1月25日にTVアニメ『シュガーアップル・フェアリーテイル』OP主題歌「ミュージカル」と3rdアルバム『fruitful spring』を同時リリースする鈴木みのり。リスアニ!WEBでは彼女にロングインタビューを敢行。
鈴木みのりにとって2023年の第1弾シングルは、自身も出演するアニメ『シュガーアップル・フェアリーテイル』OP主題歌「ミュージカル」、そしてONIGAWARAが手がけた「季節のカルテット」の2曲を収録。そのどちらも鈴木みのりの声を得て、夢心地な領域へと連れ去るポップスとなっている。歌手活動5周年イヤーのスタートにふさわしいシングルについて、そしてED主題歌「叶える」を担当する諸星すみれへのメッセージが鈴木みのりの口から語られた。
INTERVIEW & TEXT BY 清水耕司(セブンデイズウォー)
「りんご」という共通点、抱いていた小さな夢
――『シュガーアップル・フェアリーテイル』は、妖精のベンジャミン役でも出演していますが、OP主題歌を担当する経緯から教えていただけますか?
鈴木みのり 主題歌歌唱のお話をいただく前にベンジャミン役のお話を先にいただいたんです。その際に小説とコミックは読んでいて、タイトルに「アップル」とついているということで、「みのりんご」という自分の呼び名が結びついていました。お話もすごく好きでしたし、女性主人公で女性読者がメインとなる作品で主題歌を歌うことは夢でもあったんです。なので、「(主題歌を)歌いたいなぁ……」とこっそり願っていましたが、全部叶うことになりすごく嬉しかったですね。
――楽曲に対する印象や、本番のレコーディングで歌った感想などについても感じたことを教えてもらえますか?
鈴木 最初に聴いたときは、軽やかでとても楽しい曲だと思ったんです。でも、いざ自分で歌ってみるとすごく難しい、というのが第一印象でした。仮歌を録るとき、覚えたつもりなのに全然歌えなかったですね。
――昨年のクリスマスにはLA CITTADELLA中央噴水広場(神奈川・川崎)で、アン・ハルフォード役の貫井柚佳さん、ED主題歌を歌われる諸星すみれさんと『シュガーアップル・フェアリーテイル』のトーク&ライブイベントに参加されました。「ミュージカル」を生で披露した感想はいかがでしたか? すでにステップや手振りも入れて歌われていましたが。
鈴木 Music Videoでも踊るシーンがちょっとあったので、その振りを入れて踊ってみました。TV放送前なのでアニメや私のことも知らない人が観覧していただける空間で久々に歌うことに少し緊張感がありましたが、初めて人前で歌って感じたのは、この「ミュージカル」は、人を引っ張っていく力があるというか、緊張さえも楽しさに変わる楽曲というか、不思議なパワーをもらえる曲だということでした。イベントよりも前にいくつかの媒体の収録ですでに歌わせていただいていて、そのときから感じていたことです。だから、リハーサルのときから「ミュージカル」を歌うと自分も楽しいし、みんなも朗らかになってくれそうな期待も生まれていましたね。
――観覧フリーのイベントはやはり少し緊張しますか?
