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Aimerの27thシングル「Little Bouquet / Pastoral」は、映画『羅小黒戦記2 ぼくらが望む未来』日本版主題歌「Little Bouquet」とTV アニメ『羅小黒戦記』日本版主題歌「Pastoral」の両A面。中国アニメーションを代表する『羅小黒戦記』シリーズとAimerのコラボレーションによる、力強くて穏やかなメッセージをしっかりと受け取ってほしい。

INTERVIEW & TEXT BY 森 朋之
PHOTOGRAPHY BY 加藤アラタ

温度感みたいなものを大事にして作った「Little Bouquet」

――ニューシングル「Little Bouquet / Pastoral」は、どちらも『羅小黒戦記』シリーズの日本版主題歌。「私自身、シャオヘイと一緒にアニメから映画まで、『羅小黒戦記』の世界に一気にのめり込んでしまいました。」というコメントを発表していましたが、Aimerさんにとって『羅小黒戦記』の魅力とは?

Aimer 最初に観させてもらったのが映画『羅小黒戦記 ぼくが選ぶ未来』だったのですが、すごく面白かったです。まず街や森の描き方が鮮やかで、癒されるようなタッチで。登場するキャラクターにもそれぞれ魅力がありましたね。主人公のシャオヘイ(霊から生まれた黒猫の妖精)はいろんな姿に変身するんですけど、それが全部かわいい。バトルシーンも迫力があってかっこいいし、見どころがたくさんあるんですけど、一番印象的だったのはやっぱりストーリーですね。シャオヘイとムゲン(人間でありながら妖精たちの集う館に所属する執行人)もそうですけど、登場人物たちの交流、コミュニケーション、関係の深まり方が本当に丁寧に描かれていて。普遍的なテーマを感じさせる物語だなと。

――人間と妖精の共存、つまり“違う出自の人たちとどう共存していくか?”というテーマも現代的ですよね。『羅小黒戦記2』の日本語版主題歌「Little Bouquet」はオーセンティックなバラードナンバー。制作はどんなふうに進められたんですか?

Aimer 楽曲に関しては、温度感みたいなものがとても大事だったみたいで。サビでどれくらい盛り上がるのか、どれくらい前向きであるべきなのか。そういうことを繊細に考慮しながら、「悲しい要素、シリアスな部分もありつつ、最終的には柔らかで前向き な気持ちになってほしい」というアニプレックスサイドの考え も踏まえ、横山裕章さんの曲が選ばれたと聞いています。

温かい部分と切ないところ、泣けるような感じが同居しているバラードですよね。歌詞においても、楽曲が持っている温度感やイメージをより引き出してあげるようなものにしたいなと。

――作詞するにあたって、『羅小黒戦記2』のどんなところにフォーカスしていたんですか?

Aimer シャオヘイとムゲンの交流が前作の映画の見どころだったと思うんですが、『羅小黒戦記2』では新たにシャオヘイの姉弟子にあたるキャラクター(ルーイエ)が登場するんです。彼女とシャオヘイがタッグを組んで戦いに臨むのですが、ルーイエの過去の境遇にも焦点が当てられていて、それが今回の作品の見どころの1つになっていて。歌詞もそこに寄り添えたらいいなと思っていました。シャオヘイとルーイエは、2人とも孤独な状況に追いやられる経験をしていて。自らの力、あるいは他者からの働きかけで、その気持ちをほどいていくんですよね。大切な誰かの存在によって、自分自身の未来が開いていく。歌詞を作るにあっても、そこは主眼に置いていました。

――それも普遍的なテーマですね。

Aimer そうですね。映画を観た方に対しては、この曲を聴いて登場人物の誰かが思い浮かんだらいいなと思うし、それとは関係なく触れた方にも大切な存在を思い浮かべてほしくて。

それぞれの受け止め方で楽しんでいただけたらなと。

――中音域、低音域の豊かなボーカルの響きも印象的でした。

Aimer 嬉しいです。王道のバラードと言っていい楽曲ですし、あまり奇を衒わないというか、できるだけシンプルに歌いたくて。言葉が入ってこなくても、響きの心地良さを感じてもらえたらなと。それはいつも大事にしていることなんですけど、特に「Little Bouquet」では声色や響きを意識していました。

――「Little Bouquet」という曲名については?

