2021年5月に”出発”した駅員が改札を出るとアイドルとして活躍するプロジェクト「STATION IDOL LATCH!」。実在する山手線30駅を舞台に、各駅の魅力的な駅員でありアイドルであるLATCH!が夢を追いかけていく本作。
そのなかで新人LATCH!を演じる青山凌大(武庸裕哉役・高田馬場)、住谷哲栄(空蝉塁役・大塚)、伊藤昌弘(諏訪海晴役・西日暮里)の3人に話を聞いた。

――前回、LisOeuf♪Vol.22ではプロジェクトスタート直前に、新人ユニットのみなさんにお話をお伺いしましたが、そこからプロジェクトが走り出した現在の心境はいかがですか?

青山凌大 前回LisOeuf♪で取材していただいたときは住谷さんと伊藤さんにお会いするのも初めてだったんですよね。

住谷哲栄 そうでしたね!

青山 僕としてはボイスドラマを録っていくなかで難しさも感じながら、先々までいただいている台本も含めてすごく面白い作品だなと思っていました。それぞれキャラクターごとの性格も色濃く出ていて、そうしたキャラクターの良さを表現できるかという不安もありつつ、ただすごく楽しいなっていう気持ちがあります。最初は緊張していたんですけど、お2人にもすごく親切にしていただいて、そういう意味では気持ちの負荷がなく……楽しく、頑張りながらやらせていただいています……(小声で)。

住谷 公開されているボイスドラマを聴くと、思ったより武庸は頑固だなっていうのがありますね。話が進むにつれて武庸の過去にも触れつつ、ストーリー的にも先がまだ見えないような感じもあって。キャラクターもボイスドラマにはまだ半分くらいしか登場していないので、これからまだまだ走り出したばかりの作品という感じがします。あとはやっぱり、この3人の関係性も徐々に打ち解けあってきたので、今後はより楽しく運命共同体のように、プライベートでも仲を深められるようやっていきたいと思います。

伊藤昌弘 ボイスドラマを録っていくなかで、アイドルというものをやりながら日常が駅員というのが斬新だと改めて感じましたし、そこが演じていてすごく面白いなっていうのを感じています。この短期間のなかでも、自分の担当する諏訪くんの人となりもだいぶ印象が変わってきたし、一番若いけど駅員としてちゃんとお仕事をしているというのもわかってきて。自分が勤務する駅への知識がすごくあったり、だからこそLATCH!になったんだなっていうのをこの短い間でも感じています。
前回の取材からめちゃくちゃ会っているわけではないんですが、この新人3人組もだんだんと打ち解けてきて。少しずつではあるけど歩み寄ってきて、最初の印象とはまた違った一面をこれから見られると思うとすごく楽しみですね。

――スタートを切った「LATCH!」ですが、現在はYouTubeにてボイスドラマが毎週更新されています。物語の軸となるのがみなさん新人ユニットとなりますが、それぞれ演じてみての感想をお伺いできればと思います。まずは住谷さんが演じる大塚駅勤務の空蝉 塁は、ヤンチャなルックスですが、先輩LATCH!に対してはすごく緊張されているような描写がありますね。

住谷 ビシッとしていますよね。野球部出身だから上下関係にはしっかりしているんだと思います。おっしゃられていたように、普段はこの3人のなかでは一番年上でもあるので、2人をグイグイ引っ張っていくところもあるんですが、LATCH!の先輩方にはピシッとしてるっていう。どうしてそれぐらいLATCH!を尊敬しているのか、なぜLATCH!を目指したのかとか、そういう彼の気持ちはまだ深掘りされていないので、今後明かされていくと思うんですけど、それを知って素敵な塁くんを演じられたらと思いますよね。

――たしかに普段は引っ張るタイプですよね。「ケミストリーだ!」って言って。

住谷 ちょっと言っていることはわけわからないんですけど(笑)、パッションで動いているキャラクターだと思うので。
いちばん純粋にLATCH!に憧れているというか。

――塁の立ち位置が先輩LATCH!、特にレジェンドユニットのすごさというものをうまく表現しているなと思いました。

住谷 たしかにレジェンド感が出ますよね。

――そして伊藤さんが演じる西日暮里駅勤務の最年少LATCH!・諏訪海晴は、以前お伺いしたときにも言っていますが、急にトイレに駆け込んじゃう緊張しいなキャラクターですね。

伊藤 そうなんですよ(笑)。そういう緊張やプレッシャーに弱いところをピックアップして、コミカルに描かれているんですけど、めちゃくちゃ頭が切れる海晴というのもこれから出てくるのかな?

