Re:vale、3rd Album『Re:thm』発売記念!...の画像はこちら >>

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12月24日に3rd Album『Re:thm』をリリースするRe:vale。アルバムに収録されるのは、“新たな一面”を見せつつ、これまでの歩みも、この先の道筋も感じさせてくれる楽曲ばかりだ。

発売を記念してRe:valeキャストのリレーインタビューを実施。第2回は、千役の立花慎之介さん。新曲の聴きどころを中心にじっくりと語ってくれた。

INTERVIEW & TEXT BY 許士明香

【第1回目】保志総一朗(百役)はこちら
https://www.lisani.jp/0000297965/

新たなRe:valeの一面を見せることができた、2つの楽曲

――3rd Album『Re:thm』がいよいよリリースされますが、今の率直なお気持ちからうかがえればと思います。

立花慎之介 前作から3年以上空いているんですよね。気づけば曲がどんどん溜まっていて、ようやく皆さんの元に、まとまった形で曲をお届けできるタイミングが来ました。新曲もお届けできますし、それらも含めてまた新しいRe:valeの一面を見てもらえる。だいぶお待たせしてしまった部分はあるかもしれませんが、非常に嬉しいです。

――『Re:thm』には2つの新曲が収録されています。まずは「らせん」はどんな曲になっていますか?

立花 「らせん」に関しては、作詞作曲が前回「激情」でお世話になった水野良樹さんで。「激情」とも違うし、ほかのRe:valeの曲ともまったく違うテイストで、最初にデモを聴いたときは「ムズっ!」と思いました(笑)。「これ、どういうリズム感なんだろう?」って。すごく不思議な曲なんだけど、同時にものすごく面白い。

そこは最初に強く感じたところですね。

――歌詞の印象はいかがですか?

立花 僕はデモ曲をいただいてから実際にレコーディングするまで、基本的にはそのデモ音源しか聴かないんです。歌詞は、本当に直前まで見なくて。前日の夜とかにようやくちゃんと見る、くらいの感じで。だから最初は、水野さんが作詞作曲しているって知らなかったんです。ただ、ずっと耳で聴いているうちに、「激情」っていう言葉が所々で聴こえてきて。「あれ?あの曲と何か繋がりがあるのかな?」って、ふわっと感じながら聴いていました。

――レコーディングの直前に水野さん作詞だと気づいたのですね!

立花 そうです。「だから『激情』なんだ」と。言葉遊びとしてリンクしている部分がすごく面白いなと思いましたし、“水野節”じゃないですけど、水野さんならではの言葉選びがふんだんに入っている。前回の「激情」とはまた違う面白さを持った曲を書いていただけたなと感じて、歌っていても本当に楽しかったです。

――お気に入りのフレーズはありますか?

立花 やっぱりRe:valeというグループを考えると、“君と僕は決めている 決してあきらめないと ふたりでずっと ふたりでずっと”というフレーズですね。

百と千の関係性や、これまでの過去を背負ったうえでの言葉に聞こえて、好きだなと。「ブラホワ」(作中の年末音楽番組「ブラック・オア・ホワイト」)のあと、そこからまた新しいRe:valeとして歩いていく。その決意と、「信頼し合っている」「昔とは少し違う関係性になっている」という2人の今がギュッと詰まっているように感じました。きっと、この曲の中で一番伝えたい部分は、ここなんじゃないかな。あと、水野さんの言葉選びの面白さを感じるところも好きです。“激情のあとがきだ”“激情の始まりだ”というワードが出てくるじゃないですか。

――まさに前作「激情」を思わせるワードですね。

立花 前回作っていただいた「激情」と繋げているところもありますし、そのあとにある“紡ぐモノガタリ”というフレーズも、すごく気になっていて。「物語」じゃなくて、カタカナで「モノガタリ」とある。そこに不思議と引っかかるものがあって。意識して書いているのかな?とか、ダブルミーニング的な何かを水野さんがこっそり仕込んでいるのかな?とか。そういうセンスの持ち主なんじゃないかと勝手に邪推してみたり。

もちろん真偽を確かめるつもりはないですし、僕の中では「きっとそうなんだろうな」で楽しく終わらせておきたいんですけど(笑)。そういう遊び心も含めて、「この歌詞には、ほかにもまだ色々な仕掛けが隠れているんじゃないかな」と思わせてくれます。

――そしてもう1つの新曲が「Anyway and everyway」。こちらの楽曲については、どんな印象を持ちましたか?

