スピラ・スピカから2ndフルアルバム『ナガレボシトレイン』が到着!「燦々デイズ」(TVアニメ『その着せ替え人形は恋をする』OPテーマ)、「サヨナラナミダ」(TVアニメ『戦翼のシグルドリーヴァ』EDテーマ)などのシングル曲に加え、インディーズ時代の楽曲をリメイクした「にゃらんごろん」、シンガーソングライター・大塚紗英の提供曲「なんてね、バカ。」などの新曲を収録。スピラ・スピカの“らしさ”と“挑戦”が詰まった本作について、メンバーの幹葉、寺西裕二、ますだに聞いた。
みんながいたから作れた2ndフルアルバム
――2ndフルアルバム『ナガレボシトレイン』がリリースされました!前作『ポップ・ステップ・ジャンプ!』以降の2年間の軌跡が感じられる、素敵な作品になりましたね。
幹葉 ありがとうございます!前回、「燦々デイズ」のインタビューをしてもらったときはアルバム制作の真っ最中で。怒涛のレコーディングが続いていたのですが、無事リリースできて良かったです!ファンのみんなのもとにアルバムが届いて、どんなふうに感じてもらえるかドキドキですね。
寺西裕二 ソワソワしてますね(笑)。色々と新しいことにも挑戦しているので、曲によっては賛否両論かも?みたいな気持ちもあって。
幹葉 それぞれ好みもあるしね。
――スピスピらしい曲もあるし、新鮮なイメージの曲もあって。
寺西 そうなんですよね。
ますだ 曲調の幅が広がりましたね。今までになかったテイストの曲もあるし、ライブで披露したときにお客さんがどう反応してくれるか楽しみです。
幹葉 うん。新曲のリアクションもそうだし、シングルの「サヨナラナミダ」とかも、アルバムを通して聴くと「これも新しい挑戦だったな」って思ったり。
――この2年間は挑戦の日々だった?
幹葉 そうですね。自分たちの力だけでは作れなかったし、出会った人たちと一緒に、みんなで作り上げたアルバムだなって。
――では、アルバムの新曲について聞かせてください。まずは「夏のキセキ」。思春期のドキドキや切なさがストレートに感じられるアッパーチューンです。
幹葉 青春感、満載ですね!最初は切ない感じで始まって、最後はみんなで一緒に歌えるようなメロディになって、楽しく盛り上がれます!。歌詞は学生時代の部活のことを思い出しながら書きました。試合に勝ったあとのアイスの味だったり、負けたときの悔しさだったり。メンバー全員、そういうこともリアルに体験してるので。学生の方はもちろん、大人のリスナーの方も青春時代を思い出しながら聴いてほしいですね。1曲目の「燦々デイズ」、2曲目の「夏のキセキ」と青春感を高める曲が続きますし。
寺西 アルバムの曲順はまず、3人がそれぞれプレゼンしたんです。ホワイトボードに書き出して、そこから色々話し合って。
幹葉 3人の意見が合っている部分もあれば、まったく違う部分もあり(笑)。最終的にはいい感じにまとまったと思います!
