2009年の芸能活動開始以来、アイドルユニットから舞台、アニメ声優などの様々な場で活躍し、「ヒーラーガールズ」として活動しながら2021年には自身で作詞作曲も手がけるシンガーとしてソロデビューを果たした堀内まり菜。一方、『花咲くいろは』『はたらく魔王さま!』『食戟のソーマ』など、数々のアニメ作品で作品イメージを増大するアーティストして信頼とファンを獲得してきたnano.RIPE(きみコ、ササキジュン)。奇しくもメジャーデビューは共に2010年という両者が、2022年に『はたらく魔王さま!!』というステージ上に集い、EDテーマ「水鏡の世界」を生み出した。ストレートすぎるほどに伸びやかな歌声、ビビッドで生に溢れた歌詞、感傷的な世界が繰り広げられるメロディ、そのトライアングルはまごうことなきワン&オンリー。3者が言葉を交わし、それぞれのクリエイティビティを分かち合った。「誰かが書いた曲」ではなく、まり菜ちゃんの曲になるように――まず、nano.RIPEのお二人がどのように「水鏡の世界」を制作していったかを教えていただけますか?最初に思い描いた楽曲イメージやアニメサイドからの要望なども含めて。きみコ お話をいただいたときに、曲の方向性についてお伺いしたら「お任せします」とのことだったので自由に、(1期のエンディングの)「月花」の曲調と、まり菜ちゃんの歌声に合うように、ということを意識しながら書き始めましたね。1期のときも割とそういう感じで、EDテーマの候補として3曲を提出したら、3曲とも作中で使っていただけたんです。なので、作り方はnanoの曲を作るときとまったく一緒で、(ササキ)ジュンからワンコーラスのデモをもらい、2人で話し合って「これで」ということになったら私が歌詞を乗せて。それから、まり菜ちゃん側にも『はたらく魔王さま堀内まり菜!!』側にもOKをいただいたら、膨らませる形でフルコーラスのアレンジに取り掛かる、という流れでした。作編曲についてはどうだった?ササキジュン やっぱり、「月花」からの繋がりを感じられる曲になれば、とはすごく感じていたので、ミドルテンポだけど少し前向きな感じにはしていますね。「月花」が少しハネる感じのある曲だったので、今回も同じように楽しくなれる曲、というところを意識したんです。あとは、まり菜ちゃんのアルバム『ナノ・ストーリー』を聴かせてもらって。堀内まり菜 ありがとうございます!ササキ 世界観が完成していると感じたので、逆にnano.RIPEの色をどう入れていこうかとは考えました。もちろん『ナノ・ストーリー』の世界観を壊さないというのが前提ですが、まり菜ちゃんの世界をどうやって広げようか、という気持ちが強くて、そこがすごく楽しかったです。堀内 この楽曲って歌始まりじゃないですか?最初に聴いたときの印象が今でも忘れられないです。きみコさんの仮歌が力強くて説得力がすごくあって。きみコ あらら。堀内 「アーティストの歌ってこういうことか!」ってすごく感じました。素敵な曲を提供していただいて本当にありがとうございました。ササキ じゃあ皆ハッピーだ。きみコ ホントね。堀内 歌詞を最初に読んだときも、「ココロ」の表記がカタカナになっていることに気づいて。私もカタカナにしているんですよ。――「ココロインク」やカップリング曲の「私たちだけの森」でも「ココロノオト」と。それは偶然なんですよね?堀内 そうなんですよ。だから、すごく入ってきたというか、スッと寄り添ってくれる歌詞だったんですよね。――きみコさんが「ココロ」とカタカナで書く理由は?きみコ なんとなく漢字よりもカタカナのほうが自由というか、文字で見たときに色々な捉え方ができるかと思って、昔からカタカナで書いています。――では、「水鏡の世界」はきみコカラーに溢れた歌詞ということですね。きみコ そうですね。まり菜ちゃんと上手く合って良かったです。堀内 嬉しいです。なので、楽曲提供していただくのは初めてでしたが一気に引き込まれました。