ユニバーサルミュージック アーティスツ、青二プロダクション、ムービック、ピクシブの4社共同プロジェクトで2021年11月のシングル配信からスタートを切ったボーイズアイドルコンテンツ『HeavenlyHelly』(ヘヴンリーヘリー)。神の怒りを買い、人間界に堕とされた天使と悪魔たちが、それぞれ元の世界に戻るために、堕天使=FAB-EL(ファブエル)、堕悪魔=Inferno Teller(インフェルノテラー)という2つのグループに分かれてアイドルを目指す物語。
リーダーであるルーシュを中心としたハーモニーを武器に、美しい歌声を奏でるが、非常に個性的で一筋縄ではいかない性格のFAB-EL。そんな彼らが1年にわたって紡いだドラマを経てデビューを掴み、12月7日にニューシングル「ナンバーワン」をリリースする。FAB-ELとはどんなグループなのか、そしてキャスト5人がどうキャラクターと向き合っているのか2回にわたってお届けする。

INTERVIEW & TEXT BY えびさわなち

声優を目指したきっかけと『HeavenlyHelly』への挑戦。
――まずはみなさんが声優を目指されたきっかけを教えてください。

三野雄大 小学校の頃にアニメ『NARUTO -ナルト-』を観ていて、ふと「どういう人が声をやっているんだろう」と気になって調べていくうちに声優という職業を知りました。そうやって声でお芝居をすることに興味をもったのが中3くらいの頃で、それをきっかけに将来の夢が声優になって、現在に至ります。

草野太一 アニメをしっかり観始めたのは高校に入ってからでした。オタクの友達に「草野、これを観ろ」と言われて、あるアニメを紹介されてからしっかりハマりました。その時点では声優という仕事を知らなくて、高校3年になる前くらいにアニメイベントの朗読を観る機会があって、そこで声優の存在を知りました。アニメは好きでしたし、何かアニメに関われる仕事に就きたいと思っていたのですが、高校3年生で急に進路について路線変更をして、専門学校や養成所をまわって親を説得もして、門を叩きました。ドタバタの中で声優を目指した感じでした。


竹田海渡 高校生の頃からギターをやっていたので、元は音楽でアニメやゲームに関わりたいと思っていたのですが、アニメ『トップをねらえ!』を観た時にお芝居の熱量に圧倒されて、興味が音楽から演じるほうに移ったんです。
声優を目指すと決めた次の日には大阪でやっていた舞台やミュージカルのオーディションを探し回りました。それから2年間、ミュージカルを経験してから声優の養成所に入所して、現在に至ります。ミュージカルの場で歌やダンスと密接に関わった演技をしてきたことは、現在の仕事にも生きていると思っています。

田中章貴 小さい頃から『ポケットモンスター』や『NARUTO -ナルト-』を観て育ってきたのですが、そんななかで『ポケモン』のピカチュウと『名探偵コナン』の(円谷)光彦は大谷育江さんで、ムサシと灰原(哀)は林原めぐみさんが演じていることを姉から教えてもらったんです。同じ声優さんが違うキャラクターを演じているという事実から声優というお仕事を知り、自分も様々なキャラクターを演じたいと思って声優を目指すようになりました。

藤澤 奨 アニメを好きになったのは中学生の頃で。それこそ『ポケモン』や『銀魂』が好きだったのですが、アニメやライトノベルを好きな友達からも影響を受けていろいろな作品に触れるようになっていきました。そうやってアニメやアニソンを好きになっていくうちに、ライブや朗読劇を観に行く機会にも恵まれました。お芝居や歌う姿を生で観たときに衝撃を受けて、自分もあの舞台に立つ側になりh1212たいという想いが膨らみました。演じる側や歌などでパフォーマンスをする側になりたいと強く思い、進路を決めるときに家族にそのことを話しました。「若いうちにやりたいことに挑戦したほうがいい」と言ってもらえたこともあって、養成所に入りました。


――『HeavenlyHelly』のオーディションの思い出を聞かせてください。

三野 課題曲がInferno Tellerの「Storyteller」だったんです。キーが高いし難しくて、曲を受け取ったときに頭を抱えました。その思い出が強いです。演技を見てもらったことはもちろん覚えているんですけど、歌ったときのプレッシャーが強すぎました。「これからこんな難しい曲をやっていくのか」と不安も感じながら、なんとか歌いきった記憶があります。

