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キャリア20周年記念フェス『Sho Watanabe 20th Anniversary Fes.2026 supported byリスアニ!』の開催を発表した渡辺翔に、その想いを聞くスペシャル・インタビューの前編をお届けする。
INTERVIEW & TEXT BY 冨田明宏
――まずは作家活動20周年フェス『Sho Watanabe 20th Anniversary Fes.2026 supported byリスアニ!』の開催決定、おめでとうございます。
渡辺 翔 ありがとうございます。でも正直、20周年と言われてもあまり実感がなくて。「気づいたら20年経っていた」という感覚が一番近いですね。いわゆる“(事務所から)拾われた”のが20年前なんですけど、「あれ、そんなに経ったっけ?」って。皆さんもよく「もう20年前なの!?」って言うじゃないですか。自分の中ではまだ12年目くらいの感覚で、さすがに10年はやったかな……くらいの感覚なんですけど(笑)。
――そうでしたか(笑)。つまり「20周年だから何かやろう」というよりも、「やりたいことが先」にあった企画ということなんですね。
渡辺 そうですね。20周年ありきというより、「こういうイベントをいつかやりたい」という気持ちが先にあったんです。ただ、アーティストさんの状況や、レーベルや事務所の事情もそれぞれ違うじゃないですか。でもこの先引退される方とかも出てくるかもしれないし、「自分が提供したこの曲をこの人の歌で、どうしても生で聴きたい」と思ったときに、いつまでもできるわけじゃないな、とも思って。
――いわゆる“アニバーサリーイベント”の多くは、「周年だから何かやりましょう」という発想が先にある印象ですが、渡辺さんの場合は逆なのが“らしい”ですね。
渡辺 そうそう、完全に逆です。タイトルを考えるときにスタッフさんから「せっかくだから20周年も打ち出しましょう」と言われて初めて、「あ、そうか20周年か」と(笑)。やりたいことがあって、その“言い訳”として周年が乗っかってきた、という感覚です。
――開催を決めるうえで、「今しかできない」という感覚もあったんでしょうか。
渡辺 ありましたね。例えば、観に来てくれるお客さんも、あまりにも歳を重ねてからだと、スタンディングで声出して盛り上がるのも大変じゃないですか。杖をついて来てほしいわけじゃないし(笑)。
――とはいえ、音楽作家が自分のフェスを開催するのって、かなり勇気のいることだと思います。オファーを出すときの心境はいかがでしたか。
渡辺 相当怖かったです(笑)。元々僕、飲み会とかも自分から声かけられないタイプなんですよ。断られたらめちゃくちゃへこむので。5~6人集める幹事とか、メンタルどうなってるんだろうと思うくらいで。今回のフェスって、その“超巨大版”じゃないですか。頻繁に飲みに行くような関係でもなく、あくまで楽曲提供者とアーティストという距離感なので。「お願いして断られたらどうしよう」という不安がずっとあって。オファーの返事が来るたびにホッとして、「ああ、よかった……」って(笑)。
――それでも開催に踏み切れたのは、どんな気持ちが大きかったからですか。
渡辺 根本的には「自分の曲をずっと浴び続けてみたい」という、究極のわがままですね(笑)。もちろん、観てくれる方が喜んでくれるイベントにしたいという気持ちは大前提としてあるんですけど、スタート地点はやっぱりそこです。僕は楽曲制作のとき、「自分が聴きたい曲」を作るのを基本にしていて。アーティストさんやタイアップ先、ファンの方々に気に入ってもらうのは大前提ですが、そのうえで自分が本当に好きなものを形にしてきたつもりなんです。だからこそ、提供してきた曲はどれも“自分がずっと聴いていたい曲”でもあって。それを何時間も浴び続ける場を、一度でいいから体験したいと思ったんです。
――近年、作曲家やコンポーザーが前に出る“作家フェス”も増えていますよね。そういった流れに触発された部分はありますか。
渡辺 影響はゼロではないです。アイドル方面での作家フェスだったり、「この作家の曲だけをやるライブ」みたいなイベントがちょこちょこ出てきていて、「いいなぁ、楽しそうだなぁ」と。
――アニメ/アニソンやアイドルのシーンって、楽曲提供者=サウンドクリエイターへの注目度が特に高いフィールドでもありますよね。
渡辺 そうですね。自分で曲を書くアーティストも増えましたけど、アニソンやキャラソン、声優さんの楽曲って、基本は作家がいて作品が成立する世界。だからこそ、「この人の曲が好きだ」というファンが、作品やアーティストの枠を超えて繋がっていく。
