番組内のコーナーで自身を形作る楽曲を熱く滾る想いを込めてほかメンバーにプレゼンした楽曲や、“歌いたい”と熱望する楽曲まで、思い出や青春彩るナンバーを気持ち込めて歌っている。さらに、ヒットメーカーであり番組のゲスト講師としても登場したShusuiによるオリジナル曲も収録した豪華アルバム。そんな本作について四人が語ってくれた。
僕らが「よつば音楽学院」で学んだこと
――「よつば音楽学院」は初回放送から皆さんの音楽ルーツに触れる放送内容となっていましたが、番組を通してご自身の音楽観と向き合われ、音楽観として変わらないものと年を重ねるなかで変化してきたものや、それぞれのプレゼンを通して「なるほどな」と思ったことなどを教えてください。
小野大輔 好きな曲は変わらないです。そして好きな曲は年々増えていく。幸せなことです。番組を通してもっともっと音楽を知りたいと感じましたね。それと、間島くんがゴスペラーズ愛を語ってくれたのが、同じゴスペラーズ好きとしてとても嬉しかったです。
近藤孝行 自分は年齢を重ねるごとに、音楽を通して色んな表現をしてみたいという欲求が益々増してきています。そんななかで、様々なジャンルでご活躍されている先生方から素敵で刺激的なお話を聞いて視界広がりましたし、新たなモチベーションもいただきました。自分も常に挑戦していきたいなと思いましたね。
菅沼久義 変わらないものはやはり好きなジャンルですかね、ロックが好きなので今も昔もロックバンドをよく聞いています。歳をとって変わったものは、新しいものより古いものをよく聴くようになったことかなと……。なので新しい曲をもっと意図的に聴こうと努力をしていますね。なるほどと思ったのは、小野くんがプレゼンした、スキマスイッチさんの「全力少年」です。カラオケでも歌いますが“置いてかれんだ”と“老いて枯れんだ”が、相対的になっているのは気づいていませんでした。
間島淳司 僕も、小野くんがプレゼンした「全力少年」ですかね。全体的に小野くんの「歌詞」に対する考察プレゼンは「すごいなー」「よく解釈しているなー」と思って聞いていたんですが、「全力少年」は特にそれが光っていたプレゼンだったように思います。
――これまでに登場されたゲスト講師(KEN THE390さん、Shusuiさん、オーイシマサヨシさん、ROLLYさん)の授業で最も印象的だったことを教えてください。
小野 Shusuiさんが僕らのハミングを1曲の歌にしてくれたこと。それはさながら魔法のようでした。
近藤 KEN THE 390さんに関しては「この方が今日本で1番わかりやすくHIP HOPをレクチャーしてくださる」と思って、自分が強く希望してお越しいただいたんです。知らない方からするとまだまだラップって不良文化という見られ方をするかもしれないなかで、最近になってかなり認識は変わってきたと思いますが、そこを一切感じさせないお人柄とレクチャーの内容で「KENさんで良かった!」とほか三人のメンバーにも大好評でした。
菅沼 原口あきまささんの、得意な物真似より急に言われたむちゃぶりのものまねのほうが意外と自分に合っていたりするという話ですね。何事も自分が一番よくわかっていると思っているのですが、何気に周りからのアドバイスでこっちの方が向いているじゃんってなることもあるなぁと思いました。
間島 先述の通りHIP HOPの印象が変わったという意味でKEN THE390さんの授業も印象的でしたが、「印象的」という点に絞るとNO.1は間違いなくROLLYさんでしょう。自己紹介のくだりからずっとロックしていましたよね、あの授業は音楽としてのロックもですが、生き方としてのロックも学んだ気がします。
満を持して制作されたカバーアルバムに込めたもの
――そんな皆さんが、よつば音楽学院・Vacances”としてカバーアルバムを制作することに。決まった際、皆さんそれぞれの中でもこれまでプレゼンしてきた楽曲を含め多くの候補曲があったと思いますが、今回選んだ2曲になった最も大きな理由はなんでしたか?