草野 課題曲に関しては、僕は声が裏返ってしまったので「これはもう落ちたな」と思いました(笑)。お芝居については、僕は最初からジェリーをやりたいと思って受けさせていただいていたので、合格したときは「やった!」とすごく嬉しかったです。実はダーリョンも受けていたのですが、実際にダーリョンを演じる日向朔公くんがやっているのを聞いていると「やっぱり朔公ちゃんだな」って思います。あれが正解だったと思いますし、逆にジェリーは僕が正解だって思いながら今は演じています。

竹田 堕天使と堕悪魔が人間界でアイドルをやる、という設定に「どうなっていくんだ!?」とワクワクしました。堕天使、堕悪魔の計10人の中から2キャラクターを選んで受けてくださいと言われ、元はファウタとペギーを希望したのですが、スタジオオーディションで一旦他の7人のキャラクターも演じさせていただくことになったんです。
自分の中で手応えがあったのはペギーでしたが、縁あってガブに決めていただきました。何事もきっぱりと言い切るガブのようなキャラクターを演じた経験がなかったので新鮮さを覚えつつ、しっくりくる感覚もあったんです。なので、結果的にガブが一番自分に合っていたんじゃないかと思います。さっきメンバーも言っていましたが、課題曲の「Storyteller」がとにかく難しかったので、楽曲のレベルの高いコンテンツだなと思いました。その上で「ダンスにも力を入れていきたい」と伺っていたので、「これは頑張らないといけないな」と。このコンテンツをきっかけに自分の表現の幅を広げたい、と身の引き締まる想いとともに挑ませていただきました。

田中 僕も課題曲にはびっくりしました。養成所でも歌のレッスンはちゃんと受けていたのですが、「Storyteller」のような疾走感のある楽曲を練習したことがなかったので、自分がこれを歌えるのだろうかという不安もありましたし、「これはさすがにレベルが高くて受からないのではないか」という気持ちも浮かんでいましたが、合格をさせていただけたときには頑張ろうと気持ちも新たにしました。僕も希望とは違うキャラクターで合格させていただいたので、自分の予期していなかった出会いなぶん、新しいことに挑戦させていただけることがすごく嬉しかったです。

藤澤 課題曲を聴いたときに、バチバチにかっこいい曲が来たので「これを歌いたい」という気持ちがまずありました。僕は元々歌やダンスにも興味があったので、やりたいことの一つに手が届くチャンスでもあるオーディションですし、気合いを入れて取り組みました。今はファウタをやらせていただいていますが、元々はペギーとルーシュでオーディションを受けていたんです。
その2人の中間にあるような、セクシーなところも見てもらえるファウタにも魅力を感じていたので、当日「ファウタもやってみてください」と言われたときには「やったぞ!」とノリノリでやらせてもらいました。オーディションはめっちゃ緊張していたのですが、「よかったですよ」と言っていただいたときにすごく嬉しかった思い出があります。

FAB-ELとは。そしてライバル・Inferno Tellerへの想い
――続いてご自身の演じるキャラクターの魅力を教えてください。

三野 ルーシュは真っ直ぐです。底抜けにバカなところもありますが、とにかく愛されキャラなところが魅力ですね。引っ張っていくところは引っ張れるルーシュなので、そんなルーシュがいるからこそFAB-ELはまわっていくんだなって思うんです。みんなの支えや協力が受けながら、決める場面では良くも悪くもしっかり自分で決断ができるところも魅力だと思います。



ルーシュ CV. 三野雄大
天国と地獄の間の門番だった天使。口と頭は悪いが、仲間想いの情に厚い堕天使チームのリーダー。とある出来事に巻き込んでしまったことがきっかけで仲間たちが堕天したことに責任を感じている。堕悪魔のリーダー、ダンセルとは因縁があるらしい……。


藤澤 全人類を本気で愛そうと思っているところがファウタの魅力ですし、演じていて気持ちがいいです。あとは自分自身に対しての絶対的な自信がある。その自信をないがしろにされたり、社長とのやりとりでからかわれたりすると本気で落ち込むところもあって、そんな表情がはっきり見えるところも魅力的だと感じています。最近になって台本にも「(口説きモード)」とか「(エロく)」と書かれていますし、そういうディレクションが入るくらい表情の変わる場面になると僕自身もグッと気合いが入ります。マイクに近づいてお芝居をするときには自分もファウタと同じく自信をもって芝居ができるようにと思ってやっています。



