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REAL AKIBA BOYZ(RAB)が、10月4日、東京体育館にて「REAL AKIBA BOYZ ONEMAN LIVE~ ぼくらのマスターピース」を開催した。fhánaや喜矢武豊(ゴールデンボンバー)、RHYMESTERという豪華ゲストも登場するなど、エンターテイメントショウとしてグレードアップした公演だが、1年前の日本武道館公演からのRABの活動の充実ぶりから考えれば、質量とも当然とも言える37曲・3時間以上の大規模公演だ。
TEXT BY 日詰明嘉
PHOTORAPHY BY AYATO. 、うがいかな、堅田ひとみ
会場が暗転すると、QUEENの「We will rock you」が会場に響き渡る。お馴染みのスタジアムロックはこの東京体育館という会場にふさわしい。そんな思いに浸っていると、スクリーンに現れたのはメンバーのひとり・ムラトミが某有名怪談師に扮した姿で、メンバー紹介を口上で述べる。この段階で会場は笑いに包まれ、大会場という緊張感がほぐれていく。そんな妖怪話からオープニングナンバーの「妖怪ランデブー」(『妖怪学校の先⽣はじめました!』ED)へ。メンバーたちはMVで着用した妖怪の衣装のまま登場するという、晴れの舞台を笑いに変える。この曲はメンバーのマロンが共同で作詞作曲を務め、RAB自身が歌唱をした作品。まずはダンスよりもマイクリレーで見せ、1番の終わりで「待たせたな! 東京体育館」とシャウトしたところで全員がいつものチェックシャツに姿を表し、ド迫力のREAL AKIBA BANDやボーカルのnonoc、柏木椎名、AiRyA、ラッパーのアリレム、らっぷびとたちと共に、歌い踊る。
続いてはそんなビッグバンド編成にピッタリの「Gun’s & Roses」(『BACCANO!』OPのカバー)で各メンバーが大技のパワームーブで魅せたあとは、センターステージに進んで十八番の「おジャ魔女カーニバル」。そして続いての曲は昨年にアニソンアーティストデビューを果たした「フライド☆プライド」(『エルフさんは痩せられない。』OP主題歌)で、背景スクリーンにはオープニングアニメが上映され、まさに作品を背負って踊る姿を見せてくれた。
towanaの歌う「青空のラプソディ」(『小林さんちのメイドラゴン』OPテーマ)を背負って踊るのはROOTSの5人(涼宮あつき、DRAGON、マロン、けいたん、ムラトミ)。そこにfhánaのkevin mitsunagaも引っ張り込まれて一緒に踊る一幕もあり、たちまちフルスロットルに盛り上げていく。次の(『小林さんちのメイドラゴンS』OPテーマ)では、RABの若手(ゾマやかじゃない!、ネス、とぅーし)が3人で登場し、ラップの箇所でシャープな踊りを見せていった後、ステージを左右・センターへと駆け回る。MCではとぅーしがマイクを握り、「高校生の時に観ていた『メイドラゴン』のMVに出るとは」と、fhánaの新曲「涙のパレード」(映画『小林さんちのメイドラゴン さみしがりやの竜』OPテーマ)のMVに出演したことへの感謝を述べると、佐藤純一は「『青空のラプソディ』をリリースしたときに、ROOTSの皆さんがただただ『踊ってみた』を上げてくれたんです」と、感謝の言葉を返す。その流れでメロディアスで伸びやかな歌声が響き渡る「涙のパレード」へ。RABの後輩であるREAL AKIBA JUNIORZも応援に駆けつけ赤い傘を使ったパフォーマンスを行なうと会場は総立ちになり、大人数が集うアウトロではお祭感の溢れるステージを見せた。
