アーティストデビュー10周年にふさわしく、ベストアルバムを含む9ヵ月連続リリースや3年ぶりのワンマンライブなどに加え、アーティストへの楽曲提供も目白押しと、2022年は実に濃密な1年が続いているZAQ。アーティストだけではなく作家としても充実し、存分に実力を発揮しつづけるシンガーソングライターに対して、10th Anniversaryを記念してリスアニ !WEBではインタビュー企画を連載してきたが、ついに最終回を迎える。
INTERVIEW & TEXT BY 清水耕司(セブンデイズウォー)
PHOTOGRAPHY BY 三橋優美子
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「面白い発注がくると燃えますよね」
――2022年はZAQさんにとって10周年イヤーとなりますが、先日、鬼頭明里さん、上坂すみれさん、新田恵海さん、佐咲紗花さん、YURiKAさん、森久保祥太郎さんへの楽曲提供を解禁、アーティスト活動以外でも忙しく活動されていたことを発表されました。
ZAQ しかも、実はまだ発表されていないものもあるんですよ(笑)。
――なかには初めてコンペで勝ち取った曲もありますね。
ZAQ 鬼頭明里さんへの提供曲がそうですね。この連載のインタビューでコンペを通ったことがないと話した翌日に連絡をもらったんですよ。5、6月に作っていて、その前には上坂さんの曲も作っていたんですけど、とにかく自分のリリースとかぶっていたので大変でした
――鬼頭さん以外は指名でしたか?
ZAQ 指名でしたね。森久保さんの曲は、私の誕生日である3月16日に(プロデューサーの)佐藤純之介さんから「ZAQに誕生日プレゼントだよ、森久保さんに1曲書いて」と言われました(笑)。
――男性アーティストに楽曲を書きたいとおっしゃっていましたね。
ZAQ 書きたかったですね。今後も書きたいと思っているし、なんだったら森久保さんは一番書きたい人といっても過言ではないんですよ。お世話にもなったし憧れてもいるので。
――言霊で、また実現するかもしれないですね。楽曲提供した中で、YURiKAさんの名前は意外に感じました。接点はあったのでしょうか?
ZAQ イベントとラジオで一度だけお会いしたことはありました。彼女もずーっとアニソンを追ってきたアニオタで、初めて行ったワンマンがGRANRODEOさんということで、作曲を(GRANRODEOのメンバー、e-ZUKAである)飯塚(昌明)さんにお願いしたんですよね。なので私も、飯塚さんの曲に合う、GRANRODEOのようなかっこいいロックの歌詞を意識しました。でも、実は最初に曲をいただいたとき、飯塚さんが作曲したことも仮歌を歌っていることも一瞬気づかなかったんです(笑)。作曲が誰かを尋ねたら「飯塚さん」と言われて「あぁっ!!」みたいな。たしかにめちゃめちゃ飯塚さんでした。
――では、大ファンの飯塚さんの楽曲に合わせる歌詞、ということで並々ならぬ期待は感じますね。
ZAQ でも、「ここで私なんだ」とはすごく思いました。コロナ禍もあってちゃんとお会いできてはいないので、直接彼女の真意を聞けてはいないんですけど。
――ただ、YURiKAさんサイドが今回望んでいる歌詞はそこではないだろう、と。
ZAQ 栗林さんは、何かをはねのけるにしても「黙れ」とか「くたばれ」とか言わなそうですよね。
――YURiKAさんに対してはどのようなイメージを持たれていましたか?
ZAQ 真面目で芯が強くて。タイアップをもらっても流されることなく何かを掴み取ろうとするハングリー精神はビビッと感じました。
――自身で“ユリパ! YURiKA presents Live party Vol.1 Acoustic Session”を主催するなど、精力的で貪欲ですよね。
ZAQ 自分で動くところが偉いですよね。そういう貪欲で強い部分もあるんですけど、葛藤や迷いも普通の女の子のようにあるように感じました。空気が読めなくないというか、周囲を気にせず唯我独尊で突っ走るというよりは、大人が言うことに対して苦虫噛んで必死に耐えながら乗り越える子のような……。何を言ってるんですかね?私は。1回会っただけなのに(笑)。
――ただ、それだけ歌い手のイメージが明確ならば歌詞も書きやすかったですか?
ZAQ そうですね。この歌詞が彼女の声質に合っているのかは悩みどころでしたけど。良くも悪くもクリアな声なので、私の得意ながなり声や叫びといった汚さを上手く引き出せるか、そこは少し不安でした。
――今お名前が出た佐咲紗花さんは、長い付き合いながら(『だから僕は、Hができない。』OPテーマの)「Reason why XXX」以来の楽曲提供となります。
ZAQ まだZAQがデビュー前だったので、すごく久しぶりですよね。10月アニメの(『不徳のギルド』)OPテーマのカップリング曲ということで、早くから発注はいただいていましたけど、さや姉からは「佐咲紗花の歌ではなくZAQの歌にしていい」と言われたんです。たくさんの曲を歌ってきたから自分のメッセージは歌い尽くしてきたから、って。
――先ほどのYURiKAさんや、「ライブを忘れたオタクに捧げる聖譚曲 feat.内田真礼」で内田真礼さんを想像したようにではなく。
ZAQ なく。ちょっとした短編小説のような歌詞ということでしたね。ただ、「もしかしたら私のことかも」とみんなが思えるような。で、曲はピアノロックにしてほしいということだったので、めちゃめちゃピアノが目立つ曲になっています。アレンジはギタリストの奈良悠樹さんにお願いしました。だから、これはもうZAQがきったシングルですよね。さや姉の(歌声の)レンジに合わせることもまったく考えていないし、作家として書いた曲ではないです。
――YURiKAさんや森久保さんのような初仕事も、佐咲さんや上坂さんのように10年来の付き合いがある方への楽曲提供も10周年にふさわしい出来事ですね。奇妙な偶然というか。
ZAQ そうですね。
――上坂さんへの提供曲はアルバムのリード曲でもあるので、そういったお二人の歴を期待してのオファーだったかと思います。
ZAQ 上坂さんのプロデューサーさんも満を持しての打診だったか思いますし、同期の化学反応みたいなものはひしひしと受け取っていたので、「その期待に応えなきゃ」とは思っていました。
――結果的に、タイプの異なるアーティストに次々と楽曲を提供することになりました。
ZAQ そういう面白い発注のほうが燃えますよね。「いつも通りのZAQさんの色で」とか言われると、「じゃあ4つ打ちかな」「コードはこうかな」と曲がなんとなく想像できてしまうんですけど。でも、斜め上な発注がやリテイクがくるとめっちゃ燃えます。いや、田淵(智也)さんとか天才ですよ。
――DIALOGUE+さんの楽曲でご一緒されていましたね。
ZAQ 決して作家を傷つけないようなリテイクなんですよね。制作がめちゃくちゃクリエイティブに富んでいるので面白くて。
――では、リリースと重なりながらも充実した作家作業でしたね。
ZAQ いやー、えみつん(=新田恵海)の曲がすっごく大変だったんですよ(笑)。
――(笑)。それはどういった点でしょうか?
