ユニバーサルミュージック アーティスツ、青二プロダクション、ムービック、ピクシブの4社共同プロジェクトで2021年11月のシングル配信からスタートを切ったボーイズアイドルコンテンツ『HeavenlyHelly』(ヘヴンリーヘリー)。神の怒りを買い、人間界に堕とされた天使と悪魔たちが、それぞれ元の世界に戻るために、堕天使=FAB-EL(ファブエル)、堕悪魔=Inferno Teller(インフェルノテラー)という2つのグループに分かれてアイドルを目指す物語。
INTERVIEW & TEXT BY えびさわなち
彼らがInferno Tellerと出会うまで
――まずは皆さんが声優を目指されたきっかけをお聞かせください。
坂田将吾 中学校のときに読んでいたライトノベルの主人公に憧れていたのですが、その主人公の心を一番表現できるのが役者、声優なのではないかと思ったことから声優を目指しました。高校では将来に向けての経験になるのではないかと思って演劇部に入って、人前でお芝居をしたり、地区大会で同期と2人芝居をやったりもして、達成感もありましたしお芝居の楽しさを知ることができました。
佐藤悠雅 声優という職業については中学校の頃からふわっと意識し始めてはいたのですが、そのときにはまだ声優を目指すほどではなかったんです。高校に入ってから、アニメやゲームにハマった時期があって、それらに携わる仕事に就きたいと思ったときに、「自分が一番やりたいのは声優だ」と思い至って目指すようになりました。だから坂田さんに比べたら、目指すようになった時期は遅かったです。坂田さんのように演劇部の経験もなく、当時は陸上部で体を鍛えていました。きっとここでの経験が将来に生きることもあるだろうと思っていましたから(笑)。その後、専門学校へと進学して今に至ります。
坂田 陸上部で体を鍛えていたからこその、魅惑の低音ボイスなんだね。
佐藤 そんなことはない(笑)。
野辺シュウ 僕は昔からディズニー映画が好きで、「いつかあの世界に入りたい」と思っていたんです。ディズニーに携わるにはどんな職業があるんだろうと思ったけれど、まだよくわかっていなかったです。そんななか、中学生になったときに学年で一つの劇を作ります、という学習があって、1年生でメインの役を演じさせてもらって、2年生では音楽班のリーダーとして裏方をやったんです。そこでいろんなことを経験したことでお芝居の楽しさを知ることができました。その後はディズニーキャストになったり作曲をしてみたりと右往左往していたのですが、ディズニーダンサーの友人にいろいろと教えてもらって初めてのオーディションを受けて、声優の道へとたどり着きました。いつかディズニー作品に出演することが大きな目標です。
吾妻奎太 小学生や中学生のときには将来の夢もないままに過ごしていました。「将来の夢」を書くような場面でも、ただ思いつくものを付け焼き刃のように記入していただけだったんですが、中学生のときにあるアニメを観て、声優ではなくキャラクターがしゃべっているとしか思えない場面に衝撃を受けました。そこで声優さんに興味が湧いて、すぐに養成所を探しました。養成所で芝居の面白さを知って、学びながら声優を目指して現在に至ります。
日向朔公 昔から自分の声や見た目や言動のすべて嫌いで、全部がコンプレックスだったのですが、友達だと思っていた人からそんな自分のことを「気持ち悪い」と言われて。その言葉を受けて「自分ではない何か」になりたいと思うようになりました。それと同じ時期に蒼井翔太さんの演じるキャラクターと出会って、自分の声を生かした生き方ってかっこいいなと思ったんです。自分の声は嫌いだけど、自分じゃない何かの声だとしたら愛せるかなと思って、声優を目指しました。
――続いて『HeavenlyHelly』のオーディションの思い出をお聞かせください。
佐藤 マネージャーさんから「こういうお話があるよ」と連絡をもらってオーディションの存在を知って。自分がやりたいキャラクターを2キャラ選んでやってくださいという形でした。
野辺 結果は自分が選んだキャラクターではないキャラで決まった人もいるよね。
佐藤 事務所内で、最初から誰が受けるかも伝えられていたので、それにもドキドキしました。「この人が受けるのか。それなら俺はこのキャラにしたほうがいいかな」とか考えちゃったし(笑)。
吾妻 心理的な駆け引きね(笑)。
佐藤 普段受けるオーディションとはまた違うことを考えるオーディションだったかもしれないですね。
吾妻 逆に僕と野辺は1年目なので、先輩がどういうお芝居をするのか、どういう声が得意分野なのかわからなかったので、自分がやりたい役を選びやすかったかもしれないです。
野辺 俺はひたすら先輩方のボイスを聴きまくったけどね?
