halcaの歌声はすべてを癒し、元気づける――。2021年7月22日、東京・日本橋三井ホールで行われた昼夜公演“LAWSON presents halca 6th LIVE 『Help Me!!!!!! 3×2×1 & live playground #002』”は、昨年10月の東京・TSUTAYA O-WESTから約9ヵ月の時を経た、久々の有観客ライブとなった。
まず昼の部として行われた第一部“Help Me!!!!!! 3×2×1”は、デビュー以来“!”の数だけステージを重ねてきたワンマンライブ“Help Me”シリーズの6回目。夜公演の第二部“live playground #002”は、“遊び場”を意味する名前を掲げたアコースティック編成での生演奏ライブシリーズの2回目だ。halcaらしいポップなステージを届けた第一部“Help Me!!!!!! 3×2×1”と、手練れのミュージシャンとのアットホームなセッションを聴かせた第二部“live playground #002”はどちらも、コロナ禍で寂しい思いをしていたファンに、halcaのライブでしか味わえないハートウォーミングで感動的な音楽体験を届けてくれた。
まずはhalcaにとっては初のホールワンマンとなる第一部“Help Me!!!!!! 3×2×1”。かわいい羽根が生えたピンク色のhalcaロゴをあしらったステージに、BGMにのせて赤・青・白とさまざまなカラーのライトが点滅すると、フリルのついたブラウスと裾に工夫を凝らしたキュートなミニスカート姿のhalcaが登場。立ち上がる観客が真っ白なペンライトを振り、「君だけ」と「Fuzzy Rain」という軽快なオープニングで甘い歌声を響かせる。
「こんにちはー! みんなほんとにお久しぶりですー! ホールという名前のつくところで初めてやらせてもらいます!」と明るい声で客席に呼びかけ、「何から話せばいいのかね?(笑)」と久々のワンマンライブに喜びを隠しきれない表情を見せる。右手を振り上げてかわいらしくフリを決める「スターティングブルー」では、「一緒に振りをしてくれてありがとうございます」とお礼を告げながら、「今日は、今までとは違うスタイルのライブということで、この曲を選びました」と、しっとりとしたミドルバラード「ハローセカイ」へ。“とめどない声で明日への憂いとか不安とか”と歌うhalcaの声が、コロナ禍の今を生きるみんなの思いを代弁するようだ。そんなhalcaの切ない歌声は「あの頃の僕たちを」へと思いを繋ぐ。「この2曲は私の1stアルバムの曲。2ndアルバムもいつか出せたらいいなと思います。
「次の曲は、私のデビュー曲です!」と「キミの隣」を歌い出すhalcaに、声こそ出せないがオーディエンスのテンションもアップ。大きな手拍子が揃う。2018年5月にこの曲がリリースされてからもう3年が経つが、halcaの心地良いスイートボイスは、いつまでもフレッシュだ。コミカルでアップテンポの「告白バンジージャンプ」でスカートをヒラヒラ翻しながらジャンプを決め、1つ1つの仕草、応援してくれるファンみんなに向けたニコニコの笑顔に、大きな拍手が贈られる。
最近はアニメ熱が再燃していると言いながら「私も自分の歌でアニメを観るキッカケになってもらえたら嬉しいし、この曲歌いたいかも、聴きたいかもと思ってもらえるように頑張ります」と語った次のブロックでは、アニソンをカバー。「あー緊張する!」と言って歌われたのは『BORUTO-ボルト- NARUTO NEXT GENERATIONS』のOPテーマ、いきものがかりの「BAKU」。コケティッシュな曲調にhalcaのボーカルがよく似合う。このカバーは、彼女がYouTubeで展開している動画シリーズ“playground”でもカバーされていたものだ。そしてセットリストは、彼女自身が『BORUTO-ボルト- NARUTO NEXT GENERATIONS』のために歌う、爽やかな新曲「キミがいたしるし」へと繋がっていく。ロックなサウンドとドラマチックな曲調、突き抜けるハイトーンに合わせて、客席で振られている白いペンライトも激しさを増す。