ZAQ さや姉さんとは真逆というか、レンジですごく苦労したんですよ。えみつんのレンジって平均的な女性の音域と違うというか、普通サビで歌い上げるとしたらだいたい似たような音域になるんですけど、その音域は得意ではないというオーダーがあって。そこのロングトーンが使えない代わり、その上の音域はめちゃめちゃ出せる、みたいな感じでした。
――地声とファルセットの切り替わりのところでしょうか?
ZAQ かもしれないです。いや、ありとあらゆる女性に曲を書いてきましたけど、メロディ作りでこんなに苦戦したのは初めてでした。いつも使っている音域を外しながら、新田さんが得意な音域をたくさん使いたかったので、A・Bメロはこの範囲の音域で完結してサビだけは違う音域、というとんでもない曲になりました。でも、リード曲やほかのアルバム曲を聴いてみたら皆さんはそこまで気にしてなかったですね(笑)。普通の対比で書いていると思います。黒須(克彦)さんの曲もストレートに爽やかな曲でしたし、全然歌えていたし。新田さんとは2ndアルバム『EMUSIC 32 -meets you-』で(「君に咲く愛のうた」の)作詞をしたんですよね。その曲がとんでもなく高い曲だったので、高音域を厚くしたというのはありました。
ベストアルバムではZAQが成長してきた証を見せたい
――9ヵ月連続リリースのラストを飾るのはベストアルバム『ZAQPOT』です。これまでインタビューで聞いてきた楽曲がぎっしりとリリース順に並び、最後に書き下ろしの「狂騒」が入ります。
ZAQ リード曲を最後に持ってくることは最初から決めていました。私はいつも編曲まで手がけているので、楽曲を年代順に並べることでクオリティが上がっていくところを見せたかったんです。これが私の歴史、積み上げてきたものだ、と伝えたかったんですね。
――リード曲「狂騒」はどのようなイメージで作られましたか?
ZAQ とにかくライブがやりたかったんですよ、ワンマンライブが。その想いから作り始めました。だから、声が出せない今に合わせて、クラップが入って体を揺らせるけれどもWoh Wohではない曲になっています。それから、アルバムタイトルがジャックポット(大当たり)からきた『ZAQPOT』ということでカジノっぽい雰囲気の曲になっていて。あとは、ZAQの過去曲でライブの定番である「KURUIZAQ」の姉妹曲に持っていきたかったので、歌詞に“狂い咲く”が入っています。狂い騒ぐのがZAQのライブの楽しみ方、というのも意識しましたね。でも、周りからはめっちゃ『賭ケグルイ』っぽいと言われて。自分でも「たしかに」と思ったので、次にアニメ化されたときの主題歌に使ってもらえるよう、推していきたいと思います(笑)。
――歌詞は、強気のZAQを見せています。
ZAQ 1時間くらいで書けました。こういう、何も飾らない、テーマも決まっている曲、というのはすぐ出てくるんですよ。でもメロディは全然出てこなかったですね。やっぱりシャッフル(ビートの曲)は難しいですね、
――Disc3は、選りすぐりのセルフカバーを集めた1枚になっています。
ZAQ ファンの方からずっと、「早くセルフカバーアルバムを出せ」と言われていて(笑)。でも、タイミングを逃していたんですよね。だから、ベストを出すことになったとき、「入れるならここやろ!」ということで3枚組にして入れました。サブスクでは聴けないということで、CDには買った人だけが聴ける特別感がありますね。
――曲のセレクトの基準は?
ZAQ ZAQが作詞と作曲も手がけたものを選びました。「ヒカリイロの歌」はとにかく評判が良くて。鈴木愛奈さんと一緒に成長していく楽曲と言われているんですよね。で、歌い出しが“始まるよ 私の道”というのもあって1曲目に持ってきました。曲は、ピアノをメインに、ZAQが歌うためのアレンジになっています。アレンジをお願いした伊藤 翼さんはハチャメチャなアレンジが多いんですけど(笑)、今回は良い意味で、コードも構成もわかりやすくてシンプルですね。「トゥッティ!」「JIN」「おかえり」「Playing The World」は原曲のアレンジそのままで歌いました。
――「Playing The World」がセルフカバーディスクの最後を飾ったのはどういった気持ちからですか?
ZAQ 絶対入れたかったし、最後にしたかったんですよね。ZAQが楽曲提供してきたなかで、手ごたえを感じた曲はたくさんあるんですけど、「私にもこんな曲が書けるんだ」というのは初めてでした。オーダーを叶えながら、幸せに満ち溢れているし、明るいのに泣きたくなるような切ない流れもあるし。すべてを含めて私の最高傑作だと思っています。
――セルフカバーする中で一番苦労した曲は?
ZAQ 「Futuristic Player」ですね。いや、もう、過去の自分に対して憎しみを持ちました。サビの真ん中で息を吸うところがまったくなくて、小難しいことをしているわけではないのに歌えないんですよ。『咲-Saki-阿知賀編 episode of side-A』のEDテーマとして橋本みゆきさんが歌われたんですけど、橋本さんからも難しい曲だと言われました。でも当時は「難しいです(笑)」みたいに受け取っていたんですけど、実際に自分で歌ってみたら……反省しましたね。こんなに難しい曲を人に与えていたなんて、「昔の私は本当に思いやりがない!」って。それに比べて2017年以降に作った楽曲の歌いやすさといったら(笑)。
――連載インタビューの初期でもおっしゃっていましたが、我を出しすぎていたため、ということですね。
ZAQ さや姉に提供した「Reason why XXX」もそうなんですけど、デビュー前のZAQは歌い手がライブで歌うことを考えていないし、曲のかっこ良さを優先させているんですよ。他人の感情をまったく汲み取ることができない、本当にクソガキでした。橋本さんはよく歌ってくれたもんだと勝手にジーンとしていましたね。
――そんな「Futuristic Player」ですが、良いところというと?
