5月に10枚目のアルバムをリリースしたばかりのangelaが、TVアニメ『乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…X』の主題歌『アンダンテに恋をして!』を担当する。シリアスな作品への楽曲制作とはまた違った、バラエティ豊かなアイデアをふんだんに投入しつつシングルとしての統一感をもたせた今作における、作品作りと隠し味を聞いた。
ポルカ採用の背景に『タイタニック』あり
――TVアニメ『乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった』の主題歌『乙女のルートはひとつじゃない!』は、angelaにとっては新たなアニメ作品へのテーマ曲制作でしたが、ファンの受け止めはいかがでしたか?
atsuko 「angelaって、バトル属性作品ではない作品の場合、たまにこういうドタバタしたハチャメチャな楽曲作るよね」という受け止め方のようでした。私の推測では、それもこれもTVアニメ『アホガール』OPテーマの『全力☆Summer!』を世に出していたので、皆さんに免疫ができていたからではないかと(笑)。一方、アニメの製作陣からはどう思われたか心配だったのですが、こうして2期でも依頼していただけたということは、少なくとも怒ってはいないんだなと安心しています(笑)。
――そんな『乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…X』の主題歌『アンダンテに恋をして!』も前作に負けず劣らず豊かなアイデアで作られた楽曲ですね。
atsuko 監督の方から「ステップを踏めるお洒落な曲」というリクエストがありまして、大変悩んだ記憶があります。
KATSU その2つがまずangelaの中で噛み合わない……! angelaは曲のインパクトやキャッチーさを出すために“ダサさ”をあえて意識してきたので、一番の弱点って「お洒落」かもしれない(笑)。それで、ステップのほうに意識を向けたときに想起されたのはポルカでした。映画「タイタニック」で、ジャックとローズの心が通じ合って、酒場でステップを踏んで踊るシーンがあって、僕は一番好きなシーンなんです。で、そこで流れている曲がポルカなんですね。それをatsukoさんに相談して、ポルカ要素を取り入れて曲作り始めていきました。1期のときは幼少期時代から大人になっていくストーリーでしたが、今回はまた新しいキャラが登場して、カタリナを取り巻く人たちがそれぞれアピールしていくというワチャワチャした感じがあって、イメージはみんながみんな自由に演奏している感じ。なんなら酒を飲みながら録っているかのようにできればと思いました。
――今回、参加されたミュージシャンはどんな方が?
KATSU 大サーカスにも出演してくれている田ノ岡三郎さんがアコーディオンを、杉野 裕さんがフィドル(ヴァイオリンの民族音楽奏法)を担当してくださって。クラシックではなく、酒場で飲んでいるかのような自由な演奏をしていただきました。
atsuko 『はめふら』に関して思いついたことはすべて前作の曲に注ぎ込んでしまったので、メロディ作りには苦戦しましたね。今回は飽きさせないことを意識しました。跳ねた感じの細かい譜割りをしたり、サビではゆったりとした大きなメロディを歌いつつ、“圧倒的な愛で”からバタバタっとくるところとか、最後の“アンダンテに恋をして!”の早口部分とか。
――この曲は従来のアニソンで一般的なAメロ・Bメロ・サビではない構成にしているのが特徴です。これはどのような考えから?
