歌手活動5周年5大企画の第4弾として、3年半ぶりの3rdフルアルバム『Welcome to MY WONDERLAND』を9月28日にリリースした東山奈央。特別な招待状が届いた人にだけ見える魔法の虹。
その虹のふもとにオープンする幻のテーマパーク『レインボーワンダーランド』を舞台に、7曲の新曲は、アトラクションやパレードなどパークにまつわるテーマで制作されている。今回はその新曲を中心に話を聞いた。

自分の成長も確かめられるアニサマのステージ
――“Animelo Summer Live 2022 -Sparkle-”での東山奈央さんのパフォーマンスは素晴らしかったです!今回のアニサマはいかがでしたか?

東山奈央 今までのアニサマの中で、一番自我を保ってパフォーマンスができていた気がします(笑)。これまではいつも真っ白になっていたんですけど、今回は噛み締めながらできたので、少しずつ成長できているんだなと思いました。1年に1度のお祭りだからこそ、その1年間で自分が何をやってきて、どう成長できたのかというのを確かめられるステージのような気もしていて。もちろん、毎年立つことのできるステージではありませんが、ここ何年かはアニメ作品やソロの歌手活動で出演させていただけているので、自分の歩みを感じることができました。

――前半で東山さんのステージが終わったかと思いきや、後半のステージでも突如登場し「de messiah」を歌うという驚きを与える特殊な構成でした。

東山 「de messiah」のようなかっこいい曲を歌いながらダンスする感じも、アニサマではあまりやってこなかったですし、声優歌手の東山奈央は、こういう幅広い感じでやっているんだというのを知ってもらえる機会になったのかなと思います。

――知らない人が見たら、誰だろう?と思ったかもしれないですよね(笑)。

東山 アニサマの齋藤プロデューサーが「名乗らずにMCもせずに歌って去るみたいなミステリアスなステージにしたい」とおっしゃっていたんですけど、ライブが終わったあと、あの英語の曲を歌っていたのは誰だろうってコメントもあったりして、本当に誰だかわからなかった!ということもありましたね(笑)。でも、齋藤さんはツイッターでもすごく褒めてくださって。コロナ復帰直後だったんですけど、「今年もやっぱ東山プロって凄いなぁ!というポテンシャル全開のパフォーマンスを披露してくれちゃうので、お楽しみに」と煽ってくださっていたんです。
私も当日は思い切りパフォーマンスできて良かったです。

――あれだけ踊って、英語詞の曲を完璧に歌っていたので、なんでこんなことまでできるんだろうって震えました。

東山 ありがとうございます(笑)。ステージを終えて裏に戻ったら内田ディレクターが「120点」って言ってくださったのが嬉しかったです。しかも母からもメールが届いていて、たった一言「東山プロだった」と書いてあって、思わず笑っちゃいました。今回の「de messiah」はRAB(リアルアキバボーイズ)さんによる振り付けをベースにしたものでしたけど、今度のツアーでご披露するときは、ワンマンライブ仕様としてまったく違う振り付けに生まれ変わっていると思います。

一番楽しいことをアルバムに。でも次の構想も?
――今回のアルバム『Welcome to MY WONDERLAND』とそのあとのツアーは、歌手活動の5周年5大企画の最後の2つになりますが、歌手活動の5年は声優活動とはまた違うものがありましたか?

東山 歌手としての5年は、これまで声優・東山奈央でお世話になっていた人に、今度は歌手としての自分でお目見えするという感じだったので、第二の人生が始まった感じもありました。ここではアニメ作品ではなく、自分自身のことを話す機会が増えたので、自分のことを話すときに、ちゃんと耳を傾けていただけるような歩みをしていかなければいけないなって、日々を自覚的に生きられるようになった気がします。恐る恐る飛び込んだ世界ではあったけど、すごくいいことがたくさん起きた5年間でした。

――アーティストだと自分自身の表現の場でもありますからね。新しい出会いもたくさんあったと思います。


東山 そうですね! 歌手をしていなかったら出会えなかった人とのご縁、身近なチームスタッフとの縁、それこそRABさんは、ダンスも頑張っていたから出会えた方々でしたし、ファミリーになってくださったバンドメンバーやダンサーの皆さん……。本当に素敵な景色をたくさん共有できるようになって、自分の人生でもこういうことが起きるんだなというくらい、素敵なことの連続です。