立花 これは「Storyteller」のような、しっとり語って、しっとり歌う、というイメージの曲だと感じました。曲自体もけっこう短くて、レコーディングも過去イチ早く終わったんじゃないかなっていうくらい(笑)。色々な要素を削ぎ落として、余計な装飾をしない“引き算の曲”という印象でした。フラットに、ソリッドに、必要なものだけを残している感じがします。

――では、歌う際も装飾はしすぎないように?

立花 ですね。「あまり変に歌い上げたりしないほうがいいですよね」みたいな話をしていたと思います。曲の持つ空気を壊さないように、できるだけ自然に、淡々と、でも心はこもっている……みたいな塩梅を探していきました。

――歌詞にはどんな印象を抱きましたか?

立花 軽く“前景の物語”があるけれど、でも言葉多く説明するわけではなくて。2人の関係性や思いを、必要な部分だけサラッと差し出して終わるような。

「僕らにはそんなに多くの言葉は必要ないよね」という大人っぽさを感じました。そういう意味で、本当に新しいタイプの楽曲だし、新しいRe:valeの一面を見せられる曲だなと感じましたね。

――新曲2曲について、百役の保志(総一朗)さんの歌声が入ったものを聴いていかがでしたか?

立花 すごくまとまった、いいバランスになったなと感じました。特に「らせん」は、掛け合いのバランスが難しい曲なんです。お互いの音量感も含めて、どこを誰が軸として歌っているのか、その関係性がすごく重要な曲で。そのあたりが絶妙に作られていて、「ここでどっちが前に出て、どこで支えるのか」がすごくわかりやすい。かといって、後ろから入ってくるほうが消えてしまうわけでもない。そこがすごく良いなと思いましたし、何より全体的にすごく綺麗な仕上がりになっているなと思いました。

――お2人は声質も歌い方もまったく違うのに、合わさるとRe:valeの曲としてまとまりますね。

立花 そうなんですよね。保志さんは滑らかに歌うのがお上手で、声質も少しザラっとした、耳に残る感じ。一方で僕は、どちらかというとリズム感の強い、縦ノリでストレートな声質。

根本的には、割と真逆に近い声質だと思うんです。でも、それがぶつかってガチャガチャ喧嘩するかというと、そうはならない。不思議と、上手く溶け合う。そこは僕らの特徴でもありますし、ミックスやアレンジをしてくださっている方々が色々と工夫してくださっているおかげでもあると思います。もう1つ大きいのは、基本的に僕が先にレコーディングすることが多いんですよ。僕の歌を聴いてから、保志さんがそれに合わせてくださっている部分が多々あるので、そこは本当にありがたいことで。手間をかけさせてしまっているかもしれませんが、すごく感謝しています。

――この新曲2曲を含めて、3rd Album『Re:thm』は様々なカラーの曲が収録されましたが、既存曲の中で、特に印象深い曲を挙げるとしたら?

立花 いくつかありますけど、「YOUR RHAPSODY」はやっぱり強く印象に残っています。あれは「ブラホワ」で歌った曲ですから、ストーリーを踏まえたうえで、記憶に残っていますね。そして「Journey」は、『劇場版アイドリッシュセブン LIVE 4bit BEYOND THE PERiOD』の中で、アイドルたちがライブで披露した楽曲で。あのライブの思い出とセットで浮かんでくる楽曲です。あともう1つ挙げるなら、去年の「Binary Vampire」かな。

世界観的にもすごく好きなんです。『アイナナ』はアプリ内の周年イベントなどで劇中劇が描かれることがあるのですが、これはそういった劇中劇の楽曲でして。千は千なんだけれど、別の役柄を演じている、百も同じように違う役柄を演じている。そこも含めて、「Binary Vampire」は僕の中でかなりお気に入りの曲です。

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凝縮された時間の中で、キャスト同士に生まれた絆

――立花さんが思う、Re:valeの楽曲の魅力とは?