鈴木 そうですね。自分のことを知らない人がいるというのは少し怖いのですが、最近感じているのは、自分が思っているよりも楽しいことはちゃんと伝わる、ということで。「知らないから」とか「アニメだから」とか関係なく、いい音楽であれば受け止めてくれるし、楽しんでもくれるということがわかって、だんだん楽しくなってきました。
――たしかに見ていても、すごく堂々と楽しそうに歌われていて、それは通りすがりの人にも伝わりそうだと思っていました。
鈴木 きっと5年の歌手活動で得た何かが(笑)。
――イベントでは、諸星さんが歌うED主題歌の「叶える」が好きで、家で「ミュージカル」の練習中にもついつい「叶える」を聴いたり歌っていたりしていたと仰っていました。
鈴木 そうなんですよ。すみれさんの歌も好きですけど、「ミュージカル」と同じく岩里さんの書かれた歌詞が、アニメーションを見ていたらきっと刺さるだろうと思えたし、見ていなくても勇気をもらえるとも思いました。
――ストレートで強い言葉ですよね。
鈴木 貫井さんも仰っていましたが、前向きになれる『シュガーアップル・フェアリーテイル』のポジティブでキラキラした部分をオープニングが、その奥底にある芯というか決意のような堅い部分をエンディングですみれさんが担い、作品を挟んでいる感じがありますね。
――諸星さんによると、イベント当日も楽屋で「叶える」を口ずさむ鈴木さんの歌が聴こえてきたそうです。
鈴木 たしかに歌っていましたね(笑)。
――諸星さんとしては、嬉しかったけれども人見知りなので気持ちを伝えられずだった、と。
鈴木 イベントでもご自身が「人見知りで」と言っていて、私も「人見知りなんです」って返して。そこで終わっちゃったんですよね。本当に人見知りだった2人(笑)。
――なので、「歌っていただいてありがとうございます」と「仲良くしてください」というメッセージは預かってきたのですが。
鈴木 ぜひぜひ(笑)。
――鈴木さんからOP・EDを担当するパートナーとなった諸星さんにメッセージを送るとすると?
鈴木 「叶える」が大好きです(笑)。あとはもう、声優さんとしては大大先輩ですから。
歌手活動5周年の新たな歩みとして歌うカップリング曲
――カップリング曲がどのように生まれたかについても教えていただけますか?
鈴木 まず、今回のシングルはアルバムとほぼ同時進行で制作していまして。で、アルバムではディレクターさんの意向もあって、お願いしたい作家さんやどういう曲が欲しいかという自分の意見をかなり反映させていただいたんですけど、このカップリング曲もその流れの一つでした。最初、ONIGAWARAさんについてディレクターさんから、どういう曲を書いてきて、どういう曲が書けるかというプレゼンをいただきました。そのあとに曲を聴かせてもらったとき、「いいですね」と思いつつ、同じフレーズを繰り返す曲ってこれまで歌ってきていないな、と気づいたんです。それに加えて、このシングルと3rdアルバムはツアーにも繋がるものなので、ライブ映えのする、頭から離れないような曲が欲しいというお話をONIGAWARAさんにお伝えし、そうやって生まれた曲でしたね。でも、「季節」といった単語やモチーフはこちらからの指定では全くなく。結果的に、『fruitful spring』というアルバムタイトルや、収録曲の「夏のばね」などとリンクしていて、すごくいい締めができた感覚はあります。
――アルバムとシングルの間に奇蹟的なシンクロが生まれたということですね。どのような意識で歌われましたか? 結構難しい歌だと思いますが。
鈴木 いや、もう、本当に仰るとおり難しくて。とてもポップで可愛らしいし、口ずさみやすいので軽く歌えそうなんですけど、レコーディングしてみると「あれ? これ、息吸ってないじゃん」みたいな(笑)。本当に大変でした。でも「ミュージカル」同様、「季節のカルテット」もアップテンポならではの元気さや、笑顔になれる感覚がすごくある曲なのでそこは意識しました。そうしたら曲により色がついて、かなり楽しんでレコーディングで歌うことができましたね。
――何か練習やレコーディングでの工夫はありましたか?
鈴木 サビを通して歌うとニュアンスがつけられないので、分けて練習はしました。だから、サビを録ってからA、B……、という順序で進めることが多いんですけど、今回はA、Bを歌ってからサビを2ブロックくらいに分けて録り、全部を録ったあとに一度通して歌ってみて、良かったところをマークして……、という感じでした。あとは、ONIGAWARAさんのお2人ともレコーディングに来てくださったので少しアドバイスもいただきました。ONIGAWARAさんは、コーラスをどこにつけるか、現場でいろいろと考えてくださるためにもいらしたんですけど、実際にハモリはすべてONIGAWARAさんがやってくださいました。台詞みたいな部分もありますが、そこは私の歌を聴いてから生まれたところでしたね。
――初回限定盤には、昨年10月2日に行われたライブ『みのりんご収穫祭 2022~乙女ちっくに大人ちっく~』から5曲を収録したCDが同梱されます。
鈴木 今までもライブ音源を収録したことはありましたけど、自身のソロ名義でした。
――5周年を迎える2023年は「ミュージカル」というアニメ主題歌でスタートを切ることになりました。アルバムやツアーにつながるシングルでもあるということですが、今の意気込みや心境としてはどのようなものがありますか?
