DJ和、DJ Alex Kade特別対談!アニメ『SI-VI...の画像はこちら >>

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現在2クールにわたり放送中、音楽で世界を救う若者たちを描いたオリジナルTVアニメ『SI-VIS: The Sound of Heroes』(以下、『SI-VIS』)。ニューヨークで開催された“We Touch Grass”で本作の楽曲を用いたDJプレイを披露したDJ Alex Kadeと、韓国で行われた“Anime X Game Festival 2025”で本作の楽曲を用いたパフォーマンスをした日本のアニソンDJのトップランナーであるDJ和の特別対談が実現。

音楽を主軸に置いた『SI-VIS』という作品と、世界中で広がりつつある”アニソンDJ”というカルチャーの親和性について語ってもらった。

INTERVIEW & TEXT BY 加東岳史

北米と日本のフロアの温度差の違い

――ALEXさんはTVアニメ『SI-VIS』の楽曲を用いたプレイをニューヨークで開催された、自身が主催する団体“We Touch Grass”のイベントで披露したとのことですが、そのときのフロアの雰囲気はいかがでしたか?

ALEX 僕がDJをするなかでDJ妙利に尽きるなと感じるのは、みんなが聴いたことのない曲を自分なりにリミックスしDJプレイのなかで聴いてもらうことだと考えているんです。今回の“We Touch Grass”でのプレイは『SI-VIS』と一緒に何かやらないかと声をかけていただいたところから始まっていて。そんななか、自分は曲をリミックスする時に気を付けている部分があるんですよ。それがオリジナル曲の良さを大事にしながら、どう自分の味付けを加えてみんなに聴いてもらうかというところなんです。今回『SI-VIS』の楽曲で最初にDJで使用したのは「MELODEA」だったんですが、この曲は過去の海外でヒットした楽曲たちに通じるところもあるのに、すごく新しい部分もある曲だったので、絶対盛り上がるだろうと思っていたんです。

――「MELODEA」のどのあたりに魅力を感じたんでしょう?

ALEX 特にサビの部分ですね。最初はサンディエゴ、その後カナダのカルガリー、そこからニューヨークでもこの曲を使用しましたが、やはりサビになるとみんな一気に盛り上がるんですよ。しかも初めて聴く曲でもあったはずなのに、すごくお客さんも楽しんでくれたと思っています。

――ありがとうございます。ではDJ和さんに質問なのですが、韓国で行われた“Anime X Game Festival 2025”でも『SI-VIS』楽曲などを使用したDJプレイを披露されたとのことですがいかがでしたか?

DJ和 僕、韓国には多分10回くらいDJで行かせてもらっているんですけど、韓国って日本のアニクラ(アニソンクラブイベント)文化が一番伝わっている国だと思っているんです。色んな国に行ったけど、韓国が一番日本と近い。日本も韓国も、お客さんたちがアニソンを楽しむ方法を自分たちですごく研究するんですよ。

この曲が流れたらこういう動きをしようとか予習もするし復習もする。1曲ごとに楽しみ方を変えるんですよね。多分普通のクラブミュージックよりも頭を使って楽しんいでる気がしています。
そんな中で僕も「MELODEA」を流させてもらったんですが、その時初めて「MELODEA」を聴いた人もいたはずなのに、「この曲でどうしたら俺たちが一番高まれるんだろう?」ってみんなで考えていた気がしたんです。そうやって曲が育っていくというか、フロアの思考が鍛えられていくみたいな感覚がありました。

――僕は過去にロサンゼルスの“Anime Expo”に行った時、アフターパーティーのDJイベントがものすごく楽しかったんですが、同時に日本と北米の人の楽しみ方がちょっと違うなと感じたんです。ALEXが開催しているイベント“Anime Raves”ではどういう人たちが集まっていて、どういう楽しみ方をしながらパーティーが進んでいくのかを聞いてみたいです。

