DJをテーマに、アニメ、ゲーム、ライブなど様々なメディアミックス展開を行うプロジェクト「D4DJ」。そのTVアニメ2期『D4DJ All Mix』が、2023年1月から放送をスタートした。
連載第2回では、『D4DJ All Mix』のストーリーの主軸を担い、アニメ第3話でキュートかつ雅なステージを見せたお嬢様学校に通う高校生ユニット・Lyrical Lily(通称:リリリリ)のキャストより、反田葉月(桜田美夢役)、渡瀬結月(竹下みいこ役)と、同ユニットの音楽プロデューサーを務める小説家・中村 航との対談を敢行。OPテーマ「Maihime」や第3話で初披露となった新曲「春とショコラ」についてはもちろん、ユニットのこれまでとこれからについても存分に語ってもらった。
INTERVIEW & TEXT BY 須永兼次
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【連載】Diggin’『D4DJ All Mix』――「D4DJ」TVアニメ第2期を徹底特集!
“妹”ポジションから、一歩前へと踏み出していった3年間
――新曲のお話の前に、これまでの振り返りからお聞きできればと思います。中村さんはLyrical Lilyを音楽プロデューサーとして見守るなかで、メンバーの皆さんの成長をどのように感じてきましたか?
中村 航 最初のオーディションから見ていますが、個々としてもユニットとしても、目覚ましい成長を遂げていて……Lyrical Lilyって実は“個の力”のユニットという側面もあるので、比較的に歌割りが均等なのですが、そのなかで「このパートはこの人に任せておけば大丈夫」という塩梅もわかってきましたし、“プロ”として成長する4人に我々もついていかなければ……という気持ちです。
反田葉月 わぁ……プロだって!
渡瀬結月 ねぇ!嬉しい……!
中村 特に成長を感じたのは、1年くらい前からかな? 歌の面でもキャラクターとしての演技でも驚いた瞬間は何度もありましたし、今なんてレコーディングが終わると感心して、チームで「すごかったね」とか「ここがいいよね」という話をすることも多いんですよ。
――成長を感じられたのは、特にどんな部分でしたか?
中村 まず渡瀬さんは、基本すごく頑張ってくれるんです。コーラスは渡瀬さんに頼ることが多いのですが、準備をしっかりしてくれる。そのうえで、さっきお話ししたように、1年ぐらい前に「掴んだのかな?」と感じた瞬間があったんですよ。「なのラップ」(※「ねむり姫」の渡瀬担当のラップパート)なんて、この3年間で最大級の無茶振りだったはずなのに(笑)、そういうところもすごく頑張ってくれたからこそ成長を感じるんでしょうね。
渡瀬 ありがとうございます……! 私、周りからは「頑張り屋さんだね」とよく言ってもらえるのですが、逆に自分自身では怠惰なほうだと思っていたので(笑)、「そうだったんだ!」って思いました。あと私、実は「なのラップ」もそんなに無茶振りだと思っていなくて。ライブで歌うとなると息継ぎが大変そうとは思いましたけど、レコーディングは楽しみでした!
中村 で、反田さんは、まず歌以外のセリフを入れるときに、こちらがまだ辿り着いていない答えを、いつも出してくれるんですよ。
反田 あ、そうなんです!
中村 やっぱりそうだったんだ。Lyrical Lilyって、最初の頃は先行する他グループのかわいい妹分みたいなポジションで、少し遠慮していた感じがしたんですね。でも成長していくなかで「“もっと成長したい”とか“こういうことを頑張りたい”という気持ちを、素直に見せよう!」と変わった気がして。それを反田さんが、うまく先導してくれた気がするな。
反田 それが中村先生にバレていたのは、本当にびっくりです!私たち、毎回ライブごとに目標を立てているんですけど……メンバーみんな、本当に不器用な努力家さんというか、表に出さない頑張り屋さんなんですよ。でも、私はそんなメンバーが本当に大好きだから、その頑張りをディグラー(※「D4DJ」ファンの総称)の皆さんはもちろん、周りのスタッフの方たちにも知ってもらいたいんです。それに、若さから出せるガムシャラ感というのはLyrical Lilyの強みだと思うので、それをもっと色んな人に伝えられるように表に出していこうと思ったのが、2ndライブのときだったんです。
――中村さんがそれに気づかれたのも、ちゃんと見てくださっているからこそですよね。
反田 そうですね、嬉しくて心がぽかぽかしちゃいます。ふふふ(笑)。
中村 ……じゃあ逆に、今度は2人の思う、僕のいいところを……。
反田・渡瀬 ああっ、そうでした!(笑)。
中村 嘘です、言わなくていいです(笑)。
反田 いやぁ、中村先生はすごくユニークな方ですよ!
渡瀬 そう。ユニークだなぁって思う。
反田 歌詞もですけど、レコーディングのときに先生からもらう曲中のセリフが、「ごきげんYo!」みたいに毎度毎度ユニークなんですよ。
渡瀬 それと本当に優しくて。
反田 うん。あと……。
中村 わかりましたわかりました!僕のいいところはユニークで優しいところですね!ありがとうございます!(照)。
――続いて反田さんと渡瀬さんに、Lyrical Lilyの楽曲の魅力がどういうところにあると思われているのかをお聞きしたいのですが。
反田 文学的で、懐メロ的な要素がすごく多いところです。
渡瀬 今、はーちゃん(反田)が言ってくれたラップやポエトリーの要素が、だんだん増えてきたんですよ。私はラップなんて本当に未経験だったし、それをまさかLyrical Lilyでやるなんて想像もしてなかったですけど、最近はそこも新しい魅力なのかな、と思うようになりました。
――中村さんはLyrical Lilyの楽曲制作では、どういうことを一番大事にされていますか?
中村 まず“かわいい”という言葉は忘れないようにしています。「かっこいい曲でも、どこかかわいい」というような。音楽のジャンルとしては割と色んなことをやっていて、ど真ん中のEDMということではなく、生楽器を使ったり、ダンス曲であってもフューチャーベース的な曲を増やしていったり……色んな要素を取り入れるようにしています。あとは歌詞の面で、何かしらの文学作品をモチーフにしているところですね。
――そういった様々な“かわいい”を表現されるために、メンバーのお二人はステージ上でどんな部分を大事にされていますか?
