声優・諏訪ななかの、ミニアルバムとしては『Color me PURPLE』以来1年ぶりとなる2ndミニアルバム『Winter Cocktail』がリリースされた。毎回さまざまなテーマで作品作りをしている彼女が今回選んだテーマは、タイトルにあるとおり”冬”。ひとつの季節を様々な角度から切り取り、そのなかで多彩なアプローチで挑んだ一枚について話を聞いた。諏訪ななか / 記憶ファンタジッククリスマスだけじゃない、様々な冬の曲を集めた一枚――ミニアルバムの『Winter Cocktail』ですが、タイトル通り冬をテーマにした一枚となりました。諏訪ななか もともと次のリリースが11月というのが先に決まっていて。私の誕生月でもあるのですが、季節的にはぎりぎり……冬かなぁ、と。今年は10月ぐらいまで「夏なのかな?」ってぐらいの気候で、リリースのタイミングで冬になるのかなって心配もありましたね(笑)。――無事このアルバムがピッタリな、冬らしい気候になってきましたね。諏訪 冬、来ました(笑)。――そうしたなかで季節的にも冬をテーマにした一枚にしようというのは諏訪さんのなかでもあったわけですね。諏訪 季節をテーマにした曲のなかでは冬の曲が好きだなと思っていたので…。――四季のなかでも冬がお好き?諏訪 冬そのものは普通なんですけど(笑)、冬の曲は好きなんですよね。――諏訪さんのなかでイメージする”冬の曲”を集めていったと。諏訪 そうですね。今回冬の曲というお題でコンペをさせていただいたときに、クリスマスの曲が多かったんですよ。やっぱり冬といえばクリスマスというイメージが強いのかなと。最終的に今回のアルバム自体はクリスマス色は強くないようにしたのですが、みんな冬といえばクリスマスなんだなあと。いわゆる、よく街で聴く感じの…。――そこから諏訪さんがフィットする冬の曲をチョイスされていったわけですか?諏訪 曲自体は全部自分で選びました。時期的にも真夏に冬の曲を選んだのですが、暑いときには寒さを求めているので、ちょうどいい感じではありました(笑)。――そうした曲たちを集めて、いわゆる混ぜるという意味を入れて『Winter Cocktail』というタイトルのミニアルバムになりました。諏訪 タイトルはディレクターさんが出してくれたアイディアなんです。最初はタイトルがなかなか決まらなくて。今までのタイトルはパッと決まったんですけど、今回はあまり「これだ!」というのがみんな浮かばなくて…いつも楽曲が出来上がってからタイトルをつけるのですが、最終的に『Winter Cocktail』というタイトルが自分でもしっくり来ていますね。――そのなかで諏訪さんのレコーディングも冬仕様で挑まれた?諏訪 「冬だからこういう風に歌おう」というのはそこまでなかったのですが、楽曲の雰囲気に合わせて自然に歌おうとは常に思っています。今回でいうと「ふれてみたい」は、三部作ラストの曲なので、「溶けるみたい」「揺れていたい」を聞きながらレコーディングに向かったりしました。各楽曲の世界観を練って挑んだレコーディング――それでは『Winter Cocktail』の楽曲についてお伺いします。まずは冒頭の「ふれてみたい」。諏訪 最初に聴いたとき、すごくキャッチーなメロディだなって思いましたね。今回のアルバムは曲順がそのまま収録順になっているので、アルバムの制作自体もこの曲からスタートしました。――メロディも非常にキュートな一曲になっていますが、歌ってみていかがでしたか?諏訪 これが「溶けるみたい」「揺れていたい」から続く三部作の最後の曲になるのでその2曲につづく、楽曲の主人公の物語の成長も感じられたのではないかな、と思います。――続いて「記憶ファンタジック」。シングル「コバルトの鼓動」のカップリング「突風スパークル」に続いてmarbleのサウンドプロデュースになりました。諏訪 ディレクターさんとmarbleさんでコンセプトから練っていただきました。marbleサウンドがありつつも、そこに+冬というテーマで作っていただきました。――かねてからmarbleファンを公言する諏訪さんですが、改めてご自身が感じるmarbleの音楽の魅力はなんだと思いますか?諏訪 やっぱり、温かみですかね。――そこは「記憶ファンタジック」にもよく表れていますよね。レコーディングはいかがでしたか?諏訪 今回はmiccoさんにレコーディングディレクションをしていただいたんですよ。各ブロックごとに歌い方を教えていただいて録っていったんですけど、miccoさんもボーカリストなので、分かりやすく教えていただきました。――ちなみにそのとき作編曲を担当した菊池達也さんもいらっしゃいました?諏訪 もちろんいらっしゃいました。達也さんは私に直接ディレクションするというよりかは、時々miccoさんに囁いていましたね。私はブースにいるので何とおっしゃっているかはわからなかったんですけど(笑)。――miccoさんを通してコミュニケーションをとっていたと(笑)。ちなみにこの曲はリードトラックとしてMVを撮られましたね。お家のなかでグランピングするというか、曲調と同様に温かみのある仕上がりになっていますね。諏訪 そうですね。家の中でクリスマスを存分に楽しんでいる映像になっています。――そこからお次はジャジーなテイストの「DATE-ALAMODE」です。諏訪 この曲だけはコンペではなく、「こういう曲がいいです」って私からオーダーさせていただきました。でもあがってきたものを聴いてみたら、思った以上にジャジーでしたね。――諏訪さんの、こうしたジャジーな楽曲へのアプローチが絶品だなと思いましたが、もともとレコーディング前にボーカルの方向性は練ってくるほうですか?諏訪 まあまあ練ってくるほうかなって思います。