9月14日に25枚目のシングル「Masquerade」をリリースしたClariS。TVアニメ『シャドーハウス 2nd Season』のEDテーマとなる表題曲は、2人がタイアップ曲で初めて作詞を行っている。
そして8月には約2年10ヵ月ぶりに念願の有観客コンサートを開催。クララとカレンが大事にしているコンサートを無事成功させて、ClariSは再び全速力で走り始める!

約2年10ヵ月ぶりの有観客コンサート
――このインタビューの時点では8月のコンサート“ClariS HALL CONCERT 2022 ~Twinkle Summer Dreams~”の直前ですが、仕上りはいかがですか?

クララ 本当に久しぶりすぎて……。衣装を着てリハーサルをしたんですけど、すごく緊張が蘇ってきました。今はドキドキしていますが、本番は久しぶりにファンの皆さんに会えるという想いで、私たちもテンションが上がって楽しめるんじゃないかなと思っています。

カレン ライブできていない期間が長すぎて、私たちもどこを良しとしていいのかどん欲になっている部分があるんですけど、今のところは皆さんの前に立ったときに一番いい状態になれるようにギリギリまで頑張ろうと思っています。

――今はFCイベントやライブの前で、久々の東京での長期滞在ですね。

クララ 今年の2月にもTV収録などで2週間くらいいましたが、今回もすごく楽しみな気持ちであっという間に過ぎています。

カレン (地元の)北海道でもクララと一緒にいる時間は長いのですが、家が結構離れているんですよ。こっちにいる間は「どこか行こうか」ってすぐに出かけられて、2人の新しい思い出が増えているので、公私ともに楽しい時間を過ごしています!

ClariSの作詞で表現したダークな世界観
――さて、シングル「Masquerade」のお話を伺いたいと思います。表題曲の「Masquerade」は今までと違うダークな世界観、ワルツ調で耽美な雰囲気も表現されていて、聴きどころが盛りだくさんの楽曲になったと感じました。

クララ 楽曲を受け取ったときに、今までになかった楽曲という印象はあったのですが、随所にClariSらしさを感じながらレコーディングしていったので、スッと入り込めました。今までもバレエの要素が強いダンスもあったので、ワルツにも繋がりを感じられましたね。
今までのClariSの良さにダークさが上乗せされた、新しいClariSの二面性を感じられるような楽曲になっていると思います。

カレン 今回はアニメも楽曲も世界観がはっきりとしたものになっているので、クララも私も入り込みやすかったですね。作詞もさせていただいたんですが、「Masquerade」はゆったりしたワルツで、文字数が限られていたので、そのなかでどうやって届けたいことを詞にしていこうか試行錯誤しました。

――今回、初めてタイアップ曲でClariSが作詞をしていますが、作品との密着度がすごいという印象を受けました。実際に作業はどのように進めていきましたか?

カレン 2人の中で『シャドーハウス』に出てくるキャラクターのバーバラをモチーフにしたいという思いがあったので、「バーバラをどういうふうに見ているか」というのをまずお互いが一度書いて、2人で言葉をピックアップして共有してから作詞を進めていきました。2人で感じ方が違うので、ワードを出し合うのが楽しかったですね。

クララ アニメ自体もかわいらしいシーンもありつつ、裏で色んなものが蠢(うごめ)いている作品なので、その“気持ち悪さ”みたいなものは出せたらいいなと思って、言葉の意味をしっかりと伝えるよりも、少し不気味な組み合わせというのは意識しましたね。

――非日常的なワードやメタファーが散見されますが、特に入れたいと思ったワードは何だったんですか?

カレン “ラビリンス”や“ユートピア”のようなカタカナ語は使いたくて。“シルエット”はバーバラが目標としているクリストファーのことを表していたり、2番の“見せる貌”は“顔”じゃなくこの漢字(貌)を使ったりとか、作品を感じられるワードは絶対に入れたいなと思っていました。あとバーバラは青い薔薇が印象的なので“薔薇”を入れたり。

クララ バーバラは“星つき”というリーダーとなる存在なので、“星”というワードも意識して入れています。

――バーバラがモチーフになったというお話がありましたが、バーバラに対してはどんな印象を持っていますか?

クララ 一見すごく怖いリーダーですが、その裏には悲しい出来事があって、自分を強く保たなければいけなかったんだなというのを強く感じました。
そういう背景を知ってすごく好きになったキャラクターなので、これから報われてほしいなと思いますね。

カレン 私もバーバラが強く虚勢を張らなきゃいけない背景を考えたのですが、きっと誰よりも繊細で、感受性が豊かで、ピュアだったからこそ、決定的な1つの出来事でそれが崩れてしまったんだなって思いました。本来の自分ではないけれど、もう戻れない、でもクリストファーがいた頃の自分でもいたいという葛藤をすごく感じて、私もクララと同様に報われてほしいなっていう気持ちです。

――レコーディングはいかがでしたか?