――フロントマンとしては、しっかり引っ張っていかなければっていうのもありますしね。

東山 それは本当に思います。関わってくださる皆さんに、私の現場に来るのを楽しみにしてもらえてたらいいなって思います。こういう取材も、ツアーのリハーサルも。私自身は他の現場を見たことがないので、皆さんがどんな雰囲気でやっているのか分からないですけど、私の現場では「おはようございま~す」ってゆるい感じで来て、休憩時間ではきゃっきゃはしゃいで、リハが始まったら集中し、プロの仕事をして楽しく帰る。そんな居心地のいい場所にできたらいいなって。私自身も楽しんで、皆さんといい思い出が作れたらいいなって、いつも思っています。

――今回は楽しそうだったBlu-rayの特典映像「なおぼうGP ~テーマパーク編~」の話からしたいのですが、声優の日笠陽子さんと富士急ハイランドへ行っていました。

東山 ダイジェスト映像だけでも面白いんですけど、本編はもっと面白いんですよ!

――戦慄迷宮らしきところに入っていましたよね?

東山 それだけは勘弁してくれと言っていたんですけどね(笑)。私、絶叫系は苦手なんですけど、あんな絶叫マシンの宝庫の富士急ハイランドさんで、怖くてスリリングなアトラクションにひとつも触れないのはもったいないと思って、ジェットコースターかお化け屋敷のどちらに行くかの究極の選択をしたんです。
耐えられるのは戦慄迷宮かなと思って選んだら、日笠さんもお化け屋敷が苦手な人だったという(笑)。

――相当苦手そうなのは、ダイジェストでも伝わってきました。

東山 これ自分のことだから言っていいかなと思うんですけど、怖がっている人を見るのって面白いですね。映像チェックしながらめちゃめちゃ笑ってしまいました(笑)。でもめちゃめちゃ怖かったですよ!今回、富士急ハイランド全面協力のもとでの撮影だったので、“特別に”お化けを動かさないでもらったんです。でもそれが伝わっていないお化けさんがうっかり脅かしに来ることもあったりして、そこで絶叫みたいな(笑)。耳元で日笠さんの叫び声を聞いていたから、鼓膜がー!ってなっていました。

――すごく見たくなってきました。

東山 ジェットコースター的なアトラクションにも挑戦していて、水も滴るいい女的なことになっているので、お楽しみください。



――本気で映像を作ってくれるのも嬉しいですよね。アルバムというアイテムを手にする喜びにもなるので。

東山 今はサブスクで音楽だけなら聴けますからね。
こうやって形に残るパッケージでゲットしてくださる方に、隅から隅まで楽しんでいただけたらいいなって思います。だからブックレットの写真も、初回限定盤と通常盤で変えていますし、映像も特別なものを楽しんでもらいたいんです。今回、日笠さんがゲストであることを伝えたら、皆さん喜んでくれましたし、楽しいが確約されている先輩と遊園地で遊べるだけでも私にとってもご褒美でした。楽しみまくってる私たちを見て、皆さんも笑顔になってくれたら一番嬉しいです。

――で、なぜ遊園地なのかというと、アルバムのコンセプトがテーマパークだからだと思うのですが、このコンセプトはどうやって浮かんだのですか? 衣装も一番カラフルですよね。

東山 そうなんです!30歳でする格好ではないんですよね(笑)。ツアーパンフレットの撮影で、大きな公園にこの衣装で行ったんですけど、TPOを間違えた人みたいな感じでした。散歩中のおじいちゃま、おばあちゃまに「あら、かわいいわね、孫と同じくらいかしら」って言われて。どうやら18歳くらいに見えたらしいんですけど(笑)、そのくらいポップな衣装に挑戦しちゃいました。でも、それもいい意味でこだわりがなくなったというか。テーマパークというコンセプトを表現したいから着ます!みたいな感じだったんです。20代の頃って、こういう格好したら世間の人はどう思うかな?とか、勘違いしてると思われるかな?みたいなことを考えてしまったりして、挑戦するのが怖かったんですけど、30代になったら、やりたいことをそのときやるのがいいんじゃないかと思えるようになったんですよね。
もうみんな、私のことを分かってくれているでしょうし。

――マインドが変わったんですね。よく30代は楽しいって言う方がいますけど、早速楽しめてそうですね。

東山 そうなんですよ!あと、皆さんがおっしゃっていた通りに、早くもなってます(笑)。

――テーマパークは最高に楽しいコンセプトだと思うんですけど、それは世の中的に暗いムードだからというのもあったのですか?