メロウで洒落たファンクサウンドに乗って登場したのは黒いパーカーに全身を包んだ龍。「絶対零度」(『WIND BREAKER』OPテーマ)で、まずはジョーダンをキメて「かかってこいよ、東京体育館」と挑発する。得意とするヒップホップダンスの大きな振りで、この曲音を着実に拾っていく姿は、観ているだけで楽しさが伝わってくると同時に迫力も感じさせるステージングだった。次に登場したのは赤いベストを着たネスで、「ドッペルゲンガー」の細かい音をタットを用いた立ち姿の踊りで重ねていく。スタイルとして振りが大きい踊りではないが、一挙手一投足の表現に隙がなく、積み重なった感動が湧き上がってきた。そんな龍とネスがともに赤い衣装で並び立ってコラボしたのが大ヒット作品「Plazma」(『動戦士 Gundam GQuuuuuuX』OPテーマ)。ヒップホップの中にタットを入れたり、重ね合わせる踊りをするなど、それぞれの持ち味を互いの踊りの要素に採り入れることで、更に表現が磨かれた振り付けも見事だった。
そこに飛び込んできたのが、女性アイドル風の衣装に身を包んだゾマやかじゃない!。「かわいいだけじゃだめですか?」で、JUNIORZの女装ダンサーたちと目一杯のキュートさを見せて、曲中に撮影タイムを設けるなどのカオスな時間を演出し黄色い歓声を浴びていた。このとき一瞬現れて会場をざわめかせたピンクの衣装に身を包んだ存在が明らかになるのは少し後の話。
他のメンバーも女装で加わった「愛♡スクリ~ム!」、それを引き継いだ「わたしの一番かわいいところ」でセンターステージに向かうと、後ろから現れた龍が家族たちへの感謝を述べた後、銀テープと風船が発射される幻想的な風景のなか、キレキレの踊りを見せる。そんな女装演出のまま、次に流れたのは本格ダンス曲「テクノブレイク」。
REAL AKIBA BANDのMASAがマイクを握り煽ってブチ上げたのは「ジョジョ~その⾎の運命~」。アリレムとらっぷびとがキレキレのラップを披露し、バンドメンバーのソロ回しが展開。一流のエンターテイナーぶりを見せつける。ここでMASAが「シンガー、REAL AKIBA BOYZ」と叫び、メンバーは発売されたばかりのRABのフルアルバム『ぼくらのマスターピース』から、「インキャダンス」、「底辺ディスコ」、「散財サンバ」。「メンタルブレイクダンサー」などオタクのアイデンティティをうたうオリジナルソングを歌い踊る。コミカルな内容ながらアイソレーションやステップなど“本業”はしっかりと決めてくる。
次の曲は龍のソロステージ。生バンドで彼のヒップホップダンスを堪能できる貴重な時間が流れた後、他のメンバーも登場。「ファタール」(『【推しの子】』第2期OPテーマ)だ。白シャツと黒パンツで揃えスタイリッシュにキメる彼らだが、この曲はハイスピードで音取りもシビア、振り付けも激しく、ソロのムーブも凝った技をどんどん繰り出す。続けて「アイドル」(『【推しの子】』OPテーマ)では演劇的な振り付けを盛り込み、ダンスパフォーマンスと同時にショウとしての見ごたえも両立させる。
ライブも終盤のタイミングでついに現れたこの日最後のゲストは、日本のヒップホップ・シーンを切り開き築き上げたレジェンド・RHYMESTER。東京体育館を一瞬でヒップホップマナーに変えるコール&レスポンス。今回のライブに向けたゲストを招聘する際に最初に挙がったのが彼らだった。ラッパーの宇多丸は快諾した理由を「RABには僕らと同じ血が流れている」と話し、RABのB-BOYとしての側面を強調する。DRAGONにとって初めてCDを買った憧れのアーティストからこう言ってもらえてハートがアガらないはずはない。