鈴木 そうですね、「ミュージカル」というタイトルは仮歌のあとに決まったもので、岩里さんは先ほどお話ししたディレクションも汲み取られたのではないかと思いますが、その一歩としていただいた楽曲のタイトルが「ミュージカル」というのは非常に嬉しかったです。歌手活動5周年を迎える自分ではありますけど、音楽もお芝居と同じく表現の1つだと思って歌っていますし、音楽もお芝居もどちらもいいとこ取りしながら頑張っていきたいという想いがあるので。だから本当に自分に合ったタイトルの楽曲だと思いますし、しかもこのタイミングでいただけたという流れは我ながらすごいタイミングだなと思います。アニメのオープニングとしても、背中を押したり前に向かって引っ張っていったりというポジティブなパワーが詰め込まれた楽曲になっている、と感じています。
――Xmasイベントで、歌手活動5周年イヤー最初のライブとなる“リスアニ!LIVE 2023”についての意気込みも語られていました。新曲が披露されるかどうかはわかりませんが今の心境を教えてください。
鈴木 はい、歌手活動5周年一発目のライブということで、ぶち上げセットリストをひっさげて今の全力を出したいと思っております。出演させていただく1月27日(金)は「EXTRA STAGE」と銘打たれ、次のシーンを担うアーティストとして選ばれているので、すごく光栄という気持ちを胸に臨みたいとも思っています。ぜひ楽しみにしていてください。
●リリース情報
シングル
TVアニメ『シュガーアップル・フェアリーテイル』OPテーマ
「ミュージカル」
1月25日発売
【初回限定盤(2CD)】
品番:VTZL-222
価格:¥2,750(税込)
【通常盤(CD)】
品番:VTCL-35351
価格:¥1,320(税込)
<収録曲>
1. ミュージカル
作詞:岩里祐穂 作曲:金山秀士 編曲:椿山日南子
2. 季節のカルテット
作詞:竹内サティフォ 作曲・編曲:ONIGAWARA
3. ミュージカル(Instrumental)
4. 季節のカルテット(Instrumental)
5. ミュージカル(TV EDIT)
<特典CD>
2022.10.2「みのりんご収穫祭2022~乙女ちっくに大人ちっく~」LIVE
(全5曲収録予定)
01. Wherever 作詞:MALIYA 作曲:MALIYA
02. 金魚花火 作詞:愛 作曲:愛
03. 真夜中のダンス 作詞:尾崎雄貴 作曲:尾崎雄貴
04. Remedy 作詞:坂本真綾 作曲:solaya
05. わたしはわたしになりたい 作詞:鈴木みのり 作曲:sasakure.UK
Keyboard, Chorus:末永華子
3rdアルバム
『fruitful spring』
1月25日発売
■mora
通常/配信リンクはこちら
ハイレゾ/配信リンクはこちら
【初回限定盤(CD+BD)】
品番:VTZL-221
価格:¥4,730(税込)
【通常盤(CD)】
品番:VTCL-60568
価格:¥3,300(税込)
<収録曲>
1.My Own Story
作詞:坂本真綾 作曲・編曲:北川勝利
2.だってMy Life もっとMy Choice
作詞:YURINA da GOLD DIGGER 作曲・編曲:宮野弦士
3.BROKEN IDENTITY
作詞:nana hatori 作曲・編曲:Mao Yamamoto
4.わだちの花
作詞・作曲・編曲:いよわ
5.サイハテ
作詞:饗庭純 作曲・編曲:出羽良彰
6.もういちどメロディ
作詞:北川勝利、藤村鼓乃美 作曲・編曲:北川勝利
7.はじめよう
作詞:鈴木みのり 作曲・編曲:滝澤俊輔(TRYTONELABO)
8.Shout!!!
