“さらに前へと進み続ける”Ave Mujica——その過去と...の画像はこちら >>

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2025年12月14日、“Ave Mujica 6th LIVE「Ulterius Procedere」”の東京公演が東京国際フォーラム ホールAで開催された。“Ave Mujica 6th LIVE「Ulterius Procedere」”は12月10日に両A面Single「‘S/’ The Way / Sophie」をリリースしたばかりのAve Mujicaの2025年の総決算にして、2026年の幕開けを飾るワンマンライブ。

2025年12月14日の東京国際フォーラム公演に加え、2026年1月15日にはグランキューブ大阪 メインホールでも同名の単独ライブが実施される。その内容はラテン語で“さらに前へと進む”を意味する「Ulterius Procedere」の看板に偽りなし。東京国際フォーラムのステージに立ったドロリス(Gt.&Vo./CV:佐々木李子)、モーティス(Gt./CV:渡瀬結月)、ティモリス(Ba./CV:岡田夢以)、アモーリス(Dr./CV:米澤茜)、オブリビオニス(Key./CV:高尾奏音)の5人は、2023年のステージデビュー以来確かな足取りで前進を続け、今なおさらなる未来を模索し続けている。今回の公演ではその現在地を示す、盤石かつアップカミングなライブを見せつけてくれた。

PHOTOGRAPHY BY ハタサトシ
TEXT BY 成松 哲

縦横無尽なセットリストで会場の熱量は一気にピークに

この日、文字通りの“幕開け”を飾ったのはアモーリスのフロアタムだった。真紅のオペラカーテンで遮られたステージの奥から、深くディレイを効かせた低音を何度となく響かせた彼女がそのまま高速ジャングルビートを叩き出すと、ドロリス、モーティス、ティモリス、オブリビオニスがこれに合流。そして5人が「Choir ‘S’ Choir」のイントロを奏で始めたのを合図にカーテンがゆっくりと開くも、5人の姿はいまだに見えず。彼女たちからの自己紹介とばかりに、オペラカーテンの向こうに張られていた透過型スクリーン越しにそれぞれのシルエットが順々に映し出されていく。いかにもAve Mujicaらしい、妖しげでミステリアスな演出と共に年内最後の公演をスタートさせた。

グリーンとレッドの照明に照らされながら「Choir ‘S’ Choir」をプレイした彼女たちは、間髪入れずにアモーリスのボトムヘヴィな16ビート、ティモリスが牽引する弦楽器隊のワイルドでグルーヴィなリフ、ドロリスのリズミカルなボーカルが混ざり合う「顔」へとリレー。まずはヘビーメタルバンドならではのダンスナンバー2曲で客席のご機嫌をうかがった。

ところが、その後は1曲ごとに方向性が振り切れた楽曲群のつるべ打ち状態に。その音色、フレーズ共にゴシックなオブリビオニスのリードシンセが楽曲を彩る「ふたつの月  ~Deep Into The Forest~」では彼女とドロリスがセクシーに視線を交わし合い、「黒のバースデイ」では正統派ハードロックアレンジに乗せ、キャッチーなボーカルとメロディアスなコーラスが掛け合わされると、真摯になにかに祈りを捧げるかのようなドロリスのパフォーマンスがオーディエンスを魅了。

そこにモーティスのダーティなアルペジオと、タッピングも交えたドロリスの単音オブリガードのコンビネーションが寂寞感を煽った「Symbol IV : Earth」が続く。その冒頭のエモーショナルながらも正確にビートを刻むアモーリスのドラムソロが生み出した大歓声を背に、モーティスとティモリスがステージ最前列へと歩を進めながら、ドロリスとオブリビオニスと共にテクニカルなユニゾンリフや強烈なブレイクダウンを繰り出した「Mas?uerade Rhapsody Re?uest」を畳みかける。これに客席は即座に呼応。ときに「ハイ!ハイ!」とのコールと共に無線制御式リストバンド型ライトを巻いた腕を高々と突き上げ、ときにはバンドの放つ8ビートにステップを踏み、またときには悲しげなバラードに大きな拍手を贈ってみせ、バンドの仕組んだ変幻自在のセットリストを巧みに乗りこなしていた。