ALEX “Anime Raves”に遊びに来てくれる人たちは、音楽やジャパンカルチャー全体に対してすごく理解があると思っていて、言葉が分からなくてもすごく楽しんでくれる。「紅蓮華」(TVアニメ『鬼滅の刃』竈門炭治郎 立志編OPテーマ)や「ブルーバード」(TVアニメ『NARUTO-ナルト- 疾風伝』第3期OPテーマ)を選曲するとみんな大声で叫んで歌うんですよ。普段、日本語を全然しゃべらない人でもそれは変わらない。多分アニメというカルチャー全体がまだアンダーグラウンドで、ニッチなコミュニティではあるとは思うんですが、多分北米だけでも数百万人はアニメファンがいるのは感じるんです。そしてファンの結束も固い。

加えて、とにかく盛り上がるっていう熱量があります。

――僕らも日本のクラブでZeddの「Clarity」が流れれば英語がしゃべれなくてもなんとなく歌ったりする。多分それと同じことなんでしょうね。根底に流れている「音楽もアニメも好きだ」という気持ちは、国や言語と関係ないんだなと思いました。

ALEX 本当にそれはそうだと思いますね。

――和さんの目から見て、日本と海外でお客さんの楽しみ方が違うと感じる瞬間はありますか?

DJ和 アジアが一番多いですけど、アメリカ、ドイツ、イタリア、サウジアラビアとかでDJさせていただくことがあって、その地域によって楽しみ方は全然違うと思っています。先ほども言いましたが、アジアは日本に近く、北米やヨーロッパとは全然違うんです。ライブっぽくDJを楽しむ人が多いイメージですね。
アジアって欧米に比べて、生活の中にダンス文化がないと思うんです。盆踊りのような土着的なものはありますし、日本だったらディスコで踊るとかはバブル期にありましたが、ホームパーティーをやろうとか、曲を流して踊ろうというような文化がない中で僕らは育ってきた。だから音楽が流れたら自ら踊りだすみたいなことには抵抗があると思うんです。

――確かにそうかも知れません。

DJ和 アメリカなんかに行くと、音楽の楽しみ方に自主性があるんです。音楽に対して自分たちでどんどん前のめりにノリ始めるというか。僕が何もしなくても勝手に音に乗ってくれる。DJをやっているだけで常にフロアの熱量が平均値を超えているみたいな感覚があるんです。でもアジアでプレイする時はフロアの温度はゼロスタート。曲を紡いでテンションをビルドアップしていかないといけない。

――フロアの温度が最初から欧米は高いと。

DJ和 そうですね。欧米は最初からフロアが良い感じに楽しむ準備が出来ているというか、基準が既に真ん中にある気がする。それをどう上げたり下げたりするかの技術が求められる感じがあります。アジアはそのフロアの温度の基準値が低いところからスタートするので、それをどこまで上げられるかが求められる。DJ文化というものがヨーロッパスタートで、アジアはそこから一番地理的にも遠いわけだから、DJという存在、DJイベントに対しての楽しみ方や伝わり方が全然違うとは思いますね。

――音楽とダンスという結びつきが遺伝子レベルで違うのかもしれませんね。

DJ和 僕ら日本人は切り替えの文化なんです。イベントに入場する時もちゃんと静かに並ぶ。お金を払って、入場して、音楽が鳴り始めたら楽しんでいいんだなみたいな切り替えが日本人はキッチリしてると感じていて。欧米の方ってもうちょっと緩やかというか、僕らみたいな切り替えをせず、日常の中でも音楽や踊りを楽しむ。生活と音楽が繋がってる感じがしています。

――そしてALEXをアニソンDJって呼んでいいのかちょっと分からないんですけど、大きく“アニメソングを使ったDJをプレイする人”としてお聞きしたいのですが、2人が考えるアニソンDJの定義ってどういうものなのでしょうか?

ALEX 自分の場合は本当に子供の頃に観て聴いた、大好きなアニソンを自分のDJセットに入れて、より多くの人に聴いてもらいたい、盛り上がってもらいたいと思っているんです。多分みんなも子供の頃に観て聴いた大好きな曲のはずだから、それをセットに入れることでみんなで盛り上がろうよということをしたいんです。

――なるほど。

ALEX 自分は必ずしもアニソンDJではないかもしれないけども、アニメが大好きなDJであり、アニソンをかけるのが大好きなDJだとは思うんです。多分北米やヨーロッパにはそういう人が多い。少しずつアニメというものがいわゆるメジャーな人たちの中でも浸透しているし、アニソンもただアニメ好きの間だけで聴くものじゃなくて、メインストリームなシーンでも聴くものになってきている感じがある。