作詞:鈴木みのり 作曲・編曲:江口亮
9.リップ
作詞・作曲・編曲:すりぃ
10.Wherever
作詞・作曲:MALIYA 編曲:Island State Music
11.夏のばね
作詞・作曲・編曲:尾崎雄貴(Galileo Galilei/BBHF)
<BD>
・Music Video
「サイハテ」、「BROKEN IDENTITY」、「My Own Story」
・”fruitful spring” documentary -鈴木みのり密着ドキュメント-(仮タイトル)
●ライブ情報
「鈴木みのり3rd LIVE TOUR 2023 ~fruitful spring~」
3月10日(金) Zepp DiverCity(東京)
18:00開場/19:00開演
3月18日(土) BIGCAT(大阪)
16:30開場/17:00開演
3月19日(日) ダイアモンドホール(愛知)
16:30開場/17:00開演
問:HOT STUFF PROMOTION 03-5720-9999(東京)
チケット 指定席:8,800円(税込)
バンドメンバー
Guitar & Band Master : 北川勝利(ROUND TABLE)
Drums : 山本真央樹
Bass : 千ヶ崎学
Guitar : 奥田健介(NONA REEVES)
Keyboards : 末永華子
Manipulation:須藤豪
主催:e-stone music / ビクターミュージックアーツ株式会社
●作品情報
TVアニメ『シュガーアップル・フェアリーテイル』
放送中
【STAFF】
原作:三川みり(角川ビーンズ文庫刊)
原作イラスト:あき
監督:鈴木洋平
シリーズ構成:水上清資
キャラクターデザイン:飯塚晴子
音楽:椿山日南子
音楽制作:フライングドッグ
アニメーション制作:J.C.STAFF
オープニングテーマ:「ミュージカル」鈴木みのり
エンディングテーマ:「叶える」諸星すみれ
製作:「シュガーアップル・フェアリーテイル」製作委員会
【CAST】
アン・ハルフォード:貫井柚佳
シャル・フェン・シャル:水中雅章
ミスリル・リッド・ポッド:高橋李依
ヒュー・マーキュリー:前野智昭
●イベント情報
リスアニ!LIVE 2023
会場:日本武道館
2023年1月27日(金)EXTRA STAGE
開場17:30/開演18:30-終演20:30 (予定)
2023年1月28日(土)SATURDAY STAGE
開場15:00/開演16:00-終演20:30(予定)
2023年1月29日(日)SUNDAY STAGE
開場14:00/開演15:00-終演19:30(予定)
※鈴木みのりは27日に出演します。
“リスアニ!LIVE 2023”公式サイト
https://www.lisani.jp/live/
©2023 三川みり・あき/KADOKAWA/「シュガーアップル・フェアリーテイル」製作委員会
関連リンク
鈴木みのりオフィシャルサイト
http://e-stonemusic.com/minoringo/
TVアニメ『シュガーアップル・フェアリーテイル』公式サイト
https://sugarapple-anime.com
鈴木みのり 歌手活動5周年特設サイト
https://www.jvcmusic.co.jp/flyingdog/suzukiminori/5th/
シングルとアルバムそれぞれについてじっくり話を聞いた。まずはシングル「ミュージカル」編をお届けする。
鈴木みのりにとって2023年の第1弾シングルは、自身も出演するアニメ『シュガーアップル・フェアリーテイル』OP主題歌「ミュージカル」、そしてONIGAWARAが手がけた「季節のカルテット」の2曲を収録。そのどちらも鈴木みのりの声を得て、夢心地な領域へと連れ去るポップスとなっている。歌手活動5周年イヤーのスタートにふさわしいシングルについて、そしてED主題歌「叶える」を担当する諸星すみれへのメッセージが鈴木みのりの口から語られた。
INTERVIEW & TEXT BY 清水耕司(セブンデイズウォー)
「りんご」という共通点、抱いていた小さな夢
――『シュガーアップル・フェアリーテイル』は、妖精のベンジャミン役でも出演していますが、OP主題歌を担当する経緯から教えていただけますか?