渡瀬 とにかく「自分ではなく、キャラクターが歌って踊っている」ということを、一番意識しています。それと楽曲によってメインになるキャラクターや曲調が変わるので、それに合わせて「この曲では、ここでこの子を目立たせよう」みたいな意識もあるかもしれない。あとは……表情とか?
反田 確かに。Lyrical Lilyはそういうところもみんなで話し合って、「ここはこうしたいよね」という意見を出し合いながら、ライブに向けてカバーもオリジナル曲も作っているんです。例えば去年の“ブシロード15周年記念ライブ(in ベルーナドーム)”みたいなフェスのときも、みんなで「このキャラだったら、ここのMCでは何を言うだろう?」とか、「ここは〇〇ちゃんが話したほうがいいんじゃないかな?」みたいに。
――ちなみに、その“15周年ライブ”では観客の声出しが解禁されたので、Lyrical Lilyとして初めて歓声を受けたライブでした。そのときの感覚は、どのようなものでしたか?
反田 自分がすごく小さく思えました!今までは「準備はよろしくって?」と問いかけたら拍手が返ってきたのですが、あのときは四方八方から「よろしくってよー!」という大きな声が聴こえてきたので。
渡瀬 しかも今まで経験したどの会場よりも大きかったので、返ってきた声も予想以上の大きさだったんですよ!それに歓声以外にも、皆さんピンクのペンライトをつけてくれて、一面ピンクに染まっていたのには本当に感動しました。
反田 感動したよね。きっとLyrical Lilyのことを知らない方も、たくさんいらっしゃったはずなのに。ライブの後も、SNSでもたくさんLyrical Lilyのことをつぶやいてくださったり、曲を聴いてくださったりしているみたいで……すごく嬉しかったです。
――中村さんはそのステージをご覧になって、どんなことを感じられましたか?
中村 僕も、彼女たちが初めて歓声を受けたことについてはすごく感慨深いです。それは、皆さんと仕事を始めたときが、まさにコロナ禍の初期だったからで。しかも“15周年ライブ”は、その時期に作った曲を多く歌っていたので、その意味でもすごく感慨深いライブでした。
言葉で、歌声で、「一歩目」を踏み出す歌になったOPテーマ「Maihime」
――さて、ここからは『D4DJ All Mix』(以下、『All Mix』)の主題歌・劇中歌についてお聞きしていきます。本作ではLyrical Lilyが物語の軸になり、同時にOPテーマも担当されていますが。
渡瀬 最初に知ったときには、「私たちがOPテーマを、歌うんだ!」ってすごく驚きました。
反田 今まで先輩方の背中を追って走っていたLyrical Lilyが、OPテーマや物語の主軸という大きな役目を任せていただけたことはすごくありがたいですし、それに挑戦できること自体がすごく嬉しかったので、「これは絶対に成功させたい!」と思いましたし、「みんなに観てもらえるように頑張らなくちゃ!」と気が引き締まりました。
――そのOPテーマ「Maihime」を制作されるとき、中村さんには水島精二総監督からどんなオーダーがあったんですか?
中村 今回、水島さんは割と任せてくださって、もちろんストーリーやいただいたキーワードは踏まえましたが、そこまでガチガチな指示はなかったので、すごくやりやすかったです。そんななかでも、僕自身が課題に考えていた、「OPテーマでありながら、どれだけLyrical Lilyらしくできるか?」をクリアするのは、すごく難しかったですね。今回はTVアニメ2期というのもありますし、TAKU INOUEさんが作ってくださった楽曲も、今までLyrical Lilyでやってきたものとは違う新しいタイプの曲だったので。
――反田さんと渡瀬さんは、楽曲を最初に聴いたときにどんな印象を受けましたか?
渡瀬 リリリリにとって新しい挑戦みたいな曲ですし、私自身としてはあまり聴き馴染みのないタイプの曲だったので、「あ、これを私たちが歌うんだ!」という気持ちはありました。それに、いただいたデモ音源の仮歌を歌っているお姉さんがすごくお上手で、曲にもすごくマッチしていて……(笑)。だから「これをリリリリが歌ったら、どうなっちゃうんだろう?」と思いましたし、自分もその曲に合うように、でもみいこちゃんらしく歌おうと思いました。
反田 最初の“はじまりは One step, Two step”というフレーズは、私がリリリリの1stライブとかでディグラーさんたちに言っていた「Lyrical Lilyはみんなで一歩ずつ着実に成長していけるグループだと思うので、その成長をずっと見ていてください」という言葉に結びつくものなんですよ!それに“制服”や“はかなき”というワードから、学生時代の尊い瞬間や、今その時間を過ごしているLyrical Lilyや他のユニットの皆さんにしかできない瞬間がギュッと詰められた曲なんだなぁ……ってどんどん繋がっていって、「OPテーマにピッタリ!」と思ったんです。だから初めて聴いたときから、この曲のレコーディングがすごく楽しみでした。
中村 本当に「一歩目の歌」になりましたよね。
――そんなこの曲のレコーディング、中村さんは何か要望を出されたのですか?
中村 その出だしの“はじまりは One step, Two step”の前にブレスを入れてほしい、というお願いはしました。そのブレスに、もう全てが込められている感じというか(笑)。緊張しながら一歩目を踏み出す前の、小さな呼吸をイメージして、吹き込んでもらいました。
――たしかにそのブレスに、ドキドキもワクワクも詰まっているような印象がありました。
反田 やっぱりキャラクターとしてもキャスト4人としても、今回リリリリとして初めて取り組むことがたくさんあったので、そこを通じてキャラクターと私たちと、みんなで「せーの!」って初めの一歩を踏み出したような感じがしたんですよ。
中村 ただ、反田さんはもうノリノリでしたね……(笑)。「もう一歩戻ってこい!」みたいなディレクションもありました。
反田 確かに(笑)。この曲が好きすぎる私自身の気持ちが少し出てしまって、最初のうちはスキップで誰よりも早く先に行っちゃったようなところはあったかもしれないです。
渡瀬 私ははーちゃんと(進藤)あまねちゃんの後、3番目のレコーディングだったので、2人が先に雰囲気を作ってくれていたおかげで掴みやすかったところはありました。でも今回はいつもと違ってユニゾンよりもソロパートのほうが多くて、その中でも私が担当した1サビの最初の“制服を脱ぎ捨てて”のところは、どんな印象で歌うかをすごく考えました。あと、最後に歌った(深川)瑠華ちゃんがこの曲をどう歌うのか想像がつかなくて、「彼女の歌が入った、完成版を早く聴きたい!」とずっと思っていて……皆さんにもぜひいっぱい聴いてほしいです!