ZAQ 単純に、メロディが美しくてかっこいいですね。私もこのメロディラインは好きですし、ファンからの人気も高いです。ただ、2011年はまだサウンドのライブラリーが少ない状態でずっと作っていたので、今回はもっとバッキバキのEDMにブラッシュアップしたくて、同じ事務所(=TaWaRa)のRINZOさんにアレンジをお願いしました。私のかわいい子供(=楽曲)がすごいギャルになって帰ってきた、みたいな感じでしたね。
――ちなみに、今回の連載では毎回「ZAQUIZ」を作っていただきました。最後は好きなコードを聞いてみたいと思ったのですが、そういった好みの違いはありますか?
ZAQ ありますね。パッとは浮かばないですけど、弾いてみるとすぐわかると思います。例えば、「JOURNEY」のサビの真ん中のコードはめちゃめちゃ色んなところで使っています。個人的には、クリシェはすごく使っていると思います。それが1拍ずつなのか2泊ずつなのか4拍ずつなのかは曲によって変わりますけれど。「ソラノネ」のサビもそうですし、「ASEED」のサビの後半も半音ずつ下がっていくクリシェを使っています。あとは「VOICE」もかな?
――それらのコードが好きな理由というのは?
ZAQ ドラマチックだから?歌謡曲みたいに。いかにも日本らしいというか。なんか、サビでストレートなコードを使うことに抵抗があるんですよね。「JOURNEY」のコードは好きです。あと、「Philosophy of Dear World」、この曲のコードは全部神がかっていたな。最近はオーギュメントにすごくハマっていますし。ミュージシャンによると、ZAQの曲ってメロディがめちゃめちゃぶつかっているんですって。ディスコードしているというか。「ここにメロディが跳ぶんだ」みたいな……でもなんか成立していて、それがZAQの色になっているみたいですね。9thだったり7thだったり、そういう外し方をしていて、「ASEED」もそういう変な終わり方をしていますね。ただ、カップリング曲やアルバム収録曲ではすごくお洒落なこともしているので、『ZAQPOT』では見えてこないところも結構あると思うので。
――ではその辺りをヒントに、最後の「ZAQUIZ」を解いてもらいましょう。改めてベストアルバムの収録曲を眺めるとOPテーマの多さが際立ちます。この中でEDテーマは『RAIL WARS!』と『薔薇王の葬列』だけで。OPテーマをオーダーされる理由を、自身でどう感じていますか?
ZAQ いや、こんなにタイアップを次々とやれるほど私自身はすごくないと思います、本当に。全部ランティスさんのおかげというか、周りの方が多分上手く言ってくれているんですよ、「この曲もあの曲も書いたZAQです」「天才なんですよ」って。
――でも、そこで満足できる曲を上げられなければ採用されないので。つまりはZAQさんの実力ではないでしょうか?
ZAQ そっか(笑)。でも、なんででしょうね。しかも、どの作品も全部を私が好きなんですよ。やりたくないとは思わないというか、好きじゃない作品をやることになったら曲に出ちゃう気がしますね。自分に合う作品を当ててくださるので、やっぱりすごいのはランティスさんだと思います。
――今後、主題歌を手がけてみたいジャンルはありますか?
ZAQ いつかZAQは、少女マンガのアニメ化作品がやりたいです。CHiCO with HoneyWorksが合いそうな。そういうオファーを待ってます♪
――『アオハライド』とか『プリンシパル』みたいな。たしかにZAQさんの場合、少女マンガ原作でもドロドロした作品のオファーが届きそうです。
ZAQ それは『薔薇王の葬列』で経験したので(笑)。好きですけど。
――よく読んでいた少女マンガというと?
ZAQ 「ライフ」とか好きでしたね。……って、めっちゃドロドロしてる!(笑)。
【連載企画:Last ZAQUIZ!】
Q.7 ZAQが中学生のころにハマってたアメリカ出身のラッパーは次のうちだれでしょう?
Q. 次にあげたコードを、ZAQが好きだと思うコード順に並べてください。
1 . C/D
2 . A△7
3 . F
4 . Eadd9
▼正解は『ZAQ 10th ANNIVERSARY LIVE “ZAQPOT”』ライブレポートで公開!
連載企画第7回:ZAQUIZ!の答えは……
2.Eminem
でした!