ROOTSの各々の口からリスペクトを受ける宇多丸は、RHYMESTERとRABを重ね合わせる。日本のヒップホップ界が未開拓だった時代に受けた苦労と、アキバ文化とB-BOYカルチャーを融合させるうえでのさまざまな苦難を乗り越えてきたRAB。ともに「自身の好きなことを貫いてきた」のだ。宇多丸は「この景色を見れば(批判してきた人と)どっちが勝ったかは明白」と誇り、RABに共感を送る。続いては、「ここをヒップホップ誕生のニューヨーク・ブロンクスと繋げる」と語り、「この曲で踊ったことがないB-BOYはモグリ」と言われる、RHYMESTERの、いや日本のヒップホップ界のアンセム「B-BOYイズム」をドロップ。先陣を切ったのは、ヒップホップダンスを得意とする龍で、得意とする大技1990をキメる。けいたん、ネスと繋げ、ムラトミはウィンドミルを繰り出し、ゾマやかじゃない、涼宮あつき、マロン、とぅーし、DRAGONと、サイファーのように次々と得意技を見せていく。「これが日本のHIP HOP」と誇るRHYMESTERと並んで記念写真のように収まるRABの面構えは間違いなくB-BOYだった。
撮影タイムのあとは龍がMCのマイクを取り、「今回の『マスターピース』というタイトル、意味は最高傑作なんですけど、僕達が最高傑作をお届けして楽しませます。そして今から踊る曲はいつも僕達に“楽しい”をくれる街の歌です」と語り、「レペゼン秋葉原」へと入った。RABのアイデンティティを示す歌詞が展開されるこの楽曲、“正装”のメンバーたちのパワーにならないはずがない。立ち技からパワームーブまで自信満々に踊り、「VERSUS」ではハイスピードなラップに乗った細かな技の連発。なかでもネスと龍のマッチアップは、驚くべき技のキレで、無尽蔵の体力を伺わせた。ラップのテンションと大技の連発に「最高だよ東京体育館」と絶叫する涼宮あつき。マロンは「みんなー。俺はアニメが大好きだ!! 2次元に憧れてアニメみたいな人生を送りたくて、3次元でこうやって踊り続けている。言葉にするのが下手くそだから、俺達ダンスしかできないけど、今心にある俺達の生き方と、ダンスを受け取ってほしい!」と絶叫し、この日を象徴しハイライトを照らす「M@STERPIECE」(劇場版『THE IDOLM@STER MOVIE 輝きの向こう側へ!』)をパフォーマンス。メンバーが揃って踊ったり、ソロでも可愛らしい仕草を盛り込んだりと、アイドルについて彼らが解釈したコレオを存分に魅せてくれる。そしてけいたんが、「俺達はこのマスターピースを超えて、さらに大きなところへ行きます」と語り、「さいたまスーパーアリーナでのワンマンを目指します!」と大きな目標を明らかにした。
「俺達の未来へ行こう!」と、ゾマは天を指差し、「Over The Future」(『絶対可憐チルドレン』OPテーマ)へ。これはRABのダンスパフォーマンスのクラシックスであり、このとき未来への指針となる楽曲だ。ドラマティックな歌詞に美しいメロディ、そして振り付けは指折りのパワー系と、おそらく演者自身にも力を与えてくれた楽曲だったことだろう。龍のエルボースピンからDRAGONのスワイプスにコンボを繋げるところに師弟のエモさを感じさせるタイミングだった。そしてオーラスはエンディング曲として揺るぎないポジションの「NEW ERA」。会場のすべての人達が両手を左右に振るなか、最後の最後まで高速ラップに合わせて音を拾い、客席に真っ直ぐに技を繰り出す中、ゾマが「俺達のわがままを聞いてくれてありがとう!」と絶叫。この言葉にお礼を反したい保護者が振るペンライトの光が揺れてさざ波を作った。「お前たち大好きだ!」「物語はまだ続きます」「この先の未来も一緒に」と、各々が思いの丈を叫び、最後にまたREAL AKIBA JUNIORZが登場したタイミングでフロアの保護者たちは総立ち・ジャンプで迎え、銀テープにまみれながらとぅーしの「ぼくらのマスターピース!!」シャウトを受け止めたのだった。公演の最後には約1年後の2026年9月19日に再びこの東京体育館でのワンマンライブが開催されるほか、グループ内ユニットのワンマンツアーやソロライブが次々と発表された。ユニットとしてもケミストリーが発生し、表現の種類や技術が予想もつかないほどの向上を見せる彼ら。実際、1年前の日本武道館公演から活躍の幅や作り出す作品も多岐にわたっている。この1年後にどんな景色を見せてくれるのか、その間もこれらの公演を観て日々動画も追いかけたいグループだ。