坂田 僕はツッコミをするキャラが好きなので、ルーシュがやりたいなと思って、ルーシュとペギーを受けました。そのときに「ダンセルもやってみてください」と言われて、その場で演じたところダンセルに決まりました。
――ダンセルで決まったときにはどんなことを感じましたか?
坂田 ダンセルか、と。自分とは全然似ていないなと思いました。ただ不得意なキャラクターということではなかったですし、自分の声がダンセルのイメージに合致したのは新しい発見にもなりました。クールなキャラもできるようになると気合いも入りましたし、お芝居の幅が広がるきっかけにもなりました。それにダンセルはいろんな側面をもったキャラクターでもあるので、演じるのが楽しいです。
――ほかのみなさんのオーディションの思い出はいかがでしたか?
日向 僕はマネージャーさんから「悪魔で受けてください」と言われて、キャラデザを見たときに「絶対にダーリョンだろうな」と思って希望しました。もう1つ、可能性としてジェリーちゃんも受けさせてもらいましたが、結果的にはダーリョンで合格をいただきました。
野辺 僕は逆にダーリョンとジェリーで受けたのですが、オーディションで「エルゴンもやってみてください」と言われて演じてみたところ、エルゴンに決めていただきました。
佐藤 僕は事務所の社長とお話をさせていただいていたときに「今度こういうコンテンツをやるんだ」とふんわりと教えていただいたんです。歌とダンスをやって、片方はJ-POPで、もう片方はK-POPサウンドで出していくんだよ、と。既にそのときに天使と悪魔であることも教えてもらったので、きっと天使がJ-POPを歌うんだろうなぁと思っていました。僕自身が歌うとなると、J-POPが得意なので天使を受けたほうがいいだろうと思ったので、オーディションに持っていったのはファウタとミカの天使2人で、悪魔は一切受けていなかったのですが、オーディション当日にザイールとダンセルもやってほしいと言われて、そのすべてを演じさせてもらったところザイールになりました。
吾妻 僕も悠雅さんと一緒で、受けたのはルーシュとガブで全部天使側だったんです。ルーシュの主人公ならではの明かるい感じや、ガブの冷徹でクールなお芝居をやってみたくて。ペギーについては一番可能性の薄いキャラクターだと思っていたくらいでしたが、まさか選んでいただいたのがペギーで驚きました。でも演じているうちにペギーのことがわかっていって、今では性格的に正反対のペギーだからこそお芝居で表現をすることのやり甲斐を感じています。
堕天使に振り回される堕悪魔たちの想いとは
――そんなご自身の演じるキャラクターの「ここが魅力だ」と思うところを教えてください。
坂田 ダンセルはクールでカリスマ性ある堕悪魔側のリーダーであることがまず魅力ですが、心の中も冷徹なわけではなくむしろ心優しくて、いつもメンバーを気遣っているんですよね。メンバーの心の機微を汲み取って導くタイプ。
ダンセル CV. 坂田将吾
天国と地獄の間の門番にして、次期指導者と言われていた悪魔。物腰柔らかで部下にも優しく、人望の厚い完璧な堕悪魔のリーダー。ただし、悪魔らしく、有無を言わせず相手を従わせるような圧力を笑顔でかけることも。堕天使のリーダー、ルーシュとは因縁があるらしい……。
吾妻 眼鏡をつけている時と外した時で性格が変わり、オドオドとセクシーの二面性を兼ね備えているのがペギーの魅力ではありますが、自己肯定感が低くて何でも否定しがちなペギーが、人の見ていないところで頑張るがんばり屋さんなところがすごくいいなと思っていますし、「ダンセル絶対!」という気持ちも一番強い人だと思います。あとは虎の威を借りる狐ではないですが、ダンセルが後ろにいるときはめちゃくちゃ強気なんですよね(笑)。ただマイナスなことばかり言っている暗いキャラクターというだけではない魅力が詰まったキャラクターだと思っています。
ペギー CV. 吾妻奎太
控え目でおどおどとしており、自己肯定感が低く、他者と話すことが大の苦手。どんな自分も受け入れてくれるダンセルに心酔し、憧れている。
日向 ダーリョンは純粋ですよね。教えてもらったことに対して「そうなんだぁ」と全部飲み込んでしまうところがかわいいですし、ちょっとおバカだし。でもそれだけじゃなく、ダーリョンはポジティブな感情は表に出して相手にぶつけるんですけど、ネガティブな感情は割と自分の中に溜めていったり自分で解決しようとするタイプなので、自由奔放に見えて責任感もあるところが魅力かなと思います。
――堕悪魔側は天使のようにピュアで優しい人たちばかりですよね……。
佐藤 堕悪魔ですしね。
坂田 天使はイカれてるからなぁ……。
ダーリョン CV. 日向朔公
双子の兄、エルゴンと共に「双子の番犬」と呼ばれており、戦闘が得意。かわいいものや美しいものが好きで、アイドルになればそれらに囲まれて暮らせるため、地獄には帰りたくないと思っている。ガブとは人間界に堕ちる前から知り合いのようで……?