クララ すごく気持ちを込めた歌詞にはなっていますが、楽曲の印象があまり感情を前に出すよりは淡々と歌うほうがアニメの“不気味さ”を表現できるんじゃないかと思って、落ちサビなどは切ない感情を含んだ表現で、基本的には歌詞を書いたときの感情を抑えて抑えてレコーディングをしました。

カレン 淡々と歌おうというのはクララとも話していたのですが、どうしても感情が前に出てしまうので、私は環境作りから変えていただいて、真っ暗な部屋で歌ったんです。自分たちで歌詞を書いたので、世界観に入り込むことはできても、実際にちゃんと歌うのは難しかったですね。ハッピーエンドでもバッドエンドでもない微妙な終わり方も聴きどころかなと思います。

無機質なダンスは目に注目!
――MVは感情が抜け落ちたような表情や雰囲気のある洋館が印象的でしたが、撮影はどうでしたか?

クララ 洋館はClariSのライブのような煌びやかなイメージでテンションが上がりました!黒に赤の薔薇が入っているという衣装で、きれいな洋館に黒い私たちがいるというのが“気持ち悪さ”を表現していると思いましたね。久しぶりに仮面をつけるシーンがあったのも嬉しくて!

カレン 「Masquerade」は無機質な感じが合うと思ったので、目から伝わる感情をすごく意識して撮影したのですが、ドールのカクカクした動きは魂が抜けたように目に光がない感じを表現できたらなと思っていました。コロナ禍になってから、みんなマスクをしていて目しか見えないじゃないですか。目から伝わる感情に自然と敏感になっていると感じるので、この楽曲では目から伝わるものをしっかり届けることにすごくこだわって撮影しましたね。

――口元だけの芝居もありましたよね。


カレン “妖しく笑って”という指示があって……。

クララ カレンはすっごくノリノリでやってました(笑)。

――ところで1つ気になるのが、MV撮影のときって実際にはドールの糸があったんですか?

カレン 手首のレースのリボンは吊るしてもらってました。「はい、いきますよ~」って(笑)。

クララ 普段操り人形になることがないので、どうしたらいいんだろうってね(笑)。

カレン 実は、そのリボンは「ALIVE」のMVでも一番最後のシーンで使われていて、同じアイテムを使うことで繋がりを持たせているんです!

――なるほど!

クララ なのでMVはそこにも注目して観てほしいです!

小悪魔なClariSはいかが?
――ではカップリングのお話も。「Sweet Holic」はハロウィンをテーマにした曲ですね。

クララ そうなんですよ。すごくかわいらしい楽曲なのですが、ちょっと大人っぽい歌い方を意識しました。

カレン タイトルの「Sweet Holic」は“スイーツ中毒”という意味で、それもClariSらしい響きだなって。人の感情をスイーツで表しているのもすごくかわいいですし、ちょっといたずらな女性をイメージして私たちも歌ったので、きゅんとしながら、ちょっとくすっとなる曲かなって思います。

――長沢知亜紀さんと永野小織さんの楽曲で、歌詞は非常にかわいらしいけれどちょっとひねくれえたところもありますね。


クララ 長沢さんと永野さんが今まで書いてくださった楽曲って、普通のテーマではないじゃないですか。

カレン どんな発想から生まれたんだろう!?って思うような曲が多いですよね(笑)。

クララ その中でもまた新しい境地の楽曲で、いつも私たちがやってきたストーリー性のあるライブのイメージを感じました。セリフも今回はちょっと大人っぽい感じですね。

カレン この曲をモチーフにライブを作ってみたいと思うくらい、かわいくてキャッチーで2人とも大好きな曲なので、この曲を聴いてClaris Holicになってほしいです!