小野 好きだからです。シンプルにそれしかありません。
近藤 やはり名曲であり、かつ「歌いたい!」と強く思った曲をシンプルにチョイスさせていただきました。理屈ではない感じです。(「Street Dreams」Zeebra/「若者のすべて」フジファブリック)
菅沼 どちらも授業の中で関わった曲にしようと思っており、ROLLYさんがいらしてくださったので「恋のマジックポーション」(すかんち)を。あとは僕がプレゼンをしたので「Winter, again」(GLAY)を選ばさせていただきました。
間島 まず番組発のアルバムなので、番組内でプレゼンないしは触れた楽曲は1曲入れたいな、と考えていたので「君の中の永遠」(井上武英)が決まりました。君の中の永遠がアニメの曲だったので、もう1曲は、特撮ソングからにしたい想いがあり、どうせなら主題歌ではなくあまり知られていない、隠れた名曲が良いな、と思って「Dead or alive」(石原慎一)になりました。
――ご自身のベースミュージックとして聴いてきた楽曲を、カバーで歌ったことで改めて気づいた楽曲の魅力を教えてください。
小野 「全力少年」は文字通り、全力全開で歌わないと負けてしまうくらいパワフルな楽曲。とにかくがむしゃらに一生懸命歌いました。「3月9日」はバンドサウンドの中にライブ的、JAZZ的なうねりがある。静かな中にありったけの熱量を込めさせてもらいました。
近藤 一番に感じたのは「聴く」と「歌う」でこんなにも違うのか!というところでしょうか……。
菅沼 2曲とも練習すればするほど歌えば歌うほど難しい曲だと改めて感じましたね。やはり原曲のボーカルそしてバンドの演奏が素晴らしいなぁと再確認させていただきました!
間島 「君の中の永遠」は、最初原曲キーでチャレンジしたんですけど、まぁ、出なくて(笑)。シンプルに「こんなキー高かったっけ!?」と思いました。学生時代は歌えていたんですけどね……。今回少しだけキーを下げて歌わせただいたんですが、それでも爽やかで良い曲だなぁと思います。「Dead or alive」は元々思っていた通り、とてもかっこいい曲だなと。曲の対比でそれぞれの良さがより際立てばいいなぁと思っています。
四人の色と四人の想いで紡いだオリジナルソング「ありがとう」。
――オリジナル曲「ありがとう」について、製作時に苦労されたこと、楽曲制作の楽しさを感じたことを教えてください。
小野 なんの苦労もありませんでしたね。僕らが曲に込めたいメッセージを、Shusuiさんが見事に歌詞とメロディに乗せてくれました。
近藤 この曲に関しては、番組内で菅沼君と小野君がハミングでメロディ作りにチャレンジしたところから始まっているので、自分は乗っかるだけでよかったといいますか、こんな素敵な曲にいっちょ噛みさせていただいて「ごっちゃんです!」という素直な感想です(笑)。
菅沼 Shusui先生に我々からこのような言葉やイメージをお伝えしまして、それをShusui先生が歌詞にしてくださいました!曲については、僕と小野君が即興で歌った鼻歌をこんなにも素敵な楽曲に仕上げてくださり……とても驚きました!
間島 本線はさほど苦労することはなかったんですが、ハモを録るのに若干手こずった記憶があります。単純なハモりじゃなくて少し複雑な動きをするんですよね。それがまた曲にとって良いアクセントになっているので、大変だけど楽しい作業でもありました。多分僕が歌った3曲の中でこの歌が一番ハモを入れているんですが、個人的には主メロも楽しいけどハモ入れているときが実は楽しいです(笑)。
――「ありがとう」のレコーディングでの印象深かったことを教えてください。
小野 TDされた音源を初めて聴いたとき、ROLLYさんのギターソロに度肝を抜かれました。レコーディング時はなかったので。最高です!