――「ゲットゴーイング」は数多くのヒット曲を手がけているユニット・Jazzin’parkの提供曲。これも新しいトライアルですね。
幹葉 そうですね。すごくいい曲で、私も完成してからたくさん聴いちゃってます。外で聴いていると、楽しくてスキップしたくなっちゃう(笑)。寺くんは走り出したくなるみたいです。
寺西 そうそう(笑)。サウンドに追い風を感じるんですよね。
幹葉 新しいスピスピを感じてもらえる曲だと思います。
寺西 嵐の「光」という名曲を作った方々なんですよ。元々姉が嵐のファンで、小さい頃にコンサートに連れていってもらったこともあって。
幹葉 ラジオ番組で月に1回、生歌を披露しているんですけど、寺くんが「Love so sweet」をやりたいって言い出したこともありました(笑)。
ますだ 「ゲットゴーイング」はこれまでのスピスピにはなかったサウンドなんですよ。ベーシストとしても新しい引き出しが必要だったし、成長できたかなと思います。
幹葉 歌詞はかなり大変でした。寺くんの曲に歌詞を付けるときは好き勝手できるんだけど(笑)、この曲は「どういう感じがいいだろう?」って色々考えて。楽曲のテイスト的にも新しい一歩だなと思いましたし、“次のステージに進む!”という気持ちを込めてますね。
――そして「にゃらんごらん」はインディーズ時代の楽曲「だらんごろん」のリメイク。幹葉さん、ネコになって歌ってますね(笑)。
幹葉 完全にネコですね(笑)。でも、最初はネコをテーマにした歌詞じゃなかったんですよ。もとの「だらんごろん」はファンタジー要素が強い曲だったので、それを現代版にした感じの歌詞を書いたんですけど、レコ―ディング前日に「主人公をネコにしたら面白いんちゃうか?」って。いきなり書き直したから、メンバーもビックリしてました。
寺西 ビックリしました(笑)。最初は「どうなんだろう?」と思ったんだけど、「じゃんけんキング」同様、インパクトのある曲になるかもしれん!って。
幹葉 しかも、リアルなネコの鳴き声も入れてるんですよ。ずっとお世話になっている重永亮介さん、元スタッフの女性、ラジオ番組で仲良くなった林ゆめちゃんの飼ってるネコの鳴き声を送ってもらって(笑)。
寺西 エンジニアさんが苦労してましたね(笑)。
ますだ そうだったね(笑)、最初はビックリされるかもしれないけど、クセになる曲だと思います。
幹葉 「だらんごろん」も人気がある曲だったので、「にゃらんごろん」も楽しんでほしいです!頑張りすぎている人や休み方がわからない人に、これを聴いてちょっとでも気を抜いてもらえたらなって。
――幹葉さんも頑張り過ぎちゃうタイプでは?
幹葉 んー、どうかな?ペース配分が下手で、基本“100パーセント”でやっているので、家に帰った瞬間に寝ちゃったりはします(笑)。
――「サークルフィッシュ」は幹葉さんが「スピスピのライブでサークルモッシュをやってみたい」と思ったのがきっかけだとか。
幹葉 そうなんです!“みんなで楽しいを作る”がスピスピのテーマなんですけど、最近のライブは「じゃんけんキング」や阿波踊り(「イヤヨイヤヨモスキノウチ!」)に頼りすぎている気もして。それもありつつ、別の楽しさも味わってほしいなと思ったときに、「みんなでサークルモッシュしたら面白いんちゃう!?」って(笑)。お客さんがバーッと分かれるヤツもやってみたいです。
――“ウォール・オブ・デス”ですね。オーディエンスとして経験したことはあるんですか?
幹葉 私はないんですよ~。
ますだ 僕はありますね、激しいサウンドも好きなので。
寺西 僕もやったことあります。たしかにスピスピのライブで幹葉が「回れ回れ!」って煽ったら面白いですよね(笑)。
幹葉 ただ、そこまで激しい曲をファンの人たちが好んでくれるか?と言えば、そうじゃない気がして。
――めちゃくちゃ深いじゃないですか!
