ボーカリストのMARiA(読み:メイリア)とコンポーザーのtokuによる音楽ユニット・GARNiDELiAが、ポニーキャニオン移籍第1弾となるニューアルバム『Duality Code』を11月17日(水)にリリースした。現在放送中のTVアニメ『大正オトメ御伽話』のOPテーマ「オトメの心得」や、初のドラマタイアップとなる「どうせもう逃げられない」のOP主題歌「春がきたよ」など、12曲の新曲を収めた本作。
お互いのソロワークを経たことによる変化、そしてライブへの想いが強く反映された作品になっている。そのこだわりについて、2人に話を聞いた。

“自分たちのポリシー”とソロでの経験が合わさった最強のアルバム
――今回のアルバム、ユニットとしての進化はもちろん、今までにない変化を感じました。従来の“GARNiDELiAらしさ”を良い意味で拡張するような作品と言いますか。

MARiA おおっ!嬉しいです!

――お2人は今年、ソロアルバムをそれぞれ発表したわけですが、その経験が本作にも還元されている印象を受けました。制作当初はどんな青写真を描いていたのですか?

MARiA 『Duality Code』というタイトルには、“二元性(=Duality)の自分たちのポリシー”“二人でしかできないもの”という意味を込めていて、今回は2人の魂を詰め込んだ、今の自分たちの全力を込めたアルバムにしたい気持ちがあったんです。だからこそバラエティに富んだ感じにしつつ、「GARNiDELiAと言えばやっぱりこれだよね!」って原点に帰ってこれるような曲も入れたくて。お互いのソロがあったからこそ、逆にこの2人で曲を作ればなんでもGARNiDELiAになることがわかったので、今回は自分たちが今作りたいもの、みんなに届けたいものを、迷いなく自由に作った12曲です。

toku 別に今までも「GARNiDELiAの曲はこうしなくちゃ」と堅苦しく考えていたわけではなくて、毎回それまでのGARNiDELiAのサウンド感を引き継ぎつつ、新しいものにしていきたいとは常に思っていて。今回に関しては、今は(コロナ禍の影響で)ライブが思うようにできない時期なので、自分たちのライブ感をアルバムでも伝えられたらと思って、割と勢いのある楽曲が多くなりました。

――たしかにアルバムは冒頭の2曲からフルスロットル感がすごいですね。1曲目の「Live On!」はイントロからジワジワと盛り上がってサビで一気に爆発する、開幕にふさわしいエモーショナルなロックチューン。


MARiA これはまさにライブを意識した曲で、12月5日から始まる2年ぶりのツアー(「GARNiDELiA stellacage tour 2021→2022 “Duality Code”」)でやっとみんなの元に会いに行けるんですよ。だからそれに対する想い、ステージの幕が上がって最初にみんなに伝えたい歌はなんだろう?っていうことを考えて歌詞を書きました。今まさに戦っている状況の中にいる私たちの歌であり、それぞれの場所で戦って生きているみんなの歌になればと思っています。

toku 今は状況的にレコーディングもリモートが増えて、サポートしてくれているメンバーともなかなか会わないなかで、ドラムはやっぱりスタジオで録りたいよねっていう話になって。早くみんなで(ライブを)やりたい気持ちが凝縮した曲になりましたね。

――続く2曲目は、アルバムのリードトラックでもある「my code」。これまたパワフルなバンドサウンドで突き進む、ライブ感溢れるナンバーです。

MARiA これはアルバムのリード曲として、私たちらしい楽曲が必要だねっていうことで作りました。ガルニデと言えばライブなので、そこで生まれる一体感と伝えたいこと、あとは(アルバムタイトルの)『Duality Codeから「code」を引き継いで、“自分のポリシー”という意味合いの「my code」をテーマに、私たちの曲げられないプライドを歌詞で表現しようと思って。強い曲にしたかったので、自分自身の強い意志も乗せて歌詞を書きましたね。