野辺 エルゴンはスポーティーで無骨そうでヤンキーっぽい感じがありますが、一言で表すと「ダーリョン命」です。また割と周囲を広い視野で見ているので、さりげなくサポートにまわったり、グループの中でも常識的な方で、ツッコミもたまにしているようなキャラクターです。魅力としては兄弟の絡みだと思います。
エルゴン CV. 野辺シュウ
ポーカーフェイスでクールだが、「双子の番犬」の名に相応しく喧嘩っ早いところも。悪魔の中でも冷静で、戦闘絡み以外は常識人のため、メンバーのストッパーになることも多い。ダーリョンのわがままに振り回されるが、大事に思い、深く愛している。
佐藤 ザイールの魅力というと、堕悪魔ですがまったく悪魔っぽくないところかなと思います。悪魔の中に紛れている人間のような感じですよね。
坂田 見た目は一番悪魔っぽいけどね?
佐藤 そこは悪魔っぽいけど、心根はいい奴で。いつも周囲に振り回されているんですよね。堕悪魔側だけじゃなく堕天使側にも振り回されています。でもちゃんとダメなところは正そうとするしっかり者でもあるんですよね。そんなザイールなのに自分に対してはネガティブなところがある。そのギャップや二面性もまた魅力ですし、聴いていても楽しいと思います。
坂田 たしかに。見た目からイメージする人物像とは違うよね。
佐藤 腕っぷしが強そうに見えてそんなに強くなかったり、かわいいものが好きだったり。ギャップがいい味を出していますよね。
ザイール CV. 佐藤悠雅
とある自分の好きなものを捨てきれず、地獄から逃げ出した。人間界で平和に暮らしていたところ、ダンセルたちに見つかり、ほぼ強制的にアイドル活動に参加させられる。家事と料理が得意で、いざというときに頼りになる皆の兄貴分のような存在。
――そんなInferno Tellerの皆さんからご覧になって、ライバルであるFAB-ELの印象を教えてください。
佐藤 元気な人たちですよね。
野辺 騒がしい。
佐藤 ザイールとしては怖いです(笑)。堕悪魔側はダンセルがいるぶん、怖いけど統率が取れているんですよね。ダンセルがまとめてくれますから。そこまで大事は起きないんですけど、堕天使側はリーダーが引っ掻き回されまくっているので、ストッパーとして成立しているかと言えば「していない」んです。だからザイールの視点から見ると怖いですよね。
坂田 だいたい問題を引き起こすのはあっち側だから。
佐藤 こっちは巻き込まれているからね。
吾妻 引っ掻き回されてる!(笑)。
佐藤 もちろん悪感情だけということはないだろうし、好きな人は好きだと思うんですけど。
吾妻 ルーシュ以外の4人って、ルーシュを舐めているというか。やりたい放題やっている印象を受けるんですけど、堕天使がデビューを諦めて堕悪魔がデビューするとなったときも、ルーシュが「もうやめよう」って言ったら、みんな素直に「ルーシュが決めたことだからしょうがない」って従うところを見ると、なんだかんだ言ってもルーシュの言うことを聞くんだなって思ったんです。ただ暴れ散らしているだけではないんだなって思いました。
日向 天使に憧れているダーリョンを通して堕天使側を見ているので、FAB-ELって欠点がないんですよ。
(一同爆笑)
日向 すごくいい人たちって感じなんです。ダーリョンが天使たちの寮に急に訪ねてきても迎え入れてくれるし、ダーリョンが傷つかないように料理が甘いものばっかりでキツイなと思っても「美味しかったよ」っていう優しい嘘をついてくれたりするので、大好きですけどね?