住谷 ね。その片鱗は出ているからね。

伊藤 そういうところは楽しみですね。3人のなかで空蝉くんがアクセルだとすると、海晴がブレーキなのかなと思っていて、そこに武庸くんが乗るみたいな感じがあって、バランスがいいというか、役割がしっかりしていると思いました。あと思ったのは、海晴って先輩と仲良くなるのがうまくね?って。

住谷 たしかにたしかに。

――戸成綾や高良摩利央といった先輩との会話シーンでそう感じさせますよね。


伊藤 戸成綾くんはルームメイトではあるけどあんなに泣きついたり、懐に入るのが上手いなって感じていて。そうやって人に弱みを見せられるのも強みだなってすごく感じました。そういうギャップというか、意外性も見えました。

――そして青山さんが演じるのは、高田馬場駅勤務の武庸裕哉。この取材時点では、ボイスドラマでも頑なにLATCH!に入ろうとしない、住谷さんがおっしゃるとおり非常に頑固な一面がみられます。

青山 頑固だなっていうのもそうですけど、”悟り世代”というので物事を悟っているという感じもあって。兄との関係性などもあって、自分がLATCH!をやるべきじゃないという判断も含めてはっきりした性格ですよね。そういう性格や、彼としての考えがちゃんとある部分について、最初は自分勝手なところがあるのかなって思っていたんですけど、ちゃんと彼なりの理由があってそうしているんだってわかっていくと、印象も変化していきましたし、その彼らしさというのが、この先プラスに働いていくのかなって思っています。

住谷 軸は強いもんね。

青山 はい。芯はすごく強いと思います。

――たしかに物語が進んでいくうちに、武庸の家庭の事情なども見えてきて、その頃になるとセリフにも感情が帯びてくるような印象がありました。
そこは演じていていかがでしたか?


青山 どうなんでしょう……? 自然とやっているというわけではないんですが、最初は省エネのキャラクターというのが想像できなかったんですよね。ボイスドラマの第1話、第2話を録っているときは、「省エネのキャラクター? どうすれば……?」って。話の流れで第10話、第11話で彼の家庭の事情とかもでてきて、頑固にLATCH!をやりたくないという理由にも納得しますし、そういう意味でも第11話のほうがやりやすかったというのは自分ではありますね。

――最初は感情を抑えての演技からスタートしたわけですね。

青山 はじめはうまく演技ができなかったので、とりあえず感情をわっと出して、そこから少しずつ抑えていく作業だったんですよね。セーブするというか。

住谷 そうだよね、セーブするのは難しい。比較的高度な技術だと思う。パンって出すのは楽だけど。

伊藤 難しいよね。


新人ユニットの、今しか出せない”初めて”が出た「Ai fro you」
――そうしたボイスドラマの一方で、8月にはいよいよみなさんが歌う楽曲を収めたCD「STATION IDOL LATCH! 01」がリリースされます。さまざまなユニットの楽曲が収録されているなかで、新人ユニットは「Ai for you」というポップな楽曲を担当しています。


住谷 初めて聴いたときは単純にテンション上がったというか、「アイドルソングだ!」という感想でしたね。

青山 すごくキラキラしていますよね。

伊藤 最初は駅員をしながらアイドルとして活動するから、それに絡めた内容なのかなって思ったんだけど、それとはまったく別物というか、そこは意外でした。ちゃんとアイドルソングなんだっていうのはすごくありましたね。

住谷 あくまでアイドルという感じですよね。

――新人ユニットのフレッシュさが前面に出た楽曲ですが、歌ってみていかがでしたか?