――まさに。過去に執着せず“今”を生きる意志を描いた歌詞からは、MARiAさん自身の生き様が伝わってくるようにも感じました。


MARiA この曲はかなり自分の生き様をさらけ出していて、自分も身を削って歌うみたいなところはありますね。“あの頃は良かっただなんて ダサいセリフ吐いてないで”っていう歌詞は自分が普段思っていることだし、多分ファンのみんなにもそのことが伝わると思うんですよね。それでも歌い続けるし、ステージに立ち続ける。そんな自分をみんなに届けたくてこの歌詞を書きました。

toku 自分が強い曲を書けば、(MARiAは)それに呼応するように強い歌詞を書いてくれるので、この曲は思いきりバンド感がある曲調にしました。あと、これはアルバム全体に言えることなんですけど、MARiAの歌詞が今までよりもリアルなんですよね。僕はファンタジーが好きなので、歌詞もファンタジー寄りがいいってずっと言っていたんですけど、今回に関しては大人になった女性像というか、リアルなMARiA感みたいなものが出ているのがすごくいいなと思って。

――たしかに。表現が難しいですけど、今までよりも生身感があると言いますか。

MARiA そうですね。これはソロをやった影響かもしれないですけど、今までは自分の弱いところを見せちゃいけないと思っていたのが、今回は等身大の自分を曝け出した歌詞を結構入れていて。あと、今までは幅広い方に共感してもらえるよう、一人称をあえて“僕”にすることが多かったんですけど、今回のアルバムは全部“私”にしたんですよ。
今は音楽が不要不急と言われるなか、私たちにとってはそれが生き様だし、それを必要と言ってくれている人たちもいて。だから今回のアルバムでは改めてGARNiDELiAについて、私が歌う意味についてすごく考えたんです。その結果、このアルバムはみんなに共感してもらうというよりも、私たちがステージに立ち続ける意味を提示するものにしたくて。

――そのマインドを一番顕著に感じたのが、アルバムのラストに収められた「Reason」ですが、この曲についてはあとで詳しく聞かせてください。話を戻して3曲目「Uncertainty」は、ミニマルなシンセフレーズとドラムンベース系のリズムが合わさった、たゆたうようなダンストラック。

toku これは歌詞のリアル感とは別に、今までとはまた違ったファンタジーの方向性の楽曲も入れたかったので、それをチルな雰囲気のサウンドでやってみた曲ですね。

MARiA 「Uncertainty」は“不確定要素”という意味で、“儚いMARiA”が少し出ちゃった曲ですね。この2年間で環境がガラッと変わったのもありますし、これはプライベートの話ですけど、身近でお別れしてしまった人がいたりもして。コロナ禍の状況も含め、人はいつ出会いがあるかも、サヨナラするのかもわからないし、未来って全部不確定なものじゃないですか。私は今まで答えを出さないまま終わらせる曲を書いたことがなかったんですけど、そのサヨナラしちゃった人に対する気持ちの答えというのがずっと出なくて。だから、わざわざ答えを出さなくてもいいことってきっとあるんじゃないかなと思って、この曲を書きました。

――MARiAさんはソロアルバム『うたものがたり』で自分はシンガーに徹して、歌詞はすべて別の方に書いてもらったわけですが、そこで色んな女性像を歌で表現したからこそ、先ほどおっしゃっていたようなご自身の弱い一面、センシティブな気持ちを歌詞に落とし込めるようになったのでしょうか。


MARiA それは大きいと思います。ソロ作品で皆さんに書いていただいた歌詞には、女性らしい儚さや切ない表現がたくさん入っていたので、そこで引き出されたものもすごくあるし、そのエッセンスを私が自分の言葉で表現したのがこの「Uncertainty」だったり、それ以降に続くダンサブルなゾーンだったりして。自分の弱さをさらけ出すことが、聴いてくれる人たちの気持ちに寄り添うことにもなることがわかったので、ソロアルバムはすごく意味のある1枚でした。それはきっとtokuにとっても同じことだと思うし。

toku でも、特にこの3曲目以降のゾーンに関しては、MARiAの歌を聴いてもらいたい気持ちが強かったので、サウンド自体は割とシンプルな形がいいなと思いながら作っていて。だから今回は僕の要素は割と弱めかもね(笑)。