無茶振りという名のラブレター!? 劇中歌「春とショコラ」のポイントとは
――そして、先日開催された3rdライブ“猫の手招き”でも披露された新曲が、第3話の劇中歌「春とショコラ」です。
中村 この楽曲はタイトルこそ宮沢賢治の「春と修羅」という詩がモチーフですが、「女の子讃歌」を目指して作ったひな祭りの曲です。ひな祭りソングというのはあまり聞いたことがないので、制作も楽しかったですね。
渡瀬 イントロで「うれしいひなまつり」のメロディが聴こえてきたので、「これは聴き馴染みがあるぞ!」と思ったら、ノリノリのラップが始まって「おー、こうくるんだ!」と思いました。ずっとポップな感じなのに、和の印象も忘れさせない歌で、聴いているとノリノリで楽しくなるんですよ。あと、ラップの歌詞も「うれしいひなまつり」に少しかかっていたりもして、「う……うまいなぁ……!」って思いました(笑)。
反田 ひな祭りは女の子がお姫様になれる日じゃないですか? それにちなんだ“女の子”が詰まっている楽曲なので、すごくキュンキュンしましたし、しかもそれをリリリリの4人が歌っていると考えると、すごくかわいくて!かわいいが詰まったLyrical Lilyというグループにピッタリの曲だと思いました。
渡瀬 だって、“四人並んで すまし顔”をしてるんだよ?
反田 そうなんだよ!すごくかわいいよね!? そういう女の子まみれの曲で、すごくキュンキュンしちゃいました。
――そのうえでラップも入った縦ノリの楽曲なので、お転婆さもあったりと、色んな顔のある面白い曲でもありますよね。
反田 しかもこの曲、結構ちゃんと踊るので、また今後ライブでやったときには、ダンスもしっかり観てほしいです。もちろんかわいい部分もあるので、ぜひ注目してもらいたいし……。
渡瀬 それをアニメの中ではキャラクターたちが踊ってるし。
反田 そうそう。それも観てもらいたいよね。
中村 実際の振り付けは、そのキャラクターのものに合わせてるんだっけ?
反田 確か、同じ先生が振りを付けてくれているから、アニメと同じ振りなんだと思います。
渡瀬 そう。アニメを観たときに感動しちゃいました。
反田 ただ、タイミングの難しいところもあるので、レッスンではみんなで「はっ!」「かっ!」とか言ってタイミングを合わせながら、練習をしています。
渡瀬 そこはちょっと女の子らしくないかも(笑)。
反田 でも、これもかわいく魅せるステージを作るまでの過程だからね(笑)。
――楽曲制作時から、中村さんの中にはレコーディング後の完成イメージみたいなものは明確にありましたか?
中村 そうですね……もちろんそういったイメージに沿ってお手本みたいなものは作りますが、絶対それと同じにはならないので、キャストさんの表現を受けてどう完成させるか?ということのほうを大切にしています。特にこの曲はラップ部分が長いので、予想しきれない部分もあったんですよ。“MarchにGirlのDollが屏風とPeachとPose(Say! YEAAAH!)”のところは、自分で歌詞を書きながら「これ、歌えるのかな?」とも思いましたし(笑)。
反田 呪文みたいでしたね(笑)。
中村 そういう無茶振りも結構ありますが……そういうところは、無茶振りという名のラブレターなので(笑)。
渡瀬 あらー!
反田 ちゃんと届いていますよ♪
中村 それをとてもいい形にしてくれているので、毎回ライブが楽しみなんです。
――ということは、ラップ部分が長いというのも当初からの構想どおり?
中村 そうですね。前半はラップで、サビは長めの音符で……というような感じで。ただ、ポエトリー部分をどれだけ作るかは、かなり試行錯誤しながらの制作ではありました。あとは作曲家(エガワヒロシ)さんと一緒に「どういうラップを入れるか?」とか、「どうしたらかっこいいか?」を考えていきましたね。“Drop it”みたいなフレーズもあるので実は結構かっこいいラップなのですが、それでもちゃんとかわいくなっているのが素晴らしいです。
反田 でも、すごくかわいい曲でもあるので、ラップだけど語尾をちょっとだけクッと上げてみたり、いつもよりも一段階上げたトーンで歌ってみたりしていて。レコーディングではそういう工夫をしながら、かわいい女の子らしさに寄せていきました。
――普通にラップをやるだけだとかっこよく聴こえちゃうかもしれないですもんね。
渡瀬 確かに。そうやって意識しているから、女子たちで戯れているようなラップになっているんだよね。
反田 うん。掛け声とかもあるし。
渡瀬 私はみいこちゃんとして歌うときに、かわいく歌うことのほかにも、マ行を大事にすることを意識していて。
反田 そうなんだ……!
渡瀬 「マ行を明るく言うと、みいこっぽくなるな」と思っていて。なおかつ、「春とショコラ」は女の子らしいかわいい曲だから、常に笑顔で歌いながらマ行への意識は忘れずに歌っていました。それと自分がラップするパートに“フォンダンショコラのとろペコ問題?”という語尾にハテナがついているところがあったので、そこを上げるか・上げないかを相談したり、色んな試行錯誤をしましたね。
――さて、新曲2曲でもそれぞれ新しい一面が見られましたが、皆さんに今後Lyrical Lilyとして歌ってみたい・作りたい楽曲はどんなものかお聞きしたいです。
反田 Lyrical Lilyのメンバーでよく話しているのは、ちょっとダークな文学作品をそのままモチーフにした、ダークな曲を歌ってみたいということですね。今までだと、例えば「人間失格」を元にした「人間合格!!!!」みたいに、モチーフを明るく表現することが多かったんですけど……。
渡瀬 カバー曲では結構かっこいい曲を歌っているので、そういう楽曲をオリジナルでも歌えたら、すごく素敵なんじゃないかな?という話はよくしているんです。
中村 最高じゃないですか!僕はLyrical Lilyってなんでもできると思っているんですよ。“かわいい”というポイントさえ守れば、クールさや大人っぽさも見せられる、自由度の高いユニットなんですよね。それに……実は、ワルい曲もあるんですよ。
反田 確かに。最近「D4DJ Groovy Mix」に実装された「Snow Black」はそんな感じですね。
中村 いや、他にも準備中なので。
反田・渡瀬 えー!?