特にコロナ禍前と比べると状況が全然変わってきていて。多くのセレブが「自分もアニメ好きだ」ということを語るようになってきていますね。

――「アニメが好き」「影響を受けている」ということをカミングアウトするハードルが下がっているんですかね。

ALEX そうだと思います。自分たちのライブのビジュアルにアニメの影響を受けていることが表現されていたり、アニメの動画をVJの素材として使っている人たちもすごく増えましたからね。あとはプロデューサーも日本のシンガーや作曲家とのコラボレーションを積極的にするようになって来ているのは感じます。

DJ和 今のALEXの話を聞いて思ったのが、アニソンDJの定義は「アニソン大好きDJ」だと思うんです。アニソンDJをやっててアニソン嫌いな人、絶対いないじゃないですか。理由もなくアニソンをかけたら沢山お金がもらえるから使うとか、そういう世界じゃない。だから「本当に好きだからアニソンを使う」みたいな特殊感があるんですよ。自分が好きな曲を流して、それを好きな人がここ(フロア)にいっぱいいて「俺も好き、みんなも好き!」みたいになる感じ。そこには好きをみんなで集めた時間というか、そういう空間があると思うんです。

――僕らはアニソン大好きですからね(笑)。

DJ和 そう、だからかけたいし、爆音で聴きたいし、みんなで盛り上がりたいし、盛り上げたい。それも自分の理想とするタイミングや曲順で楽しみたいんですよ。この曲からこの曲に行ったらこんだけ楽しい!みたいなことをやっているんですけど、それは好きだからこそやれているというか。

――DJを始める初期衝動も、“好きな曲を好きに流して歌いたい、踊りたい”ですもんね。

DJ和 DJは最初好きな曲しか持っていないので、ただ好きな曲同士をつなぐだけからスタートすると思うんです。そこから曲のライブラリーを増やしていくわけですが、ヒットチャートに登る曲はすぐ出会えますけど、一昔前の曲は自分で探しに行かないと出会えない。アニソンだったらアニメイトに行って、ゲーマーズに行って、“リスアニ!(リスアニ!LIVE)”“アニサマ(Animelo Summer Live)” “アニマックス(ANIMAX MUSIX)”に行ったりしないといけないんです。だからアニソンって待ちの体制だと楽しめないジャンルだと思うんです。おかげで好きな人が集まりやすいし、濃度が濃くなっていく。やっぱり他のジャンルとは異質な雰囲気がある気がします。

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『SI-VIS』のリミックスは、色んなジャンルをまたいだものにしたかった

――改めて『SI-VIS』の話もお聞きするのですが、この作品はアーティストヒーローが音楽で世界を救うという作品です。DJは音楽を鳴らしてフロアのお客さんたちに感動や楽しさを提供して、僕はほんのちょっとだけ人生を変えられている可能性があると思っているんです。DJのそういう部分も含めて音楽で人を救うという作品と自分の共通点みたいなことってあったりしますか。

ALEX 私の親は香港出身で、北米ではアジア系の家庭では教育をちゃんとしなきゃいけない、医者や弁護士を目指さなきゃだめというような、結構厳しい環境で育っているんです。そういうバックグラウンドがあるなかで「音楽をやる」って言ったら、親にすごく反対されたんです。でも音楽は人間にとってすごく大事なものだから、絶対にやりたいっていう強い気持ちがあったんです。

今、世界中で悪いこと、すごく大変なことがいっぱい起きているなかで、やはり音楽っていうのは、人を救うことができる。どんなに落ち込んでも、自分たちのパーティーとかショーに来てくれたらすごく楽しい気持ちになって、帰ってもらうことができる。

自分が好きな音楽を、同じように好きな人たちと一緒に踊ると、何かを共有できた気持ちになって救われたような感覚になります。言葉が通じる、通じないは関係なく、音楽からそういったエネルギーを感じ取ることができるので、自分のやってるDJという仕事は、本当に本当に人にとって大事なものだと思っています。