歌っていてもすごく馴染んでくるというか、自分の歌としてしっかりメッセージを込めて歌うことができました。きみコ そこは意識したところかもしれない。まり菜ちゃんは自分で詞曲を書ける子なので、提供された楽曲を「誰かが書いた曲」という形にしたくなかったというか。アニメの放送が終わっても自分の大事な曲だと思ってもらえるような曲になれたら、というのは……ね?ササキ うん。きみコ すごくありました。堀内 もう、本当に光栄です。大事に歌います。――堀内さんが歌う曲、という意味ではほかどのような点を意識されましたか?きみコ 作る曲も、歌声も、あとは人となりも、まり菜ちゃんってすごく元気を与える存在で。でも、単にはつらつというよりは透明感があって、ちょっと妖精っぽいというか。――さすが。見抜いていますね。堀内 (笑)。きみコ その辺りを曲にも取り込めたら、という気持ちはすごくありました。でも、歌を聴いたら私の仮歌とは全然違っていて、歌う人が変わるだけでこんなにも透明感が出るものなのかとはすごく感じましたね。――ササキさんから見て、堀内さんはどんなシンガーに見えましたか?ササキ 最初に知ったのはヒーラーガールズだったんですけど、僕も見たときにすごく透明感を感じました。ただ、『きんだーてれび』(テレビ東京系列で放送されていたバラエティ番組)での突き抜けている一面も知り、アルバムも聴かせてもらい、自分の世界を持ちつつもさらに広げていける人だと思ったので、曲は作りやすかったですね。曲でちょっと変わったことをしても受け入れてもらえそうというか。きみコ すべてを自分のものにしてくれそうな。ササキ そうそうそう。堀内 そんな、恐縮です…!――堀内さんはnano.RIPEさんに対してどんな印象を持っていましたか?堀内 自分はアニメソングがずっと大好きだったので、昔の自分に「やったね」って言いたい気持ちはあります。オンラインライブ“virtual anisong power JAM!!!”(2021年3月13日)でnano.RIPEさんとご一緒したときに、初めてライブを拝見させていただいたのですが、伝えたいことを伝える力というか、画面越しでも音楽への愛と勇気が溢れてくるのを感じて衝撃を受けました。当時の私はアーティストデビューまもなくだったので、その姿勢に感銘を受けたというか……。だから今回も、最初は嬉しさもありつつ「今の私に歌えるかな」という不安もあったんです。でも、とにかくnano.RIPEさんのライブでのパワーに近づけるように頑張ろう、とは思っていました。きみコ わ、すごく嬉しい。あの日は粗いライブだった気がするけどね(笑)。堀内 いやいや(笑)。ギターをかき鳴らしてキラキラ歌われている姿が本当にかっこ良かったですきみコ ずっとライブをやっていくなかで、素の自分もすべて持ってステージに上がろうとは思っているんですよね。プライベートとあえて切り離さず。だから、どんな気持ちで歌うかはその日によって違うし、毎回別のライブになるんですけど、作った自分でステージに立たないというところはありますね。ササキ あと、まり菜ちゃんと一緒にやったあのライブは本当は有観客でやりたかったけれど、配信になってしまい。今思うと、自分としては悩んでいる時期に当たっていたんですよね。でも、nano.RIPEのライブでは、そういったものも全部ステージで吐き出す、というところはあるかもしれない。堀内 飾らずに、ありのままのすべてをぶつけるのがモットーというか。きみコ うん。やっぱりバンドだし。ササキ 半分ストレス発散みたいな(笑)。きみコ nano.RIPEの曲も、自分の気持ちを書きなぐったものが多いので、ライブも人間くさいいほうがnano.RIPEらしいという思いはすごくあるかな。堀内 心を打たれるライブというか。「今」の気持ちがすごく伝わってきます。きみコ 悪い影響を与えてなければいいけど(笑)。でも、ぼくらもまり菜ちゃんの1stライブ“ナノ・ストーリー~第一章~”(2022年2月20日)を観に行かせていただいて。