――お兄ちゃんのほうは?
野辺 誘拐されてるからね? あいつら、誘拐犯だよ?(ドラマ内でエルゴンはダーリョンの家出を堕天使たちによる誘拐だと思い込んでいた)天使のツラを被ってるけど、堕天使だからね? ボイスドラマ第2章の終わりでダーリョンが家出するんですよ。それで次の章の台本をもらうまで「え……Inferno Tellerは4人になるの?」って不安でしたよね。彼らが悪いわけじゃないですし、実はガッツリ絡むことは少ないんです。ぷちヘリで絡んだかな?くらいで。ミカさんとはサシで話をしたことはないし。個人個人とエルゴンが絡んだらどうなるのかなぁと未知なところは多いですが、グループとして見ると彼らは彼らでまとまっているんじゃないかなって思います。楽曲としてもユニゾンがすごく綺麗ですし、かっこいいです。
――そして一番振り回されているといえば……。
坂田 ダンセルを通して見たときには特に何も思っていないんですけど、脚本を受け取ったときにいつもガブとジェリーが「どうしてそんなこと言うの!?」って思うことが多くて。「どうしてそんな酷いことを僕らに言うの?」って思うくらい、悪魔差別主義みたいなところがあるし。ジェリーは人が一番言われたくないようなことをどんどん言うしね。おかしいんですよ。
佐藤 だいたい何かされる側だからね、こちらが。
坂田 本当に、すごいですよ。
吾妻 しかもジェリー役の草野さんが、本当にムカつくジェリーを表現してくれるんですよね(笑)。
坂田 あいつもそういうとこあるからなぁ……。
(一同爆笑)
〈後編に続く〉
●リリース情報
HeavenlyHelly
Inferno Teller『Make The Burn』
12月7日発売
【通常盤】
品番:POCE-12194
価格:¥1,650(税込)
1. Make The Burn
2. Cold Rain
3. Make The Burn(カラオケ)
4. Cold Rain(カラオケ)
【ドラマ盤※アニメイト限定販売】
品番:PROP-5008・9
価格:¥3,850(税込)
仕様:CD2枚組
・CD1:通常盤と同内容
・CD2:Voice Drama第3章「羨望の縺れ(もつれ)」 約70分
●イベント情報
【FAB-ELとInferno Teller CD発売記念イベント開催決定!】
FAB-EL&Inferno Teller、初の楽曲パフォーマンス披露ありのオフラインイベントと、オンライン(トーク会&サイン会)イベント開催決定!
「HeavenlyHelly、FAB-EL&Inferno Tellerクリスマスオンラインサイン会」
2022年12月25日(日)
【FAB-ELサイン会】 12:30~14:00(予定)
【Inferno Tellerサイン会】 14:30~16:00(予定)
♪ご購入および詳細はこちらより♪
https://limista.jp/projects/3410
「HeavenlyHelly、FAB-EL&Inferno Teller CD発売記念イベント」
日程:2023年1月15日(日)
会場:池袋AKビル1F(東京都豊島区東池袋1丁目2-9池袋AKビル)
<イベント内容>
1部:16:00開場/16:30開演 FAB-ELトークと、ミニライブ(1曲/初披露)観覧。
特典会(ブロマイドお渡し会)
2部:18:30開場/19:00開演 InfernoTellerトーク&ミニライブ(1曲/初披露)観覧。
特典会(ブロマイドお渡し会)
イベント詳細
https://www.animate-onlineshop.jp/contents/fair_event/detail.php?id=108174
関連リンク
『HeavenlyHelly』オフィシャルサイト
https://heavenlyhelly.com
ダンセルを中心に結束力の強く、アグレッシブでおしゃれな都会的ダンスチューンで聴く者を魅了するInferno Teller。堕天使たちFAB-ELとは違い、統率力あるダンセルのカラーが色濃いInferno Tellerは、1年にわたって紡いできたドラマで描かれた熾烈な課題をクリアしながらデビューを掴み、12月7日に「Make The Burn」をリリースする。クールな姿にホットなサウンドを放つInferno Tellerのキャスト5人のインタビューを前後編に分けてお届けする。