東山 う~ん……テーマパークがいいと言い始めたのがいつだか覚えていないんですけど、コロナ前くらいから考えていたと記憶しています。最初はパレードというイメージで、次にもしライブをするならばツアーをやりたい、そのツアーはパレードのイメージでやりたいですということを話していたんです。そこからたぶんコロナ禍になっていったと思うんですよね。でも、楽しいものを作りたいという気持ちは、コロナ禍を経て強くなったと思います。楽しいこととか、遠くに赴いて何かをするワクワクが極端に奪われてしまい、ライブからも皆さんの足が遠のいている印象があるんですよ。

――それはたしかに感じます。

東山 私が関わっているエンタメだけではなく、行楽地や観光地もそうですよね。テーマパークのような、みんなが遊び行く場所から、人の足が遠のいてしまっている。
たしかに、エンタメがなくても衣食住はできるけど、人生のハイライトが減ってしまう感じが、私はしているんです。楽しいものにもう一度触れることで、また生活がキラキラしていく。その気持ちを取り戻せたら、もっともっと毎日が楽しくなるんじゃないかと思って、今回、そういうアルバムを作りたいと思いました。

――実際、賑やかで楽しいアルバムになりましたからね。

東山 ここで一番楽しいものを作っちゃったわけだから、この先何をやったらいいんだろうって制作中は思っていたんですけど、実は今またやりたいことが、(スタッフに向かって)浮かんでまーす!(笑)。

ツアーではテーマパークを遊び尽くしてほしい
――今回のアルバムのお話は、新曲を中心に行いたいのですが、どうやって曲を集めたのですか?

東山 コンペであったり、作家さんにオファーをさせていただいたりバラバラでした。でも、ファンタジックでテーマパークサウンドみたいな音色で染め上げたくはなくて、コンセプトアルバムではなくフルアルバムとして、個性豊かな新曲になればいいなと意識しながら、曲を集めていきました。

――コンペでは、当然新たな出会いもありますよね。

東山 今回もすっごく楽しかったです。新曲は(インストを除いて)7曲で、お願いした方はTAKU INOUEさん、川崎里実さん、照井順政さん。あとは私が作詞作曲したオリジナル曲の編曲を堀江晶太さんにお願いしました。そして他にも、Kijibatoさん、森宗秀隆さん、Saquiさん、ユミエダタクミさん、鈴木静那さんといった、素晴らしい方々にも出会えて、充実のアルバム制作になりました。2曲目の「ウェルカム・トゥ・レインボーワンダーランド!」は、Kijibatoさんによる楽曲で、はじめましてだったんですけど、一度聴いただけで引き込まれてしまうキャッチーさがあったんです。私がペンギン好きだということも調べてくださっていて、それも楽曲に組み込んでくださっていたんです。ただ、合いの手の“ペンペン!”は当初やりすぎかな?って思ったりもしたんですけど(笑)。

――叫びたくて仕方なくなりましたよ(笑)。

東山 そう言ってもらえて良かったです(笑)。あとは“ボクはファーストペンギンさ”って、「ファーストペンギン」というワードもあって。最初に海へ飛び込むペンギンのことなんですけど、それに続いてみんなも海に入っていくから、ワクワクする海の世界へみんなをいざなっていくような、まさに私の、楽しいエンタメの世界に来てもらいたいという気持ちにも重なるので、このワードがすごく嬉しかったんです。

――そこは東山さんを象徴しているワードだと思っていました。曲もテーマパークっぽいですね。

東山 “パレード曲”として、キャッチーで、みんなが踊って、ワクワクしたくなるような曲にしたかったんです。レコーディングもすごく楽しかったんですけど、キャラソンではないので、歌の中に出てくるペンギンたちの声の演じ分けは程よく……という感じにしています(笑)。

