22/7が1stアルバム「11という名の永遠の素数」を経てリリースする8thシングル「覚醒」はシングルとしては久々の前向きで力強いスピードナンバー。メンバー3人の卒業が発表されるなか、グループは新たな一歩を踏み出す。
「歌いたかった曲」「送り出す曲」「これからの曲」が揃ったこの1枚について、天城サリー、涼花 萌、そして卒業する海乃るりの3人に現時点で抱く思いを聞いた。


「今の時点では自分に向けて歌っています」(天城)
――8thシングル「覚醒」は22/7の“第2章”と銘打たれています。皆さんはどんなお気持ちで取り組みましたか?

天城サリー 実はあまり「第2章だ!」と意識はしていないんです(笑)。でもサビの歌詞に“走り出そう”とあるので、これからは人を勇気づける、明るく前向きな曲が増えていくきっかけになればと思っています。

海乃るり 今までのシングルの歌詞はほとんどが内向的だったのですが、「覚醒」の歌詞には“走り出そう”とか“前を向いて!”とあって、少しずつ前を向いていけるので、これからのナナニジにぴったりな曲になっていると思います。

涼花 萌 私も第2章という実感はないなぁ(笑)。でも変わっていくなら明るい感じになってほしいなと思います。私は歌詞に結構影響されるタイプなので、聴くと自分も一緒に頑張ろうという気持ちにさせてくれる曲だなと思いました。不安なことはたくさんあるけれども、それでも頑張ろうって聴いた瞬間に思いました。
天城 私も歌詞には影響を強く受けます。暗い曲の練習をしているとそれに引きずられてしまうし、言霊というものをすごく信じるんです。たとえ空元気でも頑張ろうと言い続けることで私自身も前を向けます。
これは今の私が歌いたかった歌ですし、今のナナニジにこの歌詞がきて良かったなという気持ちでいっぱいです。

――この曲は“覚醒しろ!”や“目を覚ませ!”など、珍しく命令形の歌詞が登場します。これらの言葉をどのように受け止めましたか?

海乃 こんなふうに、しかも“覚醒しろ!”なんて命令されたことがなかったので(笑)。でもそのぶん心に響きましたね。

涼花 ここまで強く言われたらもう「はい」って言うしかない(笑)。私は流されやすかったり、ウジウジしちゃうタイプなので、はっきり言ってくれたほうが素直に着いていけるので、すんなりと受け止めることができました。

天城 「風は吹いてるか?」とか、問いかける感じの強い歌詞はあったんですけどね。この歌詞は自分自身に言い聞かせるからこそ、厳しい語調になるのかなと思いました。少年マンガで追い込まれて「まだまだこれからだぜ」という状況のときに言うセリフみたいな印象です。私は今の時点では自分に向けて歌っています。いつか気持ちに余裕ができたとき、ファンの方々に向けて歌える歌になったらいいなと思います。

――ご自身のパートを皆さんはそれぞれどのように歌いましたか?

天城 私のセリフパートは“やるかやらないかだ”なのですが、ローランドさんや藤原竜也さんをイメージしてすごく強く発しました。
いつもであれば、自分の前のセリフを言う人とトーンを揃えて言うのですが、今回は萌ちゃんだったので、絶対に萌ちゃんの世界観でくるぞと思っていたら案の定で(笑)。なので、あえて合わせず1人1人が問いかけているようすがわかりやすく出るように自分らしく言いました。

涼花 私はそんな“難しく考えたってしょうがない”の部分なのですが、私自身が本当にこの言葉通りに生きてきましたので「すごくわかる~」と思って実感を込めて言ったら、ゆっくりすぎたみたいで(笑)。それで「辛かったことを思い出して」という意味合いのアドバイスを言われたのですが、たくさんあったはずなのに思い出せなくて、下を向いて悲しいことを必死に思い出そうとして歌いました。

海乃 2人とも個性がすごく出ているので、楽しく聴いていました。個人的には最後に河瀬詩ちゃんが言う「それでもやらなきゃ負けだ」が、めちゃくちゃかっこ良くて好きなんです。そこの振付も印象的なので、これからもこの曲に注目してほしいですね。

――タイトルに合わせて、皆さんが「覚醒」したのはどんなタイミングでしたか?

