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INTERVIEW & TEXT BY 日詰明嘉
angelaと『ファフナー』18年以上の信頼関係が生んだ『Start again』の演出
――一昨年に完結した『蒼穹のファフナー』のスピンオフ作品『BEHIND THE LINE』制作決定を耳にされたときの思いをお聞かせください。
atsuko 「ですよね~」って感じです(笑)。『ファフナー』シリーズとしては『THE BEYOND』で完結を迎えましたが、島民(『ファフナー』ファンの呼称)は、いつまでかかってもいいから続けてほしいという願いを持っていたと思いますし、それは私も同じでしたから、それに応えてくれる制作陣にさすがだなと思いました。
KATSU 以前、能戸(隆)監督に「続編はありますか?」と聞いた際に「(THE BEYONDの)“続編”はないです」とお答えされて残念に思っていたので、今回の制作には驚きました。今回は『HEAVEN AND EARTH』と『EXODUS』の間のお話で、ここは確かにファンの皆さんも気になっていた部分のお話ですし、全体が完結したうえで好きなキャラクターたちが元気で笑っている時間軸のお話を見せてくれることには、本当に感謝しかありません。
atsuko 私はこの時間軸になるとはまったく予想だにしていなかったので、「そこがあったのか!」と、正直驚きました。しかも、「平和なスピンオフ」という内容で、聞いたときには「『ファフナー』でそんなお話ができるの!?」と(笑)。
――『BEHIND THE LINE』の物語はおっしゃっていただいた時間軸ですが、映像としては最新の技術で表現されています。ご覧になっていかがでしたか?
KATSU スピンオフですから、もっとライトなエピソードでまとめるのかなと思ったのですが、そんなことはありませんでした。これまでにないカメラアングルも印象的でしたし、背景も非常にきれい。
atsuko 背景や動植物も写真と見紛うほどきれいなんです。音楽を付けるダビングの前段階で拝見した時も、私の目からはもう完成しているように見えたのですが、能戸さんは「まだまだブラッシュアップするよ」とおっしゃっていたことが印象に残っています。
――しかも今回は作品として1本のスピンオフですから、より作品に合わせた作りになったかと思います。主題歌「Start again」はどのように作っていかれましたか?
atsuko シリーズ作品ですと、最初から終わりまでキャラクターたちの心情の変化がありますが、今回は短いスパンのお話であるぶん、切り取って書きやすかったことはありますね。
KATSU 制作についてはシナリオと絵コンテをいただいたうえで、能戸さんから「温かいバラードで」とのオーダーがあったのですが、こうした楽曲は作るうえでは意外と難しいんです。というのも、「良い曲風」を狙って作った曲はどこかチープになりがちで、シラケてしまうんです。かといって、今回のオーダーは過去の「ファフソン」のような熱さを求める曲でもない。その匙加減やバランス感覚がなかなか難しかったですね。
――歌詞についてはどんな要素から書かれていきましたか?
atsuko 『ファフナー』は大きな世界観で歌詞を描くことが多いのですが、今回は珍しく個人の目線というか、夜から朝にかけての時間帯でちょっと自分が思ったこととか、こうなっていきたいなとか、そっと胸に秘めている思いを歌詞にしています。そこはストーリーにも沿っている部分があるので、詳しく説明するとネタバレになってしまうんです。作っている最中にどこで流れるかは決まっていなかったのですが、能戸さんと音響監督の三間(雅文)さんがまさに歌詞にピッタリの場所に置いてくださったので、その意味でも『ファフナー』とangelaの18年半の付き合いの総決算みたいな感じだなと思いました。
KATSU 今回、曲が入るところから終わるところまで、すべての歌詞が本編とリンクしていたんですよね。そういう奇跡が起こる作品なんです。『ファフナー』に携わった当初は手探りでしたが、『HEAVEN AND EARTH』のあとくらいから、自然とハマる感じを覚えてきて、自分でも怖いなと(笑)。
atsuko 今回は歌詞もそうですし、もう曲調が曲調なので、すごく優しく歌おうという感じでしたね。KATSUさんが今、曲作りでハマる感覚を話しましたが、私も歌うと『ファフナー』になるんです。作中用語だとクロッシング。それは壮大な曲も、今回のような優しい曲でも。逆に、ほかの作品を歌うときはなるべく『ファフナー』風味が出ないように頑張るという(笑)。
