●ライブの熱狂を振り返る、“楽しいノスタルジー”
――最新EP「ノスタルジー」ですが、前作EP「フィクション」からおよそ1年半ぶりのリリースとなりました。
逢田梨香子 去年「フィクション」を出して、そのあと3月に1stライブツアーの大阪公演で千秋楽を迎えてから、結構期間は空きましたね。今年の5月にライブをやるかもという話を聞いて、そこから少しずつ動き出したという感じです。
――今年5月に開催された一夜限りのワンマンLIVE“The night before Nostalgic”ですね。では、ライブの制作があり、そこから「ノスタルジー」の制作に移っていったと。
逢田 そうですね。ただそのうちの1曲「Adolescence」はそのライブで初披露する予定だったので、それはもう少し前からどんな曲にしようという話し合いは、去年末くらいからしていたかもしれないですね。そのときにどんなEPにするかというところから、ライブで披露するならどんな曲にするかとか……ただ、ほかの3曲について動き出したのはもう少しあとでしたね。
――なるほど。ちなみにタイトルにもありますが、ノスタルジーという「過ぎ去った時間を懐かしむ」というのが本作のコンセプトとなっています。このテーマはどこから出てきたんですか?
逢田 これは「Adolescence」をどんな曲にしようかってなったときに、漠然とライブに込めた想いみたいなものを歌いたいと思ったんです。
――ノスタルジックというと過去を思い出す甘酸っぱさが最初にイメージされますが、逢田さんが考えるノスタルジーは“楽しい”。それもライブからノスタルジーを引き出すというのは面白いですね。
逢田 自分も実際に好きなアーティストさんのライブを観に行って楽しかったっていう思い出があって、アーティストとお客さん両方の気持ちを知っているというか……自分でもみんなの気持ちを考えながら、「こんな時間にしたいね、なったらいいな」という想いを込めました。時間が経っても忘れないものにしたいなって。
――まさにライブへの想いが曲になったというか、それだけに歌詞もサウンドもストレートにファンと想いを共有できるものになりましたね。
逢田 王道を狙ったというか、難しいこと回りくどいことをせずにストレートなことをしたいなと思って。楽曲も相談しつつ制作して「これだ!」と思ったものにアレンジが加わって、すごく爽やかな、夏らしさを感じるものになってすごく素敵だなって。
――たしかにそうしたストレートさというのは、逢田さんのきれいな歌い出しから感じられますよね。
逢田 最初のパートは情景などを思い浮かべながら歌いましたね。
――聴いているこちらも情景が浮かぶような序盤ですよね。そしてサビが特に、切なくもなる歌唱が素晴らしくて。
逢田 ありがとうございます!疾走感もあって、夏らしいというか、夏も感じられる楽曲になったと思います。
――そうした夏らしさ、爽やかな印象というのが「ノスタルジー」の特徴でもありますよね。
逢田 全体的なイメージを明るい楽曲、爽やかな楽曲としていますね。これまでダークな楽曲や大人っぽい落ち着いた楽曲が多かったので、今回はまた新しい雰囲気の楽曲にしてみました。前作の「フィクション」がポップさもあるけれど、バラエティ感のある1枚だったので、今回は全体を通してどこかノスタルジックさや夏らしさという点で統一性があるというか。夏の始まりから終わりまでを1曲から4曲目まで感じられるようになっています。
――また「Adolescence」はライブで披露されましたが、ファンの皆さんの反応はいかがでしたか?
逢田 やっぱり新曲をいきなりそこで初披露って、みんなもテンション上がるじゃないですか。
――そして「Adolescence」のMVも素敵な映像になりましたね。舞台も夏ということで……。
逢田 プールで(笑)。
――ちなみに、当日は晴れましたか……?