●9ヵ月連続リリース情報
ZAQ
『ZAQPOT』
発売中
【初回限定版】
品番:LACA-39894~6
価格:¥4,950(税込)
【通常版】
品番:LACA-9894~5
価格:¥3,850(税込)
<CD>
DISC1 (初回限定盤・通常盤同様)
1.Sparkling Daydream (TVアニメ『中二病でも恋がしたい!』オープニングテーマ)
2.Alteration (TVアニメ『ささみさん@がんばらない』オープニングテーマ)
3.激情論 (TVアニメ『ハイスクールD×D NEW』オープニングテーマ)
4.エキストラレボリューション (TVアニメ『勇者になれなかった俺は しぶしぶ就職を決意しました。』オープニングテーマ)
5.VOICE (TVアニメ『中二病でも恋がしたい!戀』オープニングテーマ)
6.OVERDRIVER (TVアニメ『RAIL WARS!』エンディングテーマ)
7.Seven Doors (TVアニメ『トリニティセブン』オープニング・ソング)
8.Philosophy of Dear World (TVアニメ『純潔のマリア』オープニング主題歌)
9.カタラレズトモ (TVアニメ『コンクリート・レボルティオ~超人幻想~』オープニング主題歌)
10.hopeness (TVアニメ『紅殻のパンドラ』オープニング主題歌)
11.割レル慟哭 (TVアニメ『コンクリート・レボルティオ~超人幻想~THE LAST SONG』オープニング主題歌)
12.Serendipity (TVアニメ『フリップフラッパーズ』オープニング主題歌)
13.Last Proof (『劇場版 トリニティセブン -悠久図書館と錬金術少女-』主題歌)
14.カーストルーム (TVアニメ『ようこそ実力至上主義の教室へ』オープニング主題歌)
15.BRAVER (TVアニメ『食戟のソーマ 餐ノ皿』オープニング主題歌)
DISC2 (初回限定盤・通常盤同様)
1.JOURNEY (『映画 中二病でも恋がしたい! -Take On Me-』オープニング主題歌)
2.ソラノネ (TVアニメ『荒野のコトブキ飛行隊』オープニング主題歌)
3.Against The Abyss (『劇場版 トリニティセブン -天空図書館と真紅の魔王-』主題歌)
4.イノチノアカシ (TVアニメ『ムヒョとロージーの魔法律相談事務所』第2期オープニング
5.月灯 (月曜ドラマ「青きヴァンパイアの悩み」オープニング主題歌)
6.悪夢 (TVアニメ『薔薇王の葬列』エンディングテーマ)
7.ASEED (TVアニメ『ブラック★★ロックシューター DAWN FALL』オープニングテーマ)
8.Dance In The Game (TVアニメ『ようこそ実力主義の教室へ 2nd Season』オープニングテーマ)
9.ZIGZAG
10.ANTHEM
11.QUEEN
12.TENSION ENCHANTER
13.Thanks for all notes
14.狂騒 (新曲)
DISC3 (初回限定盤のみ)
1.ヒカリイロの歌 (TVアニメ『はてな☆イリュージョン』エンディング主題歌)
作詞・作曲: ZAQ 編曲:ZAQ・A-bee
2. トゥッティ! (TVアニメ『響け!ユーフォニアム』エンディング主題歌)
作詞・作曲:ZAQ 編曲:高田 暁
3.Futuristic Player (TVアニメ『咲-Saki-阿知賀編 episode of side-A』エンディング主題歌)
作詞・作曲:ZAQ 編曲:RINZO
4.Howling (大神ミオ提供楽曲)
作詞・作曲・編曲:ZAQ
5.JIN (アプリゲーム『荒野のコトブキ飛行隊 大空のテイクオフガールズ!』チームソング)
作詞・作曲:ZAQ 編曲:日比野裕史
6.おかえり ( TVアニメ『のんのんびよりりぴーと』エンディング主題歌)
作詞・作曲:ZAQ 編曲:松田彬人
7.-Across the line- (劇場版『小鳥遊六花・改~劇場版 中二病でも恋がしたい!~ 』オープニングテーマ歌)
作詞・作曲:ZAQ 編曲:TECHNOBOYS PULCRAFT GREEN-FUND
8.Playing The World (Animelo Summer Live 2017 -THE CARD- テーマソング)
作詞:ZAQ 作曲:ZAQ 編曲:ZAQ・EFFY
■第一弾
「ZIGZAG」
作詞・作曲・編曲:ZAQ
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■第二弾
TVアニメ『薔薇王の葬列』第1クールエンディングテーマ
21st シングル
「悪夢」
発売中
品番:LACM-24243
価格:¥1,320(税込)
<収録曲>
M1「悪夢」
作詞・作曲:ZAQ 編曲:石川智久
M2「耺」
作詞・作曲・編曲:ZAQ
各インストも収録の計4 曲収録
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■第三弾
「ANTHEM」
作詞・作曲:ZAQ 編曲:ZAQ・RINZO
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■第四弾
TVアニメ『ブラック★★ロックシューター DAWN FALL』オープニングテーマ
22nd シングル
「ASEED」
発売中
品番:LACM-24239
価格:¥1,320(税込)
<収録曲>
M1. ASEED
作詞・作曲・編曲:ZAQ
M2. Coward
作詞・作曲・編曲:ZAQ
各インストも収録の計4 曲収録
■第五弾
「QUEEN」
作詞・作曲:ZAQ 編曲:TeddyLoid
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第六弾
「TENSION ENCHANTER」
作詞・作曲・編曲:ZAQ
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第七弾シングル
TVアニメ『ようこそ実力至上主義の教室へ 2nd Season』オープニングテーマ
「Dance In The Game」
発売中
品番LACM-24278
価格:¥1,320(税込)
<収録曲>
1.Dance In The Game
作詞・作曲・編曲:ZAQ
2.ライブを忘れたオタクに捧げる聖譚曲(オラトリオ) feat.内田真礼
作詞・作曲・編曲:ZAQ
3.Dance In The Game(Off Vocal)
4.ライブを忘れたオタクに捧げる聖譚曲(オラトリオ) feat.内田真礼(Off Vocal)
第八弾シングル
「Thanks for all notes」
作詞・作曲・編曲:ZAQ
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関連リンク
ZAQ Official Site
http://www.zaqzaqzaq.jp/
ZAQ Official Twitter
https://twitter.com/ZAQinfo
ZAQ Official YouTube Channel
https://www.youtube.com/channel/UCPsYjwzsmN8g2GEqaSei1-A?app=desktop
ZAQ Official TikTok
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稀代の才能を輝かせるZAQの魅力を最後まで追っていく。
INTERVIEW & TEXT BY 清水耕司(セブンデイズウォー)
PHOTOGRAPHY BY 三橋優美子
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「面白い発注がくると燃えますよね」
――2022年はZAQさんにとって10周年イヤーとなりますが、先日、鬼頭明里さん、上坂すみれさん、新田恵海さん、佐咲紗花さん、YURiKAさん、森久保祥太郎さんへの楽曲提供を解禁、アーティスト活動以外でも忙しく活動されていたことを発表されました。
ZAQ しかも、実はまだ発表されていないものもあるんですよ(笑)。
――なかには初めてコンペで勝ち取った曲もありますね。
ZAQ 鬼頭明里さんへの提供曲がそうですね。この連載のインタビューでコンペを通ったことがないと話した翌日に連絡をもらったんですよ。5、6月に作っていて、その前には上坂さんの曲も作っていたんですけど、とにかく自分のリリースとかぶっていたので大変でした
――鬼頭さん以外は指名でしたか?