――ベースが『ファフナー』なんですね。
atsuko そう。もう、私がファフナーなんですよね(笑)。激しい曲や悲しいバラードを歌うときもだし、こういう優しいバラードであっても。
KATSU 最初に作ったのが第1期放送前のイメージソング「fly me to the sky」で、そのあとすぐ「Shangri-La」です。自分たちの個性とか存在をアピールするものではなく、ファンの人たちに受け入れられるものがアニソンなのだという、ベーシックな部分を教えてくれたのも『ファフナー』なんです。いっときはキャラクターの運命が壮絶な部分を曲で表すことに辛さを覚えたり、レコーディングをしているときも悲しい気持ちになったりしたことはありましたが、冲方(丁)さんのシナリオや能戸監督の作る映像に対して曲を作ることは、この10数年かけてやっと染み込んでいった感覚なので、まだまだ作りたい思いがあります。
――「Start again」というタイトルからもangelaやファンの希望が見えてきます。
atsuko 我々もまだ続きを見たいですし、島民の皆さんも大きな声では言わないけれども、「いつでもまた始めていいですよ」という思いが心の中にあるのではないかと思い、タイトルに込めた部分もありますね。
「スピンオフ」ではなく、ずっと続いていってほしい
――2021年の年末に行われた“「蒼穹のファフナー FINAL Fes in パシフィコ横浜」Day 2「angela LIVE -蒼穹作戦-」”で、atsukoさんは「すべての『ファフソン』をコンプリートしたライブを開催したい」とお話をされていましたね。2010年の“angelaのミュージック・ワンダー★大サーカス5th~蒼穹のファフナー まるごと全曲ライヴ!!~”のときは1日で収まる量でしたが、今や34曲ですから。
atsuko MCで発言したときに会場の皆さんも喜んでくださいましたし、angelaとしてもファフソン全楽曲コンプリートするライブはやりたいなと思います。
――KATSUさんは“蒼穹作戦”のときは背景に流れる映像編集にも尽力されました。
KATSU 楽しかったですね。あれからビデオ編集ができるようになり新たなスキルが開発されました(笑)。しかも編集の過程でコマ送りをしていくと、本当に制作陣のこだわりが1コマ1コマに写っているんですよね。作業をしていて涙が出てきました。そうした新たな発見もあった作業でした。
atsuko よくよく考えれば、主題歌歌手にすべての映像を渡して「好きに編集してくれていいよ」とおっしゃってくださるって、本当にすごいことですよね。
――最後にお二人から『BEHIND THE LINE』の見どころを教えていただけますか?
atsuko 公開前から、「今回は平和な『ファフナー』ですよ」とお伝えしつつも、予告映像に出てくるのは不安で不穏なシーンばかり。でもそれを観たファンの方の感想が「これでこそ『ファフナー』」と喜んでくださるんです(笑)。そういう予告をご覧になって、やっと本編を観ることができるタイミングだと思います。短い時間の中でも慣れ親しんだキャラクターの思いが描かれていたり、不器用な子はやっぱり不器用だったりと、そうあってほしいと思うところにあってくれる、『ファフナー』としての安心感があります。
KATSU 本当に僕の個人的な感想ですが、『BEHIND THE LINE』はスピンオフではないと思うんです。これは制作陣が今まで『蒼穹のファフナー』を観ていた人たちに対して、真正面から愛情や感謝をぶつけた作品で、受け取ったファンの方の「こんなにも長く『ファフナー』を応援させてくれてありがとう」という気持ちのキャッチボールも見えてくる、記念碑的な作品に仕上がっています。僕もいちファンとして「スピンオフ」ではなく、ずっと続いていってほしいですし、制作陣もこれで終わりと言いながら終わりたくないような思いが垣間見える、「シリーズ」のように僕には見えます。この曲はどうのこうのというのは野暮なので、作品をご覧になってその場面で曲が流れたときに「あなたはどういう人が思い浮かびましたか?」と聞いてみたい作品です。
●配信情報
「Start again」
配信中
配信リンクはこちら
●作品情報
『蒼穹のファフナー BEHIND THE LINE』
2023年1月20日(金)より劇場特別先行上映中!
<INTRODUCTION>
“あなたは、そこにいますか?”