鈴木みのり 主題歌歌唱のお話をいただく前にベンジャミン役のお話を先にいただいたんです。その際に小説とコミックは読んでいて、タイトルに「アップル」とついているということで、「みのりんご」という自分の呼び名が結びついていました。お話もすごく好きでしたし、女性主人公で女性読者がメインとなる作品で主題歌を歌うことは夢でもあったんです。なので、「(主題歌を)歌いたいなぁ……」とこっそり願っていましたが、全部叶うことになりすごく嬉しかったですね。
――楽曲に対する印象や、本番のレコーディングで歌った感想などについても感じたことを教えてもらえますか?
鈴木 最初に聴いたときは、軽やかでとても楽しい曲だと思ったんです。でも、いざ自分で歌ってみるとすごく難しい、というのが第一印象でした。仮歌を録るとき、覚えたつもりなのに全然歌えなかったですね。
しかも、作詞の岩里祐穂さんが立ち会われて、録りながら譜割りや歌詞を考えられていました。岩里さんは「みのりちゃんの歌を聴いて決めたいんだよね」と仰ってくれていて、自分の癖だったり、歌いやすい歌い方だったりを汲み取って、「じゃあ、ここは変えるからみのりちゃんはそのまま歌おう」と言ってくださったんです。実際、「信じてたい」を「信じていたい」とか1文字入れるだけで歌いやすくなりましたし、すごくありがたかったです。ただ、憧れの岩里さんなので。同じ空間にいるというだけで緊張して、こんなに苦戦するのは久々、と思うくらいの出来でした。それでも、本番では楽曲にも慣れてきましたし、大きかったのはミュージカル感を意識してくださいとディレクションで言われたことでした。「やっぱり」と思うところが自分にもあって、自分の中での景色が変わったんですね。いつもはアニメのシーンを頭に浮かべながら、第三者目線で作品の何かを伝える、という歌い方を意識していましたけど、今回は『シュガーアップル・フェアリーテイル』というアニメを元に自分が別の場所でミュージカルをしている、という感覚でした。アンではない自分がアンと同じように頑張り、その姿が誰かにパワーを与える、という立場を演じて歌う意識でしたね。それがとてもやりやすかったので、かなり楽しく歌えたイメージがあります。
――昨年のクリスマスにはLA CITTADELLA中央噴水広場(神奈川・川崎)で、アン・ハルフォード役の貫井柚佳さん、ED主題歌を歌われる諸星すみれさんと『シュガーアップル・フェアリーテイル』のトーク&ライブイベントに参加されました。「ミュージカル」を生で披露した感想はいかがでしたか? すでにステップや手振りも入れて歌われていましたが。
鈴木 Music Videoでも踊るシーンがちょっとあったので、その振りを入れて踊ってみました。TV放送前なのでアニメや私のことも知らない人が観覧していただける空間で久々に歌うことに少し緊張感がありましたが、初めて人前で歌って感じたのは、この「ミュージカル」は、人を引っ張っていく力があるというか、緊張さえも楽しさに変わる楽曲というか、不思議なパワーをもらえる曲だということでした。イベントよりも前にいくつかの媒体の収録ですでに歌わせていただいていて、そのときから感じていたことです。だから、リハーサルのときから「ミュージカル」を歌うと自分も楽しいし、みんなも朗らかになってくれそうな期待も生まれていましたね。
――観覧フリーのイベントはやはり少し緊張しますか?
鈴木 そうですね。自分のことを知らない人がいるというのは少し怖いのですが、最近感じているのは、自分が思っているよりも楽しいことはちゃんと伝わる、ということで。「知らないから」とか「アニメだから」とか関係なく、いい音楽であれば受け止めてくれるし、楽しんでもくれるということがわかって、だんだん楽しくなってきました。
――たしかに見ていても、すごく堂々と楽しそうに歌われていて、それは通りすがりの人にも伝わりそうだと思っていました。
鈴木 きっと5年の歌手活動で得た何かが(笑)。
――イベントでは、諸星さんが歌うED主題歌の「叶える」が好きで、家で「ミュージカル」の練習中にもついつい「叶える」を聴いたり歌っていたりしていたと仰っていました。
鈴木 そうなんですよ。すみれさんの歌も好きですけど、「ミュージカル」と同じく岩里さんの書かれた歌詞が、アニメーションを見ていたらきっと刺さるだろうと思えたし、見ていなくても勇気をもらえるとも思いました。
「叶える」というタイトルがもう!