堀内 観に来てくださったんですよね!とても心強かったです。きみコ いやいや。あのとき、ステージ上のまり菜ちゃんからもそうなんだけど、お客さん側から「会えた!」っていう気持ちがすごく伝わってきて。すごく幸せな空間だなと思いました。堀内 いえいえ、まだまだヒヨッコです。ササキ ライブが終わったあとも、グッズを買うお客さんが集まっているロビーを縫って出てきたんだけど、聞こえてくるお客さんの声から、本当に皆がまり菜ちゃんのことを応援している気持ちが伝わってきて。でも、僕もきみコも同じ気持ちで本当に応援したいって思ってた。きみコ 「うちの娘が頑張ってる」って。堀内 そう言っていただけて私も本当に嬉しいです!でも、あの日はソロでは初の生ライブということで、オンラインライブとの違いをすごく実感していました。ソロだとお客さんのパワーを直で受け取るので、それこそすべてさらけ出す勢いが必要なんだな、という気持ちになりましたね。ササキ でもぼくらは(サポートメンバー含めて)4人で立っているから。ライブに行く前から思っていたんですけど、1人であんなに堂々と歌えるなんて「すごいなー」って言葉しかない。自分がまり菜ちゃんと同じ年齢で同じ立場に立ったら無理だと思うので。――レコーディングの様子も教えていただけますか?ディレクションもされたのでしょうか?きみコ ディレクションはお任せして、見守り隊として見学させてもらいました。堀内 でも始まる前、歌詞の世界観やイメージをお話しさせていただいて。力強い歌詞だけどイメージとしては朝日くらいの優しい感じで、とか、明るさの温度感とか、そういうことをお聞きしてからレコーディングに臨むことができました。そのときにきみコさんが、「歌詞に何度も出てくる『あの子』という単語にファンへの想いを乗せることが大事」とおっしゃってくださって。それが私にすごく響いたんですよね。だから、独りよがりではなく、アーティストは応援してくれる人への想いを持つことが必要、という気持ちでレコーディングできたんですよ。レコーディング中も、「良いね」ときみコさんが何度も言ってくださって。きみコ 本当にずっと素晴らしかったんですよ。歌も上手ですし、表現力もあると思うんですけど、この曲に関しては素直なまり菜ちゃんがすごく出ていて。言葉1つ1つをしっかりと自分のものにして、1テイク目からちゃんとそこに感情を乗せていましたね。堀内 え、そんなに褒めていただけるなんて……!でも、歌詞に、立場や境遇や生まれが違っていても、今を一緒に生きて寄り添い合えばわかり合える、という温かいメッセージが込められていて。そこは『はたらく魔王さま!!』の世界観ともリンクしているところなんですけど。だからレコーディングでも、たくさんの人に聴いてもらおうとするよりは、しっかりとマイクの奥に相手を感じながら、カフェで話しているくらいの距離感を大事にして歌いました。きみコ 多分、そういうことだと思うんですよね。ライブでは1対何百人という構図にはなりますけど、お客さんにとっては1対1なので。まり菜ちゃんはお客さんがいないブースでもそこをしっかりイメージしながら歌えていたから、私にも届いたってことだと思います。堀内 あと、ササキさんの作ってくれたメロディも、まるで太陽を感じるというか。ササキ 嬉しい。初めて言われました(笑)。堀内 一歩一歩一緒に歩くような、優しく寄り添ってくれる安心感があって素敵でした。――高音域も堀内さんがとても綺麗に歌われていて。きみコ 本当に。想像以上にマッチしたなって思います。一緒にいるだけで分かり合えるということを歌に――レコーディング前に練習を重ねたということですが、どのような練習を?堀内 最初に歌詞だけを口に出して読んでみて、自分の感情と歌詞を結びつけるために落とし込んで。そのあとで今度は逆に、歌詞を歌わずにラララだけでメロディを歌って体に馴染ませる、ということはやりました。