ZAQ 指名でしたね。森久保さんの曲は、私の誕生日である3月16日に(プロデューサーの)佐藤純之介さんから「ZAQに誕生日プレゼントだよ、森久保さんに1曲書いて」と言われました(笑)。
――男性アーティストに楽曲を書きたいとおっしゃっていましたね。
ZAQ 書きたかったですね。今後も書きたいと思っているし、なんだったら森久保さんは一番書きたい人といっても過言ではないんですよ。お世話にもなったし憧れてもいるので。
今回は森久保さんが歌詞を書かれていて、これまでに寺島拓篤さんと小野賢章さんに歌詞を提供したことはあるんですけど、男性アーティストに作詞・作曲どちらも提供、というのは一度もないので、いつかやってみたいですね。
――言霊で、また実現するかもしれないですね。楽曲提供した中で、YURiKAさんの名前は意外に感じました。接点はあったのでしょうか?
ZAQ イベントとラジオで一度だけお会いしたことはありました。彼女もずーっとアニソンを追ってきたアニオタで、初めて行ったワンマンがGRANRODEOさんということで、作曲を(GRANRODEOのメンバー、e-ZUKAである)飯塚(昌明)さんにお願いしたんですよね。なので私も、飯塚さんの曲に合う、GRANRODEOのようなかっこいいロックの歌詞を意識しました。でも、実は最初に曲をいただいたとき、飯塚さんが作曲したことも仮歌を歌っていることも一瞬気づかなかったんです(笑)。作曲が誰かを尋ねたら「飯塚さん」と言われて「あぁっ!!」みたいな。たしかにめちゃめちゃ飯塚さんでした。
――では、大ファンの飯塚さんの楽曲に合わせる歌詞、ということで並々ならぬ期待は感じますね。
ZAQ でも、「ここで私なんだ」とはすごく思いました。コロナ禍もあってちゃんとお会いできてはいないので、直接彼女の真意を聞けてはいないんですけど。
だって作曲が飯塚さんなら歌詞は栗林(みな実)さんに書いてほしいと思うじゃないですか?飯塚さんとZAQのタッグなんてもちろん初めてですし。多分、歌詞のテーマ性だとは思いますけど。事務所を通じてお伺いしたのは、「リリースがストップしていた2年間の苦難にも心折れずに立ち向かってきた彼女の心情に寄り添う歌詞」みたいなお話だったんですよね。栗林さんが書かれる歌詞は女神のようにすごく慈愛に満ちていて、自然体ですよね。「wonderful worker」という曲で栗林さんが、“働くあなたって輝いてる キラキラしているの”という歌詞を書かれていて。なんて慈愛に満ち溢れながらも身近な、隣でお母さんが言ってくれるような歌詞なんだろう、と思いましたね。素の優しさが出ているというか、「……好き」ってなりました。普通、歌詞って気合いを入れて書くじゃないですか?誰かの希望になりたいとか背中を押す曲を書いてやるとか、「私についてこい」みたいなカリスマな曲にするとか。私が好きなアーティストであるカノエラナさんの歌詞にも同じことを感じるんですけど、すぐに作った感がめっちゃ素敵なんですよね。カノエラナさんにも「ダイエットのうた」とかあって、すごいと思いました。
――ただ、YURiKAさんサイドが今回望んでいる歌詞はそこではないだろう、と。
ZAQ 栗林さんは、何かをはねのけるにしても「黙れ」とか「くたばれ」とか言わなそうですよね。
でも私なら言えるというか(笑)、そのテーマ性を求められているのかと思いました。
――YURiKAさんに対してはどのようなイメージを持たれていましたか?
ZAQ 真面目で芯が強くて。タイアップをもらっても流されることなく何かを掴み取ろうとするハングリー精神はビビッと感じました。
――自身で“ユリパ! YURiKA presents Live party Vol.1 Acoustic Session”を主催するなど、精力的で貪欲ですよね。
ZAQ 自分で動くところが偉いですよね。そういう貪欲で強い部分もあるんですけど、葛藤や迷いも普通の女の子のようにあるように感じました。空気が読めなくないというか、周囲を気にせず唯我独尊で突っ走るというよりは、大人が言うことに対して苦虫噛んで必死に耐えながら乗り越える子のような……。何を言ってるんですかね?私は。1回会っただけなのに(笑)。
――ただ、それだけ歌い手のイメージが明確ならば歌詞も書きやすかったですか?
ZAQ そうですね。この歌詞が彼女の声質に合っているのかは悩みどころでしたけど。良くも悪くもクリアな声なので、私の得意ながなり声や叫びといった汚さを上手く引き出せるか、そこは少し不安でした。
でも、YURiKAさんのレコーディングの翌日、歌を録っていたエンジニアさんと一緒になったんですよ。私はさや姉(=佐咲紗花)の歌録りだったんですけど。そのとき、ラップ部分をすごく大変そうにしていて……仮歌を聴いてZAQの歌に寄せようと必死だったと聞きました。そう、ラップを入れちゃったんですよね……。だって飯塚さんの仮歌から入ってたんだもん(笑)。でも、彼女の歌を聴いたらめちゃくちゃかっこ良く歌ってくれていましたよ。歌いこなしていけばライブでも映える曲になるんじゃないかと思っています。
――今お名前が出た佐咲紗花さんは、長い付き合いながら(『だから僕は、Hができない。』OPテーマの)「Reason why XXX」以来の楽曲提供となります。
ZAQ まだZAQがデビュー前だったので、すごく久しぶりですよね。10月アニメの(『不徳のギルド』)OPテーマのカップリング曲ということで、早くから発注はいただいていましたけど、さや姉からは「佐咲紗花の歌ではなくZAQの歌にしていい」と言われたんです。たくさんの曲を歌ってきたから自分のメッセージは歌い尽くしてきたから、って。
ZAQはキャラクターやアーティストに寄り添って、お客さんが望む姿をすごく想像しながら書いていると思うけれども、そうではなく誰の目線でもない曲を、とお願いされたんですよ。
――先ほどのYURiKAさんや、「ライブを忘れたオタクに捧げる聖譚曲 feat.内田真礼」で内田真礼さんを想像したようにではなく。
ZAQ なく。ちょっとした短編小説のような歌詞ということでしたね。ただ、「もしかしたら私のことかも」とみんなが思えるような。で、曲はピアノロックにしてほしいということだったので、めちゃめちゃピアノが目立つ曲になっています。アレンジはギタリストの奈良悠樹さんにお願いしました。だから、これはもうZAQがきったシングルですよね。さや姉の(歌声の)レンジに合わせることもまったく考えていないし、作家として書いた曲ではないです。