なので今回もレコーディングが長引いた曲というのはそこまでなかったかもしれないですね。――そういう意味では各曲の声の当て方などが素晴らしいなと。そこが諏訪さんの音楽の魅力でもあるのかなと。諏訪 いやあ、そうですかねえ……(笑)。――(笑)。さて、後半に入って、アルバムのなかでも異色な、ハードなサウンドが印象的な「ノスタルジック・キネマ」へと進みます。諏訪 今回、アルバム用にコンペで曲を集めたなかでも異色の曲でした。やっぱり冬をテーマにするとダークな曲調ってなかなかないじゃないですか。――そうですね。ちなみにこうしたダークなテイストは得意なほうですか?諏訪 私の曲ってどちらかというとかわいい曲が多いんですけど、個人的にはこうしたダークな曲も自然に入れる気がします。「ノスタルジック・キネマ」も難しい曲ではあると思うのですが、スッと自分に入ってくるメロディというか。自分にとっては難しい曲というよりかはしっくりくる、という曲でした。――そしてアルバム最後の曲は、クリスマステイストも感じさせるモータウンビート調の「Holy holiday」となります。諏訪 数あるクリスマス曲のなかから選ばせていただきました。でもいわゆるよく聴くクリスマスソングではないクリスマスソングなのかなって思います。個人的にも冬の曲のなかで、こういういわゆるクリスマスソングっぽくないものほうが好きなんですよね。なのでレコーディングも歌っていて楽しかったです。――まさにクリスマスシーズンに聴くにはぴったりな一曲になりましたね。諏訪 アルバム全体でも、やっぱり冬と言ってもいろんな冬があるので、クリスマスだけじゃない冬の曲を詰め込むことができた一枚だと思います。このアルバムが発売されてちょうど1ヵ月後がクリスマスなので、「Holy holiday」を含めて1ヵ月たっぷり聴いていただきたいですね。2022年はライブやイベント、リリースと充実したアーティスト活動を――さて、本作の初回限定盤の付属Blu-rayには、「記憶ファンタジック」のMVやメイキングのほかに、特典映像としてmarbleとのスペシャル対談/ミニアコースティックライブが収録されています。諏訪 marbleさんと一緒に演奏するのは今回が初めてです。やっぱりもともと普段聴いているmarbleさんと一緒に歌うというのは不思議な感じでした。――この映像ではmiccoさんがコーラスで参加されていましたが、それによって諏訪さんの高く当てるボーカルの魅力が際立ったテイクだと思います。諏訪 実は、この映像は「記憶ファンタジック」をレコーディングして数日後に収録したんです。マスタリングなどもまだだったので、「記憶ファンタジック」が完成する前に、ある意味ほぼ同時期に撮っていて。なので仕上がりも出来立てほやほやな感じでした。――さて、本作リリース直前には2ndワンマンライブ”Nanaka Suwa 2ndLIVE ~LIVE FANTASIC*~が開催されるなど、リリースにライブと活動されてきた1年でしたが、改めて諏訪さんにとっては2021年はどんな一年でしたか?諏訪 デビューした昨年はあまりいっぱい活動ができなかったというか、やろうと思ってもできないことが多かった年だったので…。その去年から比べたら今年のほうが、予定したリリースイベントなどもできた年だったので…。でもまだ今年も予定しているものが変わっている状況なので、予定していたことが変更や中止にならないような世の中になってほしいです。――そうした世の中が好転していった先、2022年にはどんな一年にしていきたいですか?諏訪 やっぱりライブも年に一回しかしていないので、もうちょっと自分の歌がうたえる機会が増えていってほしいかもです。――これまで各作品でコンセプトを定めた作品をリリースしてきましたが、来年以降の作品作りでやってみたいことは?諏訪 そうですねえ……今はまだなんとも(笑)。でも『Winter Cocktail』が冬をテーマにしたアルバムだったので、ほかの季節の作品も作れたらいいなあって思います。INTERVIEW & TEXT BY 澄川龍一●リリース情報諏訪ななか 2ndミニアルバム『Winter Cocktail』11月24日発売【初回限定盤(CD+Blu-ray)】品番:COZX-1834~5価格:¥6,380(税込)【通常盤(CD+DVD)】品番:COZX-1836~7価格:¥3,300(税込)<CD>1.ふれてみたい作詞・作曲・編曲:鶴﨑輝一2.記憶ファンタジック楽曲提供・サウンドプロデュース:marble作詞:micco 作曲・編曲:菊池達也3.DATE-ALAMODE作詞:藤原優樹 作曲・編曲:松坂康司4.ノスタルジック・キネマ作詞:月丘りあ子 作曲・編曲:松坂康司5.Holy holiday作詞:東乃カノ 作曲・編曲:宮崎京一 清水‘カルロス’宥人6. ふれてみたい(Instrumental)7. 記憶ファンタジック(Instrumental)8. DATE-ALAMODE (Instrumental)9. ノスタルジック・キネマ (Instrumental)10. Holy holiday (Instrumental)<Blu-ray>・「記憶ファンタジック」ミュージックビデオ・特典映像(諏訪ななか×marbleスペシャル対談/ミニアコースティックライブ)<DVD>・「記憶ファンタジック」ミュージックビデオ+メイキング映像関連リンクYouTubeチャンネル「諏訪ななか Music Channel」https://www.youtube.com/channel/UCShfyBCqHBL3mxj561FKwdQ諏訪ななかオフィシャルサイトhttps://columbia.jp/suwananaka/