2019年「Here comes The SUN」でデビューした仲村宗悟が自身初のライブツアーを敢行したのは2021年。まるで仲村とバンドメンバーが長く共に活動してきたように息の合ったライブが印象的だった。翌年開催の“SHUGO NAKAMURA 2nd LIVE TOUR ~+ING~”ではオーディエンスの熱も含めた大きな息吹を感じさせたことも記憶に新しい。その2nd LIVE TOURファイナル公演の模様がライブBlu-rayに!そんな映像作品について、そして間もなく開催される“リスアニ!LIVE”への想いや意気込みを仲村に聞いた。INTERVIEW & TEXT BY えびさわなちデビュー後に立ったステージで先輩からもらった言葉――2019年のデビューから2012年に“SHUGO NAKAMURA 1st LIVE TOUR ~NATURAL~”を開催するまでは、“おれパラ”や“LisOeuf♪ Party”といったライブイベントに出演してステージを重ねてこられました。ある意味“アウェイ”なライブに出演されるのは仲村さんにとってどのような時間でしたか?仲村宗悟 気合いが入ります、僕は結構負けん気があるので。そういった僕が外におじゃまするようなライブをしたときには、ほかのアーティストの方を見に来ているお客さんもたくさんいらっしゃいますし、その人たちに良い音楽を届けたい欲があって。それが主かもしれないです。――例えば“LisOeuf♪ Party”のような対バン相手からの刺激はいかがですか?仲村 毎回、刺激をいただいていますね。僕はその辺りも貪欲ですから、ほかの方のパフォーマンスや音楽を見ていても、良いなと思ったものについては自分も取り入れたいんです。「このパフォーマンスに惹かれるな」とか「このMCはすごく良かったな」みたいなところは常にアンテナを張って見るようにしています。――1人のアーティストとして参加されたイベントで印象に残っていることを教えてください。仲村 そうですね……全部印象に残っています。でも“おれパラ”は、自分の声優としての活動も知っている先輩方が主催していらっしゃいますし、(小野)大輔さんとも“おれパラ”出演で初めてがっつりとお話をさせていただけたことも思い出深いです。声優の先輩としてもアーティストの先輩としても、皆さんとても親身になってくださいましたし、そんな皆さんと共に立てるステージは自分にとってもすごく大きな経験となりました。――“おれサマー”(おれパラPRESENTS ORE!!SUMMER 2020)もありましたね。仲村 富士山をバックに見ながらのライブでしたが、あのステージはすごく好きです。広さもそうですし、自然の中で歌えるのは気持ちが良くて。お客さんが配信で見ているなかで、どうやってライブを届けるかということを試行錯誤している先輩方の姿を僕も見させていただきました。それとあの日、森久保翔太郎さんからいただいた言葉があって……すごく晴れていたんですけど、「宗悟に一番似合うスポットライトは太陽だね」って言っていただいたのは、とてもありがたかったです。1st LIVE TOURの経験から手にしたもの――そういった経験の先、2021年には“1st LIVE TOUR ~NATURAL~”がありました。アルバムを引っ提げてのツアーでしたが、あの時間を振り返るとどんな想いがありますか?仲村 僕の一発目のライブですし、「NATURAL」というタイトルもついていたので、本当の素の、等身大の仲村宗悟のステージを見せたいと思いました。自分の歌と音楽だけで勝負みたいなライブだったんですけど、改めて振り返るとまだ粗削りなところもあったりするんですよね。でも一発目にふさわしかったなと思えたライブでした。気合いが入り過ぎているところもあったけれど、最初のライブツアーなんだからそれでいいのかなって感覚でもあるんです。それくらいちょっと鼻息も荒くライブしている感じが見えましたね(笑)。力が入っている感じもまた、今考えると一発目らしくて。ここからもっと楽しくなっていきそうだなというワクワク感のあるライブになっていました。――あのツアーから「仲村宗悟」と「バンド」という感じではなかったですよね。