「水鏡の世界」と私の想いがしっかりと手を繋ぎたいと思ったので。きみコ 素晴らしい。やったことない、そんなこと。――堀内さんはレコーディング前にやると決めているルーティンはありますか?堀内 バナナを食べるようにしています。小学生や中学生のとき、レコーディング途中にお腹が空きすぎて声が出なくなるという事件があって、それがトラウマになっちゃったので毎回レコーディング前はお腹にしっかり食べ物を入れるようにしています。きみコ そっか。でもお腹いっぱいになりすぎると歌えないからバナナかぁ……(笑)。堀内 そうなんですよ。糖分繋がりでわかめおにぎりとか食べたこともありましたけど、バナナに落ち着きました。きみコさんはライブ前に何かしていることはありますか?きみコ 何もなくて。メンバー3人は何か食べてるんだけど、私は食べちゃうと歌えないからなるべく空かせていますね。だけど、たしかに空きすぎると途中でバテてしまうので、ライブの3時間くらい前に食べます。あとは、あまり気負いすぎないように、出番直前まで何か違うことを考えているかな。それはレコーディング前も同じだね。――レコーディング前もライブ前も、ということは実は緊張するタイプですか?きみコ 小さい頃はあがり症でしたけど、でも、この7、8年くらいは緊張してないです。最近はむしろ、楽しみがすぎると逆に力が入りすぎて暴走しちゃうので、直前ではライブやレコーディングのことを考えないようにしています。楽屋で、nano.RIPEの曲ではない提供楽曲の歌詞を書いて気を紛らわすとか。ステージ上がった瞬間にスイッチが入るくらいがちょうどいいですね。堀内 すごい。スイッチを入れる方法はあるんですか?きみコ みんなの顔を見ると勝手に入っちゃう(笑)。だって、ワンマンライブは味方しかいないから。堀内 あー、そうですよね!…でも私はまだ緊張しちゃいます。体が冷えるともっと緊張するので、ライブ直前に走って体を温めた状態でステージへ出るようにしています。早く、「ライブが楽しみ」状態になりたいですね。きみコ あれだけ堂々とできているから、回数を重ねればすぐにきっと。でも今度は有観客ライブで一緒にやりたいよね。nano.RIPEの演奏で「水鏡の世界」を歌ってもらいたい。ササキ そうだよね。堀内 わー!やりたいです!きみコ そのときは、想像以上に私が直前まで楽屋でスイッチオフのままでいるのを見てもらえる(笑)。堀内 勉強させてもらいます(笑)。――「水鏡の世界」はMVも制作されました。堀内さんにご紹介いただいてもいいですか?堀内 はい。MVは『オズの魔法使い』の世界がテーマで、森に住む私のところに腕を怪我したライオンさんと、胸がドキドキするブリキさんが遊びに来て、初対面だけど一緒にご飯を食べているだけで傷が癒えていく、という内容になっています。小さな幸せというか、何気ない優しさを感じることで心が軽くなるといったメッセージですね。きみコ 映画を観終わったような気持ちになれる作品だよね。ササキ 僕もプレミア公開のときにリアルタイムで観ていたんですけど。堀内 え!?嬉しい!ササキ ちょうどnano.RIPEのファンクラブで配信をしていたので、「この曲のすごいところは……」って解説の実況をしていました。堀内 えーっ!!ササキ MVを流しながらエレキを持って弾いて。きみコ ここが聴きどころだ、みたいなね。堀内 本当ですか!?ササキ そう、うちのお客さんにもまり菜ちゃんのことを薦めたくなったんですよね。放送が始まったら89秒で聴いてもらえるけど、ぜひフル尺でも聴いてもらいたいという想いもずっとあったので。きみコ 特にジュンはDメロ推しだからね。ササキ そうなんですよ。楽曲制作ではいつもきみコと、Dメロをつけるかつけないかという話し合いをするので、大体最後に作る場所なんですけど、だから最初に作ったメロディとは違う気持ちで作れるというか。で、自分で言うのもなんですけど、今回は本当に良いDメロができたと思っているんです。