DJ和 今の(インタビューでの)ALEXの言葉の音源が欲しい! 何回も繰り返し聞きたい(笑)。僕がDJ始めたきっかけとかもそうですけど、アーティストが好きになってライブに行くのと、DJって立ち位置が全然違うと思っているんです。ライブに行くのは非日常的な、いわゆるテーマパークに行く、みたいなスペシャルな時間だと思っていて、DJはもうちょっと身近で、アーティストとお客さんよりDJとお客さんのほうが距離が遥かに近いし、同じものが好きだという共通点もあるから、やっぱり心の距離が近い。

――クラブとかですと、自分の出番が終わってお客さんと乾杯する、とか普通にありますもんね。

DJ和 そうですね、だからこそ日本でもDJってものがもうちょっと身近にあるべきだよなっていうのをずっと思っています。日本にはDJという文化が今もまだ僕は浸透してイない気がするんですよ。なかなか一般化しないというか、勝手に敷居が高いっていうイメージを持たれているというか。クラブはすごい暗いとこで、強面の怖い人が集まって踊っている、的なすごく尖ったイメージしかない。でもアニソンクラブイベントってそれと真逆にある。だってフロアには、もう愛しかないじゃないですか。そんな悪いことやっている暇なんか僕らにはないのに(笑)。

――確かにそんな暇はないですね(笑)

DJ和 カラオケとかと一緒で、DJイベントに遊びに行く、クラブに行くみたいなものは、僕らからしたら結構普通のことじゃないですか。でも、それが普通じゃない人が世の中にめちゃくちゃいっぱいいるのだと、今更ながら気付いてしまったんです。

だから、これをもっと気軽に遊びに行けるような活動もしなければいけないな、という思いがあります。DJって非日常的なものではなく、日常をちょっと楽しくする仕事なんじゃないかな、と。もちろんパーティーってものは非日常を作り出すものかもしれないんですけど、やっていること自体はもうちょっと身近なことな気がするんで、そこの気軽さみたいなものをもうちょっと出せるイベントが日本にも増えて、もうちょっとみんなの日常がハッピーになればいいんじゃないかなと思うんです。

――やはり日本と北米だと、音楽に対する文化がちょっと違う部分はあると思います。僕らは“音楽はリスニングするもの”という感覚が強い。カラオケで歌うくらいまでが限界なのかなと。

ALEX 北米でもアニメ好きな人って結構内向的な人が多くて、どちらかというと人前で踊ったりするのが苦手だったり、クラブやパーティーとか行くのは苦手なんだけど、我々がやっていることって、そういう人にもこうやって踊ると楽しいよね、みんなで一緒に踊って楽しみたいよね、と思ってもらう。それまでクラブやパーティーに行くことができなかった人たちが思いきって行く、みたいなことを手伝ってあげている気はしますね。

DJ和 最高ですね! 一緒にパーティーしたい(笑)。

――そして『SI-VIS』の話をもう少ししていきたいと思います。この作品の曲でグッときたものをお聞きしたいです。

ALEX 「幻想曲(アラベスク)を君に」と「MELODEA」の2曲はすごく好きですね。アップビートで、アニソンに求めるものがしっかりと詰まっている。Adoの「新時代」とかもそうなのですが、僕みたいに日本語が話せない人も、メロディを聴けば口ずさむことが出来る。それはメロディがキャッチーだからなんですよ。そしてジャンプして、とても乗りやすいのも最高です。

DJ和 僕は「プロトスター」ですね、最初はセイレーンが歌っているんですけど、途中で凪が歌に入ってくる。多分、あれが初めて凪が歌ったシーンなんですよね。あの時、もうめちゃくちゃびっくりして(笑)。

凪の歌唱担当の成田あよりさん、めちゃくちゃ声いいなと思って! 曲自体がオリジナルは6分くらいあるはずなんですけど、長い曲だから構成がDJライクでは全くないんですよ。アニメの中じゃないとなかなかできない構成になっていて、ストーリーとリンクして、戦ってるシーン、歌ってるシーン、そのシーンがないと生まれないような曲だなと思ったんです。普通のポップスではないよなっていうのがあって、すごく圧倒された曲でした。作曲、編曲は睦月周平さんなんですが、劇伴もやられているので、『SI-VIS』の世界観を完全に理解してるというか、マッチング具合が本当に素晴らしいなと思いました。

