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2025年12月30日、“Morfonica 5th Anniversary LIVE「Maestoso」”が大宮ソニックシティ大ホールで開催された。この公演はMorfonicaのデビュー5周年を記念して実施されたもので、その内容は音楽用語「Maestoso」のとおり「荘厳に、堂々と、威厳をもって」活動を続けてきたMorfonicaの5年間を、その“荘厳”で“堂々”たる“威厳”に満ちあふれた楽曲群を通じて振り返り、また、2026年の彼女たちの姿を予見させるものだった。

PHOTOGRAPHY BY ハタサトシ
TEXT BY 成松哲

■モニカ流シンフォニックロックという挑戦と発明

満員の大宮ソニックシティ大ホールの緞帳が左右に開きかけると、そこには2020年から現在までにMorfonicaが開催したライブとツアーのタイトルロゴが描かれた1冊の本が……。さらにカーテンが全開になるとステージ奥のスクリーンに今回のライブタイトル“「Maestoso」”が大きく表示され、そのままメンバー紹介代わりのオープニングムービーが流れ出す。

そしてその映像を背にMorfonica 1st Live「Cantabile」の衣装でステージに現れた倉田ましろ(Vo./CV:進藤あまね)、桐ヶ谷透子(Gt./CV:直田姫奈)、広町七深(Ba./CV:西尾夕香)、二葉つくし(Dr./CV:mika)、八潮瑠唯(Vn./CV:Ayasa)は、自身の単独公演のロゴを振り返ったライブ冒頭の演出に予告されていたとおりのステージを展開する。

透子が刻む特徴的なギターリフと瑠唯のドラマチックなリードバイオリンが重なり合うや大歓声が巻き起こった「Daylight -デイライト- 」で5周年記念公演をキックした彼女たちは、この2020年のデビューSingle曲を締め括ると、間髪入れずに2021年の2ndSingle表題曲「ブルームブルーム」とそのカップリング曲「flame of hope」を連発。さらに同じく2021年の3rdSingle表題曲「ハーモニー・デイ」をリレーするなど、活動初期のオリジナル曲からおさらいしつつ、またその間に2021年にスマートフォン向けゲーム『バンドリ!ガールズバンドパーティ!』内で発表し、当時ライブでもカバーしていた「Nevereverland」を織り交ぜるセットリストでMorfonicaも参加するメディアミックスプロジェクト『BanG Dream!』のファン、通称バンドリーマーたちとの5年間を祝福した。

こうやって歴史を振り返ってみて驚かされたのが、Morfonicaのディスコグラフィの振り幅とプレイヤーとしての強度。デビュー間もないころからクラシック音楽の要素を取り入れたシンフォニックロックに軸足を置きつつも、縦横無尽に音楽で遊び、キャラクター自身とその向こうのプレイヤー自身の姿を鮮やかに表現していたことを再確認させられた。

例えば「ブルームブルーム」はシンフォニックロックという言葉が想起させるエレガンスではなくストレートなポップネスを前景へと押し出した1曲。それだけに5人のプレイもブライトなものに。2基のミラーボールがカラフルな光を乱反射させるなか、七深とつくしが小気味いい8ビートを繰り出すと、その七深とましろ、透子、瑠唯が軽快にダンス。また透子がデジタルなエフェクトを噛ませたノイズを鳴らしつつ満面の笑顔でステージを闊歩するなど、とにかく陽性なパフォーマンスでバンドリーマーを歓待してみせ、続く「flame of hope」では透子、七深、つくし、瑠唯の楽器隊とましろのマッチングの妙で客席を魅了する。楽器隊が奏でる“The シンフォニックロック”といわんばかりのスムーズでエレガントなサウンドとは裏腹に、ましろは歌謡曲然としたメロディを熱唱。そのワンアンドオンリーなアンサンブルで客席を沸かせてみせた。