そしてひとときの暗転ののちにもAve Mujicaは極から極へと突っ走る。ドロリスがいつもの7弦ギターからアコースティックギターへと持ち替え、オブリビオニスがピアノを奏でると、フォーキーなサウンドを響かせるバラード「Imprisoned XII」でまたも万雷の拍手を集める。さらにはオブリビオニスのドリーミーなピアノに乗せてドロリスがセリフ交じりのリリックを切々と歌い上げるシアトリカルな「碧い瞳の中に」を初パフォーマンス。そして妖しげなメロディとダンサブルなビートが印象的な「八芒星ダンス」と、複雑に変化し続けるリズムに乗せてどこまでもポジティブなメッセージを届ける「天球(そら)のMúsica」という、ヘビーメタルに軸足を置きつつもそこから延長線を引っ張りに引っ張った先に辿りついたのだろう“Ave Mujica流メタル”を2連発してみせる。「八芒星ダンス」ではギターを降ろしたドロリスが側転を織り交ぜたハードなダンスと共に「Jump!」と挑発すると、跳ねるオーディエンスたちが文字どおりホールを揺らす。「天球(そら)のMúsica」ではその“let’s sing along    let’s sing along”のリリックの通り、5つのミラーボールがホールいっぱいに光を乱反射するなか、バンドとオーディエンスで“ゆこう  明日へと  美しい時代(とき)よ”の大合唱を響かせていた。

“さらに前へと進む”姿を予見させる怒濤のパフォーマンス

“さらに前へと進む”姿を予見させる怒濤のパフォーマンス

ドロリスの表現豊かなボーカルとオブリビオニスの流麗なピアノが印象的なパワーバラード「Angles」でホール全体をドラマチックなムードに包み込んだところでライブは終盤戦に。ここからAve Mujicaは大ネタの連打、さらなる攻勢に打って出る。

ギター代わりにハンドマイクを手にしたドロリスが軽やかにステップを踏みながらステージ上を闊歩。

モーティス、ティモリス、アモーリス、オブリビオニスの元へと歩み寄りながら笑顔で歌うスウィンギンなメタルチューン「Symbol II : Air」でオーディエンスをまたも踊らせると、そこから5人はオールドファッションなJ-POPを思わせるメロディラインやタッピングをも駆使するティモリスの大胆なベースラインが面白い「DIVINE」、ドロリス&モーティスのツインリードが聴く者を惹きつける最新Single曲にして古き良きハードロック「‘S/’ The Way」、ヘビーな楽器隊とドロリスのキャッチーなボーカルのマッチングで魅せる「KiLLKiSS」を一気に連投。十分に温まりきっていたオーディエンスの熱気をさらに数段上へと押し上げた。

そしてレッドとパープルの照明に照らされるなか、この日2つめの初披露曲である、もう1つの最新Single曲「Sophie」を投下。シンコペーションしまくるアモーリス&ティモリスのリズムが切迫感を生み出せば、“誘って誘って誘って誘って嘲笑ってこんなわたしを辱めて”と叫ぶドロリスのピーキーな歌声と、オブリビオニスのどこか不穏なピアノの音色がそれを煽る……。ともすれば客席を急激に冷やしかねない、Ave Mujica随一のダークな1曲ながら、現代的で洒脱なアレンジと音像でオーディエンスを完全にロック。客席がまたも興奮のるつぼと化すと、今度はライブアンセム「Symbol I : △」をドロップして怒号のような大歓声を巻き起こしてみせた。さらに曲中、持ち場を離れたオブリビオニスはステージ前のカメラに向かって挑発的な笑顔を送り、アモーリスはド派手にクラッシュシンバルを連打。さらに弦楽器隊は満面の笑みのまま凶暴極まりないブレイクダウンを2度にわたって叩き込んだところでこの日のライブは大団円。この日一番の熱さとサービス精神で客席の声に応えた5人は、照明が落とされ、オペラカーテンが閉まり始めたステージをあとにした。

……かと思いきや、4人がバックステージへと姿を消すも、舞台袖には1人オブリビオニスの姿が。あらためてステージ中央へと歩を進めた彼女はピンスポットに照らされるなか、バレエや演劇のレヴェランスよろしく客席下手、上手、正面に最敬礼。この定番ムーブに歓声と拍手が贈られたところでこの日のライブの幕は本当に降ろされた。