――作品的にも「プロトスター」が流れた12話くらいから話が一気に動くんですよね。

DJ和 そうですね。かなり感情を一気に持っていかれた感じはしました。連続2クールっていうのもいいですよね。1クールで終わるアニメが最近多いなか、長く展開するからこそ、楽曲も多いし、ライブシーンも多いというのはあると思うんです。時間をかけてちゃんと描いていって、曲も贅沢に使っているリッチな作品だと思います。

――楽曲の話の流れでお聞きしますが、ALEXはご自身で『SI-VIS』の曲を何曲かリミックスされていると思うんですが、リミックスで意識した部分などあればお聞きしたいです。

ALEX リミックスをするとき大事なのはやっぱり原曲の世界観を壊さないことが大事だと思っています。よくあるひどいリミックスって、とにかくボーカルを抜いて50BPMぐらい早めてみたり、原曲の雰囲気を台無しにしてもハウス風のビートに128BPMぐらいにして流すだけ、みたいなやつは聴いたことあると思うんですけど(笑)。

でも実際『SI-VIS』の曲たちはBPMが普通にアメリカで演奏されているもの、曲たちとは違って、例えば「MELODEA」はBPM180~190と、とても速かったんです。なので初めは南米のラテンのようなものしたら面白いかと思ったんですが、でもそれだとみんな踊れないと思って、思い切ってハードテクノにしようと思って制作しました。「幻想曲(アラベスク)を君に」の方は逆に170~180BPMだったので、ドラムンベース風にしました。

――2つのテイストを変えたのは何故?

ALEX いろんなジャンルをまたいだDJセットにしたいと思っていたんです。僕は原曲も大好きだけど、リミックスもすごく気にいるものができました。やはり原曲の世界観が一番大事なんですが、同時にせっかくみんなが踊りに来てくれたのだから、ボーッと聞いてるだけはつまらない、みんなをとにかく踊らせたいと僕は思ってしまうんです。じゃあ踊らせるために、原曲に近いスピードでテイストを保ちながら、どういうふうにうまく料理ができるか、どういうジャンルが一番合うか、ということを考えながらリミックスするのが醍醐味だと思っています。

DJ和 もう本当にALEXの言う通りですね。リミックスを聴かせてもらった時に感じたのですが、170から200ぐらいのBPMってハードテクノに行くか、ドラムンベースのリミックスになっちゃうことが多いと思うんですよ。ALEXのリミックスは、ハードテクノのリズムが作品にも合ってたし、お客さんもジャンプできるし、すごくフロアを盛り上げるリミックスだったから、さすがだなと思ったんですよ。

――本当に素晴らしかったです、アニメも、フロアもわかってる人間が、フロアユースにちゃんと作ったって感じがすごく良かったんですよね。

ALEX 凄く嬉しいな、ありがとうございます。

DJ和 僕はアニソンの原曲をかけるDJなんです。ほぼリミックスをかけることなく自分でやることもないんですけど、あえてそれをもうやらないと決めちゃっていて。

――それはなにか理由があるんですか?

DJ和 曲作りとかリミックスみたいなことより、お客さんの気分で常にいたい。何かを作り始めた時点でクリエイター目線になっちゃうなって思っていて。原曲の良さや、原曲のイントロとかアウトロとか2番を飛ばしてラスサビにもって行くとか、原曲DJの面白みの出し方はいくらもであると思うんです。その楽曲をどう扱うとか、どの場所でどう繋ぐとか、そこの工夫でDJをしたいんですよね。

――なるほど。

DJ和 これが一番初心者向けのDJと僕は常に思っているんです。さっきも言いましたが、初めてDJっていうものを見た、という体験を増やしたいんですよ。ALEXみたいにクラブミュージックやリミックスを駆使するスタイルのDJはめちゃくちゃかっこいいし、凄くリスペクトがあるんですけど、特にこのアジア圏とかで知らない曲が流れた時の反応を僕は身に沁みて感じているんです。知ってる曲が流れた時と、知らない曲の反応がまるで違うから、DJとしてはそこのところの戦いなんですけど、やっぱり基本的にはみんな知っているものが知っているテンポで、アレンジされることなく流れているっていう安心感。その安心感を損ねると、DJっていう存在がちょっと心から離れるんじゃないかと。だからとにかく安心させたいんですよね。怖くないよ、みんなが好きなものをやっているよ、僕も君と一緒なんだよ、みたいな。身近な存在だということを、できる限り打ち出すために、できる限りアレンジをしない。というスタンスを僕は貫いています。