直前に出された緊急事態宣言に触れつつ、「今日は開催できて本当に良かったなと思います。みんなのお顔が見れてすごく嬉しいです。マスクしてても表情ってわかるね、今みんなが笑ってるのがわかります、ありがとう!」と客席にお礼を述べ、一人ひとりと目を合わせるように会場を見回すhalcaに、再び大きな拍手が降り注ぐ。「よし! 行くよー」と気合いを入れて、本編ラストに歌われたのは、「私をたくさんの方と繋げてくれた大事な曲」と紹介された「センチメンタルクライシス」と「放課後のリバティ」だ。底抜けに明るいhalcaの笑顔が、すべての人を元気づけてくれる。
かわいくアレンジされたライブTシャツに着替えて颯爽と登場したアンコールは、アップテンポな楽曲にのせたみんなの手拍子が気持ちいい「時としてバイオレンス」から。「ありがとうございまーす! イエーイ!」と大声で呼びかけながら、コロコロと笑うhalcaは本当にキュートだ。まるで友達に話しかけるように、フレンドリーなトークでライブグッズを紹介し、アンコールのラストに放たれたのは、halcaの「せーの!」の掛け声で全員のリズミカルな手拍子がぴったりと心を合わせた「サカナイトデイズ」。「めちゃめちゃあっという間だった!」と笑顔をほころばせながら、「またみんなで一緒に集まれることを楽しみに! 負けないように頑張りましょう! また会おうねー!」と手を振るhalcaは、こんな時期だからこそのささやかで大きな幸せを、みんなに運んでくれた。
生楽器とのセッションを“遊び場”に!すべてがハートフルな「live playground #002」
第二部「live playground #002」は、halca一人の歌と踊りで届けた第一部“Help Me!!!!!! 3×2×1”とは趣向を変えた、halcaにとっては新しいライブシリーズだ。アコースティックサウンドでのカバー曲やセルフカバーを展開する「halca Official YouTube Channel」の “playground”企画をライブ版にしたこのステージは、昨年10月に続いて今回が2回目の開催となる。
「告白バンジージャンプ」のアコースティックバージョンBGMをバックに、「皆さーん、こんばんはー、halcaでーす!」と元気にステージに姿を現したhalcaは、カジュアルだった第一部とはうってかわって、薄いブルーのトップスに虹色のロングスカートというエレガントな装いだ。
「今日はさらにさらに“遊び場”という名前にぴったりのライブにしていけたらいいなと思ってます!」と告げて、今日のサポートメンバーを呼び込む。登場したのは、前回開催した“#001”にも参加し、何度もhalcaをサポートしてきたギタリスト・川口圭太と、今回が初出演で、halcaのレコーディングギタリストとしてはもちろん、“リスアニ!LIVE”ではリスアニ!バンドのギタリストとしても共演歴のある山本陽介。二人とも数多くのアーティストを支え、作・編曲家としても活躍する実力派のミュージシャンだ。
第一部とは違い、ハイチェアに腰かけながらリラックスしたムードで歌声を届けるのも“playground”スタイル。halcaが席に着き、普段はギタリストとして有名な二人が、山本がギターとキーボード、川口がアコースティックベースを手にして軽やかに始まったのは「cue」。halca自身が作詞を手がけた楽曲からのスタートは、“ここが私の遊び場です! みんなもここで一緒に遊ぼうね!”という彼女の宣言のようにも思える。
1曲を歌い終え、「うわぁ、楽しい!」と叫ぶhalca。「今日はね、自分でマイクスタンドを動かしてみまーす!」と初めてスタンドマイクをセッティングする彼女を見ながら、山本が笑って和やかにトークする姿も新鮮だ。一人だけのステージでは味わえない、アットホームでハートウォームが空間がふわっと広がる。
彼女がマイクスタンドをセットしたのには理由があった。「次は挑戦しようかなと思うことがあって!」と歌われた2曲目の「告白バンジージャンプ」では、halcaが川口からプレゼントされたという明和電機作のキュートで個性的な電子楽器「オタマトーン」をコミカルに演奏。客席からも思わず、小さな笑いが漏れる。山本の軽快なピアノにのせたこの曲では、第一部で披露されたオリジナルバージョンとはまた違う、活き活きとした歌声を聴かせてくれた。