ジャンルのマナーに則った由緒正しきヘビーメタルにハードロック、最新モードのダンスナンバーに往年のミュージカルソングを思わせるスウィングにセンチメンタルなパワーバラード……。2023年のデビュー以来Ave Mujicaは、ヘビーメタルというジャンルの持つ弾力性・雑食性のもと、振り幅の激しい傑作の数々を発表し、国内外でファン層を拡大。ファンを魅了し続けてきた。そんな彼女たちの最新の楽曲はオールドスクールなハードロック「‘S/’ The Way」とモダンでハードコアな「Sophie」。これまた極端ながらも、本稿の通りいずれも大歓声と共に迎え入れられていた。つまりこの日のライブで彼女たちは、エッジィなヘビーメタルバンドとして“前へと進み”続けてきた2年の道のりが輝かしいものであったことをあらためて証明してみせていたというわけだ。

さてこれから5人はどんな道を“さらに前へと進む”のだろう?年の瀬も押し迫った今なら鬼に笑われることもあるまい。“Ave Mujica 6th LIVE「Ulterius Procedere」”大阪公演とその先に待つ、2026年モードのAve Mujicaに大きな期待を寄せてみたくなる。そんなライブだった。

なおこの日Ave Mujicaは、かねてからアナウンスしていた2026年4月からのライブツアーのタイトルが”Ave Mujica LIVE TOUR 2026「Exitus」”となること、そして6月19、20日にそのファイナル公演がSGC HALL ARIAKEで追加開催されることを発表している。ツアー各公演のチケット発売日などの詳細は公式サイトや公式Xでチェックしてほしい。

“Ave Mujica 6th LIVE「Ulterius Procedere」”東京公演
2025年12月14日(日)東京・東京国際フォーラム ホールA

<セットリスト>
M01.Choir ‘S’ Choir
M02.顔
M03.ふたつの月 ~Deep Into The Forest~
M04.黒のバースデイ
M05.Symbol IV : Earth
M06.Mas?uerade Rhapsody Re?uest
M07.Imprisoned XII
M08.碧い瞳の中に
M09.八芒星ダンス
M10.天球(そら)のMúsica
M11.Angles
M12.Symbol II : Air
M13.DIVINE
M14.‘S/’ The Way
M15.KiLLKiSS
M16.Sophie
M17.Symbol I : △

■セトリプレイリスト公開中

音楽配信サービスにてAve Mujica 6th LIVE「UlteriusProcedere」
東京公演のライブセットリストをプレイリストにて配信中。


https://bmu.lnk.to/avemujica_6th_tokyopr

(C)BanG Dream! Project

●ツアー情報

Ave Mujica LIVE TOUR 2026「Exitus」

2026年
04/17(金)福岡・Zepp Fukuoka
04/26(日)大阪・Zepp Namba
05/01(金)愛知・Zepp Nagoya
05/04(月・祝)東京・Zepp Haneda (TOKYO)
06/19(金)東京・SGC HALL ARIAKE
06/20(土)東京・SGC HALL ARIAKE

<チケット最速先行>
◆受付期間:~2026年1月18日(日) 23:59
※Ave Mujica 3rd Single「‘S/’ The Way / Sophie」初回生産分に封入の申込券でご応募いただけます。
詳細:https://bang-dream.com/events/avemujica_livetour

●ライブ情報

MyGO!!!!!×Ave Mujica ツーマンライブ「“moment / memory”」

2026年
03/01(日)神奈川・Kアリーナ横浜

<チケットプレイガイド先行>
◆受付期間:~2026年1月15日(木) 23:59
◆受付URL:https://eplus.jp/mygo-avemujica2026/

詳細:https://bang-dream.com/events/mygo-avemujica2026

●イベント情報

Ave Mujica トークイベント「UNMASQUERADE」

・東京公演
2026/01/10(土)東京・Kanadevia Hall
1部 開場12:45/開演13:30(予定)
2部 開場16:45/開演17:30(予定)

・大阪公演
2026/02/21(土)大阪・松下IMPホール
1部 開場12:45/開演13:30(予定)
2部 開場16:45/開演17:30(予定)

<チケット一般発売>
◆受付URL:https://eplus.jp/avemujica_talkevent2026/
※先着順・無くなり次第終了
詳細:https://bang-dream.com/events/avemujica_talkevent_2026

●関連リンク

バンドリ!公式サイト:https://bang-dream.com/

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