近藤 自分のときはほかのメンバーの歌声を聴いていないなかでの収録だったので、粛々と自分の仕事をするだけだ!って感じで臨みましたね。
菅沼 1番最初の出だしが僕のソロだったのですが、そこがとても難しい音程で……非常に苦労しました。
間島 収録順的にどうやら僕が最初に録ったらしいんですが、曲のイメージをすごく左右する可能性あるわけじゃないですか?それはそれは不安でしたよ……。やるっきゃないので精一杯やりましたけど、次があるとしたらできれば最初は避けたいですね(笑)
――そんな1曲。
小野 僕らの気持ちがすべて込められています。僕らは言葉のプロですが、歌でしか伝えられないメッセージもある。歌って本当に素晴らしいと改めて感じました。
近藤 やはり四者四様、個性が被らない四人だなと改めて感じました。イメージしていた通りの出来栄えでしたね。
菅沼 正直きれいなハーモニーだなぁと思いました。まるで自分たちじゃないみたいな(笑)。それくらい四人が全力で挑んだのだなぁと感動しました!
間島 楽曲の伴奏もそうですが、四人の声が重なって、そこにさらにハモもくるのでサビの厚みというか豪華さがすごいなぁと。それでいてそこまで高い音域じゃないのに爽やかさもあって。レコーディングでは自分の声しかない状態だったのでかなり印象が変わっていましたね。
――では最後に、カバーアルバムを楽しんでいる皆さんへメッセージをお願いします。
小野 名曲は色褪せません!何度でもリピートして聴いてくださると嬉しく思います。
近藤 この四人で集まってカバーアルバムを出させていただけるなんて想像もしていなかっただけに、とても感謝しております。そして手に取って聴いてくださっている皆さまにも厚く感謝申し上げます。皆さんの日常にほんの少しでも寄り添えていたら、この上無い幸せです!
菅沼 お聴きくださいました皆さま、お買い上げ誠にありがとうございます!いかがだったでしょうか?半年間、「よつば音楽学院」で学んだ結果が出ているのではないかと思います。皆さまの応援次第で2枚目のアルバム、そして「よつば音楽学院」2学期もあるかも……!?どうぞこれからも変わらぬ応援をよろしくお願いいたします!!
間島 四人とも育った環境、影響を受けたものが違うので、本当にバラエティ豊かなアルバムになっているかと思います、特に僕のせいで(笑)。曲選びのお話のときにもしましたが、「よつば音楽学院」ありきで動いてきたアルバムなので、番組の色も入れたいよね、という話もしてきました。僕以外にもいくつか番組内で触れた曲も入っていますので、アルバムを聴いて番組のことも思い出していただけるとありがたいです。
TEXT & INTERVIEW BY えびさわなち
●リリース情報
ABEMA「よつば音楽学院」発カバーアルバム
『Vacances”』
発売中
価格:¥3,300 (税込)
品番:LACA-15894
<収録曲>
1.全力少年(スキマスイッチ)/小野大輔
2.Dead or alive(石原慎一)/間島淳司
3.Street Dreams(Zeebra)/近藤孝行
4.Winter, again(GLAY)/菅沼久義
5.若者のすべて(フジファブリック)/近藤孝行
6.3月9日(レミオロメン)/小野大輔
7.君の中の永遠(井上武英)/間島淳司
8.恋のマジックポーション(すかんち)/菅沼久義
9.ありがとう/VACANCE゛
●配信情報
「ABEMAアニメチャンネル」/「ABEMA」オリジナル特別番組
「よつば音楽学院」夏期講習
詳細はこちら
出演者(敬称略): 菅沼久義、近藤孝行、間島淳司、小野大輔
未公開映像を含む「ディレクターズカット版」も配信中!
視聴はこちら
「ABEMA」で『よつば音楽学院』全10回を配信中!
「ABEMAプレミアム」なら、いつでもお楽しみいただけます。
視聴はこちら
関連リンク
「よつば音楽学院」番組HP
https://abema.tv/video/title/218-277