義なわけだから、それを「お前は悪だ!」って決めつけるのは、いかがなものかっていう。すごく心が広くなれました。
――その意味では、今回の「No.6」の歌詞は、『戦闘員、派遣します!』の世界観としっかりリンクしているように感じます。
伊藤 私もそう思います。
タイトルの「No.6」も(主人公の)戦闘員六号にかかっていますし、秘密結社の側も魔王軍の側も、みんなそれぞれに正義がある、それぞれがぞれぞれの道を信じて走っていけばいいんだよ!っていう。どっちのことも肯定してくれる、心が優しくなれる歌詞だと思います。
――言葉遣いも優しいと言いますか、聴き手に委ねてくれるような心の広さがありますよね。例えば“踏み出す前に一瞬考えてみてもいい”というフレーズは、考えてみてもいいし、逆に考えてみなくてもいいっていうことですし。
伊藤 そうですね。「これが正解!」って決めつけるのではなく、「あれも正解かな?」って考える余裕があると、色んな考えを持てるし、人の意見にも寄り添えるので、大人として大事なことが書かれているなあと思いました。
――伊藤さん自身も、そういった色んな価値観があることを受け入れる考え方に共感しますか?
伊藤 私自身も色んな意見があったほうが助かるタイプだし、「自分の意見は正しいのかな?」とか「あんまりまとまってないけど、言ってもいいのかな?」と思うことがよくあるんですけど、とりあえずパターンを出してみることが大事だと思っていて。でも、それを出すのは勇気がいることなので、そういうときにこの曲みたいな考えの方が周りにいてくれると、とてもいいですよね。世の大人が全員「そうだよね、それもあるね」っていう考え方になると、世界は平和になると思いました。この曲を聴けば、戦争がなくなります(笑)。
――そう、実はめちゃくちゃピースフルな楽曲ですよね。そんな楽曲を歌うにあたって、今回はどんなイメージでレコーディングに臨みましたか?
伊藤 かっこいい曲調だし、楽器の音もインパクトがあって、歌詞も1つ1つの単語にしっかりと意味があるので、歌声的にはその言葉が耳にスッと入っていくように、風のような軽やかさを意識してレコーディングしました。
今までの経験から、自分の得意なキーや歌い方、どこをファルセットにすれば軽やかさが出るかも考えられるようになっていたので、そこは自分でも成長を感じつつ、でも軽やかさを出すために何回も録り直したりして。ブレスの箇所から細かい歌い方まで、1つずつ固めながら、より一層いいものにするために、時間をかけて録りました。
――園田さんはディレクションにいらっしゃったのですか?
伊藤 はい、ディレクターさんと一緒に細かく見てくださって。レコーディングが終わったあとには「すごく良くなりましたね」というお言葉をいただいて、私もすごく安心しました。
――今回は作詞も園田さんですが、歌詞について何かお話はされましたか?
伊藤 私は直接お話ししていないんですけど、ディレクターさんによると、今回、園田さんが最初に書いてくださった歌詞は、基本的な軸は今と変わらないんですけど、言葉の選び方がもっと前向きで明るめだったらしいんです。そこに伊藤美来らしさを入れるために、ディレクターさんとすごく話し合ってくださったみたいで。
――「伊藤美来らしさ」というのは?
伊藤 ディレクターさんが「伊藤美来というのはこういう人間で……」みたいな説明をしてくださったみたいなんですけど、それが「前にガンガン進もう!」ではなくて「ちょっとだけでも前に進めたら嬉しい」っていう。細かいニュアンスなんですけど、伊藤美来とはそっち側です、みたいな(笑)。園田さんもそれで理解してくださって、私の考え方にすり合わせてくださった、というお話は聞きました。もちろんアニメにも寄り添った歌詞ですけど、私自身にもすごく寄り添って考えてくださった歌詞だなあって、読んだときにも感じました。
――伊藤さん自身も、自分はそういうタイプという認識があるのですか?