海乃 私は今までの活動は“覚醒”したというよりも、ずっと「よし、やるぞ」という気持ちのまま過ごしていた感じがします。なので、私にとっての「覚醒」は、ナナニジに合格したタイミングでしたね。

涼花 私はホットヨガに行き始めてから毎日がハッピーで、そこで“覚醒”しました(笑)。いつもライブでも汗をかかないタイプだったんですけど、ホットヨガのお部屋に入ったら、これまで経験したことがないくらい汗をかいて、目が覚めるくらい気持ち良かったので心も穏やかになりました(笑)。

天城 私は少し前にミュージカルに出させていただいて、そこで新しい友人ができました。
その子はとても明るい子で「どうやったらそんなに友達ができるの?」と聞いたら、「私も人見知りだった。けど、それって結局自分が一番損じゃない?」と言われたんです。確かにそうした態度を取っていると“人見知りさん”という扱いをされるんですよね。「だから、無理にでも明るく振る舞って友達になったほうが楽だよ」と教えてくれました。そこからは挨拶代わりにハグをしたりして、そうしたらみんなとすごく仲良くなれました。自分が変われたという意味での“覚醒”はそれですね。

卒業する3人を送り出す楽曲
――2曲目の「Just here and now」の歌詞はどのように受け止めましたか?

天城 ここまで共感をできない歌詞は初めてでした(笑)。やっぱりちょっと大人の歌詞なので。お互い好き同士幸せで、周りが見えなくなっているカップルの気持ちが少し理解……できなかったんですけど(笑)。こういう気持ちなんだっていうのを教えられた気がしました。今までは、「大人を信用しない」みたいな立ち位置のナナニジでしたが、自分たちも大人側に立ちました(笑)。そんな新たな一面を意識してご覧いただきたいですね。


涼花 私もこんな経験したことないので(笑)。でも恋人になる人がいつかできたときに愛されたいって思ってるので、この曲の“僕”が好きなのは私だと思って歌ったら「愛されてる!」と思ってキュンキュンしました。

――憧れのシチュエーションですか?

涼花 驚いちゃうから外で急にはやめてほしいな(笑)。でもそのくらい好きなんやなってキュンとしました。

海乃 私もこういう方はちょっとびっくりしちゃうんですけど(笑)。ナナニジ全体としてこんなにも恋愛に振っている曲はなかなか珍しいですよね。曲だけでいえば、2000年代のSPEEDさんや浜崎あゆみさんのような曲調で、私個人としてはもう「待ってました!」というくらい好みのタイプで、毎日聴いています。それを自分たちが歌えるというのが嬉しくて嬉しくて。

天城 私も本当に毎日リピートして聴くくらい大好きです。サビでは自分たちが思うがままリズムに乗って歌う箇所があって、そこでは自然とビートを刻んでしまうんです。アガる曲ですね。

涼花 自分たちがこういう曲を歌えるとは思っていなかったので、嬉しかったですね。
この曲を聴きながらだと歩くスピードが自然と早まるんです。サビの部分も速くてレコーディングのときは息継ぎが大変でした。

海乃 萌ちゃんが言うように、収録は難しくてサビは二度に分けて録りました。ただ、仮歌のときからずっと聴いていたので、私としてはめちゃくちゃ体でノリながら、今までで一番スムーズに歌えたんじゃないかなと思います。

――ダンサンブルな曲ということで、振付の様子も教えていただけますか?

天城 髪が乱れれば乱れるほどかっこいい、めちゃくちゃセクシーな曲なんです。感情を込めて歌っているところがあったり、ビートが強めでそこを1つ1つキメながら踊るので、視覚的にも音とのシンクロがとてもかっこいいですね。観ても気持ち良さを感じられる曲だと思います。

涼花 腰をグルグルさせるフリが多かったのですが、私自身がセクシーとかけ離れたタイプなのでそうした女性らしさを前面に出すのが恥ずかしかったです(笑)。個人的には白沢かなえちゃんをぜひ見てほしいですね。本当に輝いてました。かなえるのダンスはしなやかで、すべてが繋がっている曲線美があるので、そこを注目してほしいです。