伊藤 新人3人という初々しいキャラクターの設定も、自分たちの初めてのレコーディングというのもあっていわずもがな同じ感情になるというか。なので、今しか出せない声になるんですよね。この先ストーリーやキャラクターの理解が深まってくるとまた変わってくるものだと思うんですけど、現時点での知っている情報と理解度での声なので、それが基準になるというのがすごく嬉しいというか、一個形になったなって。

住谷 初々しさがひとつのった「Ai for you」なんだよね。

伊藤 慣れてくるとさ、だんだん理解してっていうものがでるけど、最初は出ないじゃないですか。

住谷 ある意味そういうぎこちなさもフレッシュ感という。

伊藤 それは出そうと思っても出せないのかなって。


住谷 でも曲は難しかったですよね。それこそ青山くんも初めてのレコーディングでしょ?

青山 初めてです。レコーディングの前に住谷さんが先に録っていたのを聴かせていただいたんですけど……とてもお上手で。しかも曲は歌い出しが自分からなので、うまくできなかったらどうしようって。

住谷 青山くんの声って伸びやかで、これから始まるぞっていう期待感がありますよね。しかもその声もすごく素直に伸びていくんですよ。僕は変にひねくれちゃうから(笑)、逆に羨ましいなって思いつつ。キャラソンでは、毎回「ここをもう少しこうしたいな」って色をつけちゃう癖があるんですよね。そのなかで僕は塁の勢いというものを出せればいいかなって。出来上がりを聴くと、繊細な感じと真っ直ぐな2人がいて、ちょっと荒削りみたいなものが合わさってすごくカラフルだなって思いますね。

伊藤 キャラクター性がすごく出ていたなって気がする。

住谷 それこそ伊藤さんが言っていたように、これからレコーディングしていって少しずつ変わっていくから、そこも楽しみだなって。

伊藤 混ざり方もそうだし、キャラクターによって幅が出来て、レパートリーも増えていって、いろんな色が見えそうな気がしますね。

――たしかに一番最初のフレッシュネスというのはここだけですからね。今後の展開によっては新人ユニットが新人でなくなるときが来るかもしれない。

伊藤 本当そうですよね。

住谷 後輩ができるかもしれない。

青山 後輩か……(笑)。

住谷 先輩の顔も出てくるかもしれないよ? 後輩に教えたりするところとか。それぐらい長く続けられたらいいなっていうのもありますしね。

――現在は新人として、先輩に囲まれながらの活動になります。特にニコニコ生放送やトークイベントなどでも、声優としての先輩とも交流が増えていますね。

住谷 最初のニコ生も、山口(智広)さんと阿座上(洋平)さんに盛り上げてくださいましたね(笑)。

青山 ニコ生は……緊張してました(笑)。1回目は緊張と笑いすぎで本当に酸欠になっちゃって、クラクラしちゃうぐらいで。

住谷 2回目のときは落ち着いてたね。

青山 すごく楽しかったですね。今も最初より落ち着いています(笑)。

――また「LATCH!」でみなさんが演じるのは駅員ということで、本日も駅員の制服を着られていますね。

住谷 そうなんですよ。なかなかないですよね。制服はもちろんなんですが、やっぱり帽子ですね。

伊藤 帽子だよね。

住谷 帽子を被った瞬間に、「おっ、なったな」と。帽子に魂が宿っている気がします。

伊藤 それぐらい重要というか。

住谷 青山くんは「着られている感がある」って言っていたけど、そんなことないよね?

伊藤 そうそう、なんなら一番似合ってる。

青山 そうですか?