また冒頭、ましろが「ゆっくりでも進めるんだ。光の先はその日を待ってる。」とその歌詞を引用するところから始まった「ハーモニー・デイ」では、タイトルに違わぬ息の合ったハーモニーとマイクリレーを披露。改めて“ゆっくりでも(進めるんだ)光の先はその日を待ってる”とポジティブな言葉を届け、これに万雷の拍手が贈られると、今度は“ゆびきりげんまん”するかわいらしさやくすぐったさを歌う2022年の4th Singleのカップリング曲「Secret Dawn」をドロップ。そのグルーヴィーで少しメロウなアレンジと、メンバーそれぞれが笑顔を交わし合う優しげなパフォーマンスでまたも大きな拍手を集めていた。

さらに4th Singleの表題曲「fly with the night」では、ましろが歌うシリアスでスケール感あるメロディにシアトリカルなコーラスが彩りを添え、瑠唯の流麗なバイオリンの音色が楽器隊を牽引。ハードながらも上品で洗練されたサウンドでホールの空気を一変させ、「Nevereverland」ではストリングスをフィーチャーした原曲に最大のリスペクトを捧げながらも、よりエモーショナルにお色直し。つくし、透子、七深が叩き込むラウドな8ビートの上で、瑠唯は原曲のストリングスパートはもちろん鍵盤パートをもバイオリン一本で弾き倒し、ましろは“傷ついた過去の僕らは癒えないままでそんな空回り変わらない”と速射砲のようにまくし立てる。

そしてバンドリーマーたちとの“La-la-la-la-la-la”のシンガロングから始まった「誓いのWingbeat」で、Morfonicaとバンドリーマーはこの日の最初にしてあまりにも爆発的なハイライトを迎えることに。

手数が多いつくしのドラミング、七深のメロディアスなベースライン、正統派ロックギタリストといった趣きの透子のプレイ、流れるような瑠唯のオブリガートからなる、このMorfonica流ラウドロックは客席のすべてのバンドリーマーのハートを完全にロック。彼らは、“駆け上がれfly, fly, high!”とリズミカルかつタフに歌い上げるましろの声に、“fly, fly, high!”とどこまでも熱く応答して、それまでも十分に上がりまくっていた会場のボルテージをさらに数段上へと押し上げていた。

カラフルな楽曲群が描き出すカラフルな景色たち

■カラフルな楽曲群が描き出すカラフルな景色たち

「誓いのWingbeat」は2023年リリースの1st Album『QUINTET』のリード曲。そんな同年のMorfonicaを象徴する1曲を披露したところで前半戦は終了し、メンバーがいったんステージ袖へと姿を消すと、幕間でポエトリーが流れ出す。

その映像の中で「このライブ、マジでマジでマジで上手くいってる!Morfonica最高~~~~っ!」と、大宮ソニックシティ大ホールのバンドリーマーとライブ配信の視聴者全員の気持ちを代弁し、「準備オッケー?」「よーし!次の曲は思いっきり踊っちゃお~!」「輝く景色に向かって羽ばたこう」と客席を煽った面々は前半戦ラストから引き続き、ライブ後半戦を“2023年のMorfonica”としてスタートさせる。

『Morfonica Concept LIVE「ff」』で初披露した衣装にお召し替えをした5人が、後半戦の1曲目にセレクトしたのは『QUINTET』収録の1曲「メランコリックララバイ」だ。“メラメラ”と“メランコリック”、“ララバイ”と“バイBye”を掛けたコミカルなリリックが印象的なこのパーティチューンをプレイすると、大宮ソニックシティ大ホールはダンスフロアに変身。弦楽器隊とましろがステージ上手と下手に陣取ってその軽快な四つ打ちのビートに乗せて軽くステップを踏めば、客席もすぐさま呼応。5色のメンバーカラーのペンライトをリズムカルに振りつつ、ましろの歌声にテンポよくレスポンスしていた。なお後半戦のセットリストも前半戦と同じくメンバーは自身のディスコグラフィを順に追いかけることで、その時々に描き出していた「景色」を今の音と感性でリペイントしていた。