中村 ここでそんな発表をしていいのかわからないけど(笑)。「Snow Black」は“ワルい”というものを捉えたワルだったけど、もしかしたら、今後それよりも踏み込んだ楽曲もある……かもしれません(笑)。
――では最後に、新曲2曲を聴いてくれた方や『All Mix』を楽しまれているディグラーさんへのメッセージをお願いします。
反田 繰り返しになりますが、「Maihime」はアニメで新しい一歩を踏み出すLyrical Lilyや他のユニットの皆さんの物語を引っ張っていけるような楽曲で、私たち4人もアフレコをはじめこのアニメに関わるなかで、すごくたくさん成長できたと感じています。ぜひ楽曲をたくさん聴きながら、『All Mix』を通じてLyrical Lilyの色んな成長を感じてください!
渡瀬 去年の夏の終わり頃に第1話のアフレコが始まって、最終話を録り終わったのが年末だったので、全12話の中で私たちの演技面での成長も感じてもらえたらいいなと思っています。それに、Lyrical Lilyだけではなくて、他のユニットさんたちにも悩んだり成長する場面がたくさん観られるアニメなので、ぜひその成長している姿を観ていただきたいです。あとはやっぱり「Maihime」も「春とショコラ」もたくさん聴いてほしいし、ライブでも私たちとリリリリちゃんのパフォーマンスをたくさん観ていただけたら嬉しいです!
中村 実は僕自身は、今本当に楽しみでいっぱいなんですよ。2023年も、これからのLyrical Lilyも、とっても楽しみ。だからこの楽しみを、多くの人と共有できたらいいなと願っています。皆さんもちょっとずつ、でも着実に成長するLyrical Lilyに、どうかご注目ください。僕たちも頑張ります!
●リリース情報
Lyrical Lily「Maihime」
2月15日(水)発売
TVアニメ「D4DJ All Mix」の OP テーマ「Maihime」がリリース決定!
また「Maihime」のほか、Peaky P-keyの劇中歌「OVERWHELM!」を収録。
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●作品情報
『D4DJ All Mix』
TOKYO MX:1月13日(金) 23:00~23:30
BS日テレ:1月13日(金) 23:00~23:30
KBS京都:1月13日(金) 25:00~25:30
サンテレビ:1月14日(土) 22:30~23:00
AT-X:1月13日(金) 23:00~23:30
配信情報
DMMTV:1月8日(日)~ 毎週日曜 23:00
Hulu:1月13日(金)~ 毎週金曜 23:00
Amazon Prime Video:1月13日(金)~ 毎週金曜 23:00
U-NEXT:1月13日(金)~ 毎週金曜 23:00
dアニメストア:1月13日(金)~ 毎週金曜 23:00
ひかりTV:1月13日(金)~ 毎週金曜 23:00
アニメタイムズ:1月13日(金)~ 毎週金曜 23:00
GooglePlay:1月13日(金)~ 毎週金曜 23:00
バンダイチャンネル:1月13日(金)~ 毎週金曜 23:00
HAPPY!動画:1月14日(土)~ 毎週土曜 12:00
ビデックス:1月14日(土)~ 毎週土曜 12:00
TELASA:1月16日(月)~ 毎週月曜 24:00
J:COMオンデマンド: 1月16日(月)~ 毎週月曜 24:00
milplus(みるプラス): 1月16日(月)~ 毎週月曜 24:00
auスマートパスプレミアム: 1月16日(月)~ 毎週月曜 24:00
※放送日時・内容は予告なく変更される場合があります。予めご了承ください。
【あらすじ】
奉仕の心を理念とする伝統ある有栖川学院に通う、桜田美夢、春日春奈、白鳥胡桃、竹下みいこは、
みんなを笑顔にする奉仕の一つとしてDJユニット「Lyrical Lily」としての活動を認められていた。
ある日、春奈が商工会に呼ばれ、新年から一年を通して地域活性化イベントの依頼を受けることになる。
自分たちだけで実現出来るか不安になるが、思い浮かんだのは初めてのライブを一緒に成功させた面々、そして来場者の笑顔だった。
奉仕の心、Lyrical Lilyの想いは、DJの祭典《D4 FES.》で共に称えあった各ユニットに次々と繋がり、
ついに新年に相応しい新しいステージが幕を開ける―――
【STAFF】
原作:ブシロード
ストーリー原案:中村 航
キャラクター原案:やちぇ
総監督:水島精二
監督:鈴木大介
シリーズ構成:雑破業
アニメーションキャラクターデザイン:茶之原拓也、八森優香
モデリングディレクター :原岡大輔、髙岡真也、横山貴央
リギングディレクター:矢代 奈津子
色彩設計:松山 愛子 (颱風グラフィックス)
撮影監督:小林俊介
美術監督:池田裕輔
美術設定:綱頭瑛子
編集:榎田美咲
音響監督:長崎行男
音楽:佐高陵平、グシミヤギ ヒデユキ
アニメーション制作統括:松浦裕暁
アニメーション制作:サンジゲン
関連リンク
TVアニメ「D4DJ All Mix」公式サイト
https://anime.d4dj-pj.com/all-mix/
D4DJ公式サイト
https://d4dj-pj.com/
個性豊かな音楽性と魅力を持った6ユニットの活躍が描かれる本アニメを、リスアニ!では連載企画「Diggin’『D4DJ All Mix』」として徹底特集!