INTERVIEW & TEXT BY えびさわなち
彼らがInferno Tellerと出会うまで
――まずは皆さんが声優を目指されたきっかけをお聞かせください。
坂田将吾 中学校のときに読んでいたライトノベルの主人公に憧れていたのですが、その主人公の心を一番表現できるのが役者、声優なのではないかと思ったことから声優を目指しました。高校では将来に向けての経験になるのではないかと思って演劇部に入って、人前でお芝居をしたり、地区大会で同期と2人芝居をやったりもして、達成感もありましたしお芝居の楽しさを知ることができました。
佐藤悠雅 声優という職業については中学校の頃からふわっと意識し始めてはいたのですが、そのときにはまだ声優を目指すほどではなかったんです。高校に入ってから、アニメやゲームにハマった時期があって、それらに携わる仕事に就きたいと思ったときに、「自分が一番やりたいのは声優だ」と思い至って目指すようになりました。だから坂田さんに比べたら、目指すようになった時期は遅かったです。坂田さんのように演劇部の経験もなく、当時は陸上部で体を鍛えていました。きっとここでの経験が将来に生きることもあるだろうと思っていましたから(笑)。その後、専門学校へと進学して今に至ります。
坂田 陸上部で体を鍛えていたからこその、魅惑の低音ボイスなんだね。
佐藤 そんなことはない(笑)。
野辺シュウ 僕は昔からディズニー映画が好きで、「いつかあの世界に入りたい」と思っていたんです。ディズニーに携わるにはどんな職業があるんだろうと思ったけれど、まだよくわかっていなかったです。そんななか、中学生になったときに学年で一つの劇を作ります、という学習があって、1年生でメインの役を演じさせてもらって、2年生では音楽班のリーダーとして裏方をやったんです。そこでいろんなことを経験したことでお芝居の楽しさを知ることができました。その後はディズニーキャストになったり作曲をしてみたりと右往左往していたのですが、ディズニーダンサーの友人にいろいろと教えてもらって初めてのオーディションを受けて、声優の道へとたどり着きました。いつかディズニー作品に出演することが大きな目標です。
吾妻奎太 小学生や中学生のときには将来の夢もないままに過ごしていました。「将来の夢」を書くような場面でも、ただ思いつくものを付け焼き刃のように記入していただけだったんですが、中学生のときにあるアニメを観て、声優ではなくキャラクターがしゃべっているとしか思えない場面に衝撃を受けました。そこで声優さんに興味が湧いて、すぐに養成所を探しました。養成所で芝居の面白さを知って、学びながら声優を目指して現在に至ります。
日向朔公 昔から自分の声や見た目や言動のすべて嫌いで、全部がコンプレックスだったのですが、友達だと思っていた人からそんな自分のことを「気持ち悪い」と言われて。その言葉を受けて「自分ではない何か」になりたいと思うようになりました。それと同じ時期に蒼井翔太さんの演じるキャラクターと出会って、自分の声を生かした生き方ってかっこいいなと思ったんです。自分の声は嫌いだけど、自分じゃない何かの声だとしたら愛せるかなと思って、声優を目指しました。
――続いて『HeavenlyHelly』のオーディションの思い出をお聞かせください。
佐藤 マネージャーさんから「こういうお話があるよ」と連絡をもらってオーディションの存在を知って。自分がやりたいキャラクターを2キャラ選んでやってくださいという形でした。
野辺 結果は自分が選んだキャラクターではないキャラで決まった人もいるよね。
佐藤 事務所内で、最初から誰が受けるかも伝えられていたので、それにもドキドキしました。「この人が受けるのか。それなら俺はこのキャラにしたほうがいいかな」とか考えちゃったし(笑)。
吾妻 心理的な駆け引きね(笑)。
佐藤 普段受けるオーディションとはまた違うことを考えるオーディションだったかもしれないですね。
吾妻 逆に僕と野辺は1年目なので、先輩がどういうお芝居をするのか、どういう声が得意分野なのかわからなかったので、自分がやりたい役を選びやすかったかもしれないです。
野辺 俺はひたすら先輩方のボイスを聴きまくったけどね?