幹葉 楽しい曲の中に真面目なメッセージを入れるのは、“スピスピあるある”ですね(笑)。まだしばらくはモッシュできない情勢だとは思うので、まずはお客さんに各自その場でクルクル回ってもらおうかなと……。あと、クラップも一緒にやりたくて。重永さんの案なんですけど、お寿司を握るようにクラップしてほしいです。ちょっと音が小さくなりそうだけど(笑)。
親友と作り上げた渾身の“バカ”
――切ないラブソング「なんてね、バカ。」は、シンガーソングライターの大塚紗英さんの作詞・作曲。以前から幹葉さんと交流があるとか。
幹葉 はい! 2019年に「Animelo Summer Live」で共演してから仲良くなって。たまたま家が近くて、よくお茶したり、おしゃべりしてたんですよ。あるときさえチ(大塚紗英)がキーボードを弾き始めて、それに合わせて歌ってるときに「これを曲にしたらどうだろう?」と思ったのが始まりです。そこからさえチに形にしてもらって、ほぼ出来上がった段階でメンバーに聴いてもらったんです。
寺西 “親友”という立ち位置から作ったというのが新鮮だったし、僕らからは見えない幹葉の表情が感じられて。すごくいいなと思いました。
ますだ これも今までのスピスピになかったタイプの曲ですね。女性目線じゃないと出来ない曲だと思います。
幹葉 こういう歌詞は私も書けないですね。冒頭の歌詞(“夜半凪に流るるは火花か星屑か”)もきれいだし、自分からは出てこない表現がたくさんあって。“バカ”が7回出てくるんですけど、曲の流れの中で少しずつ意味が変わって聴こえるんです。最後の“バカ”は渾身の“バカ”なので(笑)、ぜひ聴いてほしいですね。
――アルバムのラストを飾る「春は待っている」は、寺西さんが作曲、幹葉さんが作詞。
寺西 最後のシメ曲を意識して作りました。アルバムのタイトル(『ナガレボシトレイン』)にも繋がるんですけど、銀河鉄道のイメージだったり、車窓から見える無数の星空を思い描きながら。
幹葉 寺くんから「アルバムの最後を飾る曲にしたい」と聞いていたし、“次”を感じられる、希望を見出せるような曲にしたくて。私の中では2ndシングル「小さな勇気」とも繋がっているんです。「小さな勇気」はちょうどメジャーデビューしたときのタイミングだったり、上京したときの気持ちを歌っていて。「春は待っている」の歌詞は、その続きのストーリーを思い浮かべながら書きました。
――この2年の軌跡を思い返して?
幹葉 そうですね。大きな夢を詰め込んで上京したけど、もちろん上手くいくことばかりではなくて。これはコロナ禍のなかで気づいたことでもあるんですけど、上手くいかなかった日々を含めて、今があるんだと思うんですよ。自分たちが完璧じゃなかったからこそ、手伝ってくれる人たち、力を貸してくれる人たちと出会えたわけだし、それは誇りに思っていいんじゃないかなって。
ますだ うん。
幹葉 でも、満足しているわけではなくて。みんなと一緒に進みたいし、もっともっと大きなステージに立ちたいという気持ちも込めてますね、この曲には。
――支えてくれるスタッフ、クリエイターの人たちとの出会いによって、表現の幅も広がってますからね。
幹葉 そうですね。人だけではなくて、アニメ作品との出会いもそう。例えば「ほしのかけら」「サヨナラナミダ」は、TVアニメ『戦翼のシグリドリーヴァ』のために作った曲で。お話をいただけなかったら、心の弱い部分、悲しさをテーマにした歌を作ることはなかったと思うんです。ジュビロ磐田のテーマソングを作らせてもらって、選手の皆さんの姿からもすごく影響を受けたし。「春は待っている」を作ってるとき、色んな人たちの顔を思い出しました。
ますだ 最後に相応しい曲になったと思いますね。
幹葉 うん。盛り上げて終わるのもいいんだけど、この曲を最後に持ってくるのが今の自分たちらしいのかなと。
寺西 “旅は続く”という感じがあるのも気に入っています。
――『ナガレボシトレイン』というタイトルについては?
幹葉 みんなで5個ずつくらい考えたんですけど、寺くんの案が採用されました!
寺西 “みんなで一緒に夢に向かっていこう”というところから“トレイン”が浮かんで。さらにスピスピのイメージだったり、希望を込めたいと思って、“ナガレボシ”が出てきて、2つをガッチャンコしました。
幹葉 キラキラしているし、儚い美しさもあって。このアルバムにピッタリだなって。たくさんの人に聴いてもらいたいし、ライブでもしっかり届けたいですね。今、自主練中です(笑)。
ますだ 新しいテイストの曲もあるから、しっかり準備したいですね。
寺西 「どうやってパフォーマンスしようか」ということも考えてます。そのときに弾いているフレーズとの兼ね合いもあるので。
幹葉 ライブで成長する曲も結構あるんですよ。「君なんか好きにならない」は作ったときは“かわいいラブソング”という感じだったんだけど、ライブではめちゃくちゃ盛り上がるんです。『ナガレボシトレイン』の曲もライブでしっかり育てたいですね!