連載第2回では、『D4DJ All Mix』のストーリーの主軸を担い、アニメ第3話でキュートかつ雅なステージを見せたお嬢様学校に通う高校生ユニット・Lyrical Lily(通称:リリリリ)のキャストより、反田葉月(桜田美夢役)、渡瀬結月(竹下みいこ役)と、同ユニットの音楽プロデューサーを務める小説家・中村 航との対談を敢行。OPテーマ「Maihime」や第3話で初披露となった新曲「春とショコラ」についてはもちろん、ユニットのこれまでとこれからについても存分に語ってもらった。
INTERVIEW & TEXT BY 須永兼次
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【連載】Diggin’『D4DJ All Mix』――「D4DJ」TVアニメ第2期を徹底特集!
“妹”ポジションから、一歩前へと踏み出していった3年間
――新曲のお話の前に、これまでの振り返りからお聞きできればと思います。中村さんはLyrical Lilyを音楽プロデューサーとして見守るなかで、メンバーの皆さんの成長をどのように感じてきましたか?
中村 航 最初のオーディションから見ていますが、個々としてもユニットとしても、目覚ましい成長を遂げていて……Lyrical Lilyって実は“個の力”のユニットという側面もあるので、比較的に歌割りが均等なのですが、そのなかで「このパートはこの人に任せておけば大丈夫」という塩梅もわかってきましたし、“プロ”として成長する4人に我々もついていかなければ……という気持ちです。
反田葉月 わぁ……プロだって!
渡瀬結月 ねぇ!嬉しい……!
中村 特に成長を感じたのは、1年くらい前からかな? 歌の面でもキャラクターとしての演技でも驚いた瞬間は何度もありましたし、今なんてレコーディングが終わると感心して、チームで「すごかったね」とか「ここがいいよね」という話をすることも多いんですよ。
――成長を感じられたのは、特にどんな部分でしたか?
中村 まず渡瀬さんは、基本すごく頑張ってくれるんです。コーラスは渡瀬さんに頼ることが多いのですが、準備をしっかりしてくれる。そのうえで、さっきお話ししたように、1年ぐらい前に「掴んだのかな?」と感じた瞬間があったんですよ。「なのラップ」(※「ねむり姫」の渡瀬担当のラップパート)なんて、この3年間で最大級の無茶振りだったはずなのに(笑)、そういうところもすごく頑張ってくれたからこそ成長を感じるんでしょうね。
渡瀬 ありがとうございます……! 私、周りからは「頑張り屋さんだね」とよく言ってもらえるのですが、逆に自分自身では怠惰なほうだと思っていたので(笑)、「そうだったんだ!」って思いました。あと私、実は「なのラップ」もそんなに無茶振りだと思っていなくて。ライブで歌うとなると息継ぎが大変そうとは思いましたけど、レコーディングは楽しみでした!
中村 で、反田さんは、まず歌以外のセリフを入れるときに、こちらがまだ辿り着いていない答えを、いつも出してくれるんですよ。
例えば「ライム畑でつかまえて」の最後の“つかまっちゃった”もそうですが、僕が文字として書いたものをちゃんと形にしてくれるんです。あと、2ndライブの頃から「頑張ってる姿を見せていいんだ」と思うようになったと感じたんだけど。
反田 あ、そうなんです!
中村 やっぱりそうだったんだ。Lyrical Lilyって、最初の頃は先行する他グループのかわいい妹分みたいなポジションで、少し遠慮していた感じがしたんですね。でも成長していくなかで「“もっと成長したい”とか“こういうことを頑張りたい”という気持ちを、素直に見せよう!」と変わった気がして。それを反田さんが、うまく先導してくれた気がするな。
反田 それが中村先生にバレていたのは、本当にびっくりです!私たち、毎回ライブごとに目標を立てているんですけど……メンバーみんな、本当に不器用な努力家さんというか、表に出さない頑張り屋さんなんですよ。でも、私はそんなメンバーが本当に大好きだから、その頑張りをディグラー(※「D4DJ」ファンの総称)の皆さんはもちろん、周りのスタッフの方たちにも知ってもらいたいんです。それに、若さから出せるガムシャラ感というのはLyrical Lilyの強みだと思うので、それをもっと色んな人に伝えられるように表に出していこうと思ったのが、2ndライブのときだったんです。
――中村さんがそれに気づかれたのも、ちゃんと見てくださっているからこそですよね。
反田 そうですね、嬉しくて心がぽかぽかしちゃいます。ふふふ(笑)。
中村 ……じゃあ逆に、今度は2人の思う、僕のいいところを……。
反田・渡瀬 ああっ、そうでした!(笑)。
中村 嘘です、言わなくていいです(笑)。
反田 いやぁ、中村先生はすごくユニークな方ですよ!
渡瀬 そう。ユニークだなぁって思う。
反田 歌詞もですけど、レコーディングのときに先生からもらう曲中のセリフが、「ごきげんYo!」みたいに毎度毎度ユニークなんですよ。
渡瀬 それと本当に優しくて。
反田 うん。あと……。
中村 わかりましたわかりました!僕のいいところはユニークで優しいところですね!ありがとうございます!(照)。
――続いて反田さんと渡瀬さんに、Lyrical Lilyの楽曲の魅力がどういうところにあると思われているのかをお聞きしたいのですが。
反田 文学的で、懐メロ的な要素がすごく多いところです。
しかも、ちょっとかっこよかったり、もっとポップだったり、ラップがあったり……色んな顔を見られる文学的少女たち、というところが魅力だと思います。
渡瀬 今、はーちゃん(反田)が言ってくれたラップやポエトリーの要素が、だんだん増えてきたんですよ。私はラップなんて本当に未経験だったし、それをまさかLyrical Lilyでやるなんて想像もしてなかったですけど、最近はそこも新しい魅力なのかな、と思うようになりました。
――中村さんはLyrical Lilyの楽曲制作では、どういうことを一番大事にされていますか?
中村 まず“かわいい”という言葉は忘れないようにしています。「かっこいい曲でも、どこかかわいい」というような。音楽のジャンルとしては割と色んなことをやっていて、ど真ん中のEDMということではなく、生楽器を使ったり、ダンス曲であってもフューチャーベース的な曲を増やしていったり……色んな要素を取り入れるようにしています。あとは歌詞の面で、何かしらの文学作品をモチーフにしているところですね。
――そういった様々な“かわいい”を表現されるために、メンバーのお二人はステージ上でどんな部分を大事にされていますか?