「仲村宗悟」という1つのバンドのようでした。仲村 一体感がありましたね。でもそれはバンドメンバーがすごく近い心の距離でいてくれる人たちなので、僕にとってもそれがすごくありがたいです。一緒にリハーサルをしていても、これがやりたい、あれがやりたいと言いやすいですし、本当に一緒にバンドとしてツアーを回っているような心境でやっていました。――ライブツアーを経験したことで、楽曲制作への影響はありましたか?仲村 もっとアガる曲を作りたいなと思い、ライブを想定した楽曲作りはその後も意識をしていますね。例えば今はまだ叶いませんが、ここでコール&レスポンスをして声を返してもらいたいな、という曲もありましたが、ツアーを経験したことによってそれがより明確になったように思います。ライブをするなかで「ああ、なるほどな」と思う経験も多かったですから。それまでは机上の空論ではないですが、自分の中で思い描いていたもので「こうなるといいな」というものを作っていたのですが、ライブをやってみて、曲によってこんなふうに反応してくれるんだ、声が出せなくてもこういう反応を見せてくれるのかと肌で感じられたんです。――特にライブの経験が活きたのはどの曲ですか?仲村 まさに「流転」(TVアニメ『最遊記RELOAD -ZEROIN-』EDテーマ)はそうなんじゃないかなぁ。これはコール&レスポンスのある曲というわけではないですが、ライブでやったらよりカッコよくなるんじゃないかと思った曲で。MVもすごくこだわってもらって作りましたし、案の定ライブでやると良い反応があるんですよね。EDテーマのお話をいただいて世界観に寄り添って楽曲を作っていったのですが、だんだんライブ向けになっていきましたし、結果としてツアーの中で育っていきましたね。2度目のツアーは仲村宗悟のベースミュージックも届けることができた――そんな仲村さんのライブBlu-rayが1月25日(水)リリースされます。1st LIVE TOURがあったからこそここに収録されている2nd LIVE TOURにプラスになったものはありましたか?仲村 セットリストについてはよく考えました。曲も増えてきたので、エレキのコーナーやアゲアゲの曲のコーナーとしてまとめるパートができましたね。アガるところはアガって、聴いてもらうところはじっくり聴いてもらうというパートとして意識して形作っていって、セットリストの中で分けることができたライブでした。――カバー曲もありましたが、ご自身で楽曲は決められたのでしょうか。仲村 はい。堂島考平さんの「葛飾ラプソディー」とBEGINさんの「ボトル二本とチョコレート」の2曲を公演替わりで歌いました。昔よく歌っていたのですが、この2曲はアコギで弾き語りしていてもすごく気持ちが良い曲なんです。元々楽器を始めて間もない頃にカバーしていた曲で。特に「ボトル二本とチョコレート」は、沖縄で歌うと僕より上の世代の人たちが必ずレスポンスしてくれますから、それをみんなとやりたかったですね。――デビューから最新の曲までを届けながらも、仲村さんのベースミュージックも味わえるライブだったんですね。仲村 MCの中でも話しましたが、いつもおばあに向けて歌っていたので、みんなに「おばあちゃんになった気持ち」で聴いてもらいました。新しいものもありながら、そんなふうに僕を振り返れるライブになっていましたね。――そんなライブが収められたBlu-rayでは、各地を巡って最後に辿り着いたZepp Haneda(TOKYO)の模様が収録されています。ただ、ファイナルに辿り着くまでに出掛けたそれぞれの土地で感じたもので、ファイナル公演に活きたことはありましたか?仲村 1st LIVE TOURのときよりも僕の中に余裕が生まれて、ライブをより楽しむ余白がありました。許容量いっぱいというか、パツパツにはならずにいられたんです。それもあって2nd LIVE TOURの最初の公演からライブの空気も演奏する楽曲も良くなっていったので、ファイナルではそのままの状態で勢いを爆発させようと臨みました。だからファイナルでだけ活きたということではなく、ツアー全体で1stを超え、無心で楽しむことができたライブでした。