マイクスタンドを元に戻したここのMCから、“halcaが立ち上がって何かをするたびにくるりと回る”という恒例のアクションが生まれたのも、この日の遊び心だ。ライブ中盤からは、halcaの“くるり”に合わせて川口がウインドチャイムを鳴らすお約束も発生。アーティストと観客が友達同士のようにくつろぎながらhalcaの歌声を堪能する、フレンドリーな“playground”空間ならではの光景が、随所で繰り広げられていた。
アコースティックギター2本が掛け合う「FIRST DROP」からの「キミの隣」では山本の優しいコーラスがhalcaのブライトな歌声を引き立て、「Complexの事情」では透き通った美しいハイトーンを響かせる。続く「キミがいたしるし」は、パワフルな2本のアコギの掛け合いが、halcaの歌の力強さを引き出していた。
「じっとしたかったらじっとして、うわーっとしたかったらうわーっとして、自由に力を抜いて楽しんでください」と客席に語りかけるhalca。海の夜景の見える場所で、このアコースティックセットでライブがやりたいという夢も飛び出す。
「圭太さんにいただいて、こっそり練習してました!」と再びhalcaがオタマトーンを演奏した「時としてバイオレンス」では、ブレイクでオタマトーンを目一杯に吹き鳴らし、山本が客席の拍手を煽る。続く「放課後のリバティ」では、シェイカーを振ってリズムを刻む――様々な楽器に挑戦するhalcaは、本当にとても楽しそうだ。
そして第二部の本編ラストを飾ったのは、「久しぶりに選んだ曲、みんなでやりたいな~と思って選びました!」と告げられた「Hail to the world!!」。川口の叩くカホンと軽やかな山本のストロークが、オーガニックな印象を残すアレンジ。“明日の私までこの歌を繋ごう”、“まだまだこのスコアに音を重ねていこう”というフレーズが、この日のセッションの楽しさとhalcaの音楽への想いを語っているように思えた。
そして、黒いホットパンツ姿に着替えてのアンコール、1曲目に届けられたのは「君だけ」。
「リハーサルもできるのか?という状況だったけど、できると信じて今日を待ってみたんですけど……無事に開催できてすごく嬉しくて……久しぶりにみんなに会えて嬉しいし、こんな大きな会場で……」と気を取り直して話し始めるが、涙が溢れて止まらない。「とにかく嬉しいわけ! みんなの元気そうな顔を見てホッとしました」と、泣いたり笑ったりしながらファンとスタッフに感謝を述べる。そんなhalcaに贈られたこの日一番の長く大きな拍手。
「めっちゃ寂しいんですけど、次が最後の曲になります。またみんなでこうやって直接お会いできる日が来ることを、願って祈って信じて、一緒に頑張りましょう!」
涙あり、笑いあり。大きな感動の中で歌われたラストナンバーは、川口のアコースティックベースと山本のピアノで静かにアレンジされた「センチメンタルクライシス」。再び涙が溢れて声を詰まらせるhalcaを、オーディエンスの手拍子が温かく励ました。涙を拭いて、最後は笑顔で「またここで会いましょう!」と告げたhalcaに、惜しみない拍手が贈られた。
PHOTOGRAPHY BY 中村ユタカ
TEXT BY 阿部美香
<セットリスト/第一部“Help Me!!!!!! 3×2×1”>
M1.君だけ
M2.Fuzzy Rain
M3.スターティングブルー
M4.ハローセカイ
M5.あの頃の僕たちを
M6.キミの隣
M7.告白バンジージャンプ
M8.BAKU
M9.キミがいたしるし
M10.もういいや。
M11.センチメンタルクライシス
M12.放課後のリバティ
ENCORE
M14.時としてバイオレンス
M15.サカナイトデイズ
<セットリスト/第二部“live playground #002”>
M1.cue
M2.告白バンジージャンプ
M3.FIRST DROP
M4.キミの隣
M5.Complexの事情
M6.キミがいたしるし
M7.悲しみをやさしさに
M8.ブルーバード
M9.時としてバイオレンス
M10.放課後のリバティ
M11.Hail to the world!!