Aimer 制作の順番でいうと「Pastoral」が先だったんですよ。映画『羅小黒戦記2』とTVアニメ『羅小黒戦記』の両方の主題歌を同時に担当させていただくので、2曲の繋がりというか、リンクしている部分を作りたくて。「Pastoral」には“花”が何度か出てくるので、それを映画の主題歌にも繋げたくて、「Little Bouquet」というタイトルにしました。

――「Pastoral」は“田園”という意味ですね。

Aimer はい。田園だったり、牧歌的というニュアンスですね。

TVアニメ『羅小黒戦記』は映画に比べると、私たちの日常に近くて。何気ない日常、ありふれた日々にも寄り沿える軽快な曲にしかったんですよね。「Pastoral」のデモ音源を聴かせてもらったときに「散歩してるみたいだな」と思って。義務感というか、セカセカした歩き方ではなく、何の目的もなくのんびりと歩いているというか。そういうイメージで歌詞も作りました。

――「健康のために1日これくらい歩かなくちゃ」みたいなことではなくて。

Aimer そうそう(笑)。私自身、目的や意図を持たずに何かをするのが苦手なんです。例えば商業施設に行くときも、欲しいものが売っているお店だけに行って、ほかのお店は全然立ち寄らなかったり(笑)。でも、創作において大事なのは「これをやろう」みたいなことではなく、ふと行動することだったりするんですよ。そういう瞬間にヒントやアイデアを思いついたりするので。「のんびり歩く」も実はすごく豊かなことじゃないかなと。

ゆったり歩いているとき、道端に咲いている花が目に入ってきたり、何かを思い浮かべたり。そういうことって当たり前ではないし、儚いものでもあるなと。

――ボーカルのレコーディングでも、リラックスを意識していたんですか?

Aimer サウンドは穏やかなんですけど、メロディがちょっと跳ねているので「歌でリズムを作らないとな」とは思っていました。もう少し軽く歌うこともできたんですけど、重心を低めにというか、どっしりした感じのほうがいいかなと。

――TV アニメ『羅小黒戦記』の放送もスタートしていますが、映像自体がすごく愛らしいですよね。

Aimer そうですよね。『羅小黒戦記』は元々Webアニメとして配信されて、放送されているTVシリーズはそれを編集したものなんです。時系列でいうと映画『羅小黒戦記」はWebアニメシリーズの前日譚なんですけど、(TVアニメ『羅小黒戦記』は)映画に比べると絵柄がシンプルで。お茶の間で見ても違和感がないというか、ほのぼのしてる感じがいいなって。

Aimerにとっての“探した未来”とは?

――「Little Bouquet」の“探した未来へと繋がるから”というフレーズについて、もう少し聞かせてください。Aimerさんにとって“探した未来”があるとすれば、それはどんな未来ですか?

Aimer 去年から今年の3月にかけて回ったホールツアー(Aimer Hall Tour 2024-25 “lune blanche”)のテーマの1つでもあったんですけど、自分自身をちゃんと守ってあげるというか、自分の声を聞き逃さないことが、未来を作っていくうえで大事なのかなと。誰かのために歌いたい、音楽で誰かの力になりたいという気持ちが膨らめば膨らむほど、どうしても自分自身を犠牲にするところが出てきてしまう気がして。そうやって突き進んできた部分もあると思うんですけど、それだけだと長く続かないし、もたないだろうなというのは、改めて感じていますね。

――なるほど。

Aimer 物語でも、“自分は傷だらけなのに、大切な誰かを護る”というのが感動的な場面として描かれることがありますよね。それに心を打たれることもあるけど、長く誰かを守りたいと思ったら、自分を犠牲にすることを止めないといけない。そのために勇気を持って向き合わないといけない物事もあるなと。それが本当の意味で責任を負うということだと思うし……。すごく当たり前のことなんですけど、ここ数年はそういう意識を持っていました。だから、“自分を犠牲にせず誰かを護れる未来”、今はそれが私にとっての“探した未来”なのかなと思います。

――「Pastoral」のテーマとも重なりますね。Aimerさんが穏やかな日常を感じられるのはどんなときですか?

Aimer 「Pastoral」のイメージそのままですけど、自然が豊かな場所を歩いているときかな。旅行したときも、あまり予定を詰め込まないように気をつけていて。最近ようやく、そういうことができるようになってきました。

――シングル「Little Bouquet / Pastoral」のリリースは11月。

年末が近づいてきましたが、今年はどんな年でしたか?