立花 ほかの『アイナナ』のグループ――IDOLiSH7やTRIGGER、ŹOOĻは、それぞれぱっと見てわかるジャンル感や特徴がハッキリしていると思うんです。その中でRe:valeって、いい意味で“一本に絞るのが難しい”グループ。それくらいジャンルが豊富で、多面的なのがRe:valeの大きな特徴で、魅力に感じています。だからこそ、飽きが来ない。曲調やジャンル的にも、常にフレッシュな気持ちで聴けるし、歌えるんです。楽曲によっては、どこか懐かしさを感じるものもあるんだけど、アレンジ含めて新しくなっていたりもして。お客さんの年齢や音楽の趣味をあまり選ばず、幅広く楽しんでもらえるグループなんじゃないかと思います。

――本当に幅広いですよね。

立花 初期はちょっとアップテンポのロック寄りというか、そういう楽曲が軸にあったような印象ですけど、気づけば色々なジャンルに手を伸ばしていて。物語と一緒に、Re:valeの音楽性も広がっていった感じがします。

――ちなみに保志さんが、「どんな楽曲も、立花さんは最初から馴染んでいるんだろうな」と話していました。Re:valeの楽曲には歌唱が難しい曲も多いと思いますが、向き合う際に意識していることは?

立花 どの曲も、抵抗なく受け入れられているような気がします。僕は音楽を専攻していたわけでもないし、いわゆるボイストレーニングもほとんど受けていないので、音楽的な基礎知識みたいなものがあまりないんですよ。「難しそうだな」とか「ここが大変そうだな」という概念がそもそもあまりなくて、「今回はこういう曲なんだな」と、あまり構えずに向き合えるんです。録り終わってから「あ、今の曲ムズかったな」と思うことはありますけど(笑)。

――先ほども話題に出ましたが、「歌詞を直前まで見ない」というスタイルにはどんな理由があるのでしょう。

立花 僕は曲のリズムや、音程を当てていく作業があまり得意じゃないんです。なので、まずは仕事に行く道中などでひたすら曲を聴き、脳にリズムとメロディを刷り込んでいく、ということをやっています。刷り込んでいくなかで、歌詞もざっくりとは頭に入ってくるので、レコーディング中に譜面や歌詞カードを見ながら歌うぶんには困らないんですよ。だから僕にとっては、それよりも「リズムと音感を体に馴染ませる」ことのほうが大事で、多分それが歌詞を後回しにする一番の理由なんだと思います。

――空耳で覚えてしまうことはありませんか?

立花 ありますね。「この言葉で合っているのかな?」って思いながら覚えて、実際にレコーディング前に歌詞を読んで「そんなこと一言も言ってなかったな」と、本当の意味をそこで初めて知る、みたいな(笑)。耳だけで聴いているときは、とりあえず音と雰囲気だけを掴んでいる状態なので、そういう面白さもあったりします。

――ライブやイベントでの、立花さんと保志さんの面白い掛け合い、息の合ったトークもRe:valeの魅力の1つ。あの“いいテンポ感”は回を重ねるごとに出来上がっていったものなんでしょうか。

立花 これは最初からですね。保志さんは自由に振る舞っていただいたほうが絶対に面白い方で、普通に喋っていても、自然とボケに繋がるような方なんです。僕はどちらかというと、仕切ったりツッコんだりするほうが得意なので、「だったらその関係性を成立させたほうが、お互いにとってやりやすいだろうな」というのがスタートでした。もちろん保志さんは先輩ですけど、面白くするために言うべきところは言って、ツッコむところはちゃんとツッコむ。そうやってずっとやってきたので、最初から“素の立花慎之介”と“素の保志総一朗”が、そのままRe:valeとしても成立していたように思います。ただ、一番距離感が近づいたのは、3年前のライブですね。

――2022年10月に行われた「Re:vale LIVE GATE “Re:flect U”」ですね。

立花 やっとコロナ禍を抜けつつあったあの頃、エンターテインメントとしてライブをどう続けていくかを業界が考えなきゃいけない時期でした。そんななかで、保志さんが「こういうことをしていきたい」と熱く語ってくれたんです。保志さんの気持ちや思いを受け取り、「じゃあ、まずは一緒にRe:valeとしてライブを成功させましょう」と、僕らの気持ちを揃えられた感じがありました。裏側でのやり取りも含めて、あのとき距離感がぐっと縮まったし、保志さんという1人の人間についても、理解が深まったような気がします。

――『アイドリッシュセブン』は今年10周年を迎えましたが、これまでを振り返っていかがですか?