きみコの歌詞も、本当に言いたいことが詰まっているし、自分たちの曲にしたいくらいの気持ちですね。――そこはぜひセルフカバーを。きみコ そうだね。セルフカバーもしたいよね。――ちなみに、撮影の裏話として30代後半のお母さんみたいな気持ちで演技されたとか。きみコ えっ……?堀内 MV撮影のときに監督さんから、この曲が持つ包容力を出すために等身大の私ではなく「“30代後半子持ちのお母さん”を演じましょう」と言われて。なので、リップシンクのところは、母性的な子どもを想う愛情、みたいな表情を出していました。きみコ なるほど。酸いも甘いも経験したあとのまり菜ちゃんの包容力が出てるわけだ。じゃあ、そういう気持ちでもう1回観ますね(笑)。堀内 ありがとうございます(笑)。――カップリング曲の「私たちだけの森」はいつものように、堀内さんが詞曲にも関わっています。こちらも紹介いただけますか?堀内 この曲はまさに、2月の1stライブを終えたあとの想いを歌にしていて、冒頭の“音楽の風が吹いたあとの森”という歌詞はライブを終えたあとに皆でゆるく打ち上げでもしようか、という絆を歌っています。コロナ禍で直接会う時間が少なくなったとき、想いが一方通行になってしまったというか…、顔が見えないぶん、言葉で100%の気持ちを伝えて着いてきてもらおう、みたいに気負いすぎちゃっていた部分があったんですよね。でも生でライブをしたら、笑って聴いてくれるかと思っていた曲で、すごく真剣な顔で聴いてくれていたとか、頑張らなくても一緒に時間を過ごせば分かり合えることがあるんだ、ということを歌にしたいと思って、作った曲です。――きみコさんとササキさんはアルバム『ナノ・ストーリー』も聴かれたということでしたが、堀内さんの作詞曲からどのような印象を持っていますか?きみコ 『ナノ・ストーリー』を聴いたときも思ったんですけど、歌詞が独特ですごく面白いですよね。普通だったらなかなか歌詞には使わないであろう表現があって。――私も女性が“っすね”を歌詞に使っているのを「菜心歌」で初めて見ました。きみコ そうそうそう。この曲でも“やみつきになろう菜♪”とか。でもそれがまり菜ちゃんだと思います。やっぱり、どこかで聞いた言葉の寄せ集めではなく、自分の中から出てくる表現ってすごく素敵ですね。ササキ 『ナノ・ストーリー』の「Welcome to Nanoland」、あれ、すごいですよね。ディズニーランドみたいな曲というか、ああいう曲ってライブの核になる曲だと思うんですけど、狙って作るのってすごく難しいんですよ。ありきたりな感じになることが多くて。でも、まり菜ちゃんは歌詞でもすごく世界観が出ているし。僕もああいう曲を作りたいですね。ササキ ぼくらがライブの1曲目にやってもいい曲だよね。nano繋がりで「Welcom to Nanoland!」って叫びながら。堀内 わー!ぜひぜひ!……あの、きみコさんに聞きたいことがあるんですけど。きみコ わ、何?何?堀内 歌詞ってノートに書いていますか?きみコ 昔は手書きしてたんだけど、今は全部パソコンで(キーボードを打つ真似をして)「カタカタカタ」って。外出しているときはスマホに残しますね。手書きのほうが良いとは思うんですけど。――手書きが良いと思う理由というのは?きみコ たしかMr.Childrenの桜井(和寿)さんも言ってたんですけど、「これは違うな」と思って書き直したとしても、手書きならノートに残るじゃないですか?それって自分が悩んだ「証」なんですよね。ノートに残っていればいつか何かの曲になるかもしれないし。でも最近は便利さを選んでしまっています。――では今はメモも取らないですか?きみコ そうですね、あんまりやらなくなりました。昔は思いついたら、その都度書いていたんですけど。堀内 最初に打ち合わせさせていただいたとき、リモートでの対面だったんですけど、スタッフさんがきみコさんにどれくらいの期間で作詞ができるかを聞いたら、「3時間で」って答えていて。それがすごいかっこ良かったです。