現代社会と戦う姿を描く作品のメッセージ性を表現する主題歌
――『永遠の831』の脚本を読んだ際にどんな印象をお持ちになりましたか?
カノエラナ 神山監督の作品は『東のエデン』を観ていたのですが、主人公が世界や社会といった見えないものと戦っている印象がありました。人間というものは集団になったとき、良くも悪くも強くなります。『東のエデン』と同様に『永遠の831』でも、どういうふうに能力を使えば世界や国が変わるのかと考えることが、この作品を読み解くうえでのヒントになりました。主人公たちとも年齢が近いので、その意味でも作品に入っていきやすかったです。
atsuko カノエさんがおっしゃったように、舞台やテーマが現代社会とリンクしていて、学生の年代の方は主人公の浅野スズシロウと目線が近いぶん、今の生き辛さをより近く感じられると思います。私はいわゆる氷河期世代で、神山監督のほうに年齢が近いのですが、監督はこうした物語作りを通じて世の中をこんなふうにご覧になっているのだと感じました。そこも含め、すべての人が考えている現代社会に対しての問題をアニメーション作品にしたことがすごいと思いました。