渡瀬 とにかく「自分ではなく、キャラクターが歌って踊っている」ということを、一番意識しています。それと楽曲によってメインになるキャラクターや曲調が変わるので、それに合わせて「この曲では、ここでこの子を目立たせよう」みたいな意識もあるかもしれない。あとは……表情とか?
反田 確かに。Lyrical Lilyはそういうところもみんなで話し合って、「ここはこうしたいよね」という意見を出し合いながら、ライブに向けてカバーもオリジナル曲も作っているんです。例えば去年の“ブシロード15周年記念ライブ(in ベルーナドーム)”みたいなフェスのときも、みんなで「このキャラだったら、ここのMCでは何を言うだろう?」とか、「ここは〇〇ちゃんが話したほうがいいんじゃないかな?」みたいに。
――ちなみに、その“15周年ライブ”では観客の声出しが解禁されたので、Lyrical Lilyとして初めて歓声を受けたライブでした。そのときの感覚は、どのようなものでしたか?
反田 自分がすごく小さく思えました!今までは「準備はよろしくって?」と問いかけたら拍手が返ってきたのですが、あのときは四方八方から「よろしくってよー!」という大きな声が聴こえてきたので。
渡瀬 しかも今まで経験したどの会場よりも大きかったので、返ってきた声も予想以上の大きさだったんですよ!それに歓声以外にも、皆さんピンクのペンライトをつけてくれて、一面ピンクに染まっていたのには本当に感動しました。
反田 感動したよね。きっとLyrical Lilyのことを知らない方も、たくさんいらっしゃったはずなのに。ライブの後も、SNSでもたくさんLyrical Lilyのことをつぶやいてくださったり、曲を聴いてくださったりしているみたいで……すごく嬉しかったです。
――中村さんはそのステージをご覧になって、どんなことを感じられましたか?
中村 僕も、彼女たちが初めて歓声を受けたことについてはすごく感慨深いです。それは、皆さんと仕事を始めたときが、まさにコロナ禍の初期だったからで。しかも“15周年ライブ”は、その時期に作った曲を多く歌っていたので、その意味でもすごく感慨深いライブでした。
言葉で、歌声で、「一歩目」を踏み出す歌になったOPテーマ「Maihime」
――さて、ここからは『D4DJ All Mix』(以下、『All Mix』)の主題歌・劇中歌についてお聞きしていきます。本作ではLyrical Lilyが物語の軸になり、同時にOPテーマも担当されていますが。
渡瀬 最初に知ったときには、「私たちがOPテーマを、歌うんだ!」ってすごく驚きました。
渡瀬結月個人としてもリリリリとしても、TVアニメのOPを担当するということが衝撃でしたし、リリリリがお話の主軸になるというのも、「私たちでいいんですか!?」と思って。でも、彼女たちが1年を通したイベントを計画するというストーリーを知ってからは、「そっか、彼女たちはこんなこともできるようになったんだ」という感慨深さもありました。
反田 今まで先輩方の背中を追って走っていたLyrical Lilyが、OPテーマや物語の主軸という大きな役目を任せていただけたことはすごくありがたいですし、それに挑戦できること自体がすごく嬉しかったので、「これは絶対に成功させたい!」と思いましたし、「みんなに観てもらえるように頑張らなくちゃ!」と気が引き締まりました。
――そのOPテーマ「Maihime」を制作されるとき、中村さんには水島精二総監督からどんなオーダーがあったんですか?
中村 今回、水島さんは割と任せてくださって、もちろんストーリーやいただいたキーワードは踏まえましたが、そこまでガチガチな指示はなかったので、すごくやりやすかったです。そんななかでも、僕自身が課題に考えていた、「OPテーマでありながら、どれだけLyrical Lilyらしくできるか?」をクリアするのは、すごく難しかったですね。今回はTVアニメ2期というのもありますし、TAKU INOUEさんが作ってくださった楽曲も、今までLyrical Lilyでやってきたものとは違う新しいタイプの曲だったので。
――反田さんと渡瀬さんは、楽曲を最初に聴いたときにどんな印象を受けましたか?
渡瀬 リリリリにとって新しい挑戦みたいな曲ですし、私自身としてはあまり聴き馴染みのないタイプの曲だったので、「あ、これを私たちが歌うんだ!」という気持ちはありました。それに、いただいたデモ音源の仮歌を歌っているお姉さんがすごくお上手で、曲にもすごくマッチしていて……(笑)。だから「これをリリリリが歌ったら、どうなっちゃうんだろう?」と思いましたし、自分もその曲に合うように、でもみいこちゃんらしく歌おうと思いました。
反田 最初の“はじまりは One step, Two step”というフレーズは、私がリリリリの1stライブとかでディグラーさんたちに言っていた「Lyrical Lilyはみんなで一歩ずつ着実に成長していけるグループだと思うので、その成長をずっと見ていてください」という言葉に結びつくものなんですよ!それに“制服”や“はかなき”というワードから、学生時代の尊い瞬間や、今その時間を過ごしているLyrical Lilyや他のユニットの皆さんにしかできない瞬間がギュッと詰められた曲なんだなぁ……ってどんどん繋がっていって、「OPテーマにピッタリ!」と思ったんです。だから初めて聴いたときから、この曲のレコーディングがすごく楽しみでした。
中村 本当に「一歩目の歌」になりましたよね。
「再スタート」というよりも、恐る恐る暗いところから踏み出す「一歩目の歌」に。歌詞を書くときには楽曲から感じたイメージもありましたが、先ほど反田さんが言っていた“尊い”という言葉にもピッタリな歌詞になっていると思います。
――そんなこの曲のレコーディング、中村さんは何か要望を出されたのですか?