きみコ 書くのがすごく好きなんですよね、ご飯食べるよりも好きなので。堀内 食欲よりも!きみコ たまに、書き終わるのが嫌で、最後の1行だけ残してわざとやめてしまうこともあるくらい。ササキ だから僕はすごく助かっています。締切前日くらいまでずっとアレンジの作業をさせてもらって、残り1日できみコに書いてもらう、ということも多いですね。――それだけ速いと、無理なスケジュールをお願いされそうな。きみコ たしかに。でもそれでもいいからたくさん書きたいので。「締切に間に合わない」「どうしよう?」「きみコに頼んどけ!」みたいな急な案件でもほしいので、これからも速いということは言っていこうと思っています(笑)。――では堀内さんも遠慮なくきみコさんにお願いできますね。堀内 いやいや、そんなことは。きみコ 「すみません、明日までに!」とかでも全然大丈夫なので(笑)。もう趣味ですね。堀内 見習いたい……!きみコ いつか一緒に作りたいですね。堀内 ぜひ!その日がくるように頑張ります!――ライブにしろ楽曲制作にしろ次回の夢が広がりますね。ぜひ連絡先を交換して、お互いにイメージを膨らませてください。きみコ あ、ぜひ。堀内 え!いいんですか?きみコ うん、しよう、しよう。INTERVIEW & TEXT BY 清水耕司●リリース情報掘内まり菜1st シングルTVアニメ『はたらく魔王さま!!』EDテーマ「水鏡の世界」7月27日(水)発売【通常盤(CD)】価格:¥1,320(税込)品番:LACM-24296<CD>01. 水鏡の世界作詞:きみコ 作曲・編曲:佐々木 淳02. 私たちだけの森作詞・作曲:堀内まり菜、新津由衣 編曲:石崎 光(cafelon)03. 水鏡の世界 (instrumental)04. 私たちだけの森 (instrumental)nano.RIPE 7th Album「不眠症のネコと夜」10月12日(水)発売【通常盤(CD)】価格:¥3,300(税込)品番:LACA-25018<CD>新曲8曲+既存楽曲5曲 計13曲収録予定・ラストチャプター(TVアニメ『食戟のソーマ 豪ノ皿』OP主題歌)・つぎはぎもよう(TVアニメ『のんのんびより のんすとっぷ』OP主題歌)・ソアー(テレビ『全国高校野球選手権埼玉大会中継』テーマソング)他●作品情報TVアニメ『はたらく魔王さま!!』放送開始中【CAST】魔王サタン/真奥貞夫:逢坂良太勇者エミリア/遊佐恵美:日笠陽子佐々木千穂:東山奈央悪魔大元帥アルシエル/芦屋四郎:小野友樹悪魔大元帥ルシフェル/漆原半蔵:下野紘クレスティア・ベル/鎌月鈴乃:伊藤かな恵アラス・ラムス:木野日菜<ストーリー>異世界エンテ・イスラでは魔王と勇者でありながらも、現代日本・東京にて、相も変わらず額に汗して働く真奥貞夫と遊佐恵美。魔王城の面々や恋する女子高生・千穂たちとともに日本の生活に馴染み、経済の荒波にもまれる日々ーある日、謎の少女の出現で魔王城は大混乱!?まさかの子育てだったり、続々とエンテ・イスラからの来訪者だったりやっぱり働かなくては家計は支えられなかったり…魔王城は六畳一間!フリーター魔王さまが繰り広げる庶民派ファンタジー、波乱のTVアニメ第2幕、始動!!楽曲情報OP:「WITH」 栗林みな実ED:「水鏡の世界」 堀内まり菜ⓒ2021 和ヶ原聡司/KADOKAWA/MAOUSAMA Project関連リンク堀内まり菜公式サイトhttps://horimari.jpLantis公式ページhttp://www.lantis.jp/artist/horiuchimarina/公式Twitterhttps://twitter.com/horimari_429nano.RIPE公式サイトhttp://nanoripe.com/公式Twitterhttps://twitter.com/nanoripe_infoTVアニメ『はたらく魔王さま!!』公式サイトhttps://maousama.jp/