――ストレートで強い言葉ですよね。
鈴木 貫井さんも仰っていましたが、前向きになれる『シュガーアップル・フェアリーテイル』のポジティブでキラキラした部分をオープニングが、その奥底にある芯というか決意のような堅い部分をエンディングですみれさんが担い、作品を挟んでいる感じがありますね。
――諸星さんによると、イベント当日も楽屋で「叶える」を口ずさむ鈴木さんの歌が聴こえてきたそうです。
鈴木 たしかに歌っていましたね(笑)。
――諸星さんとしては、嬉しかったけれども人見知りなので気持ちを伝えられずだった、と。
鈴木 イベントでもご自身が「人見知りで」と言っていて、私も「人見知りなんです」って返して。そこで終わっちゃったんですよね。本当に人見知りだった2人(笑)。
――なので、「歌っていただいてありがとうございます」と「仲良くしてください」というメッセージは預かってきたのですが。
鈴木 ぜひぜひ(笑)。
――鈴木さんからOP・EDを担当するパートナーとなった諸星さんにメッセージを送るとすると?
鈴木 「叶える」が大好きです(笑)。あとはもう、声優さんとしては大大先輩ですから。
大好きなお芝居について真面目な話もしてみたいですね。やっぱり経験値がはるかに違うと思うので。どういうお話が聞けるかも興味深いところです。
歌手活動5周年の新たな歩みとして歌うカップリング曲
――カップリング曲がどのように生まれたかについても教えていただけますか?
鈴木 まず、今回のシングルはアルバムとほぼ同時進行で制作していまして。で、アルバムではディレクターさんの意向もあって、お願いしたい作家さんやどういう曲が欲しいかという自分の意見をかなり反映させていただいたんですけど、このカップリング曲もその流れの一つでした。最初、ONIGAWARAさんについてディレクターさんから、どういう曲を書いてきて、どういう曲が書けるかというプレゼンをいただきました。そのあとに曲を聴かせてもらったとき、「いいですね」と思いつつ、同じフレーズを繰り返す曲ってこれまで歌ってきていないな、と気づいたんです。それに加えて、このシングルと3rdアルバムはツアーにも繋がるものなので、ライブ映えのする、頭から離れないような曲が欲しいというお話をONIGAWARAさんにお伝えし、そうやって生まれた曲でしたね。でも、「季節」といった単語やモチーフはこちらからの指定では全くなく。結果的に、『fruitful spring』というアルバムタイトルや、収録曲の「夏のばね」などとリンクしていて、すごくいい締めができた感覚はあります。
――アルバムとシングルの間に奇蹟的なシンクロが生まれたということですね。どのような意識で歌われましたか? 結構難しい歌だと思いますが。
鈴木 いや、もう、本当に仰るとおり難しくて。とてもポップで可愛らしいし、口ずさみやすいので軽く歌えそうなんですけど、レコーディングしてみると「あれ? これ、息吸ってないじゃん」みたいな(笑)。本当に大変でした。でも「ミュージカル」同様、「季節のカルテット」もアップテンポならではの元気さや、笑顔になれる感覚がすごくある曲なのでそこは意識しました。そうしたら曲により色がついて、かなり楽しんでレコーディングで歌うことができましたね。
――何か練習やレコーディングでの工夫はありましたか?