atsuko 最初にAメロを歌ってからイントロが入って、またAメロが始まって、終わったら1行挟んですぐサビに行って、そこを長めに取っているという珍しい構成です。それには近年はサブスク流行の影響があります。曲をドンドン飛ばしていく傾向があるため、全体的に曲は短くなっていて、Bメロと呼ばれる部分はとても短いか、なかったりします。ただそれでも私たちには、90秒の中にちゃんとイントロがあって盛り上がって、そしてアウトロできれいに終わりたいなという願いはあるので、この曲の中に小さな形でも残すことができたことはよかったと思います。
KATSU 従来型だとコーラスが登場するのは、「サビでとっておきに」だったりするんですけど、この曲はAメロから繰り出していくので、その辺りもインパクトを強くしています。
atsuko 私が一人で歌うよりもコーラス隊の皆さんが入っていただいたほうが、曲に貴族感が出るような気がするんですよ(笑)。コーラス自体は『ファフナー』シリーズでも使っているのですが、『はめふら』での使い方はまた違っていて、舞踏会や綺羅びやかな世界が演出されます。
――歌詞については前回から引き続き、「ザ・お嬢様言葉」が使われています。
atsuko 普段まず使うことのないお嬢様言葉や、おフランスな感じを入れています(笑)。誰もが聞いたことがあってイメージしやすいフランス語を散りばめることによって、作品の宮廷感を表現できればと。ストーリー的にはカタリナは相変わらずモテるけれども、彼女自身が翻弄される部分もあるので、そこは「まあまあ、歩くぐらいの速度で恋をしていきましょうよ」という意味を込めて“アンダンテ”(音楽用語:歩くような速度で演奏する)としています。
――歌唱については難度が高そうだなと感じましたが、いかがでしたか?
atsuko そうですね。サビ前からバタバタしてくるので、ちゃんとブレスをしていないと歌えないですね。あと、私にしてはAメロのキーが低くて、これ以上高くするとサビが歌えないんです。つまり、絶妙な幅の中でメロディが構成されているので、ライブのときはその辺りをきちんと準備する必要がありますね。
――間奏では前作でルートヴィヒ・ヴァン・ベートーベンの「運命」のモチーフに続いて、今回は「歓喜の歌」(交響曲第9番第4楽章)を入れています。
KATSU 自分の中での目標は、「よく聞くけど、なんだっけ」というフレーズを入れたくて、前作の『運命』から引き続きでベートベンにしてみました。
――ところで、先ほどのオーダーにあった「お洒落な」の部分についてはいかがでしたか?
KATSU 監督ごめんなさい……。お洒落要素は入れられませんでした(笑)。
『展覧会の絵』+『結婚行進曲』=『愛を謳う』
――では、そのカップリングの「愛を謳う」ですが、このテーマと曲作りについての考えをお聞かせください。
atsuko 「アンダンテに恋をして!」は、アニメーションでの作業があるので、早い段階で作り終えていたのですが、「愛を謳う」のほうは割と直前まで悩みました。それで、先ほどのクラシックを使って何か面白いことができないかというイメージから、もう少し「どこかで聞いたことがあるけど、なんだっけ?」というラインを探って、モデスト・ムソルグスキーの「組曲 展覧会の絵」の「プロムナード」をメロディラインに使って、そこからメロディを作っていきました。そのあと私が歌詞書いているときに、アレンジしているKATSUさんから「この曲の後半に『結婚行進曲』も入れられそうだから、ちょっとハッピーな歌詞にして」と連絡がきて、歌詞はそれを受けたものになっています。そのあとでアレンジが出来てきたのを聴いたら、(フェリックス・)メンデルスゾーンと(リヒャルト・)ワーグナーの「結婚行進曲」が入っていて、もうこっちの2曲の色が強すぎて、サウンドエンジニアさんから「これは誰かの結婚に捧げる曲なんですか?」と妙な深読みをされる曲になりました(笑)。でも7月7日の七夕が発売日でもあり、ちょっとロマンチックな感じで、結果的にラブ味の強いという意味で統一感のあるシングルになって面白いなと思います。
――angelaのファン同士で結婚された方がいらっしゃるそうなので、今後もまた結ばれる方が出たらその席で使っていただけそうですね。
KATSU そうなったら僕らとしても嬉しいですね。
――KATSUさんの「結婚行進曲」のアイデアはどこから生まれたんですか?