INTERVIEW & TEXT BY 森 朋之
●リリース情報
2ndフルアルバム
『ナガレボシトレイン』
発売中
【初回生産限定盤(CD+Blu-ray)】
品番:VVCL-2012~4
価格:¥4,950(税込)
【通常盤(CD Only)】
品番:VVCL-2015
価格:¥3,300(税込)
<CD>
1.燦々デイズ(TVアニメ『その着せ替え⼈形は恋をする』OPテーマ)※9th Single
作詞:幹葉 作曲:寺西裕二 編曲:If I
2.夏のキセキ(爽快系目薬ロートZ! CMソング)
作詞:幹葉・重永亮介 作曲・編曲:重永亮介
3.君なんか好きにならない(マンガ『今度は殺されたくないアザラシさん』テーマソング)※Digital Single
作詞:幹葉 作曲:寺西裕二 編曲:If I
4.ゲットゴーイング
作詞:幹葉 作曲:久保田真悟(Jazzin’park)・栗原暁(Jazzin’park) 編曲:Saku
5.ほしのかけら(TVアニメ『戦翼のシグルドリーヴァ』挿入歌)※7th Single
作詞:幹葉・キタニタツヤ 作曲:キタニタツヤ 編曲:If I
6.サヨナラナミダ(TVアニメ『戦翼のシグルドリーヴァ』EDテーマ)※7th Single
作詞:幹葉・Saku 作曲・編曲:Saku
7.にゃらんごろん(インディーズ時代の楽曲「だらんごろん」リメイクバージョン)
作詞:幹葉 作曲:寺西裕二 編曲:If I
8.サークルフィッシュ
作詞:幹葉 作曲・編曲:重永亮介
9.ピラミッド大逆転(TVアニメ『俺だけ入れる隠しダンジョン』OPテーマ)※8th Single
作詞:幹葉 作曲:寺西裕二 編曲:If I
10.なんてね、バカ。
作詞・作曲:大塚紗英 編曲:重永亮介
11.Twinkle -album ver.-(アニメ『ガンダムビルドダイバーズRe:RISE』2nd Season EDテーマ)※6th Single
作詞:幹葉・樹 作曲:渡辺翔 編曲:If I
12.春は待っている
作詞:幹葉 作曲:寺西裕二 編曲:If I
<Blu-ray>
MV
1.スタートダッシュ
2.小さな勇気
3.恋はミラクル
4.イヤヨイヤヨモスキノウチ!
5.リライズ -short ver.-
6.ポップ・ステップ・ジャンプ!
7.Twinkle
8.サヨナラナミダ
9.ほしのかけら
10.ピラミッド大逆転
11.燦々デイズ
※全曲にメンバー3人による録りおろしオーディオコメンタリー(副音声)を収録!
●ライブ情報
スピラ・スピカ Release One-Man Tour 2022 『スピスピと燦々輝こう!~ナガレボシトレインに乗って~』
4月7日(木)神奈川F.A.D YOKOHAMA
4月10日(日)福岡DRUM Be-1
4月16日(土)大阪 BIG CAT
4月17日(日)徳島club GRINDHOUSE
5月7日(土)名古屋Electric Lady Land
5月15日(日)静岡ROXY
5月29日(日)宮城enn 2nd
6月5日(日)東京 Spotify O-EAST
チケット料金:前売¥5,500 (スタンディング・ドリンク代別・税込)
※チケット整理番号付き
※開催時のガイドラインにより席種が変更になる可能性があります。
※4歳以上チケット必要
※ご来場頂く皆様の個人情報をご登録いただきます。
※別途ガイドラインをご覧ください。
関連リンク
スピラ・スピカ 公式サイト
https://spiraspica.com/
スピラ・スピカ 公式Twitter
https://twitter.com/spiraspica