――楽曲が増えて、前回のツアーよりもセトリを組む際に色々と考えられたとのことでしたが、2度目のツアーでは1本のライブのセットリストを通してどんなことを意識されていたのでしょうか。仲村 同じような曲が連続しないほうがいいかもね、などみんなで話し合っていったんですが、どういうセトリを考えたらお客さんがノリやすいかなとか、気持ちが段階的にアガっていけるかな、とか、そういうことを意識しながら組みました。見ている人が置いてけぼりになってしまったらライブの熱は冷めちゃうと思うので、そこで途切れないような流れを作りたいと思っていました。――そのZepp Haneda(TOKYO)に辿り着くまでの公演で印象的だったことを教えてください。仲村 SENDAI GIGSのバックステージがとにかく楽しかったです。屋台みたいになっている場所があって、おもてなしがとにかくすごい!お寿司を握ってくれるカウンターもあるし、串を揚げてくれたり、ラーメンを作ってくれたり。バイトのスタッフの子がスイーツを作っていたりもして。あと、サウナ施設や温泉もついていたり、シアタールームまで完備されていて……会場入りしたあとにまずバックヤードをツアーするんですけど、「宗悟くんが来る前に西川貴教さんも来ていたんだけど、ここでいっぱい食べていたよ」って教えてもらいました(笑)。そこがすごく良かったので、またいつかSENDAI GIGSでライブがしたいです。仲村宗悟とバンド。固い絆や一体感を見せる彼らの時間――このBlu-rayではツアーに向けてのスタジオリハーサルなども見ることができます。改めてその映像をご覧になると、バンドと共に過ごす時間は仲村さんにとってはどんな時間なのでしょうか。仲村 (村山☆)潤さんがバンマスで、音の調整も色々としてくれたり、音楽を作ってくれることへの絶対的な信頼があるんですよね。僕らのリハーサルやライブって、この感じがいいなぁって思うんです。リハーサルの中でニコニコしながら、一緒に音を追及していける感覚っていうのかな。それが貴重で、良いなぁと思っています。――ライブをやっていくなかで「ここの音をこうしよう」「ああしよう」といったやり取りはあったのでしょうか。仲村 めちゃめちゃありました。この曲の終わりはもっと短くして次の曲に入ってみようとか、逆にもっと伸ばしてみようとか、細かいところまでよく話をしました。バンドメンバーからも提案してくれますし、僕からも提案しました。気持ちはバンドでライブをやっているけれど、本当のバンドではないですから、自分から意見するというのは責任を背負うことになるし難しいことだと思うんですが、それをみんなどんどん言ってくれるので、嬉しいですね。――ファイナル公演ならではの思い出を教えてください。仲村 自分も一緒にエレキを弾いた曲はこのツアーで育ったし、一体感があったなと思います。「imitation」は特に僕の中で育った感があって。よりスタイリッシュによりかっこ良くなったなって思います。それをこもちゃん(菰口雄矢/g)と一緒にギターを弾いている瞬間は自分の中でもグッときましたね。歌っていてもすごく気持ちが良かったです。――映像の中でギタリスト然とした演奏シーンもありましたが、ギターの練習は相当されたのでしょうか。仲村 しました。練習をしないと不安な人なんです。プロのギタリストではないからこそたくさん練習をして身につけなきゃと思う。本番で変な不安が生まれないように何事も日々練習をしています。――そんなギターの演奏も堪能できる今回のLIVE Blu-rayをどんなふうに楽しんでもらいたいですか?仲村 Blu-rayの良さは、自分の好きなところを何回も見られることですよね。それがDISCの良さだと思いますし、ライブに来られなかった方はライブ自体を、ライブにいらっしゃった方は当時の自分の視点とは違う角度や画角を楽しんでもらいたいです。Blu-rayならではの、初めて見られる瞬間を楽しみながら次のツアーに向けての期待値をあげてもらいたいですね。――そして、5月から始まる次のツアーのタイトルは“SHUGO NAKAMURA 3rd LIVE TOUR ~NOISE~”。“NATURAL”“+ING”と来て、今回が“NOISE”になったのはどういった経緯ですか?