坂田 僕はツッコミをするキャラが好きなので、ルーシュがやりたいなと思って、ルーシュとペギーを受けました。そのときに「ダンセルもやってみてください」と言われて、その場で演じたところダンセルに決まりました。
――ダンセルで決まったときにはどんなことを感じましたか?
坂田 ダンセルか、と。自分とは全然似ていないなと思いました。ただ不得意なキャラクターということではなかったですし、自分の声がダンセルのイメージに合致したのは新しい発見にもなりました。クールなキャラもできるようになると気合いも入りましたし、お芝居の幅が広がるきっかけにもなりました。それにダンセルはいろんな側面をもったキャラクターでもあるので、演じるのが楽しいです。
――ほかのみなさんのオーディションの思い出はいかがでしたか?
日向 僕はマネージャーさんから「悪魔で受けてください」と言われて、キャラデザを見たときに「絶対にダーリョンだろうな」と思って希望しました。もう1つ、可能性としてジェリーちゃんも受けさせてもらいましたが、結果的にはダーリョンで合格をいただきました。
野辺 僕は逆にダーリョンとジェリーで受けたのですが、オーディションで「エルゴンもやってみてください」と言われて演じてみたところ、エルゴンに決めていただきました。
エルゴンは感情を表に出さないキャラクターでもあるので、表現するのが難しそうだなと思いながらも、新しいことに挑戦させていただける機会だと思って、頑張ろうと思いました。
佐藤 僕は事務所の社長とお話をさせていただいていたときに「今度こういうコンテンツをやるんだ」とふんわりと教えていただいたんです。歌とダンスをやって、片方はJ-POPで、もう片方はK-POPサウンドで出していくんだよ、と。既にそのときに天使と悪魔であることも教えてもらったので、きっと天使がJ-POPを歌うんだろうなぁと思っていました。僕自身が歌うとなると、J-POPが得意なので天使を受けたほうがいいだろうと思ったので、オーディションに持っていったのはファウタとミカの天使2人で、悪魔は一切受けていなかったのですが、オーディション当日にザイールとダンセルもやってほしいと言われて、そのすべてを演じさせてもらったところザイールになりました。
吾妻 僕も悠雅さんと一緒で、受けたのはルーシュとガブで全部天使側だったんです。ルーシュの主人公ならではの明かるい感じや、ガブの冷徹でクールなお芝居をやってみたくて。ペギーについては一番可能性の薄いキャラクターだと思っていたくらいでしたが、まさか選んでいただいたのがペギーで驚きました。でも演じているうちにペギーのことがわかっていって、今では性格的に正反対のペギーだからこそお芝居で表現をすることのやり甲斐を感じています。
堕天使に振り回される堕悪魔たちの想いとは
――そんなご自身の演じるキャラクターの「ここが魅力だ」と思うところを教えてください。
坂田 ダンセルはクールでカリスマ性ある堕悪魔側のリーダーであることがまず魅力ですが、心の中も冷徹なわけではなくむしろ心優しくて、いつもメンバーを気遣っているんですよね。メンバーの心の機微を汲み取って導くタイプ。
本当に出来た人だなぁと思います。ダンセルはルーシュと因縁がありまして、ルーシュのことをよく考えているのですが、そういうときにはリーダーの顔ではなく焦がれるような表情になるところも魅力です。多面性のある男性だなと思います。
ダンセル CV. 坂田将吾
天国と地獄の間の門番にして、次期指導者と言われていた悪魔。物腰柔らかで部下にも優しく、人望の厚い完璧な堕悪魔のリーダー。ただし、悪魔らしく、有無を言わせず相手を従わせるような圧力を笑顔でかけることも。堕天使のリーダー、ルーシュとは因縁があるらしい……。
吾妻 眼鏡をつけている時と外した時で性格が変わり、オドオドとセクシーの二面性を兼ね備えているのがペギーの魅力ではありますが、自己肯定感が低くて何でも否定しがちなペギーが、人の見ていないところで頑張るがんばり屋さんなところがすごくいいなと思っていますし、「ダンセル絶対!」という気持ちも一番強い人だと思います。あとは虎の威を借りる狐ではないですが、ダンセルが後ろにいるときはめちゃくちゃ強気なんですよね(笑)。ただマイナスなことばかり言っている暗いキャラクターというだけではない魅力が詰まったキャラクターだと思っています。
ペギー CV. 吾妻奎太
控え目でおどおどとしており、自己肯定感が低く、他者と話すことが大の苦手。どんな自分も受け入れてくれるダンセルに心酔し、憧れている。
ダンセルからもらった眼鏡を掛けているが、それを外すと……?