“アニソン派!”のイベントだったり、ボカロ文化だったり、クリエイターにフォーカスが当たる土壌がこの業界にはありますよね。
ただ、作り手側からすると、どれくらいの人が本当に作家名まで見てくれているのか、いまだに掴みきれないところもあって。すごく熱心な2割くらいのコアファンなのか、もっと多いのか。そこは今も少し不安な部分ではあります。
――とはいえ、今回フェスに参加するアーティストの顔ぶれを見ても、“おかわりしたくなる作家”として信頼されてきた20年だったことがよくわかります。
渡辺 そう言ってもらえるのは嬉しいですね。今回オファーするアーティストさんをリストアップするときに、自分でも「あ、こんなに色んな人と仕事してきたんだ」と改めて実感しました。フェスに呼ぶとなると、1曲だけ提供した方よりも、“何度も一緒に作品を作ってきた相手”が中心になるので、「これはもう“おかわり組”なんだな」と(笑)。作る側としても、「またお願いしたい」と思ってもらえることが一番嬉しいですし、それはかなり意識してやってきたところです。1回限りで終わるのではなく、また声をかけてもらえる曲・関係性でいたい、というのは常に思っていました。
――20年続けてこられた理由を、改めてご自身ではどう捉えていますか。
渡辺 身も蓋もない言い方をすると、「食べさせてくれる曲があったから」だと思います(笑)。作品的に「これは作れてよかった」と思える曲があったから続けてこられた、という面もありますし、実際に生活を支えてくれた曲もある。そういう“支えになる曲”がいくつかあったから、20年やってこられたのかな、と。あとは、今の時代って、リスナーの反応がちゃんと目に見えるじゃないですか。X(旧Twitter)やSNSで考察してくれる人もいるし、「この作家が好き」と名前を挙げてくれる人もいる。業界の方に褒めていただけるのももちろん嬉しいんですけど、一般のファンの方からダイレクトに「この曲が好き」と言ってもらえる数や声が増えていったのは、大きな原動力になっています。
――そもそも渡辺さんは、“プロデューサーになりたい”ところからスタートしたんですよね。
渡辺 そうですね。ただ、ビジネス的に「こういう戦略で業界に入って~」みたいなことは全然考えてなくて(笑)。子供が「ウルトラマンになりたい」と言うのと同じくらいのテンションで、「プロデューサーになりたい」と思っていただけなんです。例えば小室哲哉さんのような、当時の“花形プロデューサー”を見て「なんかキラキラしててかっこいいな」って。楽器も弾けないし、何もできないけど、漠然と憧れていただけ。最初はその程度でした。
――そんな“ただの音楽好き”だったところから、専門学校で作曲を学び、今のキャリアに繋がっていったと。
渡辺 高校までは本当にただのリスナーでした。ビジュアル系が好きで、自分の好きなものばかり聴いていて。でも、あるとき進学の許しが出て、「じゃあ何やりたい?」ってなったときに、「好きな音楽に関わりたいな」と。今思えば、一番お金がかかると言われる音楽系専門学校に進学させてもらって、そこで初めて作曲の授業を受けて、パソコンで音楽を作るようになったのがスタートでした。
――10代の頃から、オリコンチャートを全部聴いていたという話も、プロデューサー志向だったことを象徴していますよね。
渡辺 あれも完全に後づけですけどね(笑)。当時はただの“ヒットソングオタク”というか。売れている曲には理由があるはずだから、とにかく全部聴いていました。でも今振り返ると、その習慣が「リクエストされたときに、今の時代に合った形でどう落とし込むか」という感覚に直結している気がします。ヒットソングって時代とともに変わっていくけれど、その中にも“変わらない本質”がある。その両方を、リスナーとして体に叩き込めたのは大きかったと思います。
――アニメ/アニソンシーンのトレンド変化も、この20年でかなり激しかったと思います。そのなかで、自分の作家としての立ち位置をどう見てきましたか。
渡辺 一歩引いた目で見ると、J-POP全体もそうですし、アニメもどんどんトレンドが変わってきたなと感じます。ただ、それを常に“ある1人のスター”が引っ張っているわけではなくて、新しい人がどんどん現れてはシーンを更新していく。アニメも同じで、どこかでガラッと変わった瞬間は確かにあって、そのときに「自分はどうするべきか」はかなり悩みました。最新トレンドを真正面から持ってくるタイプの作家もいれば、変わらないスタイルを貫く作家もいる。どちらも間違っていないので、その“寄り添い方”を考えながら書いてきた感覚ですね。
――ご自身は、どちらかというと“半歩後ろから自分流とトレンドをミックスする”タイプ?