中村 その出だしの“はじまりは One step, Two step”の前にブレスを入れてほしい、というお願いはしました。そのブレスに、もう全てが込められている感じというか(笑)。緊張しながら一歩目を踏み出す前の、小さな呼吸をイメージして、吹き込んでもらいました。
――たしかにそのブレスに、ドキドキもワクワクも詰まっているような印象がありました。
反田 やっぱりキャラクターとしてもキャスト4人としても、今回リリリリとして初めて取り組むことがたくさんあったので、そこを通じてキャラクターと私たちと、みんなで「せーの!」って初めの一歩を踏み出したような感じがしたんですよ。
中村 ただ、反田さんはもうノリノリでしたね……(笑)。「もう一歩戻ってこい!」みたいなディレクションもありました。
反田 確かに(笑)。この曲が好きすぎる私自身の気持ちが少し出てしまって、最初のうちはスキップで誰よりも早く先に行っちゃったようなところはあったかもしれないです。
渡瀬 私ははーちゃんと(進藤)あまねちゃんの後、3番目のレコーディングだったので、2人が先に雰囲気を作ってくれていたおかげで掴みやすかったところはありました。でも今回はいつもと違ってユニゾンよりもソロパートのほうが多くて、その中でも私が担当した1サビの最初の“制服を脱ぎ捨てて”のところは、どんな印象で歌うかをすごく考えました。あと、最後に歌った(深川)瑠華ちゃんがこの曲をどう歌うのか想像がつかなくて、「彼女の歌が入った、完成版を早く聴きたい!」とずっと思っていて……皆さんにもぜひいっぱい聴いてほしいです!
無茶振りという名のラブレター!? 劇中歌「春とショコラ」のポイントとは
――そして、先日開催された3rdライブ“猫の手招き”でも披露された新曲が、第3話の劇中歌「春とショコラ」です。
中村 この楽曲はタイトルこそ宮沢賢治の「春と修羅」という詩がモチーフですが、「女の子讃歌」を目指して作ったひな祭りの曲です。ひな祭りソングというのはあまり聞いたことがないので、制作も楽しかったですね。
渡瀬 イントロで「うれしいひなまつり」のメロディが聴こえてきたので、「これは聴き馴染みがあるぞ!」と思ったら、ノリノリのラップが始まって「おー、こうくるんだ!」と思いました。ずっとポップな感じなのに、和の印象も忘れさせない歌で、聴いているとノリノリで楽しくなるんですよ。あと、ラップの歌詞も「うれしいひなまつり」に少しかかっていたりもして、「う……うまいなぁ……!」って思いました(笑)。
反田 ひな祭りは女の子がお姫様になれる日じゃないですか? それにちなんだ“女の子”が詰まっている楽曲なので、すごくキュンキュンしましたし、しかもそれをリリリリの4人が歌っていると考えると、すごくかわいくて!かわいいが詰まったLyrical Lilyというグループにピッタリの曲だと思いました。
渡瀬 だって、“四人並んで すまし顔”をしてるんだよ?
反田 そうなんだよ!すごくかわいいよね!? そういう女の子まみれの曲で、すごくキュンキュンしちゃいました。
――そのうえでラップも入った縦ノリの楽曲なので、お転婆さもあったりと、色んな顔のある面白い曲でもありますよね。
反田 しかもこの曲、結構ちゃんと踊るので、また今後ライブでやったときには、ダンスもしっかり観てほしいです。もちろんかわいい部分もあるので、ぜひ注目してもらいたいし……。
渡瀬 それをアニメの中ではキャラクターたちが踊ってるし。
反田 そうそう。それも観てもらいたいよね。
中村 実際の振り付けは、そのキャラクターのものに合わせてるんだっけ?
反田 確か、同じ先生が振りを付けてくれているから、アニメと同じ振りなんだと思います。
渡瀬 そう。アニメを観たときに感動しちゃいました。
反田 ただ、タイミングの難しいところもあるので、レッスンではみんなで「はっ!」「かっ!」とか言ってタイミングを合わせながら、練習をしています。
渡瀬 そこはちょっと女の子らしくないかも(笑)。
反田 でも、これもかわいく魅せるステージを作るまでの過程だからね(笑)。
――楽曲制作時から、中村さんの中にはレコーディング後の完成イメージみたいなものは明確にありましたか?
中村 そうですね……もちろんそういったイメージに沿ってお手本みたいなものは作りますが、絶対それと同じにはならないので、キャストさんの表現を受けてどう完成させるか?ということのほうを大切にしています。特にこの曲はラップ部分が長いので、予想しきれない部分もあったんですよ。“MarchにGirlのDollが屏風とPeachとPose(Say! YEAAAH!)”のところは、自分で歌詞を書きながら「これ、歌えるのかな?」とも思いましたし(笑)。
反田 呪文みたいでしたね(笑)。
中村 そういう無茶振りも結構ありますが……そういうところは、無茶振りという名のラブレターなので(笑)。
渡瀬 あらー!
反田 ちゃんと届いていますよ♪
中村 それをとてもいい形にしてくれているので、毎回ライブが楽しみなんです。
――ということは、ラップ部分が長いというのも当初からの構想どおり?
中村 そうですね。前半はラップで、サビは長めの音符で……というような感じで。ただ、ポエトリー部分をどれだけ作るかは、かなり試行錯誤しながらの制作ではありました。あとは作曲家(エガワヒロシ)さんと一緒に「どういうラップを入れるか?」とか、「どうしたらかっこいいか?」を考えていきましたね。“Drop it”みたいなフレーズもあるので実は結構かっこいいラップなのですが、それでもちゃんとかわいくなっているのが素晴らしいです。
反田 でも、すごくかわいい曲でもあるので、ラップだけど語尾をちょっとだけクッと上げてみたり、いつもよりも一段階上げたトーンで歌ってみたりしていて。レコーディングではそういう工夫をしながら、かわいい女の子らしさに寄せていきました。
――普通にラップをやるだけだとかっこよく聴こえちゃうかもしれないですもんね。
渡瀬 確かに。そうやって意識しているから、女子たちで戯れているようなラップになっているんだよね。
反田 うん。掛け声とかもあるし。
渡瀬 私はみいこちゃんとして歌うときに、かわいく歌うことのほかにも、マ行を大事にすることを意識していて。
反田 そうなんだ……!