立花 あっという間だった気がします。Re:valeはアプリ第2部から登場したグループではあるけれど、割と早い段階から一緒に走ることができました。1stライブ、2ndライブを立て続けにやったこともあって、序盤で一気に駆け抜けた感覚があります。それがあったからこそ、今の16人の仲の良さとか、絆みたいなものも出来上がったんだろうなと。そのあとコロナ渦があり、そういう意味ではけっこう激動の10年だったな、という思いもあります。10年経ってもなお支えてくれるファンの皆さんの熱量はまったく変わらないし、むしろ新しい方々も入ってきてくれている。そして、制作陣の愛情も負けないくらいすごくて。僕ら自身もコンテンツやアイドルを愛しているので、そういうことを全部ひっくるめて考えると、この10年はものすごく凝縮された時間だったなと思いますね。

――この10年、第6部で物語が一区切りを迎えたあとも、アイドルたちは動き続けていた印象があります。

立花 そうですね。『アイナナ』がすごいのは、メインストーリーが一区切りを迎えても作品が動き続けていることなんですよね。例えば企業コラボで、アイドルの動きがコンテンツとして成立するとか。すごいなと思うし、ありがたいなとも思うんです。僕らは声優としてアイドルを支えつつ、アイドルたちが作品そのものを支えているという二重構造がある。そこがすごく面白い。このコンテンツだからこそ、10年という時間を迎えられたのかな、と思いますね。

――最後に、アルバムを楽しみにしている読者にメッセージをお願いします。

立花 この3年間にリリースしてきた曲たちを1枚にギュッとまとめたアルバムになっています。既存曲の中には少し懐かしい曲もあれば、最新の曲もあって、色とりどり。その振り幅を楽しんでいただけたら嬉しいです。さらに、新曲が2曲収録されています。どちらも今までのRe:valeとは少し雰囲気やイメージの違う、とても素晴らしい楽曲になっています。ぜひ、ヘビロテで聴いていただきたいですね。日々の気分によって、「今日はこの曲」「明日はこの曲」と選べるアルバムでもありますので、色々な楽しみ方で触れていただけると嬉しいです。そして、できればこのアルバムをきっかけに、周りのお友達を『アイナナ』沼、Re:vale沼に引きずり込んでいただければ(笑)。引き続き、作品とRe:valeを応援していただけたら幸いです。

●リリース情報
Re:vale 3rd Album
『Re:thm』
2025年12月24日発売

【初回限定盤(CD+特典CD)】
品番:LACA-35168~9
価格:¥8,470(税込)

【通常盤(CD)】
品番:LACA-25168
価格:¥3,850(税込)

01. Step in (Instrumental)
作曲・編曲:R・O・N
02. Anyway and everyway
作詞・作曲・編曲:R・O・N
03. らせん
作詞・作曲:水野良樹 編曲:鈴木Daichi秀行
04. Binary Vampire
作詞:真崎エリカ 作曲・編曲:村山☆潤
05. Now & Then
作詞:浅岡雄也 作曲・編曲:増田武史
06. compass
作詞:松藤量平 作曲・編曲:R・O・N
07. ココロ、ハレ晴レ
作詞・作曲・編曲:Saku
08. YOUR RHAPSODY
作詞:安藤紗々 作曲・編曲:網本ナオノブ 弦編曲:三好啓太
09. Journey
作詞:工藤寛顕 作曲・編曲:加藤冴人
10. Tenuto
作詞:結城アイラ 作曲・編曲:中土智博
11. Period Color
作詞:結城アイラ 作曲・編曲:中土智博
12. Start Rec
作詞:松井洋平 作曲・編曲:Narukaze

Ⓒアイドリッシュセブン CD:Arina Tanemura

関連リンク

「アイドリッシュセブン」公式サイト
http://idolish7.com/

「アイドリッシュセブン」音楽公式サイト
https://idolish7.lantis.jp/

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