MARiA いやいや、全然弱めじゃないよ!すごくtoku節だよ!ソロをやったからこそ余計に、tokuのメロディはこうだよなって、レコーディングしているときもずっと感じていたし。

toku たしかに今まではアレンジで音をたくさん入れる作り方をしてきたけど、今はメロディに力を入れる方向に意識が変わってきたというのはあるかも。なのでここからのゾーンの曲はアレンジがすごくシンプルになっています。

――おっしゃる通り4曲目の「Seeker」は、簡素なビートがMARiAさんの感傷的なボーカルを引き立たせるミディアムナンバー。孤独の中で愛を求めて彷徨うような歌詞も印象的です。

toku この曲はほぼ最初に作ったデモのままで、音数は少ない方が絶対に良いだろうなと思ったんですよね。
歌詞もワンコーラスぶんは以前から出来ていたので、そのままでいこうという話になって。なので日々のデモ出しの中で自然と生まれた曲ですね。

MARiA このアルバムは愛について歌っていることが多くて。人間って弱い生き物だから大事な人を傷つけてしまうこともあるし、誰かと一緒にいると傷つくこともあるから1人のほうが楽と思うこともあるけど、結局は共に生きていく人を探し続けていく人生だと思うんですよ。それは恋愛のことだけに限らず、仕事をするうえでも自分1人では何もできないし、そもそも私たちの場合、聴いてくれるみんながいないと音楽をやる意味もなくなる。そういう人と人との繋がりのことを考えながらアルバムを制作しているなかで、日々の想いを綴った日記みたいな歌がこの曲なんです。誰かに伝えるための歌ではなくて、自分から溢れた独り言みたいな言葉を連ねたみたいな歌ですね。

――次の「aquarium」は恋に溺れていく女性の心情を綴った、エレクトロR&B調のダンサブルなナンバー。全体的に夜の空気感が漂っていて、ストリングスのお洒落な扱いも含め、大人のラブソングになっていますね。

toku この曲もデモ段階からほぼ出来上がっていましたね。今回はまず映像をイメージして、こういうシチュエーションならリズムはこんな感じがいいかなっていう発想で作ることが多くて。最近のヒップホップは生楽器をフィーチャーすることも多いので、ストリングスはそういった雰囲気が出たらと思って入れました。


MARiA 歌詞自体は好きな人のことを考えて心が躍っている感じというか、結構テンションが上がってウキウキルンルンでもあるんですけど、この主人公はちょっと浮足立っているんですよね。サウンド的にもダンスミュージック寄りなので、フロアで体を揺らしながら聴いてほしい曲です。

――その浮足立った「aquarium」に続くのが、相手の偽りの愛にあえて騙される女性を描いた曲「ピエロ」。シャッフル系の跳ねたリズムがお洒落なR&Bです。

toku あくまでも日本語のポップスの枠に収めたかったので、本場のR&BというよりもJ-R&Bのテイストにしていて。“踊っちゃってみた”シリーズにもそういうテイストの曲は割とあるんですけど、“踊っちゃってみた”の派手な感じではなく、今のMARiAがポップスとして歌うならどんな感じが良いかをイメージしながら作りました。

MARiA この曲はリズミカルなサウンドとメロディラインの心地良さを崩したくなかったので、歌詞のメッセージ性も大事にはしつつ、語感の気持ち良さを優先に時間をかけて言葉選びをしました。韻の踏み方もかなりこだわっていて、内容的にはちょっと切ない歌詞ですけど、歌うと気持ち良いはずなので、ぜひカラオケとかで歌ってほしいですね。

toku MARiAは元々こういうシャッフル系の曲のほうが得意で、そんな人がスクエアなロックを歌ったら面白いんじゃないか、というのがガルニデの始まりだったりするんですよね。