仲村 スタッフさんから出た言葉だったんです。よくライブで「Make some noise」って言いますよね。「みんな、盛り上がれ!」という場面で。そのシーンを思い浮かべていたそうなんですが、響きもかっこいいですし、僕の曲はバンドサウンドだから色んな「音」の重なりで出来ているものでもありますし、なおかつツアーでみんなが声を出せていたらいいなぁ、という願いも込めました。1月28日、リスアニ!LIVE出演へ向けて!――改めて「アーティスト・仲村宗悟」のライブの「ここが良い!」という強みを教えてください。仲村 近さかなと思います。物理的な近さというよりハートの距離。それを意識しながらライブを作っているつもりですし、そこには会場が広くても小さくても関係はないと思っています。――その強みを見せていただけているであろう“リスアニ!LIVE 2023”も近づいてきました。2019年にアイドルマスター SideMとして出演して以来の“リスアニ!LIVE”ですが、あの日の思い出をお聞かせください。仲村 アイドルマスター SideMとして生バンドと一緒にライブをしたのは初めてのことだったんですよ!そのことに出演メンバーはみんな興奮していましたし、「やっぱりバンドって良いよね!」って。バンドの音をバックに自分たちが歌って踊ることができて本当に楽しかったですし、よりかっこよくパフォーマンスをすることができました。――そして今回は1人のアーティストとしてご出演されます。“リスアニ!LIVE”への意気込みをお聞かせください。仲村 個人としては初めて出演させていただきますし、日本武道館ということで気合いも入ります。その気合いが変な緊張に入らないで、仲村宗悟のライブの良さである“近さ”をみんなに体感していただけるようなパフォーマンスをしたいと思っています。声が出せないということさえも吹き飛ばすくらい、みんなが家に帰ってからも「仲村宗悟の歌が心に残っているし、頭の中で流れるな」となるようなステージにしたいですね。「こんな歌をうたうんだ」と、たくさんの人に知ってもらえるように頑張ります!●リリース情報「SHUGO NAKAMURA 2nd LIVE TOUR ~+ING~」Blu-ray2023年1月25日(水)リリース品番:LABX-8606価格:¥9,900(税込)◆初回生産分限定:フォトブック付き・特殊スリーブケース仕様1. JUMP2.Freedom3.カラフル4. 僕なりのラブソング5. あなたのこと6. 葛飾ラプソディー(Cover)7.てこと8. オブラート9. 水槽の花10. Rain forecast11.流転12. ナチュラル13. Oh No!!14. imitation15. わかってちょうだいね16.ゆらゆら17. 壊れた世界の秒針は18. 素敵な世界で-アンコール-19.待ってる間20.Here come The SUN特典映像:Documentary of +ING●ライブ情報SHUGO NAKAMURA 3rd LIVE TOUR ~NOISE~☆2nd LIVE Blu-rayにチケット最速先行案内封入<ツアー日程>2023年5月28日(日)愛知・Zepp Nagoya開場17:00 / 開演18:002023年6月4日(日)東京・Zepp Haneda開場16:00 / 開演17:002023年6月25日(日)大阪・Zepp Namba開場16:00 / 開演17:00<チケット料金>全席指定 7,150円(税込)※未就学児童入場不可 ※別途ドリンク代必要※本先行のお申込みは電子チケットのみとなります。関連リンク仲村宗悟 公式サイトhttps://www.lantis.jp/nakamurashugo/仲村宗悟 公式Twitterhttps://twitter.com/ShugoAbc仲村宗悟 公式Instagramhttps://www.instagram.com/nakamura_shugo_official/公式YouTubeチャンネルhttps://www.youtube.com/channel/UC7lAePXCHuf3sk-Q4HhWM2A