渡辺 そうですね。僕は、海外の最先端をそのまま持ってきて「これが最新です!」と提示するタイプではないです。最新のエッセンスを取り入れつつ、自分なりに咀嚼して、作品やアーティストにとって一番しっくりくる形に落とし込む。その意味で、アニメの世界って“ジャンルとジャンルのミクスチャー”が上手い業界だと思うので、自分のやり方とはすごく相性が良かったんだろうなと感じています。
――今回の20周年フェスを通して、自分自身やシーンに対してどんなことを感じましたか。
渡辺 まだ開催前からずっとバタバタなんですけど、一番感じているのは「みんな本当にすごいな」ということです。自分のフェスを準備してみて、改めてアーティストがワンマンライブをやること、沢山の人たちの前で歌うことのすごさを痛感しました。そして、自分の20年分の仕事を並べてみると、「こんなに多くのアーティスト、多様なジャンルと関わってこられたんだ」と、少しだけ誇らしくもなりました。このイベントが、これまでの集大成でありつつ、また“おかわりしたくなる曲”をこれからも書き続けていくための、1つの通過点になればいいなと思っています。
●イベント情報
Sho Watanabe 20th Anniversary Fes.2026 supported by リスアニ!
2026年4月19日(日)
開場 16:00 / 開演 17:00
会場:豊洲PIT(東京都江東区豊洲6-1-23)
【出演者】
第1弾出演者:井口裕香/内田真礼/sajou no hana/CYNHN/TrySail/岬なこ and more (五十音順)
【SUPPORT MUSICIAN】
Ba. & Bandmaster 黒須克彦 / Gt. 山本陽介 / Key. 今井隼 / Dr.村田一弘
チケット
スタンディングVIP:¥19,000(税込) ※VIPエリア ※グッズ付き(Tシャツ/VIPラミネートパス)
スタンディングA:¥14,000(税込) ※Aエリア
スタンディングB:¥9,000(税込) ※Bエリア
※ご入場時に別途ドリンク代が必要となります。
※整理番号順入場
※ご入場時にスタンディングVIPとスタンディングAはリストバンドの着用をお願い致します。リストバンドが破損・外れた場合は無効となりますのでご注意ください。リストバンドの再発行は致しませんので予めご了承ください。
※VIPエリア・Aエリアの入口にてリストバンドチェックをさせていただきます。
※お一人様4枚まで。
※未就学児童入場不可
オフィシャル最速先行抽選受付
受付期間:2025年12月1日(月)21:00 ~ 12月22日(月)23:59
https://l-tike.com/showatanabe/
チケットに関するお問い合わせ:ローソンチケット
https://l-tike.com/contact/
公演に関するお問い合わせ:DISK GARAGE
https://info.diskgarage.com/
関連リンク
『Sho Watanabe 20th Anniversary Fes.2026』公式X
https://x.com/ShoWatanabeFes
『Sho Watanabe 20th Anniversary Fes.2026』公式Instagram
https://www.instagram.com/showatanabefes.2026
渡辺翔オフィシャルX
https://x.com/watanabesho
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