逢田 晴れました!でもやっぱり、夜くらいになると小雨になって(笑)。
――やはり(笑)。
逢田 予報は雨だったんですけど、持ち堪えてくれました。6月の上旬でしたが暑いくらいでしたね。
――快晴の青空をバックにした逢田さん、という構図が素晴らしいですね。
逢田 全部水色で、色彩もきれいで夏らしくて……思い描いていた夏らしい映像を撮ってくださいました。
短い夏の始まりと終わりを表すEPに
――さて、そのほかの「ノスタルジー」収録曲についてもお伺いします。まずは「天使の記憶」ですが、メロディもアレンジも秀逸ですね。
逢田 オシャレな曲なんですよね。こういうかわいい感じかつお洒落でゆったりした曲って、意外となかったんですよ。本当に良い曲をいただいたなって。
――たしかに歌詞もかわいらしく、甘酸っぱいイメージがあります。
逢田 そうですね。とにかく歌詞がかわいくて、タイトルからしてかわいいので甘々な楽曲なのかなと思うのですが、メロディはどこか大人っぽさがあって、バランスが取れている良い楽曲だなって。
――たしかに逢田さんのボーカルもかわいらしい主人公を演じるのではなく、彼女が大人になって振り返るような感覚というか、それもまた良いバランスですね。
逢田 ありがとうございます。それも含めて今までなかったタイプの曲ですね。
――続いて、市川 淳さんの作編曲となる「シネマ・アンブレラ」です。
逢田 個人的には市川さんの楽曲は特に大好きで、今回もど真ん中のものを作っていただきました。市川さんの楽曲って、何もないメロディを聴いただけで情景やイメージが曲の世界観を通して伝わってきて、どこかドラマチックなんですよね。
――そうした市川さんの作風も、『ノスタルジー』のコンセプトの中では切なくもありキャッチーに感じられますよね。
逢田 そうですね、親しみやすい感じはありますよね。切なさももちろんあるんですけど、聴く人によってもまた捉え方が変わってくるのかなと思います。
――そうした「ノスタルジー」感を捉えた切ない歌詞も良いですね。
逢田 すごく女性らしいなと思いました。曲として、言葉尻など含めて女性の美しさをすごく感じられて。なんというか、しとしと雨音が聴こえてくるような雰囲気がすごく好きで、曲を聴いて雨をテーマに書いていただきたいなと思って……私も雨に親近感があるので(笑)。
――なるほど(笑)。
逢田 作詞は「光と雨」を書いてくださった渡邊亜希子さんで、今回もたまたま雨でという(笑)。
――そして最後の「ノスタルジックに夏めいて」は逢田さんの作詞曲になりますね。
逢田 残りの4曲目はどんな曲にしようかって相談していたんですが、一番最後に決めて最後にレコーディングした曲ですね。
――これまで作詞を担当された楽曲とは、またテイストの異なるポップなサウンドですね。
逢田 私の楽曲の中でもまったくなかったテンション感ですし、普段なら私が歌詞を挑戦させていただくタイプの曲でもないですよね。実は私、明るい曲の歌詞に苦手意識があって……歌詞を書くにあたって引き出しが本当に乏しくて、「難しい!どうしよう?」ってなってしまって。どちらかというと「Lotus」や「ブルーアワー」みたいな曲のほうが馴染みやすかったのですが、この楽曲も市川さんが書いてくださっていて、アレンジが加わってガラッと世界観が広がったというか、楽曲からたくさんイメージをいただいた曲ですね。
――ノスタルジックというテーマの中で、逢田さんが考える夏の情景が思い浮かぶような、素敵な歌詞だと思います。
逢田 嬉しいです、ありがとうございます。心情も織り交ぜているんですけど、どちらかというと写真のように自分が昔見てきた景色や思い出とかをぽんぽんぽんって歌詞に当てはめてみた感じです。
――逢田さんが知る夏の風景が散りばめられているわけですが、それがありきたりなワードではないのがまたいいなと。
逢田 自分にとっての夏というものを入れていって、海とかプールとかそういうわかりやすいものではなく、自分が見てきた夏を思い描きながら書きました。
――それを踏まえて歌詞を見ると、逢田さんにとっての夏は“風”なのかなと。
逢田 そうかもしれないですね。あと、歌詞の主人公も現実に立ち向かっていくような、そういう根性強い女の子を描きたくて。でもどこか冷めているような、毒っけのある主人公を思い浮かべながら、自分の夏に対するイメージを思い出しながら書きました。
――なるほど。
逢田 夏ってすごく短いじゃないですか。そこに対する切なさを感じつつ、夏って毎年来るけど同じ夏は二度とこないっていう、過ぎ去っていく切なさを思い浮かべながら。
――まさに夏やノスタルジーという刹那的な美しさも込められている歌詞ですね。このEPも夏と同じように、4曲であっという間に終わりますし。
逢田 そうですね(笑)。この1曲で、この1枚とノスタルジーな夏の終わりを感じていただきたいと思います。
――さて、本作がリリースされる前後としましては、このインタビューが載る頃には終わっていますが、逢田さんが敬愛するやなぎなぎさんのライブへのゲスト出演がもう間もなくとなっています。
逢田 はい……迫ってきています(笑)。もう今から緊張していて!まだ実感が湧いてないので。
――ライブへのゲスト出演というのも珍しいですよね。
逢田 そうですね。しかもそのお相手が……お相手が、ですよ(笑)。本当にずっと好きで聴いていたアーティストさんなので、自分の気持ちもなんのこっちゃという感じです。まだ信じられないですね。しっかり、ご迷惑をお掛けしないようになぎさんの10周年をお祝いできたらと思います。
――そして『ノスタルジー』発売前の8月8日(月)には、恒例のバースデーイベント「RIKAKO AIDA Birthday Party 2022“Dear ME ”」がありますね。
逢田 はい!今年もやらせていただきます!