日向 ダーリョンは純粋ですよね。教えてもらったことに対して「そうなんだぁ」と全部飲み込んでしまうところがかわいいですし、ちょっとおバカだし。でもそれだけじゃなく、ダーリョンはポジティブな感情は表に出して相手にぶつけるんですけど、ネガティブな感情は割と自分の中に溜めていったり自分で解決しようとするタイプなので、自由奔放に見えて責任感もあるところが魅力かなと思います。
――堕悪魔側は天使のようにピュアで優しい人たちばかりですよね……。
佐藤 堕悪魔ですしね。
坂田 天使はイカれてるからなぁ……。
ダーリョン CV. 日向朔公
双子の兄、エルゴンと共に「双子の番犬」と呼ばれており、戦闘が得意。かわいいものや美しいものが好きで、アイドルになればそれらに囲まれて暮らせるため、地獄には帰りたくないと思っている。ガブとは人間界に堕ちる前から知り合いのようで……?
野辺 エルゴンはスポーティーで無骨そうでヤンキーっぽい感じがありますが、一言で表すと「ダーリョン命」です。また割と周囲を広い視野で見ているので、さりげなくサポートにまわったり、グループの中でも常識的な方で、ツッコミもたまにしているようなキャラクターです。魅力としては兄弟の絡みだと思います。
エルゴン CV. 野辺シュウ
ポーカーフェイスでクールだが、「双子の番犬」の名に相応しく喧嘩っ早いところも。悪魔の中でも冷静で、戦闘絡み以外は常識人のため、メンバーのストッパーになることも多い。ダーリョンのわがままに振り回されるが、大事に思い、深く愛している。
佐藤 ザイールの魅力というと、堕悪魔ですがまったく悪魔っぽくないところかなと思います。悪魔の中に紛れている人間のような感じですよね。
坂田 見た目は一番悪魔っぽいけどね?
佐藤 そこは悪魔っぽいけど、心根はいい奴で。いつも周囲に振り回されているんですよね。堕悪魔側だけじゃなく堕天使側にも振り回されています。でもちゃんとダメなところは正そうとするしっかり者でもあるんですよね。そんなザイールなのに自分に対してはネガティブなところがある。そのギャップや二面性もまた魅力ですし、聴いていても楽しいと思います。
坂田 たしかに。見た目からイメージする人物像とは違うよね。
佐藤 腕っぷしが強そうに見えてそんなに強くなかったり、かわいいものが好きだったり。ギャップがいい味を出していますよね。
ザイール CV. 佐藤悠雅
とある自分の好きなものを捨てきれず、地獄から逃げ出した。人間界で平和に暮らしていたところ、ダンセルたちに見つかり、ほぼ強制的にアイドル活動に参加させられる。家事と料理が得意で、いざというときに頼りになる皆の兄貴分のような存在。
――そんなInferno Tellerの皆さんからご覧になって、ライバルであるFAB-ELの印象を教えてください。
佐藤 元気な人たちですよね。
野辺 騒がしい。
佐藤 ザイールとしては怖いです(笑)。堕悪魔側はダンセルがいるぶん、怖いけど統率が取れているんですよね。ダンセルがまとめてくれますから。そこまで大事は起きないんですけど、堕天使側はリーダーが引っ掻き回されまくっているので、ストッパーとして成立しているかと言えば「していない」んです。だからザイールの視点から見ると怖いですよね。
坂田 だいたい問題を引き起こすのはあっち側だから。
佐藤 こっちは巻き込まれているからね。
吾妻 引っ掻き回されてる!(笑)。
佐藤 もちろん悪感情だけということはないだろうし、好きな人は好きだと思うんですけど。
吾妻 ルーシュ以外の4人って、ルーシュを舐めているというか。やりたい放題やっている印象を受けるんですけど、堕天使がデビューを諦めて堕悪魔がデビューするとなったときも、ルーシュが「もうやめよう」って言ったら、みんな素直に「ルーシュが決めたことだからしょうがない」って従うところを見ると、なんだかんだ言ってもルーシュの言うことを聞くんだなって思ったんです。ただ暴れ散らしているだけではないんだなって思いました。
日向 天使に憧れているダーリョンを通して堕天使側を見ているので、FAB-ELって欠点がないんですよ。
(一同爆笑)
日向 すごくいい人たちって感じなんです。ダーリョンが天使たちの寮に急に訪ねてきても迎え入れてくれるし、ダーリョンが傷つかないように料理が甘いものばっかりでキツイなと思っても「美味しかったよ」っていう優しい嘘をついてくれたりするので、大好きですけどね?