ALEX それで言ったら、僕がアニソンのリミックスを日本でプレイしない理由は、日本のファンに失礼なことをしたくないからです。自分が作ったリミックスを聴いてみんなが「え? 全然解釈違うじゃん!」って思われたくない(笑)。

DJ和 その考えはしっかりとオタクですよ!(笑)。日本はすごく沢山のアニソンイベントがある。もし日本でDJをする場合は、僕らにイベント名を教えてもらえれば「そこならリミックス流しても大丈夫だよ!」とか言えるので、連絡して(笑)。

――そんなDJ和さんは「AnimeJapan 2026」(2026年3月28日、29日に東京ビッグサイト東・南展示棟にて開催)のアニプレックスブースで『SI-VIS』の楽曲も使用するDJステージに出演するとのことですが、どういう時間にしたいですか?

DJ和 「AnimeJapan 2026」自体がアニメファンが集まる場所ですし、アニプレックスさんのブースなので、もちろん他のアニメ楽曲も流しながら、『SI-VIS』の曲も使います。アニメで行われているライブのように、お客さんとハッピーと、パワーが溢れるようなステージにしたいですね。「AnimeJapan 2026」では、ライブとか声優さんのトークショーがたくさんあるんですけど、DJは結構レアな出し物なので、普段とはちょっと違う雰囲気でDJをできればなとは思っています。

――ありがとうございます。では最後の質問なのですが、『SI-VIS』のアニメが、まもなくクライマックスを迎えます。ラストに向けての期待と、合わせてアニソンをクラブで流すDJカルチャーの未来についても、どういうビジョンを持っているかお聞きしたいです。

ALEX アニソンDJカルチャーという部分では、もっともっと状況が良くなると思っています。アニメの素晴らしさをもっと多くの人が知ることになるんじゃないでしょうか。日本のカルチャーの中でも、特にアニメはオープニング、エンディングの曲が作品を見ている人に確実に刺さるものになっているのが凄いんです。日本のアーティスト、作曲家、プロデューサー、本当に素晴らしい才能を持った人たちがたくさんいて、欧米の音楽と全く違うものを生み出しているところが素晴らしい。それを多くの人がこれから知るでしょうし、ますますこのアニメと日本の音楽というものが発見されて、日本の文化がもっと世界に出ていくんじゃないかな、というふうに期待しています。

DJ和 『SI-VIS』は声優さんと並んで歌唱担当の方がいるんですけど、こういう作品ってやっぱり音楽が主役になるじゃないですか。音楽を主軸に置いていただけるのは僕らアニソンDJとしてはめちゃくちゃ嬉しくて。色んなキャラクターがいて、色んな曲も生まれて、すごい僕らの幅も広がる。こういう作品は本当にありがたいです。

アニソンと言えばオープニングとかエンディングですけれども、それだけじゃないってことを伝えてくれる。この作品は挿入歌やライブシーンが一番大事だと思うので、そういう意味でも近年の音楽を扱ったアニメ作品の中でもかなり挑戦的なことをやっている。そこに対するリスペクトというのがまずあります。

あと海外に行くとジャパンカルチャーはコミックがめちゃくちゃ強い。コミック原作がどれだけ強いかで海外のアニメのシェアが決まるみたいな感じがあるので、音楽を主軸としたオリジナルアニメ作品である『SI-VIS』がALEXのような海外のアニメファンにどう受け入れられていくのか、そこも含めてすごい興味深く観させていただいています。そういう意味で、とてもラストが気になります。

――ありがとうございます。今回お話をお聞きしてお二人が共演しているところを見たくなりました。

ALEX 勿論! 連絡先を交換しよう!