――「硝子の夜」は、照井順政さんの作詞・作編曲ですが、スティールパンの音が印象的でした。

東山 これまでキャラソンを含め350曲以上歌わせていただいてきましたけど、出会ったことがない楽曲で、すごく難しかったです。5拍子(5/4)の曲で、変拍子も入ってくるので、一度聴いただけでは何が起こっているかわからなかったんです。この曲は“ミラーハウス”をテーマにして作りたいですとだけお伝えしたので、どんな曲になるのかなあ?迷路にまよい込んだような怪しげな曲になるのかな?と思っていたら、私がひたすら歌で迷子になっていただけで(笑)、曲調としては光を感じる、万華鏡のような美しい世界観でした。鏡の感じをどう音色で表現してくださるのかと楽しみにしていたんですけど、そこでスティールパンで始まるんですよね。南国の楽器だから、普段はゴキゲンな曲調で使われる音色ですけど、この曲だとすごく不思議な世界を生み出してくれていてびっくりしました。南国の楽器だから、ゴキゲンな感じで使われる音色ですけど、この曲だとすごく不思議な気持ちになるんですよね。

――東山さんが歌で迷子になっていたというのは面白いですね。

東山 路頭に迷っていましたよ(笑)。でも曲を理解できるようになってからは虜になってしまいました。声優歌手・東山奈央はもちろんですが、いち人間の東山奈央としても、すごく好きな曲ですね。元々Sound HorizonさんやALI PROJECTさんのような複雑な曲が好きだったりするので。照井さんは、ワルキューレでのご縁がありますけど、実はその前から好きで、TVアニメ『宝石の国』のOPテーマ「鏡面の波」が好きだったんです。これはたまたまではあったんですけど、どちらも同じ鏡という題材だったんですよね。

――Brand New Show」と「クラクラ」は、どちらもユミエダタクミさんの作詞曲です。

東山 「Brand New Show」はクラップも入っているので、声を出せないライブでも十分乗ってもらえる曲になっていると思います。やはりテーマパークの魅力として“ショー”は外せないので、ミュージックショーのきらびやかな表現をしていただきました。ブラスアレンジが入ると、ゴージャスでファンキーな感じになりますよね。サックスの方もソロでアドリブをすごく入れていただいて。ピアノとブラス隊は生収録なんですけど、その絡みも良くて、ビックバンドっぽさを味わえる曲になっていると思います。「クラクラ」は“ヴィランズ”をテーマに書いていただいた曲で、ダークで怪しげな曲です。

――1行目の地獄が手招き この世は排他的って歌詞が、もういいですよね。

東山 しかも二行目の終わりが“せーので吐いた息”で、言葉遊びになっているのが素晴らしいんです!“クラクラ”だけでなく、“グラグラグラ”という歌詞もあって、揺らめく感じも出しつつ、そのあとの“煮詰めた愛”にも掛かっているダブルミーニングになっていて、本当に味わい深い歌詞だなと思いました。ユミエダさん、すごいです。

――この曲では、東山さんのはぁの息の入れ方がすごく良くて。

東山 気づいてくださいましたか!最後の息は私が入れたいと言ったところなんです。登場人物は“ヴィランズ”ですけど、歌詞で“煮詰めた愛 本当は欲しかった”と歌っているように、何かに飢えている人なのかな?って。何か光を見い出そうとしている感じがして、この人にも脆さがあると思ったんです。だからこの吐息で、蠱惑(こわく)的な吐息、艶めかしさを感じてくれてもいいし、「私、悪ぶっているけど、本当は孤独なの」みたいな憂いを感じていただいてもいい。それぞれで解釈をしていただけたらと思って入れました。

――続く「Magic hour」という夕暮れ時の曲は、やはり作曲は川崎さんしかいないだろうと?

東山 そうですね!バラードは入れたいという話になって、“観覧車”をテーマにした曲ですが、私のイメージでは、1日の終わりに乗るイメージで、歩き回って疲れたあとに、夕暮れの中で今日1日を思い出している感じなんです。そういう心象風景を川崎里実さんに作っていただきたいなと思いました。私は、川崎さんのバラードの大ファンなので。

――個人的に、「らぶこーる」(中川かのん starring 東山奈央)からの揺るがない信頼があります(笑)。

東山 川崎さん、素敵ですよね!今回オファーさせていただいてから短い期間に4曲もデモを書いてくださって、川崎さん楽曲オンリーのコンペをするというのが斬新で(笑)。どれも素晴らしかったけど、その中でも大好きなこの曲を選びました。