「REAL AKIBA BOYZ ONEMAN LIVE~ ぼくらのマスターピース ~」
2025年10月4日(土)東京体育館
<SETLIST>
01.妖怪ランデブー(TVアニメ『妖怪学校の先生はじめました!』第2クールED主題歌)
02.Gun’s & Roses(REAL AKIBA BAND ver.)(TVアニメ「BACCANO!」OPテーマ cover)
03.おジャ魔女カーニバル(TVアニメ『おジャ魔女どれみ』オープニング主題歌)
04.フライド☆プライド(TVアニメ『エルフさんは痩せられない。』オープニング主題歌)
05.君じゃなきゃダメみたい(TVアニメ『月刊少女野崎くん』OPテーマ)
06.Neet In Jam(TVアニメ『ニートくノ一となぜか同棲はじめました』オープニング主題歌)
07.Q&Aリサイタル(TVアニメ『となりの怪物くん』OPテーマ)
08.ようこそジャパリパークへ(TVアニメ『けものフレンズ』OPテーマ)
09.青空のラプソディ(feat. fhána)(TVアニメ『小林さんちのメイドラゴン』OPテーマ)
10.愛のシュプリーム!(feat. fhána)(TVアニメ『小林さんちのメイドラゴンS』OPテーマ)
11.涙のパレード(feat. fhána)(映画『小林さんちのメイドラゴン さみしがりやの竜』OPテーマ)
12.絶対零度(龍solo)(TVアニメ『WIND BREAKER』OPテーマ)
13.ドッペルゲンガー(ネスsolo)
14.Plazma(TVアニメ『機動戦士Gundam GQuuuuuuX』OPテーマ)
15.可愛いだけじゃダメですか?(ゾマやかじゃない!solo feat. 喜矢武 豊 from ゴールデンボンバー)
16.愛♡スクリ~ム!
17.わたしの一番かわいいところ
18.テクノブレイク
19.ジャンボリミッキー!(feat. 喜矢武 豊 fromゴールデンボンバー)
20.女々しくて(feat. 喜矢武 豊 fromゴールデンボンバー)
21.ジョジョ~その血の運命~(TVアニメ『ジョジョの奇妙な冒険 第1部 ファントムブラッド』OPテーマ)
22.インキャダンス
23.底辺ディスコ
24.散財サンバ
25.メンタルブレイクダンサー
26.アオとキラメキ(TVアニメ『その着せ替え人形は恋をする』Season 2 OPテーマ)
27.第ゼロ感 × HEAVEN’S RAVE (Mashup)~ 晴天
28.ファタール(TVアニメ『【推しの子】』第2期OPテーマ)
29.アイドル(TVアニメ『【推しの子】』オープニング主題歌)
30.守りたい、その笑顔
31.K.U.F.U.(feat. RHYMESTER)
32.B-BOYイズム(feat. RHYMESTER)
33.レペゼン秋葉原
34.VERSUS(REAL AKIBA BAND ver.)
35.M@STERPIECE(劇場版『THE IDOLM@STER MOVIE 輝きの向こう側へ!』)
36.Over The Future
37.NEW ERA
関連リンク
REAL AKIBA BOYZ 公式YouTube:
https://www.youtube.com/channel/UCMmO8fiv0J34qc0qIO6t31A
REAL AKIBA BOYZ 公式X (旧Twitter)
https://x.com/RAB_CREW
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