スピラ・スピカ 公式YouTube
https://www.youtube.com/channel/UCcrVKHnn9O3z0Ao6sUPE7nA
TVアニメ『その着せ替え人形は恋をする』公式サイト
https://bisquedoll-anime.com/
みんながいたから作れた2ndフルアルバム
――2ndフルアルバム『ナガレボシトレイン』がリリースされました!前作『ポップ・ステップ・ジャンプ!』以降の2年間の軌跡が感じられる、素敵な作品になりましたね。
幹葉 ありがとうございます!前回、「燦々デイズ」のインタビューをしてもらったときはアルバム制作の真っ最中で。怒涛のレコーディングが続いていたのですが、無事リリースできて良かったです!ファンのみんなのもとにアルバムが届いて、どんなふうに感じてもらえるかドキドキですね。
寺西裕二 ソワソワしてますね(笑)。色々と新しいことにも挑戦しているので、曲によっては賛否両論かも?みたいな気持ちもあって。
幹葉 それぞれ好みもあるしね。
――スピスピらしい曲もあるし、新鮮なイメージの曲もあって。
寺西 そうなんですよね。
ますだ 曲調の幅が広がりましたね。今までになかったテイストの曲もあるし、ライブで披露したときにお客さんがどう反応してくれるか楽しみです。
幹葉 うん。新曲のリアクションもそうだし、シングルの「サヨナラナミダ」とかも、アルバムを通して聴くと「これも新しい挑戦だったな」って思ったり。
色んなことにトライして、それを繰り返しながら出来たアルバムですね。
――この2年間は挑戦の日々だった?
幹葉 そうですね。自分たちの力だけでは作れなかったし、出会った人たちと一緒に、みんなで作り上げたアルバムだなって。
――では、アルバムの新曲について聞かせてください。まずは「夏のキセキ」。思春期のドキドキや切なさがストレートに感じられるアッパーチューンです。
幹葉 青春感、満載ですね!最初は切ない感じで始まって、最後はみんなで一緒に歌えるようなメロディになって、楽しく盛り上がれます!。歌詞は学生時代の部活のことを思い出しながら書きました。試合に勝ったあとのアイスの味だったり、負けたときの悔しさだったり。メンバー全員、そういうこともリアルに体験してるので。学生の方はもちろん、大人のリスナーの方も青春時代を思い出しながら聴いてほしいですね。1曲目の「燦々デイズ」、2曲目の「夏のキセキ」と青春感を高める曲が続きますし。
寺西 アルバムの曲順はまず、3人がそれぞれプレゼンしたんです。ホワイトボードに書き出して、そこから色々話し合って。
幹葉 3人の意見が合っている部分もあれば、まったく違う部分もあり(笑)。最終的にはいい感じにまとまったと思います!
――「ゲットゴーイング」は数多くのヒット曲を手がけているユニット・Jazzin’parkの提供曲。これも新しいトライアルですね。
幹葉 そうですね。すごくいい曲で、私も完成してからたくさん聴いちゃってます。外で聴いていると、楽しくてスキップしたくなっちゃう(笑)。寺くんは走り出したくなるみたいです。
寺西 そうそう(笑)。サウンドに追い風を感じるんですよね。
幹葉 新しいスピスピを感じてもらえる曲だと思います。
Jazzin’parkさんに曲をお願いしたのは、ラジオがきっかけなんです。ここ1、2年はラジオでお喋りをさせてもらうことが増えて。番組を通して色んな曲を聴くなかで、「いいな」と思った曲をJazzin’parkさんが作ってることが多くて、「スピスピに作ってもらったら、どんな化学反応が生まれるだろう?」と思い、お願いさせていただきました。この話をすると、嵐ファンの寺くんがすごく反応してくれて(笑)。