海乃 歌詞とダンスがシンクロしていて本当にセクシーなんですが、踊っててめちゃくちゃ楽しいんです。
唇に指を当てて“言葉にしないで”みたいなポーズがあって、そこが私は大好きです。ナナニジにもこういう曲きたってすごく楽しく踊ってます。本当に素敵で大人な一面を見られると思います。

――3曲目の「いつの間にSunrise」はテンポも歌詞の内容もとても情景が浮かぶ楽曲でした。

涼花 曲と歌割りを頂いたときに、「この曲はるーりーとなっち(武田愛奈)とみずはん(倉岡水巴)をフィーチャーしている曲だ」とすぐにわかりました。それだけで3人が卒業するということが実感として湧いてきて涙が出ました……今もこうして話すとそうなっちゃうんです……とっても良い曲です。

海乃 私もいただいたときは「これって……もしかして?」と思いました。私の前が倉岡水巴ちゃんで、私が「窓の向こうの季節の空も何か言いたげに」で、そのあとが武田愛奈ちゃん。振り入れをしたときにはもう胸がいっぱいになりました。スローテンポな曲なので感情を大切にする必要があって、レコーディング自体は結構大変でした。

天城 3人だけソロパートがあって、歌ってる間にみんながその子に向いて花道を作るような動きをするんです。目を合わせたら絶対泣いちゃうと思って、ふざけたポーズばかりしてしまいました。“思い出そうとしても思い出せないあの日”という歌詞のところでは本当に目を瞑って、オーディションのときから今までメンバーと歩んできた時間を思い出しながら歌いました。

――歌詞にも深い思いが込められていますよね。

天城 そうですね。本当にメンバーはすごく仲いいので、一緒にいる時は夢のような活動だなと思うんです。3人から卒業を聞いたときは、最初は悲しいという感情が湧かなくて。たぶんそれは現実逃避だったんですね。そのあとこの曲の“夢から覚める どんな辛くても 現実の中を強く生きるんだ”という歌詞を読んだときに初めて実感を持ち、振付のときは泣いてしまいました。

涼花 私は「素敵」という言葉が大好きで、ちょうど自分が歌うところに“もっと素敵な今に 全て書き換えられ 過去になったんだ”とあって、今まで本当に辛いことも一緒に頑張ってきたから……全部がいい思い出で……私は3人と一緒に活動できただけでナナニジに入ってよかったなと思いました。

海乃 萌ちゃんのパートを聴くと「そうか、過去になるんだ……」と感じたりはします。でも、(取材時の)現時点では過去にはなっていないので……。きっと悲しくなるんだろうな……。これからがとても不安なのですが“諦めなければいつか叶うんだよ”という歌詞は「もっと素敵な未来が待ってるんだよ」と言ってくれているような気がします。それは私たちだけではなく、多分色んな人に言えることだと思うので、本当に背中を押してくれる曲だと思います。ナナニジを綺麗に素敵な思い出にできそうだなと感じています。みんなに出会えて本当に本当に良かったです。

――卒業される海乃さん、本誌読者に向けてのメッセージをお願いします。

海乃 リスアニ!さんはデビューする前から個人的に本誌も読んでいたので、こうやって皆さんに自分たちのグループのことをお話させていただけて、とても嬉しかったです。私も読者の皆様と同じように読む側の立場になるので、一緒に楽しみましょう。海乃るりという人間がいたことを少しでも覚えていてくれたら嬉しいです。これからもアニメを一緒に見ましょう!