――切なくて、何だか泣けるんですよね。

東山 泣けるし、温かいし、おしゃれでもある。鈴木静那さんが詞を書いてくれているんですけど、子供目線の曲なんです。今回の新曲は登場人物がそれぞれ違っていて、「ウェルカム~」ならばキャスト側の歌だったりするんです。ちょっとずつ目線を変えることで、楽曲にもメッセージ性にもバラエティが出ると思って。なのでこの曲は子供目線の「まだこの楽しい時間を終えたくないな」ってピュアな気持ちも入っているんです。コーラスの入り方や曲調は大人っぽいんですけど、それがかえって良いなと感じていて。ちょっと大人の階段を登っているような感じもするんですよね。

――「サファイア・タウン・トワイライト」は、TAKU INOUEさんのクラブチューンですね。

東山 アイドルマスターシンデレラガールズ』でご縁がありまして。好きだなあと思った楽曲の作家さんを調べていくとTAKU INOUEさんだったということが多かったんです。なので以前からお願いしたいと思っていて、今回、その念願叶ってご一緒させていただきました。TAKU INOUEさんの曲で好きな曲をお伝えして、でも同じような曲を求められても、作家さんとしては同じような曲にはしたくないと思うでしょうし、また新たなるオリジナルな楽曲を作っていただきました。“夜の遊園地”、“アフター6”がテーマなんですけど、まだワクワクしている、ライトアップされたキラキラした幻想的な遊園地の魅力を書いてもらいました。ワクワクを失速させない感じですよね。

――そして新曲の最後が東山奈央さんの「OVER!!」です。ロックチューンというのが意外でした。

東山 自作曲はバラードが多かったので、ロックは挑戦でした。「群青インフィニティ」の続きを作りたいと思っていて、今の自分だから届けられる応援ソングを書いてみました。今の自分であれば、ゼロベースでもロック曲が作れるんじゃないかと思って、作り始めたのがきっかけです。

――それを堀江晶太さんがよりロックにしてくれたわけですね。

東山 はい!ブリブリのベースとドコドコのドラムで(笑)、“ジェットコースター”の疾走感を表現してもらいました。ジェットコースターは歌詞でも意識していて、“生まれたての運命はスピードを上げ”とか、風の表現も入れたりしています。



――歌詞で言うと、強く 優しくあるために 手折られ 気圧され それをまた愛に変えて唄え!は力強くていいなと思いましたし、東山さんもそういう経験があるんだろうなと想像したりもして。

東山 そんなふうに感じてくださったんですね。もちろん人間ですから、そういうこともありますよ。楽しい仕事でもびっくりするような挫折が訪れたりもしますから(笑)。そのあとの“傷だらけでもこの声は まだ誰かを明るく照らせますか”も、みんなを心配させてしまうかな?と思ったんです。でも、自叙伝の歌ではないので、みんなにも重ね合わせて聴いてほしいんです。なので、なおぼう傷だらけなの?なんてことではないですよ(笑)。

――表現ですからね。挫けそうなときに、力をくれるような歌詞だと思います。

東山 でも、ここの歌詞を書いている途中は心配になってB案も書いて、そちらで行こうとしたら、内田ディレクターと堀江さんに絶対に“傷だらけでも~”のA案がいいと、わりと強めに説得され。とくとくと説明を受け、2人がそういうのであればとA案にしました。すごく耳に残る歌詞だからこのままがいいよということで。

――実際に引っかかる歌詞でしたし、B案を見ていないですけど、A案がいいと思います(笑)。

東山 じゃあ良かったです(笑)。明日へ向かって加速して終わる感じにしたかったので、この曲順で良かったかなと思います!

――ちなみに最初と最後のインストを堀江晶太さんに書いてもらったのは、「OVER!!」の繋がりからですか?

東山 そうです。堀江さんほどの方に参加していただいていて、編曲1曲だけでご縁が終わるのはもったいないと。テーマパークが、雨上がりの虹のふもとに現れる幻のレインボーワンダーランドは、ピアノから始まるんですけど、そこできれいな雨を降らせてほしいという抽象的なお願いをしたら、本当に美しいピアノのフレーズにしていただけて、ワクワクした気持ちを高揚させてくれる感じが本当に素敵なオープニングになりました。