寺西 嵐の「光」という名曲を作った方々なんですよ。元々姉が嵐のファンで、小さい頃にコンサートに連れていってもらったこともあって。
幹葉 ラジオ番組で月に1回、生歌を披露しているんですけど、寺くんが「Love so sweet」をやりたいって言い出したこともありました(笑)。
ますだ 「ゲットゴーイング」はこれまでのスピスピにはなかったサウンドなんですよ。ベーシストとしても新しい引き出しが必要だったし、成長できたかなと思います。
幹葉 歌詞はかなり大変でした。寺くんの曲に歌詞を付けるときは好き勝手できるんだけど(笑)、この曲は「どういう感じがいいだろう?」って色々考えて。楽曲のテイスト的にも新しい一歩だなと思いましたし、“次のステージに進む!”という気持ちを込めてますね。
――そして「にゃらんごらん」はインディーズ時代の楽曲「だらんごろん」のリメイク。幹葉さん、ネコになって歌ってますね(笑)。
幹葉 完全にネコですね(笑)。でも、最初はネコをテーマにした歌詞じゃなかったんですよ。もとの「だらんごろん」はファンタジー要素が強い曲だったので、それを現代版にした感じの歌詞を書いたんですけど、レコ―ディング前日に「主人公をネコにしたら面白いんちゃうか?」って。いきなり書き直したから、メンバーもビックリしてました。
寺西 ビックリしました(笑)。最初は「どうなんだろう?」と思ったんだけど、「じゃんけんキング」同様、インパクトのある曲になるかもしれん!って。
幹葉 しかも、リアルなネコの鳴き声も入れてるんですよ。ずっとお世話になっている重永亮介さん、元スタッフの女性、ラジオ番組で仲良くなった林ゆめちゃんの飼ってるネコの鳴き声を送ってもらって(笑)。
寺西 エンジニアさんが苦労してましたね(笑)。
ますだ そうだったね(笑)、最初はビックリされるかもしれないけど、クセになる曲だと思います。
幹葉 「だらんごろん」も人気がある曲だったので、「にゃらんごろん」も楽しんでほしいです!頑張りすぎている人や休み方がわからない人に、これを聴いてちょっとでも気を抜いてもらえたらなって。
――幹葉さんも頑張り過ぎちゃうタイプでは?
幹葉 んー、どうかな?ペース配分が下手で、基本“100パーセント”でやっているので、家に帰った瞬間に寝ちゃったりはします(笑)。
――「サークルフィッシュ」は幹葉さんが「スピスピのライブでサークルモッシュをやってみたい」と思ったのがきっかけだとか。
幹葉 そうなんです!“みんなで楽しいを作る”がスピスピのテーマなんですけど、最近のライブは「じゃんけんキング」や阿波踊り(「イヤヨイヤヨモスキノウチ!」)に頼りすぎている気もして。それもありつつ、別の楽しさも味わってほしいなと思ったときに、「みんなでサークルモッシュしたら面白いんちゃう!?」って(笑)。お客さんがバーッと分かれるヤツもやってみたいです。
――“ウォール・オブ・デス”ですね。オーディエンスとして経験したことはあるんですか?
幹葉 私はないんですよ~。
ますだ 僕はありますね、激しいサウンドも好きなので。
寺西 僕もやったことあります。たしかにスピスピのライブで幹葉が「回れ回れ!」って煽ったら面白いですよね(笑)。
幹葉 ただ、そこまで激しい曲をファンの人たちが好んでくれるか?と言えば、そうじゃない気がして。
安全で平和にサークルモッシュをやるために考えたのが、“回転寿司”というテーマなんです(笑)。歌詞には“限られた時間のなか、一番美味しいときに見つけてもらいたい”というメッセージも込めてますね。
――めちゃくちゃ深いじゃないですか!