KATSU 仮歌を録って尺も決まったなかで、間奏部分がちょうど空白になっていて自由に入れられる状態だったんです。
atsuko 最後の掛け合いの部分もコーラス隊の皆さん入っていただいて、そこでも「アンダンテ」との親和性と1枚のシングルの中で統一感が出せたなと思います。
KATSU 先ほども言ったのですが、サブスクという形が進むなか、CDというメディアに憧れてデビューし活動してきた自分らとしては、表題曲を聴き終えたあとに流れてくるカップリング曲でリスナーの耳を奪いたいという思いがあるんですよね。B面でA面を超えたいと。自分の中でもそうやって耳にして好きになったカップリング曲とは「知らない音楽と出会えた」という感じで大きな感動があります。そういった意味で「このカップリング面白い曲だね」と感じてもらうことに重きを置いて作った曲でもあります。
――この1枚の位置づけをご自身ではどのように捉えていますか?
atsuko 時代も変わって自分たちが歳を重ねていくなか、angelaにまたこうしてテーマ曲のオファーをいただけることをありがたく思います。その意味を考えながらこれまでも作ってきましたし、この先歳を重ねていったときも、それをより考えながら作っていく思いでいます。angelaに頼んでよかったな、面白いものができたなと思ってもらえるような作品作りやパフォーマンスで作品を盛り上げていきたいなと思っています。
KATSU 昨年、『はめふら』が放送されたタイミングは、まさに世界が緊急事態で、世の中の空気もギスギスしているなか、この作品は感動も笑いもあって心を穏やかにしてくれる清涼剤でした。アニメによっては新作の放送が止まってしまうなか、第1期の放送を無事に完走してくれたこともありがたかったです。その意味で、作品に恩返しをするつもりで作りました。第2期ではスーパーアニメイズムという、さらに多くの人に観ていただけそうな枠でオンエアされるので全力で応援していきたい考えですし、それをご覧になるファンの方はまた笑って感動して、心穏やかになってもらいたいなと思います。
INTERVIEW & TEXT BY 日詰明嘉
●リリース情報
「アンダンテに恋をして!」
発売中
配信・CD購入リンクはこちら
https://lnk.to/angela_Andante
【期間限定盤(CD+Blu-ray)】
品番:KICM-92089
価格:¥1,980(税込)
仕様:スペシャルケース仕様
<CD>
01. アンダンテに恋をして!
作詞:atsuko 作曲:atsuko/KATSU 編曲:KATSU
02. 愛を謳う
作詞:atsuko 作曲:atsuko/KATSU 編曲:KATSU
03. アンダンテに恋をして!(off vocal version)
04. 愛を謳う(off vocal version)
<Blu-ray>
「アンダンテに恋をして!」Music Clip
【アニメ盤(CD)】
品番:KICM-2090
定価:¥1,320(税込)
仕様:アニメイラストジャケット仕様
<CD>
01. アンダンテに恋をして!
作詞:atsuko 作曲:atsuko/KATSU 編曲:KATSU
02. 愛を謳う
作詞:atsuko 作曲:atsuko/KATSU 編曲:KATSU
03. アンダンテに恋をして!(TV size)
04. アンダンテに恋をして!(off vocal version)
05. 愛を謳う(off vocal version)
●作品情報
TVアニメ『乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…X』
2021年7月よりMBS/TBS系全国28局ネット“スーパーアニメイズム”枠にて放送
<INTRODUCTION>
公爵令嬢、カタリナ・クラエスは、頭を石にぶつけた拍子に前世の記憶を取り戻す。
ここが前世で夢中になっていた乙女ゲーム『FORTUNE LOVER』の世界であり、自分がゲームの主人公の恋路を邪魔する悪役令嬢であることを!
ゲームでカタリナに用意されている結末は、ハッピーエンドで国外追放、バッドエンドで殺されてしまう…
そんな破滅フラグはなんとしても回避して、幸せな未来を掴み取ってみせる!!
そして無事、破滅フラグを回避したカタリナに新たな危機が!?
勘違い?人たらしラブコメディの幕が再び上がる。
関連リンク
angelaオフィシャルサイト
http://king-cr.jp/artist/angela/
angelaオフィシャルTwitter
https://twitter.com/angela_staff
angela 公式YouTube
https://www.youtube.com/channel/UCziN0SyXTx509xX3-s1gK4A
キングレコードangela公式サイト
http://king-cr.jp/artist/angela/
TVアニメ『乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…X』公式サイト
https://hamehura-anime.com/
ポルカ採用の背景に『タイタニック』あり
――TVアニメ『乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった』の主題歌『乙女のルートはひとつじゃない!』は、angelaにとっては新たなアニメ作品へのテーマ曲制作でしたが、ファンの受け止めはいかがでしたか?