MARiA そう、3曲目以降からこの曲辺りまでは私の本来の得意ジャンルなので、もう任せてください!みたいな感じで(笑)。この曲の歌録りもすごくスムーズで、2回くらい歌ったところで「今のかっこ良かったからもうこれでいいんじゃない?」ってなりました。

『大正オトメ御伽話』や初のドラマタイアップがもたらした新たな一面
――7曲目「ミルクキャラメル」はワルツ調のメルヘンチックな楽曲で、ガルニデにとってはかなり新鮮な曲調ですね。

MARiA この曲と次の「オトメの心得」は繋がっておりまして、実はどちらも『大正オトメ御伽話』のために作った楽曲なんですよ。「ミルクキャラメル」は『大正オトメ』の原作を読んだときに、主人公の女の子(立花夕月)がミルクキャラメルを作るお話が印象的だったので、「ミルクキャラメル」を擬人化したような曲を書きたい!と思って作ったんです。結果としては「オトメの心得」がOP主題歌になったんですけど、多分、このタイミングを逃すといつリリースできるかわからないので、「ミルクキャラメル」もアルバムに収録して“『大正オトメ』ゾーン”にしました(笑)。きっとアニメや原作のマンガを読んでからこの曲を聴くと、「なるほど!」と思ってもらえると思います。

――ということはこの優雅なサウンドも『大正オトメ御伽話』をイメージしてのものだったわけですね。

MARiA アンティークな感じが大正時代っぽいですよね。アコーディオンとかも入ってますし。

toku 作品の時代背景と合わせるのであれば、アンティークな雰囲気が良いだろうなと思って。とはいえ自分の得意な音も入れたくて、そのハイブリット感を目指しました。この曲は肩の力を抜いて、自分の趣味みたいな感じで作ったんですよ。そういう作り方も今までやってこなかったので、その意味でも新しいかもしれないですね。

MARiA 音楽で遊ぶのも、音楽の楽しみ方の1つだから、そういう曲があってもいいよねっていう話になったんですよね。きっと今までだったら「いや、もっとアップテンポの曲を書こう!」とか「ライブでアガる曲を作ろう!」ってなっていたと思います(笑)。

――そして「オトメの心得」。こちらはビッグバンド風のサウンドを取り入れていますね。

toku 最初の時点で「ビッグバンドのテイストを入れてほしい」というオーダーをいただいたので、まずはブラスやストリングスを入れようというところから始まりました。そこからガルニデ感を出すにはどうすればいいか?ということで、リズムを打ち込みっぽくしたり、ベースはシンセベースにして。ブラスは派手にしたかったので、面識はなかったんですけど、ルイス・バジェさんにお願いできればなと思っていたら、弦を弾いてくれた方がたまたま知り合いで、紹介してくださったんですよ。バジェさんとはリモートで宅録でのやり取りだったんですけど、僕から譜面と音源を送ったら、ものすごい数のトラックが戻ってきて、「好きなのを使ってね」みたいな(笑)。おかげですごく良いものができました。

――歌詞はまさに乙女心が全開の内容ですが、どのように作っていかれたのですか?

MARiA 『大正オトメ御伽話』の主題歌なので、“オトメ”をキーワードに広げていったんですけど、恋する乙女って可憐で儚いけど、すごく強いじゃないですか。なので女の子は守られているだけじゃなく、愛する人を守る強さもあることを歌にしたくて。そもそも主人公の夕月ちゃんも、小さくてかわいらしいんだけど、すごく芯が通っていて強い女の子なので、アニメの世界観にもぴったりな曲になったと思います。