鈴木 サビを通して歌うとニュアンスがつけられないので、分けて練習はしました。だから、サビを録ってからA、B……、という順序で進めることが多いんですけど、今回はA、Bを歌ってからサビを2ブロックくらいに分けて録り、全部を録ったあとに一度通して歌ってみて、良かったところをマークして……、という感じでした。あとは、ONIGAWARAさんのお2人ともレコーディングに来てくださったので少しアドバイスもいただきました。ONIGAWARAさんは、コーラスをどこにつけるか、現場でいろいろと考えてくださるためにもいらしたんですけど、実際にハモリはすべてONIGAWARAさんがやってくださいました。台詞みたいな部分もありますが、そこは私の歌を聴いてから生まれたところでしたね。
――初回限定盤には、昨年10月2日に行われたライブ『みのりんご収穫祭 2022~乙女ちっくに大人ちっく~』から5曲を収録したCDが同梱されます。
鈴木 今までもライブ音源を収録したことはありましたけど、自身のソロ名義でした。
でも今回はほとんどがカバー曲で、その中にはBBHFさんの「真夜中のダンス」も入っており、アルバムの「夏のばね」の伏線になっていますね。あと、最近はボーカロイド楽曲やアイドルの楽曲をカバーすることも多かったんですけど、歌手活動5周年を迎えますし、CDとしても残るということで自分にとって思い出のめちゃくちゃあるアーティストの曲を選んでいます。大好きで、多分自分の歌い方のルーツになっている大塚愛さんの曲とか。
――5周年を迎える2023年は「ミュージカル」というアニメ主題歌でスタートを切ることになりました。アルバムやツアーにつながるシングルでもあるということですが、今の意気込みや心境としてはどのようなものがありますか?
鈴木 そうですね、「ミュージカル」というタイトルは仮歌のあとに決まったもので、岩里さんは先ほどお話ししたディレクションも汲み取られたのではないかと思いますが、その一歩としていただいた楽曲のタイトルが「ミュージカル」というのは非常に嬉しかったです。歌手活動5周年を迎える自分ではありますけど、音楽もお芝居と同じく表現の1つだと思って歌っていますし、音楽もお芝居もどちらもいいとこ取りしながら頑張っていきたいという想いがあるので。だから本当に自分に合ったタイトルの楽曲だと思いますし、しかもこのタイミングでいただけたという流れは我ながらすごいタイミングだなと思います。アニメのオープニングとしても、背中を押したり前に向かって引っ張っていったりというポジティブなパワーが詰め込まれた楽曲になっている、と感じています。
――Xmasイベントで、歌手活動5周年イヤー最初のライブとなる“リスアニ!LIVE 2023”についての意気込みも語られていました。新曲が披露されるかどうかはわかりませんが今の心境を教えてください。
鈴木 はい、歌手活動5周年一発目のライブということで、ぶち上げセットリストをひっさげて今の全力を出したいと思っております。出演させていただく1月27日(金)は「EXTRA STAGE」と銘打たれ、次のシーンを担うアーティストとして選ばれているので、すごく光栄という気持ちを胸に臨みたいとも思っています。ぜひ楽しみにしていてください。
●リリース情報
シングル
TVアニメ『シュガーアップル・フェアリーテイル』OPテーマ
「ミュージカル」
1月25日発売
【初回限定盤(2CD)】
品番:VTZL-222
価格:¥2,750(税込)
【通常盤(CD)】
品番:VTCL-35351
価格:¥1,320(税込)
<収録曲>
1. ミュージカル
作詞:岩里祐穂 作曲:金山秀士 編曲:椿山日南子
2. 季節のカルテット
作詞:竹内サティフォ 作曲・編曲:ONIGAWARA
3. ミュージカル(Instrumental)
4. 季節のカルテット(Instrumental)
5. ミュージカル(TV EDIT)
<特典CD>
2022.10.2「みのりんご収穫祭2022~乙女ちっくに大人ちっく~」LIVE
(全5曲収録予定)
01. Wherever 作詞:MALIYA 作曲:MALIYA
02. 金魚花火 作詞:愛 作曲:愛
03. 真夜中のダンス 作詞:尾崎雄貴 作曲:尾崎雄貴
04. Remedy 作詞:坂本真綾 作曲:solaya
05. わたしはわたしになりたい 作詞:鈴木みのり 作曲:sasakure.UK
Keyboard, Chorus:末永華子
3rdアルバム
『fruitful spring』
1月25日発売
■mora
通常/配信リンクはこちら
ハイレゾ/配信リンクはこちら
【初回限定盤(CD+BD)】
品番:VTZL-221
価格:¥4,730(税込)
【通常盤(CD)】
品番:VTCL-60568
価格:¥3,300(税込)
<収録曲>
1.My Own Story
作詞:坂本真綾 作曲・編曲:北川勝利
2.だってMy Life もっとMy Choice
作詞:YURINA da GOLD DIGGER 作曲・編曲:宮野弦士
3.BROKEN IDENTITY
作詞:nana hatori 作曲・編曲:Mao Yamamoto
4.わだちの花
作詞・作曲・編曲:いよわ
5.サイハテ
作詞:饗庭純 作曲・編曲:出羽良彰
6.もういちどメロディ
作詞:北川勝利、藤村鼓乃美 作曲・編曲:北川勝利
7.はじめよう
作詞:鈴木みのり 作曲・編曲:滝澤俊輔(TRYTONELABO)
8.Shout!!!