「メランコリックララバイ」の大ラス、“メラメラアップ・ダウンスタート!”、“始めよう!”というキメフレーズと同時に“始”まったのは2024年リリースの6th Single表題曲「両翼のBrilliance」。つくしがダイナミックながらもどこか軽やかなドラムソロを繰り出し、それを七深が骨太なスラップ、透子がシャープなストロークで追随するライブバージョンならではのイントロから一気にこの四つ打ちダンスロックに雪崩れ込むと、その透子と瑠唯によるギター&バイオリンのツインリードと、ダーティでブーミーな七深の重低音、ましろの歌い上げる闘争の言葉の数々を交差させ、それまでの景色をスリリングなものへと塗り替えてみせる。

さらに2024年のミニAlbum『forte』の1曲「きょうもMerry go rounD」で、大宮ソニックシティ大ホールの景色はさらにシリアスな色合いを増していく。『forte』はメンバーそれぞれの心情にフォーカスした5曲からなるコンセプト盤で「きょうもMerry go rounD」はましろの心の中に迫った1曲。「誰か、誰か助けて。手を差し伸べて。」とつぶやく彼女が、メリーゴーラウンドのようにバウンスしながらループするリズムに寄り添いつつペシミスティックなリリックを歌い上げると、客席ではその切実な歌声に聴き入ったバンドリーマーの拍手が長く長く鳴り響いていた。

ところがその数瞬後、Tempest(=嵐)のようなつくしのブラストビートと大胆なエフェクトを噛ませた透子のストロークで、2024年の7th Single表題曲「Tempest」の幕が開けると景色はまたも一変。

楽器隊が速弾きでソロを回し合うライブならではのアレンジにオーディエンスはさらにエキサイト。地鳴りのような歓声を誘ったバンドはハードでアグレッシブな景色を立ちのぼらせていた。……かと思えば、ましろが「私たちだけの景色を奏でていく」と明るく語りかけ、2025年の2nd Album『Polyphony』の「Polyphonyscape」を投下すれば、その宣言どおりに景色は塗り替えられていく。「Tempest」に負けず劣らず強烈な高速2ビートに、ジェントルなメロディと会場中を温かいムードで包み込むシンガロングとが絡み合うと、そこにはエレガントでテクニカルながらもどこか優しいMorfonicaならではの景色が描き出されていた。

ライブ本編最終盤、Morfonicaの面々が音楽を通じて描いたのはバンドの現在地ともいうべき2つの景色だった。ピンスポットを浴びたつくしがまたも圧巻の手数でドラムソロを打ち鳴らし「とても綺麗で、やさしい、いとしい、私の世界」と語り出せば、バンドは2025年8月リリースの8th Singleのカップリング曲にして、つくしと七深のシスターフッドを描いた「Portray Empathy」をライブ初披露。メッセージ、メロディ、アレンジのいずれもがシンプルでストレートな王道ロックナンバーにして、Morfonicaにとっては新機軸とも言うべき1曲でステージと客席のランドスケープを新たに描き直していた。そして透子が「笑ったことも悔しかったことも全部一緒に積み重ねてきたから、今、ここにこうして立っていられるんだって思います」「これからももっともっと羽ばたいていくモニカの姿、見ていてくれますか?」と笑顔でオーディエンスに語りかけ、ましろへとマイクをリレー。彼女の「待っていてね。信じてくれたすべてに」の声をきっかけに、今度は8th Singleの表題曲「Feathered Dreams」もライブ初披露する。目まぐるしくリズムチェンジと転調を繰り返しながらも、なぜかスムーズに響くキャッチーで技アリなアレンジとメロディに乗せて、タイトルになぞらえたFeather(=鳥の羽)が舞い散る中、“奇跡を起こすのは私”、“夢を叶えるんだ背中に自由を広げて”と真っ直ぐなメッセージを紡いだ5人は拍手と歓声のなか、ひとまずステージをあとにした。