ENCORE
M12.君だけ
M13.センチメンタルクライシス
●リリース情報
7th シングル
「キミがいたしるし」
発売中
【通常盤(CD)】
品番:VVCL-1850
価格:¥1,298(税込)
<CD>
M1. キミがいたしるし
M2. もういいや。
M3. キミがいたしるし -Instrumental-
M4. もういいや。 -Instrumental-
【期間生産限定盤(CD+Blu-ray)】
品番:VVCL-1851~1852
価格:¥1,870(税込)
<CD>
M1. キミがいたしるし
M2. もういいや。
M3. キミがいたしるし -TV size.-
M4. キミがいたしるし -Instrumental-
<BD>
「キミがいたしるし」Music Video
関連リンク
halca オフィシャルサイト
http://halcaofficial.com/
halca公式Twitter
https://twitter.com/halca77
halca Official YouTube Channel
https://www.youtube.com/channel/UCMiL4aomAhQl1wdT2YlVQ8Q
まず昼の部として行われた第一部“Help Me!!!!!! 3×2×1”は、デビュー以来“!”の数だけステージを重ねてきたワンマンライブ“Help Me”シリーズの6回目。夜公演の第二部“live playground #002”は、“遊び場”を意味する名前を掲げたアコースティック編成での生演奏ライブシリーズの2回目だ。halcaらしいポップなステージを届けた第一部“Help Me!!!!!! 3×2×1”と、手練れのミュージシャンとのアットホームなセッションを聴かせた第二部“live playground #002”はどちらも、コロナ禍で寂しい思いをしていたファンに、halcaのライブでしか味わえないハートウォーミングで感動的な音楽体験を届けてくれた。
まずはhalcaにとっては初のホールワンマンとなる第一部“Help Me!!!!!! 3×2×1”。かわいい羽根が生えたピンク色のhalcaロゴをあしらったステージに、BGMにのせて赤・青・白とさまざまなカラーのライトが点滅すると、フリルのついたブラウスと裾に工夫を凝らしたキュートなミニスカート姿のhalcaが登場。立ち上がる観客が真っ白なペンライトを振り、「君だけ」と「Fuzzy Rain」という軽快なオープニングで甘い歌声を響かせる。
「こんにちはー! みんなほんとにお久しぶりですー! ホールという名前のつくところで初めてやらせてもらいます!」と明るい声で客席に呼びかけ、「何から話せばいいのかね?(笑)」と久々のワンマンライブに喜びを隠しきれない表情を見せる。右手を振り上げてかわいらしくフリを決める「スターティングブルー」では、「一緒に振りをしてくれてありがとうございます」とお礼を告げながら、「今日は、今までとは違うスタイルのライブということで、この曲を選びました」と、しっとりとしたミドルバラード「ハローセカイ」へ。“とめどない声で明日への憂いとか不安とか”と歌うhalcaの声が、コロナ禍の今を生きるみんなの思いを代弁するようだ。そんなhalcaの切ない歌声は「あの頃の僕たちを」へと思いを繋ぐ。「この2曲は私の1stアルバムの曲。2ndアルバムもいつか出せたらいいなと思います。
今みんなの前で言っとけば、作れるかもしれないからね!」とニッコリ笑ったhalcaは、ハイテンションでくるくる周りながらかわいい衣装を紹介する。すべてにウキウキしている彼女の姿は、観ているだけで心が温かくなってくる。
「次の曲は、私のデビュー曲です!」と「キミの隣」を歌い出すhalcaに、声こそ出せないがオーディエンスのテンションもアップ。大きな手拍子が揃う。2018年5月にこの曲がリリースされてからもう3年が経つが、halcaの心地良いスイートボイスは、いつまでもフレッシュだ。コミカルでアップテンポの「告白バンジージャンプ」でスカートをヒラヒラ翻しながらジャンプを決め、1つ1つの仕草、応援してくれるファンみんなに向けたニコニコの笑顔に、大きな拍手が贈られる。