住谷 黒髪だし、このなかで一番新卒感がある(笑)。

青山 僕より先に住谷さんが着ていたんですけど、めちゃめちゃ似合っているなって思って。そのあと自分を見て、「ああ、着られているな……」って(笑)。

伊藤 僕も板につくように頑張りたい。

住谷 伊藤さん、ワイシャツ似合ってますよ。がっしりしているから、なんか……ジェイソン・ステイサムみたいにかっこいい(笑)。

青山 頼りになる!(笑)。

伊藤 任せてください!(笑)。

――今後は10月のファンミーティングも控えていますが、「LATCH!」の今後に向けて意気込みをお聞かせください。

伊藤 ここまで読んでいただいてありがとうございます。個人的にやっていて「ここが好きだな」って思うのは、キャラクターの成長や音楽を堪能しつつも、知らぬ間に駅について知識がついたり、キャラクターに詳しくなっていくと駅にも興味を惹かれるようになっているのが魅力だと思います。あと制服に触れていただきましたが、こういう経験もなかなかないので存分に味わって、気持ちのうえでは早く新人から脱却して、板につくようにこれからも頑張っていきたいと思います。

住谷 物語を通して知識がつくというのはたしかにありますよね。僕も知らないことを知るのが好きなので、そういうのを含めて楽しんでいきたいです。今後は「ここの駅にはこんな店があるから食べに行こうよ」とか、そういう知識も得られるコンテンツになれば嬉しいなと。そうなれるように我々も頑張っていければと思います。

青山 僕は……まずは制服がちゃんと似合うように(笑)。

住谷 似合ってるよ!(笑)。

青山 あとは、キャリアのある声優の皆さんがいるなかに、ありがたいことに僕も参加させていただいているので、そこで少しでもキャラクターの魅力を伝えられるように頑張りたいです。やればやるほどまだ色々なことが足りないって思うので、そこをちゃんと埋めつつ、キャラクターを理解して作品を楽しんでいただけるように。そして役とともに自分が成長するのも楽しんでいただけるようにするために頑張っていこうと思いますので、よろしくお願いします。

INTERVIEW & TEXT BY 澄川龍一

●リリース情報
1st CD
『STATION IDOL LATCH! 01』
8月18日発売

【初回限定盤(CD)】
価格:¥2,200(税込)
品番:LATCH-1001

【通常盤(CD)】
価格:¥1,850(税込)
品番:LATCH-1002

<CD>
1.Ai for you
武庸裕哉 / 高田馬場(CV:青山凌大)、空蝉塁 / 大塚(CV:住谷哲栄)、諏訪海晴 / 西日暮里(CV:伊藤昌弘)
作詞:辻村有記 作曲・編曲:辻村有記、伊藤賢

2.Way Up High
東海林鈴音 / 東京(CV:小野賢章)、神堂唯姫 / 新宿(CV:田丸篤志)、青葉梟光加人 / 池袋(CV:島﨑信長
作詞:岡田一成 作曲:youth case 編曲:youth case、佐々木博史

3.Two as One
戸成綾 / 日暮里 (CV:山口智広)、高良摩利央 / 御徒町(CV:阿座上洋平)
作詞:Funk Uchino 作曲:Carlos Okabe、Funk Uchino、さいとう 涼、Ryota Oyabu 編曲:さいとう 涼

4. Voice Drama「フリースタイル街紹介バトル勃発!?」
武庸裕哉 / 高田馬場(CV:青山凌大)、空蝉塁 / 大塚(CV:住谷哲栄)、諏訪海晴 / 西日暮里(CV:伊藤昌弘)

5. Voice Drama 「レジェンドがレジェンドである理由」
東海林鈴音 / 東京(CV:小野賢章)、神堂唯姫 / 新宿(CV:田丸篤志)、青葉梟光加人 / 池袋(CV:島﨑信長)

6. Voice Drama 「ライブ衣装のテーマは―ギラギラ!?」
戸成 綾 / 日暮里 (CV:山口智広)、高良摩利央 / 御徒町(CV:阿座上洋平)

Bonus Track(※初回限定盤のみ)
「山手線ボイスリレー #1」

©LATCH! Project/JRE

関連リンク
「STATION IDOL LATCH!」公式サイト
https://latch.jp/

「STATION IDOL LATCH!」公式Twitter
https://twitter.com/latch_info

「STATION IDOL LATCH!」YouTubeチャンネル
https://www.youtube.com/LATCHofficial
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