ファウタ CV. 藤澤 奨
年齢性別関係なく、全人類と愛し合いたい欲望を持つ天使。天国にもそろそろ飽きたので、人間界で自身の楽園を作ろうと考えている。リーダーのルーシュに対しては「ヒヨコ」とバカにすることが多いが、なんだかんだ信頼している。

竹田 ガブはエリートで、自分が天使であることにすごく誇りをもっているキャラクターです。目的意識や芯がはっきりとしているので軸がブレないところが彼の魅力だと思います。その上でドジな一面や人間界の知識に疎いところなど、ガブのかわいさが出てくるんです。このギャップもすごく魅力的だなと思っています。
彼は人間が大嫌いだし、悪魔のことも見下しているし、なんだったらメンバーのことすらバカにしているんですけど、人間界で生活し、アイドル活動をしていくなかで彼自身にも少しずつ変化が起こり始めているんですよね。この変化がメンバーへの態度や人間に対する接し方に影響を与えているので、ボイスドラマ第一章から第四章に至るまでの彼の変化を楽しんでいただけたら嬉しいなと思います。



ガブ CV. 竹田海渡
最上位天使だったエリート天使。一見、優しく穏やかな人物のように見えるが、口を開けば嫌味や棘のある言葉ばかり発する。悪魔や人間のことが嫌いで、「汚らわしい」とさえ思っている。天国に帰るため、利害の一致から、ルーシュたちと行動を共にする。

草野 ジェリーの魅力はゲスくてかわいいところかなって思います。言葉としては相反するものかもしれないですが(笑)。アイドルとして表に立っているときにはすごくかわいいですし、実際に彼はすごくかわいいんですけど、オフのときやプライベートだとFAB-ELのメンバーや、特に堕悪魔に対してはゲスなまでのイタズラや嫌がらせをしていくところが魅力だし、僕も演じていて楽しい部分です。見ている人にもただ嫌なヤツだと思われるのではなく、ちょっとかわいげがあると思ってもらえるように意識をしています。配信されているドラマの第一章から第四章にかけて、どうしてジェリーが堕悪魔に対していやがらせをしているのか、うっぷんが溜まっている理由が明かされていきますが、理由がわかったことによってジェリーの魅力が増したとも思います。彼なりの想いがあって、ちょっと不器用なところがあるけれど、理由があって行動していたことがわかったことで、より親しみのあるキャラクターになったと思っています。



ジェリー CV. 草野太一
神様を「パパリン」と呼び、病的なまでに愛している。甘えん坊でかわい子ぶっているが、その場を引っ掻き回すのが好き。以前人間から徴収したスマホで人間界のことを調べていたため、流行についてはある程度知識がある模様。

田中 ミカは一言でいえば「天国への異常な愛」が根本にあります。軸がブレないという点ではガブに似ていますが、そんなベースがあるがゆえに天然な発言をしちゃったりするところが魅力の一つとしてあると思います。ミカはあまり感情を表に出すわけではないのですが、「ここだけは譲れない」と思ったところについては誰が何をしようともガンとして動かない頑なさというか、頑固さのある芯の強い部分が出てききますが、そこもまた魅力だと思っています。



ミカ CV. 田中章貴
基本無口で無表情な堅物と思いきや、価値観が少々ズレているため、話してみると天然と思われることが多い。天国を素晴らしい場所だと思っており、人間相手に天国へ行く勧誘をしては驚かせている。動植物を愛でることが好き。

――ライバルでもあるInferno Tellerは皆さんにとってどんな存在ですか?

竹田 Inferno Tellerのキャラクターたちって、とても優しくていい子だなって思うんです。

三野 向こうが天使なんじゃないかなって(笑)。

藤澤 それは思いますね。

草野 逆じゃないの?って(笑)。

三野 ガブは結構、ダーリョンにひどいこと言うしね!

竹田 ダーリョン役の朔公ちゃんと一緒に収録することが多いんですけど、ダーリョンも朔公ちゃん自身もすごくかわいくて優しくていい子なので、2人の姿が重なるんですよね。だから、ガブとしてきつい態度で接することに辛いものがあるんです。とはいえガブをしっかりと演じなければいけないので、収録中は朔公ちゃんのことを一切見ないようにしました。

草野 えー!