――YURiKAさんや森久保さんのような初仕事も、佐咲さんや上坂さんのように10年来の付き合いがある方への楽曲提供も10周年にふさわしい出来事ですね。奇妙な偶然というか。
ZAQ そうですね。
上坂すみれさんも、ZAQや内田真礼さんと同じく『中二病でも恋がしたい!』が最初の出世作で。同じ瞬間に走り出し、違う道を進みながらもここでようやく互いが交差した感覚があります。真礼さんにもそういう曲を書いたことがあるし、YouTubeの「上坂すみれのおまえがねるまで」に出演したときにも上坂さんに同じことを言われました。
――上坂さんへの提供曲はアルバムのリード曲でもあるので、そういったお二人の歴を期待してのオファーだったかと思います。
ZAQ 上坂さんのプロデューサーさんも満を持しての打診だったか思いますし、同期の化学反応みたいなものはひしひしと受け取っていたので、「その期待に応えなきゃ」とは思っていました。
――結果的に、タイプの異なるアーティストに次々と楽曲を提供することになりました。
ZAQ そういう面白い発注のほうが燃えますよね。「いつも通りのZAQさんの色で」とか言われると、「じゃあ4つ打ちかな」「コードはこうかな」と曲がなんとなく想像できてしまうんですけど。でも、斜め上な発注がやリテイクがくるとめっちゃ燃えます。いや、田淵(智也)さんとか天才ですよ。
――DIALOGUE+さんの楽曲でご一緒されていましたね。
ZAQ 決して作家を傷つけないようなリテイクなんですよね。制作がめちゃくちゃクリエイティブに富んでいるので面白くて。
――では、リリースと重なりながらも充実した作家作業でしたね。
ZAQ いやー、えみつん(=新田恵海)の曲がすっごく大変だったんですよ(笑)。
――(笑)。それはどういった点でしょうか?
ZAQ さや姉さんとは真逆というか、レンジですごく苦労したんですよ。えみつんのレンジって平均的な女性の音域と違うというか、普通サビで歌い上げるとしたらだいたい似たような音域になるんですけど、その音域は得意ではないというオーダーがあって。そこのロングトーンが使えない代わり、その上の音域はめちゃめちゃ出せる、みたいな感じでした。
――地声とファルセットの切り替わりのところでしょうか?
ZAQ かもしれないです。いや、ありとあらゆる女性に曲を書いてきましたけど、メロディ作りでこんなに苦戦したのは初めてでした。いつも使っている音域を外しながら、新田さんが得意な音域をたくさん使いたかったので、A・Bメロはこの範囲の音域で完結してサビだけは違う音域、というとんでもない曲になりました。でも、リード曲やほかのアルバム曲を聴いてみたら皆さんはそこまで気にしてなかったですね(笑)。普通の対比で書いていると思います。黒須(克彦)さんの曲もストレートに爽やかな曲でしたし、全然歌えていたし。新田さんとは2ndアルバム『EMUSIC 32 -meets you-』で(「君に咲く愛のうた」の)作詞をしたんですよね。その曲がとんでもなく高い曲だったので、高音域を厚くしたというのはありました。
ベストアルバムではZAQが成長してきた証を見せたい
――9ヵ月連続リリースのラストを飾るのはベストアルバム『ZAQPOT』です。これまでインタビューで聞いてきた楽曲がぎっしりとリリース順に並び、最後に書き下ろしの「狂騒」が入ります。
ZAQ リード曲を最後に持ってくることは最初から決めていました。私はいつも編曲まで手がけているので、楽曲を年代順に並べることでクオリティが上がっていくところを見せたかったんです。これが私の歴史、積み上げてきたものだ、と伝えたかったんですね。
――リード曲「狂騒」はどのようなイメージで作られましたか?
ZAQ とにかくライブがやりたかったんですよ、ワンマンライブが。その想いから作り始めました。だから、声が出せない今に合わせて、クラップが入って体を揺らせるけれどもWoh Wohではない曲になっています。それから、アルバムタイトルがジャックポット(大当たり)からきた『ZAQPOT』ということでカジノっぽい雰囲気の曲になっていて。あとは、ZAQの過去曲でライブの定番である「KURUIZAQ」の姉妹曲に持っていきたかったので、歌詞に“狂い咲く”が入っています。狂い騒ぐのがZAQのライブの楽しみ方、というのも意識しましたね。でも、周りからはめっちゃ『賭ケグルイ』っぽいと言われて。自分でも「たしかに」と思ったので、次にアニメ化されたときの主題歌に使ってもらえるよう、推していきたいと思います(笑)。
――歌詞は、強気のZAQを見せています。
ZAQ 1時間くらいで書けました。こういう、何も飾らない、テーマも決まっている曲、というのはすぐ出てくるんですよ。でもメロディは全然出てこなかったですね。やっぱりシャッフル(ビートの曲)は難しいですね、
――Disc3は、選りすぐりのセルフカバーを集めた1枚になっています。
ZAQ ファンの方からずっと、「早くセルフカバーアルバムを出せ」と言われていて(笑)。でも、タイミングを逃していたんですよね。だから、ベストを出すことになったとき、「入れるならここやろ!」ということで3枚組にして入れました。サブスクでは聴けないということで、CDには買った人だけが聴ける特別感がありますね。
――曲のセレクトの基準は?
ZAQ ZAQが作詞と作曲も手がけたものを選びました。「ヒカリイロの歌」はとにかく評判が良くて。鈴木愛奈さんと一緒に成長していく楽曲と言われているんですよね。で、歌い出しが“始まるよ 私の道”というのもあって1曲目に持ってきました。曲は、ピアノをメインに、ZAQが歌うためのアレンジになっています。アレンジをお願いした伊藤 翼さんはハチャメチャなアレンジが多いんですけど(笑)、今回は良い意味で、コードも構成もわかりやすくてシンプルですね。「トゥッティ!」「JIN」「おかえり」「Playing The World」は原曲のアレンジそのままで歌いました。
――「Playing The World」がセルフカバーディスクの最後を飾ったのはどういった気持ちからですか?