――お、上手い(笑)。

カレン あはは(笑)。

――でもかわいらしい反面、男性にはちょっと怖いかなと思うようなところがあったり。

カレン そういう少しミステリアスな部分に魅かれるというのもこの楽曲のポイントかなと思います。

クララ ささやくように録ったりしたのも、女の子の小悪魔的な部分がありますよね。私は今回のカレンの歌がすごく好きで、かわいいけど大人っぽくて、今までのカレンにはない印象がこの曲では強く感じられると思うんですよ。

カレン あー、隠してた大人な部分が出てた?(笑)。

クララ 出ちゃってたよ!(笑)。
レコーディングを聴いていて、鳥肌が立つくらい。今までもカレンは大人な部分ってありましたけど、それより一歩進んだイメージがあったんですよ。

カレン 今まで私は“元気”や“笑顔”のイメージがあったので、キラキラした要素が強かったと思うんです。でも、今回は楽曲のテーマがいたずら心や小悪魔っていう駆け引き上手な女性をイメージしたんですね。いたずら好きな部分っていうのは自分の中にもあるのかなと思うので、イメージに合った声を引き出して。クララは多分、元々持っているものを出せば、それがすべて楽曲のイメージに合うような声や感情だと思うので……。

クララ ねえねえ、今までの話の流れだと私が小悪魔みたい!(笑)。

カレン そういう意味じゃないけど(笑)。ただ、私のほうに来てくれたと思ったら、サッといなくなったりとか、ちょっとだけ小悪魔的な要素ってクララは持ってると思っていて。ファンの方もそういうところに惹かれてると思うので、今回の楽曲はそういう要素も前面に出た楽曲なのかなと思います!

止まっていた時間がついに動き出した
――そしてもう1曲、丸山真由子さんによる楽曲「It’s showtime!!」。ジャズの要素が強い楽曲ですね。

クララ 意外とありそうでなかった印象の楽曲ですね。
とにかく聴いていて楽しいし、歌っていても楽しいですし、楽曲のイメージ通り、ライブで絶対盛り上がる定番曲になっていくんじゃないかなって思います。

カレン “幕開け”っていう感じで、この曲を聴いたときからライブで歌うのが楽しみで楽しみで仕方なかったです。レコーディングはもちろん2人だったんですけど、これはみんなに届いて初めて完成する楽曲だと思っていて、これから何が始まるんだろうっていうわくわく感があるなって思います。

――まさに、ClariSのコンサートにいざなうための楽曲ですね。

カレン そうなんです。私たちはコンサートで非日常、夢のような世界をお届けできたらなと思っているので、この曲はそんなコンサートの幕開けにぴったりだなと思います。

クララ 2番のサビの“Clap your hands! ”という歌詞も、私たちで皆さんと一緒に何かできないかと考えて。ライブを作り上げていきたいと思える楽曲なので、とにかく早くライブで披露したいっ!(笑)。

カレン 次のコンサートで披露するのが楽しみです!

――今回のシングルはかつてないほど全体としてシンクロしていて、1つの“作品”という印象が強くて。

カレン 1つの“作品”でありながらも、1曲1曲はすごくインパクトがあって、違ったベクトルのキャッチーさがある、聴いていて飽きないシングルなのかなと思います。

クララ それぞれの楽曲にストーリー性もあって、歌詞を読むだけでも楽しんでもらえるような作品で、私たちのストーリー性のあるコンサートを観るくらい、色んな要素が詰まったシングルになっているんじゃないかなと思います。

――それにしても、今年はライブもシングルの2ヵ月連続リリースもあって、本当に目まぐるしいですね。

カレン ずっと前から準備してきたので、やっと皆さんにその気持ちをぶつけられると思うとすごく楽しいですし、嬉しいですし、毎日幸せです!ライブができなかったことで、自分たちが思っていた以上にダメージを受けていたんだなって、再開して改めて気がつきましたね。

クララ 今まで止まっていた期間はもどかしくて、でも何もできなくて、自分の力ではどうにもならない状況で……。でも、この夏一気に動き出したので、この先もずっと走り続けられたらなというのが今の願いです。

――ClariSにとって大事なライブをしなかったことで、ファンを守ったとも言えると思うんです。ライブが再開して、意味があった2年10ヵ月だったと思えるようになるといいですよね。

クララ まだ皆さんは声が出せなかったり、距離を保ったりと、ライブの形は以前と変わっていると思うんです。でも、今までとは違う楽しみ方を見つけてほしいと思いますし、そんな楽しみ方ができるように私たちも考えているので、楽しんでもらえたらいいなという気持ちでいっぱいです。

カレン 「○○してはいけません!」という制約ばかりに目がいってしまいますが、そんななかでも何ができるかをすごく考えて、みんなが楽しめるようなコンサートになっていますので、ぜひ12月のコンサートも期待して来てください!