幹葉 楽しい曲の中に真面目なメッセージを入れるのは、“スピスピあるある”ですね(笑)。まだしばらくはモッシュできない情勢だとは思うので、まずはお客さんに各自その場でクルクル回ってもらおうかなと……。あと、クラップも一緒にやりたくて。重永さんの案なんですけど、お寿司を握るようにクラップしてほしいです。ちょっと音が小さくなりそうだけど(笑)。
親友と作り上げた渾身の“バカ”
――切ないラブソング「なんてね、バカ。」は、シンガーソングライターの大塚紗英さんの作詞・作曲。以前から幹葉さんと交流があるとか。
幹葉 はい! 2019年に「Animelo Summer Live」で共演してから仲良くなって。たまたま家が近くて、よくお茶したり、おしゃべりしてたんですよ。あるときさえチ(大塚紗英)がキーボードを弾き始めて、それに合わせて歌ってるときに「これを曲にしたらどうだろう?」と思ったのが始まりです。そこからさえチに形にしてもらって、ほぼ出来上がった段階でメンバーに聴いてもらったんです。
寺西 “親友”という立ち位置から作ったというのが新鮮だったし、僕らからは見えない幹葉の表情が感じられて。すごくいいなと思いました。
ますだ これも今までのスピスピになかったタイプの曲ですね。女性目線じゃないと出来ない曲だと思います。
幹葉 こういう歌詞は私も書けないですね。冒頭の歌詞(“夜半凪に流るるは火花か星屑か”)もきれいだし、自分からは出てこない表現がたくさんあって。“バカ”が7回出てくるんですけど、曲の流れの中で少しずつ意味が変わって聴こえるんです。最後の“バカ”は渾身の“バカ”なので(笑)、ぜひ聴いてほしいですね。
――アルバムのラストを飾る「春は待っている」は、寺西さんが作曲、幹葉さんが作詞。
寺西 最後のシメ曲を意識して作りました。アルバムのタイトル(『ナガレボシトレイン』)にも繋がるんですけど、銀河鉄道のイメージだったり、車窓から見える無数の星空を思い描きながら。
幹葉 寺くんから「アルバムの最後を飾る曲にしたい」と聞いていたし、“次”を感じられる、希望を見出せるような曲にしたくて。私の中では2ndシングル「小さな勇気」とも繋がっているんです。「小さな勇気」はちょうどメジャーデビューしたときのタイミングだったり、上京したときの気持ちを歌っていて。「春は待っている」の歌詞は、その続きのストーリーを思い浮かべながら書きました。
――この2年の軌跡を思い返して?
幹葉 そうですね。大きな夢を詰め込んで上京したけど、もちろん上手くいくことばかりではなくて。これはコロナ禍のなかで気づいたことでもあるんですけど、上手くいかなかった日々を含めて、今があるんだと思うんですよ。自分たちが完璧じゃなかったからこそ、手伝ってくれる人たち、力を貸してくれる人たちと出会えたわけだし、それは誇りに思っていいんじゃないかなって。
ますだ うん。
幹葉 でも、満足しているわけではなくて。みんなと一緒に進みたいし、もっともっと大きなステージに立ちたいという気持ちも込めてますね、この曲には。
――支えてくれるスタッフ、クリエイターの人たちとの出会いによって、表現の幅も広がってますからね。
幹葉 そうですね。人だけではなくて、アニメ作品との出会いもそう。例えば「ほしのかけら」「サヨナラナミダ」は、TVアニメ『戦翼のシグリドリーヴァ』のために作った曲で。お話をいただけなかったら、心の弱い部分、悲しさをテーマにした歌を作ることはなかったと思うんです。ジュビロ磐田のテーマソングを作らせてもらって、選手の皆さんの姿からもすごく影響を受けたし。「春は待っている」を作ってるとき、色んな人たちの顔を思い出しました。
ますだ 最後に相応しい曲になったと思いますね。
幹葉 うん。盛り上げて終わるのもいいんだけど、この曲を最後に持ってくるのが今の自分たちらしいのかなと。
寺西 “旅は続く”という感じがあるのも気に入っています。
――『ナガレボシトレイン』というタイトルについては?
幹葉 みんなで5個ずつくらい考えたんですけど、寺くんの案が採用されました!
寺西 “みんなで一緒に夢に向かっていこう”というところから“トレイン”が浮かんで。さらにスピスピのイメージだったり、希望を込めたいと思って、“ナガレボシ”が出てきて、2つをガッチャンコしました。
幹葉 キラキラしているし、儚い美しさもあって。このアルバムにピッタリだなって。たくさんの人に聴いてもらいたいし、ライブでもしっかり届けたいですね。今、自主練中です(笑)。
ますだ 新しいテイストの曲もあるから、しっかり準備したいですね。
寺西 「どうやってパフォーマンスしようか」ということも考えてます。そのときに弾いているフレーズとの兼ね合いもあるので。
幹葉 ライブで成長する曲も結構あるんですよ。「君なんか好きにならない」は作ったときは“かわいいラブソング”という感じだったんだけど、ライブではめちゃくちゃ盛り上がるんです。『ナガレボシトレイン』の曲もライブでしっかり育てたいですね!