Aimer いろいろなタイプのタイアップをいただけて、コンスタントにリリースができて。長く続けることの意義も感じているし、ありがたいなと思っています。来年は15周年なんですよ。

――ついこの前10周年だった気がしますね……。

Aimer それは私も思いました(笑)。今年は水面下でいろいろと準備をしていた年でもあるんですけど、もっと音楽を大事にしてきたいなという気持ちがすごく深まっていて。来年は節目でもあるし、それをしっかり形にできたらいいなと思っています。

●リリース情報
「Little Bouquet/Pastoral」
2025年11月12日発売

【通常盤/CD】

価格:¥1,430(税込)
品番:VVCL 2811

【期間生産限定盤/CD+Blu-ray】

価格:¥2,090(税込)
品番:VVCL 2812-2813
©2025 Beijing HMCH Anime Co.,Ltd

〈CD〉
01. Little Bouquet
02. Pastoral
03. Little Bouquet -Instrumental-
04. Pastoral -Instrumental-
05. Pastoral -TV size-

〈Blu-ray〉
・「Little Bouquet」Music Video
・「Pastoral」Music Video
・映画「羅小黒戦記2」日本版 ノンクレジット映像
・アニメ「羅小黒戦記」描きおろしイラスト使用ミニポスター&三方背ケース仕様

●作品情報
TVアニメ『羅小黒戦記』

TOKYO MXほかで毎週日曜21:30から放送中
各プラットフォームにて毎週日曜22:00以降、順次配信中

〈イントロダクション〉
黒猫の妖精・シャオヘイは、重傷を負い、
路頭に迷っていたところをロシャオバイ(羅小白)という少女に拾われる。 少女の姓をとり「ロシャオヘイ(羅小黒)」と名付けられ、共に暮らすことに。
少女と黒猫の出会いは、
さまざまな“不思議”を巻き起こしていく——。

【スタッフ】
監督:木頭
脚本:木頭
副監督:顧傑、阿根、栗子、呆尾、小榕
作画監督:大爽
美術:呂屹峰
〈日本語吹替版〉
音響監督:岩浪美和/音響制作︓グロービジョン
【キャスト(日本語吹替)】
シャオヘイ:花澤香菜
シャオバイ:佐倉綾音
アゲン:潘 めぐみ
シャンシン:鬼頭明里
ロウクン:山寺宏一
ディーティン:内山昂輝
おじいちゃん:茶風林
ムゲン:宮野真守
©2025 Beijing HMCH Anime Co.,Ltd

『羅小黒戦記2 ぼくらが望む未来』

2025年11月7日(金) 日本語吹替版&字幕版同時公開
〈イントロダクション〉
師弟の運命を揺さぶる突然の試練
真実を求めて新たな冒険が始まる
あらゆる世代を魅了した冒険ファンタジーがさらなる進化を遂げて帰ってくる。前作で、心を交わしたシャオヘイとムゲンのその後が描かれる『羅小黒戦記2』が、日本語吹替版&字幕版で同時公開決定! 日本語吹替版では、黒猫の妖精・シャオヘイを花澤香菜、人間でありながら最強の執行人・ムゲンを宮野真守が演じるなど実力派キャストが集結。愛おしいキャラクターたち、疾走感のあるアクションとストーリー展開、すべてが一体となった心温まる冒険ファンタジー「羅小黒戦記2」。シャオヘイは新たな冒険の果てにどんな未来を選ぶのか——。

【スタッフ】
監督:木頭(MTJJ)、顧傑
副監督:周達煒、程暁榕、李根、鄭立剛
総作画監督:馮志爽
美術監督:呂屹峰、浩客
3D監督:周冠旭
撮影監督:梁爽
音楽:孫玉鏡
プロデューサー:叢芳氷、曹紫建
制作会社:北京寒木春華動画技術有限公司
配給:アニプレックス
協力:面白映画
<日本語吹替版>
音響監督:岩浪美和
音響制作:グロービジョン

【キャスト(日本語吹替)】
シャオヘイ:花澤香菜
ムゲン:宮野真守
ルーイエ:悠木 碧
ナタ:水瀬いのり
ユーディ:多田野曜平
リンヤオ:山路和弘
シームーズ:石田 彰
チーネン:諏訪部順一
キュウ爺:チョー
パンジン:大塚芳忠
甲:榎木淳弥
乙:土屋神葉
©2025 Beijing HMCH Anime Co.,Ltd

関連リンク

Aimerオフィシャルサイト
https://www.aimer-web.jp/

AimerオフィシャルX
https://x.com/Aimer_and_staff

AimerオフィシャルYouTube
https://www.youtube.com/user/aimerSMEJ

AimerオフィシャルInstagram
https://www.instagram.com/aimer_0907_official/

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