――では最後に、ツアーについての意気込みをお願いします。

東山 瞬間完全燃焼って言ったらワルキューレになっちゃいますけど(笑)、今までのライブって、本当に一瞬の花火のために、心を尽くし、時間をかけて練習をする感じだったんです。でも今回は1回のライブでなくツアーで、3回チャンスがあるので、すごく嬉しいです。3年前のツアーでも初日と千秋楽で見違えるほど成長できたので、皆さんに楽しんでいただきつつ、自分自身も知らない自分に出会えるのを楽しみにしています。今回はハードルが高いセットリストなんですけど、これから頑張って、チームのみんなとライブを作っていきたいと思っているので、皆さんにはテーマパークを目一杯楽しんで遊び尽くしていただきたいです。

INTERVIEW & TEXT BY 塚越淳一

●リリース情報
『Welcome to MY WONDERLAND』
9月28日発売

■mora
通常/配信リンクはこちら
ハイレゾ/配信リンクはこちら

【初回限定盤(CD+BD)】

品番:VTZL-214
価格:¥4,950(税込)

【通常盤(CD)】

品番:VTCL-60567  価格:\3,300(税込)

【アニメイト限定セット(CD+BD+なおぼう着ぐるみポーチ)】(3,000セット限定)
品番:VTZL-214+FDMD-361
価格:¥7,700(税込)

⾬上がりの日、特別な招待状が届いた人にだけ見える魔法の虹。
その虹のふもとには”虹がかかっている時間”だけゲートが開く
幻のテーマパーク「レインボーワンダーランド」が存在した。
そのゲートをくぐると…?

<CD>
01.After the Rain -instrumental-
作曲:堀江晶太 編曲:岡村大輔(OD), 藤屋
02.ウェルカム・トゥ・レインボーワンダーランド!
作詞/作編曲:Kijibato
03.Growing(TVアニメ『勇者、辞めます』エンディングテーマ1)
作詞/作編曲:瀬名航
04.冷めない魔法(TVアニメ『異世界食堂2』エンディングテーマ)
作詞/作曲:RIRIKO 編曲:中土智博
05.硝子の夜
作詞/作編曲:照井順政
06.Brand New Show
作詞:ユミエダタクミ 作編曲:森宗秀隆
07.クラクラ
作詞:ユミエダタクミ 作編曲:Saqui
08.de messiah(TVアニメ『勇者、辞めます』エンディングテーマ2)
作詞/作曲:TK 編曲:TK, Giga 英語訳詞:Mes
09.歩いていこう!(TVアニメ『恋する小惑星(アステロイド)』オープニングテーマ)
作詞/作曲:川嶋あい 編曲:伊賀拓郎
10.Magic hour
作詞:鈴木静那 作曲:川崎里実 編曲:家原正樹
11.あの日のことば(TVアニメ『本好きの下剋上 ~司書になるためには手段を選んでいられません~』第3期オープニングテーマ)
作詞:藤原さくら 作曲:SoichiroK / Nozomu.S 編曲:Soulife
12.サファイア・タウン・トワイライト
作詞/作編曲:TAKU INOUE
13.OVER!!
作詞/作曲:東山奈央 編曲:堀江晶太
14.After the Rainbow -instrumental-
作曲:堀江晶太 編曲:岡村大輔(OD), 藤屋

初回限定盤 特典
<Blu-ray>
①「なおぼうGP! ~テーマパーク編~」
なおぼうの成⻑企画(Growing Project)第2弾!
なおぼうこと東⼭奈央が新しい挑戦を経て、まだまだ成⻑していく過程をお届けしていく企画。
第2弾のテーマは《テーマパークを遊び尽くしエンタメ⼒を⾼める!》
今回はスペシャルゲスト⽇笠陽⼦さんとともに富⼠急ハイランドを遊び尽くす!

②MUSIC VIDEO
「歩いていこう!」「off」「グー」「冷めない魔法」「あの日のことば」

レインボーワンダーランド園内マップ

●ライブ情報
東山奈央 5th ANNIVERSARY TOUR「Welcome to MY WONDERLAND」
出演:東山奈央

2022年10月10日(月・祝)刈谷市総合文化センター 大ホール
2022年10月16日(日)フェニーチェ堺
2022年11月3日(木・祝)パシフィコ横浜 国立大ホール

開場・開演時間(全会場共通):開場/178:00 開演/189:00

チケット料金:
一般チケット:¥8,800(税込)
当日券:¥9,300(税込)

関連リンク
東山奈央オフィシャルサイト
http://toyamanao.com

東山奈央 歌手活動5周年特設サイト
http://toyamanao.com/5th/
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