ZAQ 絶対入れたかったし、最後にしたかったんですよね。ZAQが楽曲提供してきたなかで、手ごたえを感じた曲はたくさんあるんですけど、「私にもこんな曲が書けるんだ」というのは初めてでした。オーダーを叶えながら、幸せに満ち溢れているし、明るいのに泣きたくなるような切ない流れもあるし。すべてを含めて私の最高傑作だと思っています。
――セルフカバーする中で一番苦労した曲は?
ZAQ 「Futuristic Player」ですね。いや、もう、過去の自分に対して憎しみを持ちました。サビの真ん中で息を吸うところがまったくなくて、小難しいことをしているわけではないのに歌えないんですよ。『咲-Saki-阿知賀編 episode of side-A』のEDテーマとして橋本みゆきさんが歌われたんですけど、橋本さんからも難しい曲だと言われました。でも当時は「難しいです(笑)」みたいに受け取っていたんですけど、実際に自分で歌ってみたら……反省しましたね。こんなに難しい曲を人に与えていたなんて、「昔の私は本当に思いやりがない!」って。それに比べて2017年以降に作った楽曲の歌いやすさといったら(笑)。
――連載インタビューの初期でもおっしゃっていましたが、我を出しすぎていたため、ということですね。
ZAQ さや姉に提供した「Reason why XXX」もそうなんですけど、デビュー前のZAQは歌い手がライブで歌うことを考えていないし、曲のかっこ良さを優先させているんですよ。他人の感情をまったく汲み取ることができない、本当にクソガキでした。橋本さんはよく歌ってくれたもんだと勝手にジーンとしていましたね。
――そんな「Futuristic Player」ですが、良いところというと?
ZAQ 単純に、メロディが美しくてかっこいいですね。私もこのメロディラインは好きですし、ファンからの人気も高いです。ただ、2011年はまだサウンドのライブラリーが少ない状態でずっと作っていたので、今回はもっとバッキバキのEDMにブラッシュアップしたくて、同じ事務所(=TaWaRa)のRINZOさんにアレンジをお願いしました。私のかわいい子供(=楽曲)がすごいギャルになって帰ってきた、みたいな感じでしたね。
――ちなみに、今回の連載では毎回「ZAQUIZ」を作っていただきました。最後は好きなコードを聞いてみたいと思ったのですが、そういった好みの違いはありますか?
ZAQ ありますね。パッとは浮かばないですけど、弾いてみるとすぐわかると思います。例えば、「JOURNEY」のサビの真ん中のコードはめちゃめちゃ色んなところで使っています。個人的には、クリシェはすごく使っていると思います。それが1拍ずつなのか2泊ずつなのか4拍ずつなのかは曲によって変わりますけれど。「ソラノネ」のサビもそうですし、「ASEED」のサビの後半も半音ずつ下がっていくクリシェを使っています。あとは「VOICE」もかな?
――それらのコードが好きな理由というのは?
ZAQ ドラマチックだから?歌謡曲みたいに。いかにも日本らしいというか。なんか、サビでストレートなコードを使うことに抵抗があるんですよね。「JOURNEY」のコードは好きです。あと、「Philosophy of Dear World」、この曲のコードは全部神がかっていたな。最近はオーギュメントにすごくハマっていますし。ミュージシャンによると、ZAQの曲ってメロディがめちゃめちゃぶつかっているんですって。ディスコードしているというか。「ここにメロディが跳ぶんだ」みたいな……でもなんか成立していて、それがZAQの色になっているみたいですね。9thだったり7thだったり、そういう外し方をしていて、「ASEED」もそういう変な終わり方をしていますね。ただ、カップリング曲やアルバム収録曲ではすごくお洒落なこともしているので、『ZAQPOT』では見えてこないところも結構あると思うので。
――ではその辺りをヒントに、最後の「ZAQUIZ」を解いてもらいましょう。改めてベストアルバムの収録曲を眺めるとOPテーマの多さが際立ちます。この中でEDテーマは『RAIL WARS!』と『薔薇王の葬列』だけで。OPテーマをオーダーされる理由を、自身でどう感じていますか?
ZAQ いや、こんなにタイアップを次々とやれるほど私自身はすごくないと思います、本当に。全部ランティスさんのおかげというか、周りの方が多分上手く言ってくれているんですよ、「この曲もあの曲も書いたZAQです」「天才なんですよ」って。
――でも、そこで満足できる曲を上げられなければ採用されないので。つまりはZAQさんの実力ではないでしょうか?
ZAQ そっか(笑)。でも、なんででしょうね。しかも、どの作品も全部を私が好きなんですよ。やりたくないとは思わないというか、好きじゃない作品をやることになったら曲に出ちゃう気がしますね。自分に合う作品を当ててくださるので、やっぱりすごいのはランティスさんだと思います。
――今後、主題歌を手がけてみたいジャンルはありますか?
ZAQ いつかZAQは、少女マンガのアニメ化作品がやりたいです。CHiCO with HoneyWorksが合いそうな。そういうオファーを待ってます♪
――『アオハライド』とか『プリンシパル』みたいな。たしかにZAQさんの場合、少女マンガ原作でもドロドロした作品のオファーが届きそうです。
ZAQ それは『薔薇王の葬列』で経験したので(笑)。好きですけど。
――よく読んでいた少女マンガというと?
ZAQ 「ライフ」とか好きでしたね。……って、めっちゃドロドロしてる!(笑)。
【連載企画:Last ZAQUIZ!】
Q.7 ZAQが中学生のころにハマってたアメリカ出身のラッパーは次のうちだれでしょう?
Q. 次にあげたコードを、ZAQが好きだと思うコード順に並べてください。
1 . C/D
2 . A△7
3 . F
4 . Eadd9
▼正解は『ZAQ 10th ANNIVERSARY LIVE “ZAQPOT”』ライブレポートで公開!
連載企画第7回:ZAQUIZ!の答えは……
2.Eminem
でした!