作詞:鈴木みのり 作曲・編曲:江口亮
9.リップ
作詞・作曲・編曲:すりぃ
10.Wherever
作詞・作曲:MALIYA 編曲:Island State Music
11.夏のばね
作詞・作曲・編曲:尾崎雄貴(Galileo Galilei/BBHF)
<BD>
・Music Video
「サイハテ」、「BROKEN IDENTITY」、「My Own Story」
・”fruitful spring” documentary -鈴木みのり密着ドキュメント-(仮タイトル)
●ライブ情報
「鈴木みのり3rd LIVE TOUR 2023 ~fruitful spring~」
3月10日(金) Zepp DiverCity(東京)
18:00開場/19:00開演
3月18日(土) BIGCAT(大阪)
16:30開場/17:00開演
3月19日(日) ダイアモンドホール(愛知)
16:30開場/17:00開演
問:HOT STUFF PROMOTION 03-5720-9999(東京)
チケット 指定席:8,800円(税込)
バンドメンバー
Guitar & Band Master : 北川勝利(ROUND TABLE)
Drums : 山本真央樹
Bass : 千ヶ崎学
Guitar : 奥田健介(NONA REEVES)
Keyboards : 末永華子
Manipulation:須藤豪
主催:e-stone music / ビクターミュージックアーツ株式会社
●作品情報
TVアニメ『シュガーアップル・フェアリーテイル』
放送中
【STAFF】
原作:三川みり(角川ビーンズ文庫刊)
原作イラスト:あき
監督:鈴木洋平
シリーズ構成:水上清資
キャラクターデザイン:飯塚晴子
音楽:椿山日南子
音楽制作:フライングドッグ
アニメーション制作:J.C.STAFF
オープニングテーマ:「ミュージカル」鈴木みのり
エンディングテーマ:「叶える」諸星すみれ
製作:「シュガーアップル・フェアリーテイル」製作委員会
【CAST】
アン・ハルフォード:貫井柚佳
シャル・フェン・シャル:水中雅章
ミスリル・リッド・ポッド:高橋李依
ヒュー・マーキュリー:前野智昭
●イベント情報
リスアニ!LIVE 2023
会場:日本武道館
2023年1月27日(金)EXTRA STAGE
開場17:30/開演18:30-終演20:30 (予定)
2023年1月28日(土)SATURDAY STAGE
開場15:00/開演16:00-終演20:30(予定)
2023年1月29日(日)SUNDAY STAGE
開場14:00/開演15:00-終演19:30(予定)
※鈴木みのりは27日に出演します。
“リスアニ!LIVE 2023”公式サイト
https://www.lisani.jp/live/
©2023 三川みり・あき/KADOKAWA/「シュガーアップル・フェアリーテイル」製作委員会
関連リンク
鈴木みのりオフィシャルサイト
http://e-stonemusic.com/minoringo/
TVアニメ『シュガーアップル・フェアリーテイル』公式サイト
https://sugarapple-anime.com
鈴木みのり 歌手活動5周年特設サイト
https://www.jvcmusic.co.jp/flyingdog/suzukiminori/5th/
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