2004年7月に始まり、2021年に完結を迎えた「蒼穹のファフナー」シリーズ。
多くのファンの皆様に支えられながら、物語は留まることなく紡がれ続けました。
そして今、これまで描かれなかったひとつの物語をお届けします。
何気なくも忘れ難い、とある夏の日々の片鱗――
それは、フェストゥムとの新たな可能性を導く二人の少女が出会う、少し前のこと…。
皆城総士が帰還を果たしたのちの、少年少女たちのひと時を描きます。
【STAFF】
原作:XEBEC
脚本:冲方 丁
キャラクターデザイン:平井久司
メカニックデザイン:鷲尾直広
美術監督:堀越由美
色彩設計:関本美津子
撮影監督:越田竜大
編集:伊藤潤一
音響監督:三間雅文
音楽:斉藤恒芳
演奏:ワルシャワ国立フィルハーモニー管弦楽団
主題歌:angela
プロデューサー:中西 豪
アニメーションプロデューサー:明官ゆう子
アニメーション制作:Production I.G
監督:能戸 隆
製作:FAFNER BEHIND PROJECT
【CAST】
真壁一騎:石井 真
皆城総士:喜安浩平
遠見真矢:松本まりか
羽佐間カノン:小林沙苗
堂馬広登:佐々木 望
立上 芹:福圓美里
要 咲良:新井里美
近藤剣司:白石 稔
西尾里奈:白石涼子
西尾 暉:梶 裕貴
真壁史彦:田中正彦
遠見千鶴:篠原恵美
溝口恭介:土師孝也
日野弓子:ゆかな
日野美羽:諸星すみれ
羽佐間容子:葛城七穂
要 澄美:石川 静
陳 晶晶:小松美智子
オルガ・カティーナ・ベトレンコ:沢井美優
ベラ・デルニョーニ:相川奈都姫
西尾行美:京田尚子
●蒼穹のファフナー PLAYLIST
アニメ「蒼穹のファフナー」シリーズを彩ってきたangelaによるテーマソング、挿入歌、イメージソングなどを集めた”ファフソン”プレイリスト。
https://lnk.to/Fe8xvFHi
●リリース情報
「RECONNECTION」
発売中
配信リンクはこちら
■mora
通常/配信リンクはこちら
https://mora.jp/package/43000014/NOPA-4006/?cpid=lisani.int_aac
【期間限定盤(CD)】
品番:KICM-92119
定価:¥1,650(税込)
※初回製造分のみスペシャルケース仕様
<収録内容>
01. RECONNECTION
02. RECONNECTION TV size version
03. RECONNECTION off vocal version
04. Special Bonus Track「angelaのsparking! talking! show! 異世界転生出張版」
【アニメ盤(CD)】
品番:KICM-2120
定価:¥1,430(税込)
※描き下ろしアニメイラストジャケット仕様
<収録内容>
01. RECONNECTION
02. RECONNECTION TV size version
03. RECONNECTION off vocal version
●ライブ情報
angelaのデビュー20周年を記念したスペシャルライヴが、メンバー出身地である岡山凱旋公演として2daysで開催決定!
angela 20th Anniversary☆岡山凱旋 Day1「全部が主題歌ライヴ!!!」in 岡山市民会館
日程:2023年5月20日(⼟)
会場:岡山市立西大寺公民館
angela 20th Anniversary☆岡山凱旋 Day2「angela生誕祭」in 西大寺公民館
日程:2023年5月21日(日)
会場:岡山市立西大寺公民館
公演に関するお問い合わせ
キャンディープロモーション岡山 086-221-8151(月~金 11:00~17:00)
・チケット一般発売
2023年4月22日(土)10:00~
※ぴあ会員登録(無料)が必要です
※お一人様1公演4枚までお申し込み可能
※マスク着用必須
※その他感染症対策にご協力をお願いします
●イベント情報
リスアニ!LIVE 2023
2023年1月27日(金)EXTRA STAGE
開場17:30/開演18:30 (予定)
2023年1月28日(土)SATURDAY STAGE
開場15:00/開演16:00(予定)
2023年1月29日(日)SUNDAY STAGE
開場14:00/開演15:00(予定)
会場
日本武道館
チケット(※すべて全席指定)
1月27日(金)EXTRA STAGE
¥6,200(税抜) / ¥6,820(税込)
1月28日(土)SATURDAY STAGE、1月29日(日)SUNDAY STAGE
¥9,300(税抜) / ¥10,230(税込)
angelaは2023年1月29日(日)SUNDAY STAGEに出演!
詳しくはこちら
https://www.lisani.jp/live/
関連リンク
angela オフィシャルサイト
https://angela-official.com/
angelaオフィシャルYouTube
https://www.youtube.com/@angela-official
angelaオフィシャルTwitter(STAFF)
https://twitter.com/angela_staff