――お二人は今後オーディションを合格した新規メンバーを迎え入れ、2022年の活動に向けて動き出します。

涼花 卒業していくメンバーも今いるメンバーもファンの皆さんも、みんながいつも幸せな気持ちでいてくれてたらそれだけでいいなと思うので、来年はもっと私たちから笑顔や幸せを届けられるようなグループになりたいなと思います。

天城 私たちはアイドルなのに、ファンの方に元気を与えるよりも、いつも励ましや心配の言葉をいただくことが多いループなので、来年からはもっとアイドルらしく、みんなを引っ張って勇気づけられる明るいグループになりたいなと思います。

INTERVIEW & TEXT BY
日詰明嘉

●リリース情報
22/7 8thシングル
「覚醒」
11月24日発売

【完全生産限定盤A(CD+Blu-ray)】

品番:SRCL-11957~11959
価格:¥7,000(税込)

<CD>
1. 覚醒
2. Just here and now
3. いつの間にSunrise
4. 覚醒 -off vocal ver.-
5. Just here and now -off vocal ver.-
6. いつの間にSunrise -off vocal ver.-

<Blu-ray>
『11という名の永遠の素数 Release Tour 2021』昼公演@Zepp DiverCity(TOKYO)(2021.07.22)
1. Overture
2. ロマンスの積み木
3. ムズイ
4. シャンプーの匂いがした
5. 韋駄天娘
6. Rain of lies
7. 交換条件
8. 好きになるのは自由だし…
9. 循環バス
10. To goでよろしく!
11. タチツテトパワー
12. 空を飛んでみよう
13. 僕は存在していなかった
14. キウイの主張
15. 君はMoon
16. 僕らの環境
17. とんぼの気持ち
18. 何もしてあげられない
19. ヒヤシンス
20. 風は吹いてるか?
21. 未来があるから

【完全生産限定盤B(CD+Blu-ray)】

品番:SRCL-11960~11962
価格:¥7,000(税込)

<CD>
1. 覚醒
2. Just here and now
3. いつの間にSunrise
4. 覚醒 -off vocal ver.-
5. Just here and now -off vocal ver.-
6. いつの間にSunrise -off vocal ver.-

<Blu-ray>
『11という名の永遠の素数 Release Tour 2021』夜公演@Zepp DiverCity(TOKYO)(2021.07.22)
1. Overture
2. ロマンスの積み木
3. ムズイ
4. シャンプーの匂いがした
5. 韋駄天娘
6. Rain of lies
7. 交換条件
8. 好きになるのは自由だし…
9. 循環バス
10. To goでよろしく!
11. タチツテトパワー
12. 空を飛んでみよう
13. ポニーテールは振り向かせない
14. 雷鳴のDelay
15. 理解者
16. 僕らの環境
17. とんぼの気持ち
18. 何もしてあげられない
19. ヒヤシンス
20. 風は吹いてるか?
21. 未来があるから

【初回生産限定盤(CD+Blu-ray)】

品番:SRCL-11963~11964
価格:¥1,850(税込)

<CD>
1. 覚醒
2. Just here and now
3. 今年 初めての雪(22/7 紅組)
4. 覚醒 -off vocal ver.-
5. Just here and now -off vocal ver.-
6. 今年 初めての雪 -off vocal ver.-

<Blu-ray>
Making of 1st Album Release Tour“An eternal prime number named 11.”

【通常盤(CD)】

品番:SRCL-11965
価格:¥1,250(税込)

<CD>
1. 覚醒
2. Just here and now
3. ヘッドフォンを外せ!(22/7 白組)
4. 覚醒 -off vocal ver.-
5. Just here and now -off vocal ver.-
6. ヘッドフォンを外せ! -off vocal ver.-

●ライブ情報
22/7 5TH BIRTHDAY LIVE 2021 ~Colors of Flowers~

日程:12月26日(日)
第1部 開場(配信開始) 15:30 / 開演(ライブ開始) 16:00
第2部 開場(配信開始) 18:00 / 開演(ライブ開始) 18:30
見逃し配信:2021年12月26日(日) 22:00~ 2022年1月2日 23:59
出演:22/7 神木みかみ 斎藤ニコル 立川絢香 滝川みう 柊つぼみ 藤間桜 丸山あかね
視聴チケット:4,000円(税込)
販売期間:2021年11月14日(日)16:00 ~ 2022年1月2日(日)20:00

特設サイトはこちら

©22/7 PROJECT

関連リンク
22/7 オフィシャルサイト
http://www.nanabunnonijyuuni.com/

22/7 オフィシャルTwitter
https://twitter.com/227_staff

22/7 オフィシャルYouTube
https://www.youtube.com/c/227SMEJ
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