atsuko 「angelaって、バトル属性作品ではない作品の場合、たまにこういうドタバタしたハチャメチャな楽曲作るよね」という受け止め方のようでした。私の推測では、それもこれもTVアニメ『アホガール』OPテーマの『全力☆Summer!』を世に出していたので、皆さんに免疫ができていたからではないかと(笑)。一方、アニメの製作陣からはどう思われたか心配だったのですが、こうして2期でも依頼していただけたということは、少なくとも怒ってはいないんだなと安心しています(笑)。
――そんな『乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…X』の主題歌『アンダンテに恋をして!』も前作に負けず劣らず豊かなアイデアで作られた楽曲ですね。
atsuko 監督の方から「ステップを踏めるお洒落な曲」というリクエストがありまして、大変悩んだ記憶があります。
KATSU その2つがまずangelaの中で噛み合わない……! angelaは曲のインパクトやキャッチーさを出すために“ダサさ”をあえて意識してきたので、一番の弱点って「お洒落」かもしれない(笑)。それで、ステップのほうに意識を向けたときに想起されたのはポルカでした。映画「タイタニック」で、ジャックとローズの心が通じ合って、酒場でステップを踏んで踊るシーンがあって、僕は一番好きなシーンなんです。で、そこで流れている曲がポルカなんですね。それをatsukoさんに相談して、ポルカ要素を取り入れて曲作り始めていきました。1期のときは幼少期時代から大人になっていくストーリーでしたが、今回はまた新しいキャラが登場して、カタリナを取り巻く人たちがそれぞれアピールしていくというワチャワチャした感じがあって、イメージはみんながみんな自由に演奏している感じ。なんなら酒を飲みながら録っているかのようにできればと思いました。
実際でも主要なメロディは押さえつつ、「ここからここは自由で」みたいな形で、各楽器を自由に表現していくようにレコーディングをしてもらいました。
――今回、参加されたミュージシャンはどんな方が?
KATSU 大サーカスにも出演してくれている田ノ岡三郎さんがアコーディオンを、杉野 裕さんがフィドル(ヴァイオリンの民族音楽奏法)を担当してくださって。クラシックではなく、酒場で飲んでいるかのような自由な演奏をしていただきました。
atsuko 『はめふら』に関して思いついたことはすべて前作の曲に注ぎ込んでしまったので、メロディ作りには苦戦しましたね。今回は飽きさせないことを意識しました。跳ねた感じの細かい譜割りをしたり、サビではゆったりとした大きなメロディを歌いつつ、“圧倒的な愛で”からバタバタっとくるところとか、最後の“アンダンテに恋をして!”の早口部分とか。
――この曲は従来のアニソンで一般的なAメロ・Bメロ・サビではない構成にしているのが特徴です。これはどのような考えから?
atsuko 最初にAメロを歌ってからイントロが入って、またAメロが始まって、終わったら1行挟んですぐサビに行って、そこを長めに取っているという珍しい構成です。それには近年はサブスク流行の影響があります。曲をドンドン飛ばしていく傾向があるため、全体的に曲は短くなっていて、Bメロと呼ばれる部分はとても短いか、なかったりします。ただそれでも私たちには、90秒の中にちゃんとイントロがあって盛り上がって、そしてアウトロできれいに終わりたいなという願いはあるので、この曲の中に小さな形でも残すことができたことはよかったと思います。
KATSU 従来型だとコーラスが登場するのは、「サビでとっておきに」だったりするんですけど、この曲はAメロから繰り出していくので、その辺りもインパクトを強くしています。
atsuko 私が一人で歌うよりもコーラス隊の皆さんが入っていただいたほうが、曲に貴族感が出るような気がするんですよ(笑)。コーラス自体は『ファフナー』シリーズでも使っているのですが、『はめふら』での使い方はまた違っていて、舞踏会や綺羅びやかな世界が演出されます。
――歌詞については前回から引き続き、「ザ・お嬢様言葉」が使われています。
atsuko 普段まず使うことのないお嬢様言葉や、おフランスな感じを入れています(笑)。誰もが聞いたことがあってイメージしやすいフランス語を散りばめることによって、作品の宮廷感を表現できればと。ストーリー的にはカタリナは相変わらずモテるけれども、彼女自身が翻弄される部分もあるので、そこは「まあまあ、歩くぐらいの速度で恋をしていきましょうよ」という意味を込めて“アンダンテ”(音楽用語:歩くような速度で演奏する)としています。
――歌唱については難度が高そうだなと感じましたが、いかがでしたか?