INTERVIEW & TEXT BY 森 朋之
●リリース情報
2ndフルアルバム
『ナガレボシトレイン』
発売中
【初回生産限定盤(CD+Blu-ray)】
品番:VVCL-2012~4
価格:¥4,950(税込)
【通常盤(CD Only)】
品番:VVCL-2015
価格:¥3,300(税込)
<CD>
1.燦々デイズ(TVアニメ『その着せ替え⼈形は恋をする』OPテーマ)※9th Single
作詞:幹葉 作曲:寺西裕二 編曲:If I
2.夏のキセキ(爽快系目薬ロートZ! CMソング)
作詞:幹葉・重永亮介 作曲・編曲:重永亮介
3.君なんか好きにならない(マンガ『今度は殺されたくないアザラシさん』テーマソング)※Digital Single
作詞:幹葉 作曲:寺西裕二 編曲:If I
4.ゲットゴーイング
作詞:幹葉 作曲:久保田真悟(Jazzin’park)・栗原暁(Jazzin’park) 編曲:Saku
5.ほしのかけら(TVアニメ『戦翼のシグルドリーヴァ』挿入歌)※7th Single
作詞:幹葉・キタニタツヤ 作曲:キタニタツヤ 編曲:If I
6.サヨナラナミダ(TVアニメ『戦翼のシグルドリーヴァ』EDテーマ)※7th Single
作詞:幹葉・Saku 作曲・編曲:Saku
7.にゃらんごろん(インディーズ時代の楽曲「だらんごろん」リメイクバージョン)
作詞:幹葉 作曲:寺西裕二 編曲:If I
8.サークルフィッシュ
作詞:幹葉 作曲・編曲:重永亮介
9.ピラミッド大逆転(TVアニメ『俺だけ入れる隠しダンジョン』OPテーマ)※8th Single
作詞:幹葉 作曲:寺西裕二 編曲:If I
10.なんてね、バカ。
作詞・作曲:大塚紗英 編曲:重永亮介
11.Twinkle -album ver.-(アニメ『ガンダムビルドダイバーズRe:RISE』2nd Season EDテーマ)※6th Single
作詞:幹葉・樹 作曲:渡辺翔 編曲:If I
12.春は待っている
作詞:幹葉 作曲:寺西裕二 編曲:If I
<Blu-ray>
MV
1.スタートダッシュ
2.小さな勇気
3.恋はミラクル
4.イヤヨイヤヨモスキノウチ!
5.リライズ -short ver.-
6.ポップ・ステップ・ジャンプ!
7.Twinkle
8.サヨナラナミダ
9.ほしのかけら
10.ピラミッド大逆転
11.燦々デイズ
※全曲にメンバー3人による録りおろしオーディオコメンタリー(副音声)を収録!
●ライブ情報
スピラ・スピカ Release One-Man Tour 2022 『スピスピと燦々輝こう!~ナガレボシトレインに乗って~』
4月7日(木)神奈川F.A.D YOKOHAMA
4月10日(日)福岡DRUM Be-1
4月16日(土)大阪 BIG CAT
4月17日(日)徳島club GRINDHOUSE
5月7日(土)名古屋Electric Lady Land
5月15日(日)静岡ROXY
5月29日(日)宮城enn 2nd
6月5日(日)東京 Spotify O-EAST
チケット料金:前売¥5,500 (スタンディング・ドリンク代別・税込)
※チケット整理番号付き
※開催時のガイドラインにより席種が変更になる可能性があります。
※4歳以上チケット必要
※ご来場頂く皆様の個人情報をご登録いただきます。
※別途ガイドラインをご覧ください。
関連リンク
スピラ・スピカ 公式サイト
https://spiraspica.com/
スピラ・スピカ 公式Twitter
https://twitter.com/spiraspica
スピラ・スピカ 公式YouTube
https://www.youtube.com/channel/UCcrVKHnn9O3z0Ao6sUPE7nA
TVアニメ『その着せ替え人形は恋をする』公式サイト
https://bisquedoll-anime.com/
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