最近はアニメ熱が再燃していると言いながら「私も自分の歌でアニメを観るキッカケになってもらえたら嬉しいし、この曲歌いたいかも、聴きたいかもと思ってもらえるように頑張ります」と語った次のブロックでは、アニソンをカバー。「あー緊張する!」と言って歌われたのは『BORUTO-ボルト- NARUTO NEXT GENERATIONS』のOPテーマ、いきものがかりの「BAKU」。コケティッシュな曲調にhalcaのボーカルがよく似合う。このカバーは、彼女がYouTubeで展開している動画シリーズ“playground”でもカバーされていたものだ。そしてセットリストは、彼女自身が『BORUTO-ボルト- NARUTO NEXT GENERATIONS』のために歌う、爽やかな新曲「キミがいたしるし」へと繋がっていく。ロックなサウンドとドラマチックな曲調、突き抜けるハイトーンに合わせて、客席で振られている白いペンライトも激しさを増す。
そしてもう1曲、新曲を披露。「キミがいたしるし」のカップリングナンバーで、SPYAIRのMOMIKENが書き下ろしたhalcaには珍しい低音ボーカルが魅力的なロックチューン「もういいや。」だ。ちょっぴりワルな表情でヘッドバンギングする彼女の新しい一面に、ドキッとした人も多かったはず。
直前に出された緊急事態宣言に触れつつ、「今日は開催できて本当に良かったなと思います。みんなのお顔が見れてすごく嬉しいです。マスクしてても表情ってわかるね、今みんなが笑ってるのがわかります、ありがとう!」と客席にお礼を述べ、一人ひとりと目を合わせるように会場を見回すhalcaに、再び大きな拍手が降り注ぐ。「よし! 行くよー」と気合いを入れて、本編ラストに歌われたのは、「私をたくさんの方と繋げてくれた大事な曲」と紹介された「センチメンタルクライシス」と「放課後のリバティ」だ。底抜けに明るいhalcaの笑顔が、すべての人を元気づけてくれる。
かわいくアレンジされたライブTシャツに着替えて颯爽と登場したアンコールは、アップテンポな楽曲にのせたみんなの手拍子が気持ちいい「時としてバイオレンス」から。「ありがとうございまーす! イエーイ!」と大声で呼びかけながら、コロコロと笑うhalcaは本当にキュートだ。まるで友達に話しかけるように、フレンドリーなトークでライブグッズを紹介し、アンコールのラストに放たれたのは、halcaの「せーの!」の掛け声で全員のリズミカルな手拍子がぴったりと心を合わせた「サカナイトデイズ」。「めちゃめちゃあっという間だった!」と笑顔をほころばせながら、「またみんなで一緒に集まれることを楽しみに! 負けないように頑張りましょう! また会おうねー!」と手を振るhalcaは、こんな時期だからこそのささやかで大きな幸せを、みんなに運んでくれた。
生楽器とのセッションを“遊び場”に!すべてがハートフルな「live playground #002」
第二部「live playground #002」は、halca一人の歌と踊りで届けた第一部“Help Me!!!!!! 3×2×1”とは趣向を変えた、halcaにとっては新しいライブシリーズだ。アコースティックサウンドでのカバー曲やセルフカバーを展開する「halca Official YouTube Channel」の “playground”企画をライブ版にしたこのステージは、昨年10月に続いて今回が2回目の開催となる。
「告白バンジージャンプ」のアコースティックバージョンBGMをバックに、「皆さーん、こんばんはー、halcaでーす!」と元気にステージに姿を現したhalcaは、カジュアルだった第一部とはうってかわって、薄いブルーのトップスに虹色のロングスカートというエレガントな装いだ。
「今日はさらにさらに“遊び場”という名前にぴったりのライブにしていけたらいいなと思ってます!」と告げて、今日のサポートメンバーを呼び込む。登場したのは、前回開催した“#001”にも参加し、何度もhalcaをサポートしてきたギタリスト・川口圭太と、今回が初出演で、halcaのレコーディングギタリストとしてはもちろん、“リスアニ!LIVE”ではリスアニ!バンドのギタリストとしても共演歴のある山本陽介。二人とも数多くのアーティストを支え、作・編曲家としても活躍する実力派のミュージシャンだ。