DJ和 いいですね! どこで開催しようかな。さっそく場所の相談をしましょう!(笑)

●作品情報
TVアニメ『SI-VIS: The Sound of Heroes』

<ストーリー>
圧倒的人気を誇る音楽ユニット「SI-VIS」。
そのリーダー・YOSUKEに憧れてオーディションを受けるため上京した主人公・キョウヤは、初めて訪れた渋谷の街で不思議な少女・凪に出会い、「SI-VIS」の新曲プロモーションの世界に誘われる。
そこで目にしたのは、世界を壊す謎の現象ミラージュに立ち向かうという、「SI-VIS」の真実の姿だった。
表向きはアーティストとしてライブ活動をする「SI-VIS」は、地球を守るために戦うヒーローでもあった。
ミラージュを食い止めることができなければ、その地域は存在ごと消滅してしまう――世界の恐ろしい真実を知ったキョウヤは、「SI-VIS」の一員として命を懸けて戦うことになるが……。

【スタッフ】
監督:吉田大輔
シリーズ構成・脚本:丸戸史明
キャラクター原案:左
キャラクターデザイン:大槻菜穂、藤井奈美
サブキャラクターデザイン:高橋美香、山中正博
モンスターデザイン:尾之上知久
総作画監督:大東百合恵
アクション作画監督:平山貴章
美術監督:牧野孝雄
色彩設計:堀川佳典
撮影監督:三上颯太
CGディレクター:高橋将人
編集:神宮司由美
音響監督:名倉 靖
音楽:睦月周平
アニメーション制作:スタジオヴォルン

【キャスト】
キョウヤ:古屋亜南
凪:石見舞菜香
セイレーン:佐倉綾音
μ(ミュー):鬼頭明里
ソウジ:島﨑信長
JUNE(ジューン):斉藤壮馬
YOSUKE:浪川大輔
神里泪:河瀬茉希
三枝聖那:高垣彩陽
クリオス:潘 めぐみ
リュコス:内田真礼
アポロン:鳥海浩輔
メーデイア:喜多村英梨
サマエル:笠間淳
アルコーン:河本邦弘

アーティスト
キョウヤ starring 馬越琢己 from SI-VIS
凪 starring 成田あより from SI-VIS
セイレーン starring IZUMI from SI-VIS
μ starring 月乃 from SI-VIS
ソウジ starring 鮫々 from SI-VIS
JUNE starring ふるーり from SI-VIS
YOSUKE starring Taisho from SI-VIS

(C)2025 ハルモニアエンタテインメント

<インタビューDJ プロフィール>
DJ和

ソニー・ミュージック発のJ-POP DJプロ第1号。 日本の音楽を世界に伝道するJ-POP DJとして活動中。
一貫してJ-POPにこだわり続け、「J-ポッパー伝説」、「J-アニソン神曲祭り」、「ラブとポップ」、「ミリオンデイズ」など、今までにリリースしたCD 38枚の累計が210万枚を突破。
国内は、ROCK IN JAPAN FESTIVAL、ANIMAX MUSIX等々、 海外ではアメリカ、イタリア、インドネシア、シンガポール、タイ、インド、サウジアラビア等々での大型フェスイベントに出演。

DJ Alex Kade

“sadboi EDM”シーンの新星として注目を集める Alex Kade(アレックス・ケイド) は、カナダ・トロント出身のEDMシンガーソングライター/プロデューサー。Emo Rockの感情的なサウンドと、多彩なEDMスタイルをシームレスに融合させ、リスナーの心を揺さぶりながらダンスフロアを熱狂させる音楽で支持を広げている。
アニメ楽曲のリミックスがSNSでバイラルヒットしたことをきっかけに人気が急上昇。現在までに、北米とヨーロッパの90都市で開催された自身のシグネチャーイベント「Anime Raves」でDJを務め、延べ80,000人以上の観客を魅了してきた。
楽曲は各プラットフォームで累計900万回以上のストリーミングを記録し、オリジナル曲やリミックスを紹介する動画の総再生回数は2億回を突破。

関連リンク

TVアニメ『SI-VIS: The Sound of Heroes』公式サイト
https://si-vis.live/

DJ和 オフィシャルサイト
https://www.j-popper.jp/

DJ Alex Kade オフィシャルサイト
https://alexkademusic.com/

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