竹田 特にガブとダーリョンの掛け合いが多い3章を録る時は、収録が始まったら視線も合わせないようにしていました。勿論、収録前は会話するんですけど、自分の中でそうして切り替えていたんです。

藤澤 たしかに(日向を)見ちゃうとかわいそうになっちゃいますよね。

竹田 そうそう。それで収録が終わってから「朔公ちゃん、ごめんね!」って謝り倒しました。あんなに天使を「美しい」って言ってくれて、「ガブ様、ガブ様」って慕ってくれるのにひどいですよね!そんなガブ様の堕悪魔たちに対する態度も徐々に軟化されてきていますから、今後どうなっていくか楽しみです。

三野 僕は仲良くしたいと思っていますよ。

草野 ルーシュは隔たりがないもんね。ちょっとバカなの?ってくらい。

三野 バカなりに考えているし、バカだからこそ背負い込んでしまうところもあるんですよね。そこが彼にとっては辛いところだと思います。

竹田 すごく親身だからね。

三野 親身すぎて背負っちゃって、苦しんじゃう。

草野 ジェリーはイタズラしまくって、嫌がらせしまくって、ワイワイしていますよね。演じているときにもあまり気にせず、台本から受けた印象やそのときの空気感で言い方や煽り方に変化をつけながらやっているので、楽しいんですけど、聴いてくださる皆さんからしたら堕悪魔側がかわいそうだなって思われるだろうなぁ……。Inferno Tellerは、純粋なキャラクターばかりですしね。

三野 なんでこっちが天使なの?って(笑)。

草野 推せるポイントは、あんなにいい人ばかりの堕悪魔たちだけど、歌うとクールに、かっこよくなるところ。あのギャップに「そりゃ、ファンもつくな」と思います。逆に弱点はどこにあるんだろうってくらいに魅力たっぷりなチームだなって思います。

田中 ミカにとってはFAB-ELのメンバーに対しての態度と、接し方としては変わらないんですよね。ザイールのことを天国に勧誘しちゃう話もありましたが、ミカは一歩引いてInferno Tellerのことを見ているのかな、と思っています。僕個人としては楽曲の圧倒的なかっこよさに魅力を感じています。新曲が出るたびに興奮しちゃいますね。

藤澤 ファウタはルーシュに対してツンデレなところがあって。ルーシュをなんやかんやしたということで堕悪魔たちのことを毛嫌いしているんです。ストーリーが進むにつれて、ダンセルに対しての気持ちがデカいだけだってこともわかっていきますが、堕悪魔について話すときや堕悪魔と会話をするときにはワントーン低く話すようにして、いつもの感じではないファウタで演じています。僕個人としてはInferno Tellerの楽曲もダンスもかっこいいですし、あちらの曲も歌ってみたいですね。ダンセルに従って、自分たちの意志を統一して表現をしているところはFAB-ELとは違うので、その差は見ていて面白いです。

〈後編へ続く〉

●リリース情報
HeavenlyHelly
FAB-EL『ナンバーワン』
12月7日発売

【通常盤】
品番:POCE-12193
価格:¥1,650(税込)
1. ナンバーワン
2. Brand new days
3. ナンバーワン(カラオケ)
4. Brand new days(カラオケ)

【ドラマ盤※アニメイト限定販売】
品番:PROP-5006・7
価格:¥3,850(税込)
仕様:CD2枚組
・CD1:通常盤と同内容
・CD2:Voice Drama第2章「愛欲の坩堝(るつぼ)」 約70分

●イベント情報

【FAB-ELとInferno Teller CD発売記念イベント開催決定!】
FAB-EL&Inferno Teller、初の楽曲パフォーマンス披露ありのオフラインイベントと、オンライン(トーク会&サイン会)イベント開催決定!

「HeavenlyHelly、FAB-EL&Inferno Tellerクリスマスオンラインサイン会」
2022年12月25日(日)
【FAB-ELサイン会】 12:30~14:00(予定)
【Inferno Tellerサイン会】 14:30~16:00(予定)
♪ご購入および詳細はこちらより♪
https://limista.jp/projects/3410

「HeavenlyHelly、FAB-EL&Inferno Teller CD発売記念イベント」
日程:2023年1月15日(日)
会場:池袋AKビル1F(東京都豊島区東池袋1丁目2-9池袋AKビル)

<イベント内容>
1部:16:00開場/16:30開演  FAB-ELトークと、ミニライブ(1曲/初披露)観覧。
特典会(ブロマイドお渡し会)
2部:18:30開場/19:00開演  InfernoTellerトーク&ミニライブ(1曲/初披露)観覧。
特典会(ブロマイドお渡し会)

イベント詳細
https://www.animate-onlineshop.jp/contents/fair_event/detail.php?id=108174

関連リンク
『HeavenlyHelly』オフィシャルサイト
https://heavenlyhelly.com
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