アンコールでのMorfonicaメンバーは、ひと足早く2026年のバンドの景色を見せつける。

「Feathered Dreams」の直後に巻き起こった「モニカ」コールに応え、“ステージに舞い戻った5人は、キャラクターたちが通う月ノ森女子学園の制服をモチーフにしたオールドスタイルなスクールガールルックの新衣装をお披露目するや、どよめく客席を尻目に今年4月にリリースが発表された9th Singleの表題曲「Resonant Strings」を早くも初パフォーマンス。瑠唯と透子がハードにソロを回し合い、8ビートと三拍子を往復するつくしのビートとラップを織り交ぜたましろのボーカルを七深の極太なスラップベースが支える、文字どおりStrings(=弦楽器)がResonant(=鳴り響く)する、Morfonicaらしいハイスピードナンバーでさらなるどよめきを煽っていた。

この日のライブを振り返ったAyasaとmikaが「私は本当にMorfonicaという場所が好きなんだなと痛感した」「とにかく楽しかった。来年も一緒に楽しいことをいっぱいしたい」と今日もステージに立てる喜びを語り、西尾と直田が「曲が進むにつれて『あの時はあんな感じで弾いていたな』と色々なことが思い出された」「ガチガチに緊張しながら弾いていた『Daylight -デイライト-』が今やルンルンで弾ける曲になっていることにビックリした」と、短いようで長い5年という月日について振り返るMCタイムの最後、満面の笑みの進藤が「5年のあいだに出会ってくれたバンドリーマーのみなさん、本当にありがとうございます」と伝えたところでこの日の公演は大団円。5人は2022年の5th Single曲にして、オールタイムでバンドリーマーたちに愛され続けるライブアンセム「寄る辺のSunny, Sunny」を披露して、5周年記念ライブに幕を下ろした。

アンコール時のMC中、進藤はディスコグラフィに忠実だった当日のセットリストをゲームになぞらえ「どんどん難易度が上がっていくクエストみたい」と笑っていたが、本稿のとおりMorfonicaは2020年デビュー。ライブ活動が強く制限されたコロナ禍まっただ中にお披露目をしているだけに、そのキャリアのなかで様々なクエスト……自らがまったく予想もせず、望みもしない高難易度のタスクを課せられたことは一度や二度のことではなかっただろう。

しかしMorfonicaはそれらの課題をことごとくクリア。満員のバンドリーマーが駆けつけた5周年記念公演という景色に辿りついている。くだんのMCタイム中、直田は「次は10周年?」といたずらっぽくつぶやいていたが、これまでの“クエスト”はおろか、来たる2026年春に課せられる「Resonant Strings」という“クエスト”すらもすでにクリアしてみせた彼女たちだけに、その延長線上にある10周年アニバーサリーという景色にもおそらくたどり着けることだろう。そのエレガントでクールなアンサンブルの向こうに、タフかつクレバーに未来を切り拓くMorfonicaの姿を見た。そんな一夜だった。

Morfonica 5th Anniversary LIVE「Maestoso」
2025年12月30日(火)埼玉・大宮ソニックシティ大ホール

<セットリスト>
M01.Daylight -デイライト-
M02.ブルームブルーム
M03.flame of hope
M04.ハーモニー・デイ
M05.Secret Dawn
M06.fly with the night
M07.Nevereverland
M08.誓いのWingbeat
M09.メランコリックララバイ
M10.両翼のBrilliance
M11.きょうもMerry go rounD
M12.Tempest
M13.Polyphonyscape
M14.Portray Empathy
M15.Feathered Dreams

<アンコール>
EN01. Resonant Strings
EN02. 寄る辺のSunny, Sunny

(C)BanG Dream! Project

■セトリプレイリスト公開中
https://bmu.lnk.to/morfonica_live_Maestosopr

■リリース情報

Morfonica 9th Single「Resonant Strings」
2026年4月22日(水)発売

■ライブ情報

Morfonica単独ライブ

9月22日(火・祝)東京・TACHIKAWA STAGE GARDEN
詳細:https://bang-dream.com/events/morfonica_live_2026

関連リンク

BanG Dream! 公式サイト:https://bang-dream.com/

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