渡瀬 「マ行を明るく言うと、みいこっぽくなるな」と思っていて。なおかつ、「春とショコラ」は女の子らしいかわいい曲だから、常に笑顔で歌いながらマ行への意識は忘れずに歌っていました。それと自分がラップするパートに“フォンダンショコラのとろペコ問題?”という語尾にハテナがついているところがあったので、そこを上げるか・上げないかを相談したり、色んな試行錯誤をしましたね。
――さて、新曲2曲でもそれぞれ新しい一面が見られましたが、皆さんに今後Lyrical Lilyとして歌ってみたい・作りたい楽曲はどんなものかお聞きしたいです。
反田 Lyrical Lilyのメンバーでよく話しているのは、ちょっとダークな文学作品をそのままモチーフにした、ダークな曲を歌ってみたいということですね。今までだと、例えば「人間失格」を元にした「人間合格!!!!」みたいに、モチーフを明るく表現することが多かったんですけど……。
渡瀬 カバー曲では結構かっこいい曲を歌っているので、そういう楽曲をオリジナルでも歌えたら、すごく素敵なんじゃないかな?という話はよくしているんです。
中村 最高じゃないですか!僕はLyrical Lilyってなんでもできると思っているんですよ。“かわいい”というポイントさえ守れば、クールさや大人っぽさも見せられる、自由度の高いユニットなんですよね。それに……実は、ワルい曲もあるんですよ。
反田 確かに。最近「D4DJ Groovy Mix」に実装された「Snow Black」はそんな感じですね。
中村 いや、他にも準備中なので。
反田・渡瀬 えー!?
中村 ここでそんな発表をしていいのかわからないけど(笑)。「Snow Black」は“ワルい”というものを捉えたワルだったけど、もしかしたら、今後それよりも踏み込んだ楽曲もある……かもしれません(笑)。
――では最後に、新曲2曲を聴いてくれた方や『All Mix』を楽しまれているディグラーさんへのメッセージをお願いします。
反田 繰り返しになりますが、「Maihime」はアニメで新しい一歩を踏み出すLyrical Lilyや他のユニットの皆さんの物語を引っ張っていけるような楽曲で、私たち4人もアフレコをはじめこのアニメに関わるなかで、すごくたくさん成長できたと感じています。ぜひ楽曲をたくさん聴きながら、『All Mix』を通じてLyrical Lilyの色んな成長を感じてください!
渡瀬 去年の夏の終わり頃に第1話のアフレコが始まって、最終話を録り終わったのが年末だったので、全12話の中で私たちの演技面での成長も感じてもらえたらいいなと思っています。それに、Lyrical Lilyだけではなくて、他のユニットさんたちにも悩んだり成長する場面がたくさん観られるアニメなので、ぜひその成長している姿を観ていただきたいです。あとはやっぱり「Maihime」も「春とショコラ」もたくさん聴いてほしいし、ライブでも私たちとリリリリちゃんのパフォーマンスをたくさん観ていただけたら嬉しいです!
中村 実は僕自身は、今本当に楽しみでいっぱいなんですよ。2023年も、これからのLyrical Lilyも、とっても楽しみ。だからこの楽しみを、多くの人と共有できたらいいなと願っています。皆さんもちょっとずつ、でも着実に成長するLyrical Lilyに、どうかご注目ください。僕たちも頑張ります!
●リリース情報
Lyrical Lily「Maihime」
2月15日(水)発売
TVアニメ「D4DJ All Mix」の OP テーマ「Maihime」がリリース決定!
また「Maihime」のほか、Peaky P-keyの劇中歌「OVERWHELM!」を収録。
商品詳細はこちら
●作品情報
『D4DJ All Mix』
TOKYO MX:1月13日(金) 23:00~23:30
BS日テレ:1月13日(金) 23:00~23:30
KBS京都:1月13日(金) 25:00~25:30
サンテレビ:1月14日(土) 22:30~23:00
AT-X:1月13日(金) 23:00~23:30
配信情報
DMMTV:1月8日(日)~ 毎週日曜 23:00
Hulu:1月13日(金)~ 毎週金曜 23:00
Amazon Prime Video:1月13日(金)~ 毎週金曜 23:00
U-NEXT:1月13日(金)~ 毎週金曜 23:00
dアニメストア:1月13日(金)~ 毎週金曜 23:00
ひかりTV:1月13日(金)~ 毎週金曜 23:00
アニメタイムズ:1月13日(金)~ 毎週金曜 23:00
GooglePlay:1月13日(金)~ 毎週金曜 23:00
バンダイチャンネル:1月13日(金)~ 毎週金曜 23:00
HAPPY!動画:1月14日(土)~ 毎週土曜 12:00
ビデックス:1月14日(土)~ 毎週土曜 12:00
TELASA:1月16日(月)~ 毎週月曜 24:00
J:COMオンデマンド: 1月16日(月)~ 毎週月曜 24:00
milplus(みるプラス): 1月16日(月)~ 毎週月曜 24:00
auスマートパスプレミアム: 1月16日(月)~ 毎週月曜 24:00
※放送日時・内容は予告なく変更される場合があります。予めご了承ください。
【あらすじ】
奉仕の心を理念とする伝統ある有栖川学院に通う、桜田美夢、春日春奈、白鳥胡桃、竹下みいこは、
みんなを笑顔にする奉仕の一つとしてDJユニット「Lyrical Lily」としての活動を認められていた。
ある日、春奈が商工会に呼ばれ、新年から一年を通して地域活性化イベントの依頼を受けることになる。
自分たちだけで実現出来るか不安になるが、思い浮かんだのは初めてのライブを一緒に成功させた面々、そして来場者の笑顔だった。
奉仕の心、Lyrical Lilyの想いは、DJの祭典《D4 FES.》で共に称えあった各ユニットに次々と繋がり、
ついに新年に相応しい新しいステージが幕を開ける―――
【STAFF】
原作:ブシロード
ストーリー原案:中村 航
キャラクター原案:やちぇ
総監督:水島精二
監督:鈴木大介
シリーズ構成:雑破業
アニメーションキャラクターデザイン:茶之原拓也、八森優香
モデリングディレクター :原岡大輔、髙岡真也、横山貴央
リギングディレクター:矢代 奈津子
色彩設計:松山 愛子 (颱風グラフィックス)
撮影監督:小林俊介
美術監督:池田裕輔
美術設定:綱頭瑛子
編集:榎田美咲
音響監督:長崎行男
音楽:佐高陵平、グシミヤギ ヒデユキ
アニメーション制作統括:松浦裕暁
アニメーション制作:サンジゲン
関連リンク
TVアニメ「D4DJ All Mix」公式サイト
https://anime.d4dj-pj.com/all-mix/
D4DJ公式サイト
https://d4dj-pj.com/
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