atsuko そうですね。サビ前からバタバタしてくるので、ちゃんとブレスをしていないと歌えないですね。あと、私にしてはAメロのキーが低くて、これ以上高くするとサビが歌えないんです。つまり、絶妙な幅の中でメロディが構成されているので、ライブのときはその辺りをきちんと準備する必要がありますね。
――間奏では前作でルートヴィヒ・ヴァン・ベートーベンの「運命」のモチーフに続いて、今回は「歓喜の歌」(交響曲第9番第4楽章)を入れています。
KATSU 自分の中での目標は、「よく聞くけど、なんだっけ」というフレーズを入れたくて、前作の『運命』から引き続きでベートベンにしてみました。
今回、カップリングの『愛を謳う』ではベートーベンではありませんが、3曲のクラシックを入れて、CD1枚としてのちょっとした統一感を出しています。
――ところで、先ほどのオーダーにあった「お洒落な」の部分についてはいかがでしたか?
KATSU 監督ごめんなさい……。お洒落要素は入れられませんでした(笑)。
『展覧会の絵』+『結婚行進曲』=『愛を謳う』
――では、そのカップリングの「愛を謳う」ですが、このテーマと曲作りについての考えをお聞かせください。
atsuko 「アンダンテに恋をして!」は、アニメーションでの作業があるので、早い段階で作り終えていたのですが、「愛を謳う」のほうは割と直前まで悩みました。それで、先ほどのクラシックを使って何か面白いことができないかというイメージから、もう少し「どこかで聞いたことがあるけど、なんだっけ?」というラインを探って、モデスト・ムソルグスキーの「組曲 展覧会の絵」の「プロムナード」をメロディラインに使って、そこからメロディを作っていきました。そのあと私が歌詞書いているときに、アレンジしているKATSUさんから「この曲の後半に『結婚行進曲』も入れられそうだから、ちょっとハッピーな歌詞にして」と連絡がきて、歌詞はそれを受けたものになっています。そのあとでアレンジが出来てきたのを聴いたら、(フェリックス・)メンデルスゾーンと(リヒャルト・)ワーグナーの「結婚行進曲」が入っていて、もうこっちの2曲の色が強すぎて、サウンドエンジニアさんから「これは誰かの結婚に捧げる曲なんですか?」と妙な深読みをされる曲になりました(笑)。でも7月7日の七夕が発売日でもあり、ちょっとロマンチックな感じで、結果的にラブ味の強いという意味で統一感のあるシングルになって面白いなと思います。
――angelaのファン同士で結婚された方がいらっしゃるそうなので、今後もまた結ばれる方が出たらその席で使っていただけそうですね。
KATSU そうなったら僕らとしても嬉しいですね。
――KATSUさんの「結婚行進曲」のアイデアはどこから生まれたんですか?