――こうしたリリースとイベントが連なるなかでの節目の誕生日というのも何か感じるものがありますか?
逢田 そうですね、結構影響が大きそうな年ですね。まだ全然想像がつかないですけど……どうなんですかね?30代に入って何か変わるのかな?って先に30代を迎えられた先輩方にお話を聞きたいです(笑)。
――人それぞれだと思いますが、節目とはいえそこまで激変することはないかもしれないですね。
逢田 20歳になるときは、当時は大人の一員になってまた責任が増えていくって気がしましたけど。どうなるんでしょう?でも「年取ったな」ってあまり言いたくなくて。まだまだそんなこと言ってられない年齢なので(笑)。
――そうですね。とはいえ、『ノスタルジー』のリリースも含めて、特別な夏になるのかなと。
逢田 そうですね。この夏を経て、また景色が変わっていくんだと思います。でもやっぱり、そのなかで挑戦していく気持ちや、勢いは今後も持っていきたいと思いますね。
INTERVIEW &TEXT BY 澄川龍一
●リリース情報
3rd EP
「ノスタルジー」
8月9日(火)発売
【初回限定盤(CD+DVD)】
価格:¥3,850(税込)
品番:AZZS-127
※32Pスペシャルフォトブック封入、三方背スリーブケース仕様
【通常盤(CD)】
価格:¥1,980(税込)
品番:AZCS-1107
※トレーディングカード ランダム封入(5種類)
全5種の中から1種類がランダムで封入:初回プレス分のみ
<CD>
1. Adolescence
作詞:西田恵美 作曲:秋浦智裕 編曲:湯浅篤
2. 天使の記憶
作詞:田中秀典 作曲:野間康介 編曲:野間康介、永澤和真
3. シネマ・アンブレラ
作詞:渡邊亜希子 作曲・編曲:市川淳
4. ノスタルジックに夏めいて
作詞:逢田梨香子 作曲・編曲:市川淳
<DVD>
「Adolescence」Music Video 他、“ノスタルジー” Behind The Scene と題したメイキング映像も収録
■CDショップ先着予約購入特典
・Us会員:Us限定 アクリルキーホルダー
・タワーレコード:タワーレコード限定 L版ブロマイド
・Amazon:Amazon 限定 L版ブロマイド
・アニメイト:アニメイト限定 缶バッチ(56mm)
※L版ブロマイドと同絵柄になります。/アニメイト限定 L版ブロマイド
・ゲーマーズ:ゲーマーズ限定 缶バッチ(56mm)※L版ブロマイドと同絵柄になります。/ゲーマーズ限定 L版ブロマイド
・セブンネットショッピング:セブンネット限定 缶バッチ(57mm)※L版ブロマイドと同絵柄になります。/セブンネット限定 L版ブロマイド
・DMM 通販 & A!SMART:DMM 通販 & A!SMART 限定 L版ブロマイド
・一般店舗共通特典:オリジナルL版ブロマイド
■注意事項
※ 先着予約特典には数量に限りがございますので、なくなり次第終了となります。
※ 一部のネットショップやCDショップで特典が付かない場合があります。
事前にご予約されるネットショップ/CDショップにてご確認下さい。
●イベント情報
逢田梨香子 3rd EP「ノスタルジー」リリース記念イベント
・特典お渡し会
≪第1回≫
販売:HMV&BOOKS online
開催日:2022年8月20日(土)
①13:00~ ②15:00~
開催場所:都内某所
予約期間:7月13日(水)18:00~7月24日(日)22:00まで
応募方法・詳細はこちら
※7/13(水)18:00以降こちらのページにて受付開始いたします。
≪第2回≫
販売:ゲーマーズ全店(オンラインショップ含む)
開催日:2022年9月11日(日)
①13:00~ ②15:00~
開催場所:AKIHABARAゲーマーズ本店
応募券配布期間
ゲーマーズ店舗:2022年7月12日(火)開店時 ~ 2022年8月21日(日)閉店時まで
ゲーマーズオンラインショップ: 2022年8月14日(日)23:59までのご注文
応募方法・詳細はこちら
≪第3回≫
販売:全国アニメイト(通販含む)
開催日:2022年9月17日(土)
①13:00~ ②15:00~
開催場所:アニメイトアネックス4Fイベントホール(池袋)
応募シリアル配布期間
アニメイト店舗:2022年7月12日(火)開店時 ~ 2022年8月21日(日)閉店時まで
アニメイト通販対象期間:2022年8月14日(日)23:59までのご注文
応募方法・詳細はこちら
●配信情報
「Adolescence」
配信中
配信リンクはこちら
関連リンク
逢田梨香子 オフィシャルサイト
https://rikakoaida.com/
逢田梨香子 公式Twitter
https://twitter.com/Rikako_Aida