伊藤 そうですね。「ガンガン前に行くぜ!」みたいなことは性格的に考えられないので(笑)。
色んな選択肢があって、なんとなくいいなと思ったものを選ぶというか、ちょっとした曖昧さというか。前に行ってもいいけど、横に行ってもいいことあるかもよ?みたいな(笑)。
――たしかにそういう曖昧さは大切かもしれないですよね。目標を見定めて行動するのは、気持ち的にしんどくなる面もあるわけじゃないですか。
伊藤 それができるのはとてもかっこいいことだなあと個人的には思うんですけど、私には似合わないかな?と思ってしまいますね(笑)。
――そのお話を聞くと、この曲の歌詞の言葉遣いが優しい理由がわかった気がします。
伊藤 「巡り合えるはず!」とか「満ちていくよ!」ではなくて、“巡り合えますように”とか“希望で満ちますように”ってお祈りみたいになってますものね(笑)。私のことをすごく理解して書いてくださったことが歌詞からも伝わったので、大事に歌っていきたいなと思いました。
――「No.6」のMVについてもお聞かせください。今回はダンスをフィーチャーした映像になっています。
伊藤 今までのMVも、自分探しの旅に出かけたり、カラフルな世界観を作り上げたり、色々なものがありましたけど、今回もまた違った新鮮さを観てくれる方々に与えたかったので、ダンスがメインのMVになりました。前回の「BEAM YOU」のMVはカラフルだったので、今回は白と黒のモノクロでシンプルかつスタイリッシュに作っていただいて。楽曲的にも2つのことが混ざり合うのは素敵だよねっていう内容なので、ピッタリの内容になったと思います。
――“誰かの〇は誰かの×で”という歌詞に合わせて、〇サイドと×サイド、2パターンの伊藤さんが登場しますが、片方はパンツルック、片方はスカートで、対照的な衣装を着ていますね。
伊藤 今回はビッグバンドっぽいアレンジだったので、そのイメージでアーティスト写真はカチッとしたパンツルックにすることが決まって、MVでは〇と×の2パターンが必要ということで、全体的なイメージは変えずに、髪型とスカートで違いを出すようにしました。「かっこいい」と「かわいい」で分けるのではなくて、どっちも「かっこいい」だけど着てる服が違うっていう。で、最終的にはどっちも私で、〇も×も一緒になったらいいよね、ということを表現したMVになりました。
竹内アンナとのタッグ再び! 初のラップに挑戦した胸キュン乙女ソング
――カップリング曲の「気づかない?気づきたくない?」は、『Rhythmic Flavor』のリード曲「BEAM YOU」を作詞したシンガーソングライターの竹内アンナさんが作詞・作曲を担当。竹内さんとは以前にリスアニ!WEBで対談していただきました。
伊藤 あの取材のあとにもちょっとお話をして打ち解けて。私は竹内さんの楽曲がすごく好きで、こんなかっこいい曲を歌えるようになったらいいなあと思っていたんですけど、対談してすぐの頃に「No.6」のカップリングをどうするか打ち合わせがあったんです。私から「アンナさん、また曲を書いてくれるって言ってくれてたし、忙しいのはわかってるけど……どうですかね?」という提案をしたら、スタッフの方が頼んでくださって実現しました。早めのおかわりでした(笑)。
――伊藤さんご自身の希望だったんですね。竹内さんにはどんなふうにお願いしたのですか?
伊藤 私はアンナさんの曲のお洒落で最先端なところが好きなので、竹内さんエッセンスたっぷりでお願いしますとお伝えしたら、ラップが来てしまいました(笑)。楽曲をいただいてから「そうだ、アンナさんは帰国子女で英語もペラペラだし、ラップもやるんだった……」ということに気付きまして。
――そこまでは想定していなかったと(笑)。
伊藤 聴くぶんにはノリノリになって自然と聴けちゃうじゃないですか。でも仮歌を聴いたときに、「そうだ、これ私が歌わなくちゃいけないんだ……」って(笑)。仮歌もアンナさんが歌われていたので、めちゃめちゃかっこよくて、「もうこれでいいじゃないですか!」って何回も言ったんですけど……難易度は高いけどすごくいい曲だし、アンナさんが私のために書いてくださったので、これは頑張らなくちゃと思いました。
――自分の恋心に気づいた女の子の心情を描いたポップなダンスチューンですが、楽曲を受け取ったときの印象はいかがでしたか?
伊藤 グルーヴ感があるし、かっこよさや今時感もあるんですけど、歌詞はすごく乙女チックで、かわいい曲だなあと思いました。「青春!甘酸っぱい!」みたいな。学生の子とか、こういう状況にある子だったら「わかる!」ってなるようなリアルさがあって、キュンキュンしました。
――伊藤さんが特にキュンときたポイントは?
伊藤 全部がそうなんですけど、“二人だけの合図 半分したアイス”は「アイスを半分こしてるんだったら、もう好きじゃん!」って思いました(笑)。“他愛ない電話”とかも、「他愛ない電話してるのは、もう好きなんだって!安心して告白しなよ」って思っちゃうけど、でもそこから一歩踏み出せないのが乙女心なんですよね。楽しい時間を壊したくないから言えないもどかしさ。恋する女の子が抱える複雑な気持ちにとってもキュンキュンしました。
――伊藤さんもそういう乙女心に共感する?
伊藤 この曲に関しては完全に第三者目線で見てましたね。歌詞を読めば読むほど「もう付き合っちゃいなよ!」「大丈夫だって、いけるから」って友達みたいな感覚になっちゃって(笑)。でも、このもどかしい乙女心は、女子ならきっとみんな持っているだろうし、男性でも同じようなことがあると思います。
――レコーディングはいかがでしたか?