●9ヵ月連続リリース情報
ZAQ
『ZAQPOT』
発売中
【初回限定版】
品番:LACA-39894~6
価格:¥4,950(税込)
【通常版】
品番:LACA-9894~5
価格:¥3,850(税込)
<CD>
DISC1 (初回限定盤・通常盤同様)
1.Sparkling Daydream (TVアニメ『中二病でも恋がしたい!』オープニングテーマ)
2.Alteration (TVアニメ『ささみさん@がんばらない』オープニングテーマ)
3.激情論 (TVアニメ『ハイスクールD×D NEW』オープニングテーマ)
4.エキストラレボリューション (TVアニメ『勇者になれなかった俺は しぶしぶ就職を決意しました。』オープニングテーマ)
5.VOICE (TVアニメ『中二病でも恋がしたい!戀』オープニングテーマ)
6.OVERDRIVER (TVアニメ『RAIL WARS!』エンディングテーマ)
7.Seven Doors (TVアニメ『トリニティセブン』オープニング・ソング)
8.Philosophy of Dear World (TVアニメ『純潔のマリア』オープニング主題歌)
9.カタラレズトモ (TVアニメ『コンクリート・レボルティオ~超人幻想~』オープニング主題歌)
10.hopeness (TVアニメ『紅殻のパンドラ』オープニング主題歌)
11.割レル慟哭 (TVアニメ『コンクリート・レボルティオ~超人幻想~THE LAST SONG』オープニング主題歌)
12.Serendipity (TVアニメ『フリップフラッパーズ』オープニング主題歌)
13.Last Proof (『劇場版 トリニティセブン -悠久図書館と錬金術少女-』主題歌)
14.カーストルーム (TVアニメ『ようこそ実力至上主義の教室へ』オープニング主題歌)
15.BRAVER (TVアニメ『食戟のソーマ 餐ノ皿』オープニング主題歌)
DISC2 (初回限定盤・通常盤同様)
1.JOURNEY (『映画 中二病でも恋がしたい! -Take On Me-』オープニング主題歌)
2.ソラノネ (TVアニメ『荒野のコトブキ飛行隊』オープニング主題歌)
3.Against The Abyss (『劇場版 トリニティセブン -天空図書館と真紅の魔王-』主題歌)
4.イノチノアカシ (TVアニメ『ムヒョとロージーの魔法律相談事務所』第2期オープニング
5.月灯 (月曜ドラマ「青きヴァンパイアの悩み」オープニング主題歌)
6.悪夢 (TVアニメ『薔薇王の葬列』エンディングテーマ)
7.ASEED (TVアニメ『ブラック★★ロックシューター DAWN FALL』オープニングテーマ)
8.Dance In The Game (TVアニメ『ようこそ実力主義の教室へ 2nd Season』オープニングテーマ)
9.ZIGZAG
10.ANTHEM
11.QUEEN
12.TENSION ENCHANTER
13.Thanks for all notes
14.狂騒 (新曲)
DISC3 (初回限定盤のみ)
1.ヒカリイロの歌 (TVアニメ『はてな☆イリュージョン』エンディング主題歌)
作詞・作曲: ZAQ 編曲:ZAQ・A-bee
2. トゥッティ! (TVアニメ『響け!ユーフォニアム』エンディング主題歌)
作詞・作曲:ZAQ 編曲:高田 暁
3.Futuristic Player (TVアニメ『咲-Saki-阿知賀編 episode of side-A』エンディング主題歌)
作詞・作曲:ZAQ 編曲:RINZO
4.Howling (大神ミオ提供楽曲)
作詞・作曲・編曲:ZAQ
5.JIN (アプリゲーム『荒野のコトブキ飛行隊 大空のテイクオフガールズ!』チームソング)
作詞・作曲:ZAQ 編曲:日比野裕史
6.おかえり ( TVアニメ『のんのんびよりりぴーと』エンディング主題歌)
作詞・作曲:ZAQ 編曲:松田彬人
7.-Across the line- (劇場版『小鳥遊六花・改~劇場版 中二病でも恋がしたい!~ 』オープニングテーマ歌)
作詞・作曲:ZAQ 編曲:TECHNOBOYS PULCRAFT GREEN-FUND
8.Playing The World (Animelo Summer Live 2017 -THE CARD- テーマソング)
作詞:ZAQ 作曲:ZAQ 編曲:ZAQ・EFFY
■第一弾
「ZIGZAG」
作詞・作曲・編曲:ZAQ
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■第二弾
TVアニメ『薔薇王の葬列』第1クールエンディングテーマ
21st シングル
「悪夢」
発売中
品番:LACM-24243
価格:¥1,320(税込)
<収録曲>
M1「悪夢」
作詞・作曲:ZAQ 編曲:石川智久
M2「耺」
作詞・作曲・編曲:ZAQ
各インストも収録の計4 曲収録
配信リンクはこちら
■第三弾
「ANTHEM」
作詞・作曲:ZAQ 編曲:ZAQ・RINZO
配信リンクはこちら
■第四弾
TVアニメ『ブラック★★ロックシューター DAWN FALL』オープニングテーマ
22nd シングル
「ASEED」
発売中
品番:LACM-24239
価格:¥1,320(税込)
<収録曲>
M1. ASEED
作詞・作曲・編曲:ZAQ
M2. Coward
作詞・作曲・編曲:ZAQ
各インストも収録の計4 曲収録
■第五弾
「QUEEN」
作詞・作曲:ZAQ 編曲:TeddyLoid
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第六弾
「TENSION ENCHANTER」
作詞・作曲・編曲:ZAQ
配信リンクはこちら
第七弾シングル
TVアニメ『ようこそ実力至上主義の教室へ 2nd Season』オープニングテーマ
「Dance In The Game」
発売中
品番LACM-24278
価格:¥1,320(税込)
<収録曲>
1.Dance In The Game
作詞・作曲・編曲:ZAQ
2.ライブを忘れたオタクに捧げる聖譚曲(オラトリオ) feat.内田真礼
作詞・作曲・編曲:ZAQ
3.Dance In The Game(Off Vocal)
4.ライブを忘れたオタクに捧げる聖譚曲(オラトリオ) feat.内田真礼(Off Vocal)
第八弾シングル
「Thanks for all notes」
作詞・作曲・編曲:ZAQ
配信リンクはこちら
関連リンク
ZAQ Official Site
http://www.zaqzaqzaq.jp/
ZAQ Official Twitter
https://twitter.com/ZAQinfo
ZAQ Official YouTube Channel
https://www.youtube.com/channel/UCPsYjwzsmN8g2GEqaSei1-A?app=desktop
ZAQ Official TikTok
https://www.tiktok.com/@zaq39zaq39
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