第一部とは違い、ハイチェアに腰かけながらリラックスしたムードで歌声を届けるのも“playground”スタイル。halcaが席に着き、普段はギタリストとして有名な二人が、山本がギターとキーボード、川口がアコースティックベースを手にして軽やかに始まったのは「cue」。halca自身が作詞を手がけた楽曲からのスタートは、“ここが私の遊び場です! みんなもここで一緒に遊ぼうね!”という彼女の宣言のようにも思える。
1曲を歌い終え、「うわぁ、楽しい!」と叫ぶhalca。「今日はね、自分でマイクスタンドを動かしてみまーす!」と初めてスタンドマイクをセッティングする彼女を見ながら、山本が笑って和やかにトークする姿も新鮮だ。一人だけのステージでは味わえない、アットホームでハートウォームが空間がふわっと広がる。
1つ1つ行動を起こすたびに、コロコロと笑うhalcaが楽しい。
彼女がマイクスタンドをセットしたのには理由があった。「次は挑戦しようかなと思うことがあって!」と歌われた2曲目の「告白バンジージャンプ」では、halcaが川口からプレゼントされたという明和電機作のキュートで個性的な電子楽器「オタマトーン」をコミカルに演奏。客席からも思わず、小さな笑いが漏れる。山本の軽快なピアノにのせたこの曲では、第一部で披露されたオリジナルバージョンとはまた違う、活き活きとした歌声を聴かせてくれた。
マイクスタンドを元に戻したここのMCから、“halcaが立ち上がって何かをするたびにくるりと回る”という恒例のアクションが生まれたのも、この日の遊び心だ。ライブ中盤からは、halcaの“くるり”に合わせて川口がウインドチャイムを鳴らすお約束も発生。アーティストと観客が友達同士のようにくつろぎながらhalcaの歌声を堪能する、フレンドリーな“playground”空間ならではの光景が、随所で繰り広げられていた。
アコースティックギター2本が掛け合う「FIRST DROP」からの「キミの隣」では山本の優しいコーラスがhalcaのブライトな歌声を引き立て、「Complexの事情」では透き通った美しいハイトーンを響かせる。続く「キミがいたしるし」は、パワフルな2本のアコギの掛け合いが、halcaの歌の力強さを引き出していた。
「じっとしたかったらじっとして、うわーっとしたかったらうわーっとして、自由に力を抜いて楽しんでください」と客席に語りかけるhalca。海の夜景の見える場所で、このアコースティックセットでライブがやりたいという夢も飛び出す。
そしてタンバリンを自慢げに抱えたhalcaが披露したのは、TVアニメ『NARUTO-ナルト-』ナンバー2曲のカバー。little by littleの「悲しみをやさしさに」と、いきものがかりの名曲「ブルーバード」。有名な「ブルーバード」のイントロが奏でられると、会場も一気にテンションが上がる。ペンライトを振る激しさも増していた。第一部から続き、この日のカバーはすべて『NARUTO-ナルト-』関連作。「キミがいたしるし」が『BORUTO-ボルト-』主題歌になったこともあり、歴代『NARUTO-ナルト-』ナンバーを改めて聴いたhalcaがセレクトしたのだそうだ。
「圭太さんにいただいて、こっそり練習してました!」と再びhalcaがオタマトーンを演奏した「時としてバイオレンス」では、ブレイクでオタマトーンを目一杯に吹き鳴らし、山本が客席の拍手を煽る。続く「放課後のリバティ」では、シェイカーを振ってリズムを刻む――様々な楽器に挑戦するhalcaは、本当にとても楽しそうだ。
そして第二部の本編ラストを飾ったのは、「久しぶりに選んだ曲、みんなでやりたいな~と思って選びました!」と告げられた「Hail to the world!!」。川口の叩くカホンと軽やかな山本のストロークが、オーガニックな印象を残すアレンジ。“明日の私までこの歌を繋ごう”、“まだまだこのスコアに音を重ねていこう”というフレーズが、この日のセッションの楽しさとhalcaの音楽への想いを語っているように思えた。