伊藤 とても難しかったです。韻を踏むこともそうですし、かわいらしい曲ではありますけど、歌い方的に乙女チックになりすぎたり、キャピキャピするとまた違うものになるので。レコーディングにはアンナさんも来てくださったんですけど、どちらかと言うと気怠そうに歌ったほうが、歌詞がスッと入ってくるとおっしゃっていて。
――たしかにちょっとアンニュイな雰囲気が、恋心に悩んでいる歌詞ともマッチしています。
伊藤 でも、感情が出るところはしっかりと気持ちを入れるようにしました。ラップのパートもそうですし、2番の最後にある“いつも通りってどうやるんだっけ”の“だっけ”は、「もうどうでもいいや」みたいな感じというディレクションをいただいたので、ちょっと投げやりな感じで歌ってみて。細かい感情の入れ方も工夫しました。
――初挑戦のラップはどうでしたか?
伊藤 私は英語が苦手なので、まずは英語の授業を受けるところから始まりました(笑)。プリプロのときに、仮歌を何回も聴きながら英語の部分をヒアリングして、片仮名で上に書いていくみたいな。早口だし、英語だし、韻を踏んでるし、初めてだらけで戸惑いましたが、アンナさんがすごく助けてくださって。発音とかも教えてくださりありがたかったです。
――出だしの“All right”という部分から、すごく雰囲気があってかっこよかったです。
伊藤 良かった~。“All right”も何回もやり直したんですよ。ここが上手くいかないと、その先が全然上手くいかないので(笑)。とりえあずラップ以外の歌を先に全部録って、ラップの部分は何回も繰り返しチャレンジしましたね。気持ちは千本ノックをしている感じでした(笑)。
――竹内さんとは、現場でほかに何かお話しましたか?
伊藤 竹内さんは、歌はすごく大人っぽいですけど、しゃべると本当にかわいらしい方で、2人で「ここの家具屋がかわいい」とか「このサイトがかわいいよ」とか、私にしては珍しく、すごく普通の女子っぽいかわいらしい雑談をしてました(笑)。あとは「いつからギターを始めたんですか?」とか、他愛もないお話から始まって、ワチャワチャと楽しくやってました。
――今回の「気づかない?気づきたくない?」や、以前にゆいにしおさんが書かれた「hello new pink」もそうですが、伊藤さんは女性の方が書いた曲との相性がすごくいいなあと思って。
伊藤 ありがとうございます。それで言うと(「vivace」を書いた)Charaさんもそうですけど、ご自身が歌を作って歌われているシンガーソングライターの方に楽曲をお願いすると、その方の特徴やエッセンスが存分に入った曲を書いていただけるので、そこに私の声が合わさるのは私自身の刺激にもなりますし、その世界観に入れる嬉しさもあって。女子目線を理解してもらえる楽曲ばかりなので、きっと私のことを応援してくださってる男性の方は、女子の気持ちに詳しくなれると思います(笑)。察せる男になるのではないかと。
――勉強になります(笑)。改めて今回のシングルはどんな作品になりましたか? その手ごたえについてお聞かせください。
伊藤 『Rhythmic Flavor』ではたくさん新しいことにチャレンジしましたけど、今作もそれに負けじと、新しい自分を聴いてくれる方に届けたい気持ちがあったので、それを歌い方しかり、ラップしかりで、見せられていると思います。2021年最初のシングルでもあるので、今年も頑張ります!と言えるような1枚になりました。飽きることなく聴いてもらえる2曲になったと思うので、ぜひたくさん聴いてください!
INTERVIEW & TEXT BY 北野 創(リスアニ!)
●リリース情報
「No.6」
4月28日発売
【DVD付き限定盤(CD+DVD)】
価格:¥2,090(税込)
品番:COZC-1743~4
【通常盤(CD)】
価格:¥1,430(税込)
品番:COCC-17871
<CD>
1.No.6
作詞・作曲:園田健太郎 編曲:千葉岳洋
2.気づかない?気づきたくない?
作詞・作曲:竹内アンナ/編曲:名村武
3.No.6(off vocal ver.)
4.気づかない?気づきたくない?(off vocal ver.)
<DVD>
01. No.6 Music Video
02. No.6メイキング映像
関連リンク
伊藤美来 日本コロムビア特設サイト
https://columbia.jp/itomiku/
伊藤美来 公式Twitter
https://twitter.com/InfoItomiku
伊藤美来 公式Instagram
https://www.instagram.com/itomiku_official/
伊藤美来 Official Music Channel
https://www.youtube.com/channel/UC5jcW47_Svq9AFkhNLca4EA
TVアニメ『戦闘員、派遣します!』公式サイト
https://kisaragi-co.jp/
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