――たしかに「オトメの心得」も「ミルクキャラメル」も、女の子側がリードする曲なんですよね。そこは作品らしさでもあるし、MARiAさんらしさでもあるなと思って。

MARiA たしかに「オトメの心得」は結構私らしいかもしれないです。

――続く「はじめてのクリスマス」は、これまたガルニデとしては新しい試みとなる、ストレートなクリスマスソング。

MARiA 私たちは今まで季節ものの曲をあまり書いていなかったんですけど、最近は毎年ハロウィンパーティをやらせてもらっていることもあって、季節ごとのイベントにも寄り添える曲も書いていきたいよねっていう話になって。それで12月からツアーも始まるし、クリスマスをテーマにした曲を作ってみました。恋人たちの幸せな関係を描いた、クリスマスの時期になったら歌いたくなる曲になればいいなと思って。

――この次が「春がきたよ」なので、アルバムの流れとしてもきれいですよね。幸せな冬の次には春が来るっていう。

MARiA 今回「はじめてのクリスマス」を入れられたのは、「春がきたよ」を作れたことが大きいんですよね。まずドラマ(「どうせもう逃げられない」)の主題歌として「春がきたよ」をバン!と提示できたからこそ、季節ものの「はじめてのクリスマス」を入れても違和感なく受け止めてもらえるかなというのがあって。

――なるほど。その「春が来たよ」は、ドラマ「どうせもう逃げられない」のOP主題歌ですが、作品のどんな部分をイメージして制作されたのですか?

MARiA この曲の歌詞は原作のマンガをかなり読み込んで書いたので、原作を読んでいる方ならシーンが思い浮かぶフレーズをたくさん散りばめています。誰かをどうしようもなく愛してしまう気持ち、周りに何を言われても変わることのない真実の愛的なことについて描いた曲なので、きっとドラマや原作に触れていない人にも共感してもらえると思いますけど、なぜタイトルに“春”というワードを使ったかは、ドラマを観たり原作を読めばわかるようになっています。ちょっとしたギミックを隠しているので。

――それは注目ですね。サウンド的には春らしい明るくポップな雰囲気ですが、どこか切ない雰囲気もあって。

toku 原作も明るい希望だけを描いた作品ではなかったので、イントロをシリアスにしてみたり、情景が浮かぶような音使いを意識して作りました。さっきも少し話しましたけど、ガルニデがJ-R&B的なアプローチをするとこういう感じになるんだろうなと思っていて。本来なら2拍目、4拍目にスネアが入るのが基本だと思うんですけど、そこをあえて抜いてみたりしています。

次ページ:GARNiDELiAがステージに立ち続ける理由、MARiAとtokuが導き出した答え

GARNiDELiAがステージに立ち続ける理由、MARiAとtokuが導き出した答え
――そしてアルバムのなかで一番驚かされたのが11曲目「stellacage」。この曲、tokuさんが作詞・作曲・編曲のみならず、歌も担当していますね。

toku 問題作ですね(笑)。「stellacage」っていうのはGARNiDELiAのライブのタイトルでもあるんですけど、この曲、実は前のツアー(「stellacage Asia Tour 2019 “響喜乱舞”」)の大宮ソニックシティ公演のときに披露したんですよ。ライブでMARiAの衣装替えのときに、今までもダンスチームを入れたり色々なことをやってきたんですけど、ほかに何か新しいことはないかな?って考えたときに、じゃあ俺が歌おうかなと思って。

MARiA そう!しかもゲネ(最終リハーサル)の段階でも、何をやるのか誰にも教えてくれなくて、舞台監督とかも「じゃあtokuさんに任せよう」って感じだったんですけど、いざ本番になったらtokuがいきなり歌い始めたので、制作陣もみんな「tokuさん歌ってるよ!」ってなって(笑)。

toku 「スポット当てて!」とか言ってて(笑)。

MARiA この曲、なぜ私たちがライブのことを「stellacage」と呼んでいるかを描いていて、すごくいいんですよね。最近は私が歌詞を書かせていただくことが多いですけど、私はtokuの繊細でロマンチックな歌詞が好きで、ファンタジーの世界に連れて行ってくれる歌詞を書くんですよね。「stellacage」ってまさにそういう場所だと思うし、今回は久々のツアーの前にリリースするアルバムなので、この曲は入れたい気持ちが自分の中にはあって。だからtokuに「これ入れない?」って聞いたら、「えー、入れるの……?」って言ってて(笑)。この曲、私は完全にいないんだけど、それもありかなって思ったんですよね。