――お兄ちゃんのほうは?
野辺 誘拐されてるからね? あいつら、誘拐犯だよ?(ドラマ内でエルゴンはダーリョンの家出を堕天使たちによる誘拐だと思い込んでいた)天使のツラを被ってるけど、堕天使だからね? ボイスドラマ第2章の終わりでダーリョンが家出するんですよ。それで次の章の台本をもらうまで「え……Inferno Tellerは4人になるの?」って不安でしたよね。彼らが悪いわけじゃないですし、実はガッツリ絡むことは少ないんです。ぷちヘリで絡んだかな?くらいで。ミカさんとはサシで話をしたことはないし。個人個人とエルゴンが絡んだらどうなるのかなぁと未知なところは多いですが、グループとして見ると彼らは彼らでまとまっているんじゃないかなって思います。楽曲としてもユニゾンがすごく綺麗ですし、かっこいいです。
――そして一番振り回されているといえば……。
坂田 ダンセルを通して見たときには特に何も思っていないんですけど、脚本を受け取ったときにいつもガブとジェリーが「どうしてそんなこと言うの!?」って思うことが多くて。「どうしてそんな酷いことを僕らに言うの?」って思うくらい、悪魔差別主義みたいなところがあるし。ジェリーは人が一番言われたくないようなことをどんどん言うしね。おかしいんですよ。
佐藤 だいたい何かされる側だからね、こちらが。
坂田 本当に、すごいですよ。
吾妻 しかもジェリー役の草野さんが、本当にムカつくジェリーを表現してくれるんですよね(笑)。
坂田 あいつもそういうとこあるからなぁ……。
(一同爆笑)
〈後編に続く〉
●リリース情報
HeavenlyHelly
Inferno Teller『Make The Burn』
12月7日発売
【通常盤】
品番:POCE-12194
価格:¥1,650(税込)
1. Make The Burn
2. Cold Rain
3. Make The Burn(カラオケ)
4. Cold Rain(カラオケ)
【ドラマ盤※アニメイト限定販売】
品番:PROP-5008・9
価格:¥3,850(税込)
仕様:CD2枚組
・CD1:通常盤と同内容
・CD2:Voice Drama第3章「羨望の縺れ(もつれ)」 約70分
●イベント情報
【FAB-ELとInferno Teller CD発売記念イベント開催決定!】
FAB-EL&Inferno Teller、初の楽曲パフォーマンス披露ありのオフラインイベントと、オンライン(トーク会&サイン会)イベント開催決定!
「HeavenlyHelly、FAB-EL&Inferno Tellerクリスマスオンラインサイン会」
2022年12月25日(日)
【FAB-ELサイン会】 12:30~14:00(予定)
【Inferno Tellerサイン会】 14:30~16:00(予定)
♪ご購入および詳細はこちらより♪
https://limista.jp/projects/3410
「HeavenlyHelly、FAB-EL&Inferno Teller CD発売記念イベント」
日程:2023年1月15日(日)
会場:池袋AKビル1F(東京都豊島区東池袋1丁目2-9池袋AKビル)
<イベント内容>
1部:16:00開場/16:30開演 FAB-ELトークと、ミニライブ(1曲/初披露)観覧。
特典会(ブロマイドお渡し会)
2部:18:30開場/19:00開演 InfernoTellerトーク&ミニライブ(1曲/初披露)観覧。
特典会(ブロマイドお渡し会)
イベント詳細
https://www.animate-onlineshop.jp/contents/fair_event/detail.php?id=108174
関連リンク
『HeavenlyHelly』オフィシャルサイト
https://heavenlyhelly.com
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