INTERVIEW BY 冨田明宏 TEXT BY 金子光晴

●リリース情報
ClariS 25th Single
「Masquerade」
9月14日発売

【初回生産限定盤/CD+DVD】

品番:VVCL-2100~01
価格:¥2,090(税込)

【通常盤(CD)】

品番:VVCL-2102
価格:¥1,430(税込)

<CD>
M1. Masquerade
作詞: ClariS  作曲・編曲:末廣健一郎
M2. Sweet Holic
作詞・作曲・編曲:長沢知亜紀、永野小織
M3. It’s showtime!!
作詞・作曲・編曲:丸山真由子
M4. Masquerade -Instrumental-

<DVD>
V1.「Masquerade」 Music Video
V2.「Masquerade」Dance Video
V3.「Masquerade」15秒CM
V4.「Masquerade」30秒メッセージコメント入りCM

【期間生産限定盤/CD+DVD】

品番:VVCL-2103~04
価格:¥1,980(税込)

<CD>
M1. Masquerade
作詞: ClariS  作曲・編曲:末廣健一郎
M2. Sweet Holic
作詞・作曲・編曲:長沢知亜紀、永野小織
M3. It’s showtime!!
作詞・作曲・編曲:丸山真由子
M4. Masquerade -TV MIX-

<DVD>
V1.TVアニメ「シャドーハウス 2nd Season」ノンクレジットエンディングムービー

●ライブ情報
ClariS HALL CONCERT 2022 ~ Let’s Snow Parade ! ~
TOKYO DOME CITY HALL
12月16日(金) 開場 17:30 / 開演 18:30(予定)
12月17日(土) 開場 12:00 / 開演 13:00(予定)
開場 17:00 / 開演 18:00(予定)

チケット料金
全席指定 8,000円(税込)/枚 ※別途ドリンク代 ¥500
※6歳以上チケット必要/未就学児童(6歳未満)入場不可
※1公演につき2枚まで申込可能

詳細はこちら

イナズマロック フェス 2022
2022年9月17日(土)、18日(日)、19日(月・祝)
会場:滋賀県草津市 烏丸半島芝生広場
開場/開演/終演:12:00/13:30/20:00(各日とも予定) ※雨天決行(荒天の場合は中止)

出演アーティスト(50音順)
【9/19(月・祝)】
<LIVE AREA・雷神STAGE>
OCTPATH、ClariS、T.M.Revolution、西川貴教、Novelbright、布袋寅泰、モーニング娘。’22、Little Glee Monster
<FREE AREA・風神STAGE>
OKOJO、CYNHN、Bye-Bye-Handの方程式、ピューロガールズ、豆柴の大群、mistress、moon drop、友希

SACRA MUSIC FES. 2022 -5th Anniversary-
幕張メッセ イベントホール(千葉県千葉市美浜区中瀬2−1)
<DAY1>2022年11月26日(土)15:30開場/16:30開演
<DAY2>2022年11月27日(日)14:00開場/15:00開演

出演:藍井エイル、ASCA、Aimer楠木ともり、ClariS、斉藤朱夏斉藤壮馬、SawanoHiroyuki[nZk]、 三月のパンタシア、スピラ・スピカ、TrySail、halca、FLOW、PENGUIN RESEARCH、 ReoNa(50音順)
オープニングアクト:佐藤ミキ、SennaRin
※楠木ともり、斉藤朱夏、SennaRin(11月26日のみ出演)
※斉藤壮馬、スピラ・スピカ、佐藤ミキ(11月27日のみ出演)
※他、両日共通

●放送情報
フジテレビTWO ドラマ・アニメ 特別番組「ClariS『新章』」

これまでの軌跡を振り返るインタビューと共に、初めて素顔を明かす特別番組
が、CS放送フジテレビTWO ドラマ・アニメにて放送されることが決定!
CS放送フジテレビTWO ドラマ・アニメ
放送日時:9月25日(日)23時~24時
番組はこちら

フジテレビ「オダイバ!!超次元音楽祭 ~有観客ライブ復活SP~」に出演!
<地上波>
オダイバ!!超次元音楽祭 ~有観客ライブ復活SP~
10月2日(日)24:40~25:50 放送
番組公式ホームページはこちら

<CS>
オダイバ!!超次元音楽祭 ~有観客ライブ復活SP~ 90分拡大版
10月15日(土)22:00~23:30 放送
番組公式ホームページはこちら

関連リンク
ClariS 公式サイト
https://www.clarismusic.jp/

ClariS 公式Twitter
https://twitter.com/ClariS_Staff

ClariS 公式YouTubeチャンネル
https://www.youtube.com/channel/UC-zeaPnxZHE3EcTyVl1fTdw

ClariSオフィシャルファンクラブ「ClariS Room」
https://claris-room.com/
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