――まさにライブという特別な場所への想いが詰まった素敵な曲だと思いました。そしてアルバムを締め括るのが「Reason」。先ほどMARiAさんがお話していた、自分たちが音楽をやる意味、ステージに立つ理由を証明するような、力強いロックチューンです。

MARiA 「stellacage」と「Reason」は、tokuの答えと私の答えが並ぶような形になっていますね。私はコロナ禍になってからずっと「私が歌う理由ってなんだろう?」ということを考え続けてきて。なぜ曲を作るのか、なぜ音楽をやるのか、みんなにとっての音楽とはなんなのか。音楽が不要不急と言われるなか、原点に立ち返ってすごく考えたんですよ。私は愛してもらうために歌っているわけじゃなくて、愛を伝えるために歌っているし、それが届くと信じて歌っている。だから、たとえ思うように音楽を届けられない時間があったとしても、自分たちが自分たちとして在り続けて、音楽をやり続けることで、みんなが帰ってこられる居場所になると思うし、私たちはそういう存在になりたいとすごく思ったんですね。みんなにどう受け取ってもらうかの前に、私が何を伝えたいか。その答えが出たし、今回のツアーで伝えたくて、この曲を書きました。

――この曲の何がグッとくるかって言うと、MARiAさんの気持ちがすごくリアルに伝わってくるところで、今まで以上に距離感の近さを感じるんですよね。身近な仲間や友人に向けて語りかけるような感じと言いますか。

MARiA そこは今回のアルバムで一番変化したところだと思います。今までの私たちは、全体を大きく見ていて、みんなに対して歌っていたんですよ。でも、このアルバムは今ここで聴いてくれているあなた、“隣にいる君”に歌っている感覚が自分の中にもあって、みんなに対する距離がすごく縮まったんですよね。だから歌詞の書き方も変わったし、不特定多数の大勢に向けてではなく、今目と目が合っているあなたに私は伝えるっていう。この状況下で、色んな選択肢の中から、私たちのツアーに足を運んでくれるあなたに絶対に届けたいと思って書いた曲なので、それが伝わってくれると嬉しいですね。

toku お互いそういうことを細かく話し合ったりはしないんですけど、実際に歌詞もリアルな感じになっていると思うし、歌もリバーブをいつもより控えめにしたところがあって。そこは自然と共鳴した部分があったのかもしれないですね。

MARiA 阿吽の呼吸だったよね。まあ12年も一緒にやっているとこうなってくるというか。今回はリモート作業が多かったのもあって、会話も少なかったし。

toku あと、MARiAのDAWスキルが上がったのも大きいかも。自分でパソコンを使って制作することに慣れてきたから、幅も広がってきたのかなって思います。

――そんなアルバムを引っ提げて、2年ぶりのツアーが12月5日からスタートします。最後にライブへの意気込みをお願いします。

toku 2年ぶりでもありますし、かっこいいアルバムができたので、かっこいいライブをやりたいですね。

MARiA 間違いない!このアルバム自体、ライブでみんなに届けたいものを詰め込んだ、ライブをかなり意識して作った作品でもあるので、とにかくこの『Duality Code』に詰め込んだ想いをぶつけて、そしてぶつけ返してもらう。そんな愛のキャッチボールができたらと思います。今回のツアーは本当に自信があって、絶対にスペシャルなものになると思うんですよ。これぞGARNiDELiA!っていうのを見せつけるライブにするので、期待していてください!