KATSU 仮歌を録って尺も決まったなかで、間奏部分がちょうど空白になっていて自由に入れられる状態だったんです。
そこで普段は生きるか死ぬかのテーマをアニソンで歌っているangelaが、七夕発売のシングルで愛や恋を歌うのは意外性があって面白かろうと思いつきまして。であれば、もう思いきり振り切ってしまおうと考えました。先に入れていた「展覧会の絵」は八分ではなく三連符で歌っている曲で、タッカタッカというリズムで、クラシックでほかにないか探したところメンデルスゾーンの「結婚行進曲」が見つかりました。それで作業を進めていたら最後のDメロでワーグナーを入れることを思いつき、両方入れた結果、ラブ感がとても強くなりました(笑)。
atsuko 最後の掛け合いの部分もコーラス隊の皆さん入っていただいて、そこでも「アンダンテ」との親和性と1枚のシングルの中で統一感が出せたなと思います。
KATSU 先ほども言ったのですが、サブスクという形が進むなか、CDというメディアに憧れてデビューし活動してきた自分らとしては、表題曲を聴き終えたあとに流れてくるカップリング曲でリスナーの耳を奪いたいという思いがあるんですよね。B面でA面を超えたいと。自分の中でもそうやって耳にして好きになったカップリング曲とは「知らない音楽と出会えた」という感じで大きな感動があります。そういった意味で「このカップリング面白い曲だね」と感じてもらうことに重きを置いて作った曲でもあります。
――この1枚の位置づけをご自身ではどのように捉えていますか?
atsuko 時代も変わって自分たちが歳を重ねていくなか、angelaにまたこうしてテーマ曲のオファーをいただけることをありがたく思います。その意味を考えながらこれまでも作ってきましたし、この先歳を重ねていったときも、それをより考えながら作っていく思いでいます。angelaに頼んでよかったな、面白いものができたなと思ってもらえるような作品作りやパフォーマンスで作品を盛り上げていきたいなと思っています。
KATSU 昨年、『はめふら』が放送されたタイミングは、まさに世界が緊急事態で、世の中の空気もギスギスしているなか、この作品は感動も笑いもあって心を穏やかにしてくれる清涼剤でした。アニメによっては新作の放送が止まってしまうなか、第1期の放送を無事に完走してくれたこともありがたかったです。その意味で、作品に恩返しをするつもりで作りました。第2期ではスーパーアニメイズムという、さらに多くの人に観ていただけそうな枠でオンエアされるので全力で応援していきたい考えですし、それをご覧になるファンの方はまた笑って感動して、心穏やかになってもらいたいなと思います。
INTERVIEW & TEXT BY 日詰明嘉
●リリース情報
「アンダンテに恋をして!」
発売中
配信・CD購入リンクはこちら
https://lnk.to/angela_Andante
【期間限定盤(CD+Blu-ray)】
品番:KICM-92089
価格:¥1,980(税込)
仕様:スペシャルケース仕様
<CD>
01. アンダンテに恋をして!
作詞:atsuko 作曲:atsuko/KATSU 編曲:KATSU
02. 愛を謳う
作詞:atsuko 作曲:atsuko/KATSU 編曲:KATSU
03. アンダンテに恋をして!(off vocal version)
04. 愛を謳う(off vocal version)
<Blu-ray>
「アンダンテに恋をして!」Music Clip
【アニメ盤(CD)】
品番:KICM-2090
定価:¥1,320(税込)
仕様:アニメイラストジャケット仕様
<CD>
01. アンダンテに恋をして!
作詞:atsuko 作曲:atsuko/KATSU 編曲:KATSU
02. 愛を謳う
作詞:atsuko 作曲:atsuko/KATSU 編曲:KATSU
03. アンダンテに恋をして!(TV size)
04. アンダンテに恋をして!(off vocal version)
05. 愛を謳う(off vocal version)
●作品情報
TVアニメ『乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…X』
2021年7月よりMBS/TBS系全国28局ネット“スーパーアニメイズム”枠にて放送
<INTRODUCTION>
公爵令嬢、カタリナ・クラエスは、頭を石にぶつけた拍子に前世の記憶を取り戻す。
ここが前世で夢中になっていた乙女ゲーム『FORTUNE LOVER』の世界であり、自分がゲームの主人公の恋路を邪魔する悪役令嬢であることを!
ゲームでカタリナに用意されている結末は、ハッピーエンドで国外追放、バッドエンドで殺されてしまう…
そんな破滅フラグはなんとしても回避して、幸せな未来を掴み取ってみせる!!
そして無事、破滅フラグを回避したカタリナに新たな危機が!?
勘違い?人たらしラブコメディの幕が再び上がる。
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angelaオフィシャルサイト
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TVアニメ『乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…X』公式サイト
https://hamehura-anime.com/
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