そして、黒いホットパンツ姿に着替えてのアンコール、1曲目に届けられたのは「君だけ」。
温かな手拍子にhalcaがニッコリと微笑んで、グッズを紹介するMCへと進む。ところがここでハプニングが! 5月に一度、このライブが延期になったときのことを振り返ろうとするhalcaのMCを、山本が美しいピアノのメロディでサポートすると、「泣きそうになっちゃうじゃないですか! そんなにしっとりしたら」と笑っていたhalcaが急に後ろを向いて「うぇーーーん!」と大声で号泣。
「リハーサルもできるのか?という状況だったけど、できると信じて今日を待ってみたんですけど……無事に開催できてすごく嬉しくて……久しぶりにみんなに会えて嬉しいし、こんな大きな会場で……」と気を取り直して話し始めるが、涙が溢れて止まらない。「とにかく嬉しいわけ! みんなの元気そうな顔を見てホッとしました」と、泣いたり笑ったりしながらファンとスタッフに感謝を述べる。そんなhalcaに贈られたこの日一番の長く大きな拍手。
「めっちゃ寂しいんですけど、次が最後の曲になります。またみんなでこうやって直接お会いできる日が来ることを、願って祈って信じて、一緒に頑張りましょう!」
涙あり、笑いあり。大きな感動の中で歌われたラストナンバーは、川口のアコースティックベースと山本のピアノで静かにアレンジされた「センチメンタルクライシス」。再び涙が溢れて声を詰まらせるhalcaを、オーディエンスの手拍子が温かく励ました。涙を拭いて、最後は笑顔で「またここで会いましょう!」と告げたhalcaに、惜しみない拍手が贈られた。
PHOTOGRAPHY BY 中村ユタカ
TEXT BY 阿部美香
<セットリスト/第一部“Help Me!!!!!! 3×2×1”>
M1.君だけ
M2.Fuzzy Rain
M3.スターティングブルー
M4.ハローセカイ
M5.あの頃の僕たちを
M6.キミの隣
M7.告白バンジージャンプ
M8.BAKU
M9.キミがいたしるし
M10.もういいや。
M11.センチメンタルクライシス
M12.放課後のリバティ
ENCORE
M14.時としてバイオレンス
M15.サカナイトデイズ
<セットリスト/第二部“live playground #002”>
M1.cue
M2.告白バンジージャンプ
M3.FIRST DROP
M4.キミの隣
M5.Complexの事情
M6.キミがいたしるし
M7.悲しみをやさしさに
M8.ブルーバード
M9.時としてバイオレンス
M10.放課後のリバティ
M11.Hail to the world!!
ENCORE
M12.君だけ
M13.センチメンタルクライシス
●リリース情報
7th シングル
「キミがいたしるし」
発売中
【通常盤(CD)】
品番:VVCL-1850
価格:¥1,298(税込)
<CD>
M1. キミがいたしるし
M2. もういいや。
M3. キミがいたしるし -Instrumental-
M4. もういいや。 -Instrumental-
【期間生産限定盤(CD+Blu-ray)】
品番:VVCL-1851~1852
価格:¥1,870(税込)
<CD>
M1. キミがいたしるし
M2. もういいや。
M3. キミがいたしるし -TV size.-
M4. キミがいたしるし -Instrumental-
<BD>
「キミがいたしるし」Music Video
関連リンク
halca オフィシャルサイト
http://halcaofficial.com/
halca公式Twitter
https://twitter.com/halca77
halca Official YouTube Channel
https://www.youtube.com/channel/UCMiL4aomAhQl1wdT2YlVQ8Q
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