TEXT & INTERVIEW BY 北野 創(リスアニ!)

●リリース情報
GARNiDELiA アルバム
『Duality Code』
2021年11月17日(水)発売

音楽配信総合URLはこちら

【初回限定盤(CD+Blu-ray)】

品番:PCCA-06087
価格:¥4,950(税込)

<特典Blu-ray>
「my code」Music Video
「オトメの心得」Music Video
Making of 「my code」MV
Making of 「オトメの心得」MV
Interview with GARNiDELiA

【通常盤(CD)】

品番:PCCA-06088
価格:¥3,300(税込)
封入特典:トレーディングカード(ランダム封入/全5種)

【きゃにめ限定盤(CD+LIVE Blu-ray)】

品番:SCCA-00125
価格:¥9,900(税込)

<特典Blu-ray>
GARNiDELiA stellacage tour 2021→2022 “Duality Code”最終公演
購入特典:GARNiDELiA stellacage tour 2021→2022 “Duality Code”最終公演
リハーサル観覧応募用シリアルナンバー
※Blu-rayディスクは後日発送
※本商品の応募、配送料など詳細につきましては、販売ページより必ずご確認をお願いいたします。
きゃにめ販売ページ:https://canime.jp/product/SCCA000000125/

<収録曲>
1. Live On!
2. my code
3. Uncertainty
4. Seeker
5. aquarium
6. ピエロ
7. ミルクキャラメル
8. オトメの心得
9. はじめてのクリスマス
10. 春がきたよ
11. stellacage
12. Reason

(全12曲)
Produce by GARNiDELiA

【店舗別オリジナル特典】
・きゃにめ:MARiAブロマイド -きゃにめVer.-
・アニメイト:MARiAブロマイド -アニメイトVer.-
・TOWER RECORDS:ガルニデラジオカード -Code Yellow-
・amazon:ガルニデラジオカード -Code Orange-
・HMV:ガルニデラジオカード -Code Pink-
・楽天ブックス:ガルニデラジオカード -Code Red-
※絵柄などの詳細は後日発表いたします。

●ライブ情報
GARNiDELiA stellacage tour 2021→2022 “Duality Code”

日時:2021年12月5日(日)
会場:神奈川県 CLUB CITTA’
開場:16:30/開演17:00
チケット代:¥6,800(税込、ドリンク代別)

日時:2021年12月24日(金)
会場:宮城県 Rensa(仙台)
開場:17:30/開演18:00
チケット代:¥6,800(税込、ドリンク代別)

日時:2022年1月10日(月・祝)
会場:福岡県 DRUM LOGOS
開場:16:30/開演:17:00
チケット代:¥6,800(税込、ドリンク代別)

日時:2022年1月15日(土)
会場:愛知県 NAGOYA ReNY limited
開場:17:30/開演:18:00
チケット代:¥6,800(税込、ドリンク代別)

日時:2022年1月16日(日)
会場:大阪府 umeda TRAD
開場:17:30/開演:18:00
チケット代:¥6,800(税込、ドリンク代別)

※全会場指定席です。
※チケットはお一人様各公演4枚までとさせて頂きます。
※3歳以上のお客様は有料とさせて頂きます。

GARNiDELiA stellacage tour 2021→2022 “Duality Code” SPECIAL FINAL!!

日時:2022年1月23日(日)
会場:東京都 中野サンプラザ
開場:16:30/開演17:00
チケット代:¥7,800(税込、リンク代別)

※全会場指定席です。
※チケットはお一人様各公演4枚までとさせて頂きます。
※3歳以上のお客様は有料とさせて頂きます。

関連リンク
GARNiDELiAオフィシャルサイト
https://www.garnidelia.com/

GARNiDELiA YouTubechannel
https://www.youtube.com/user/HeadphoneTokyo

MARiA 公式Twitter
https://twitter.com/MARiA_GRND

toku 公式Twitter
https://twitter.com/toku_grnd
編集部おすすめ