『ゴジラ』と『エヴァンゲリオン』シリーズという、二大コンテンツのコラボレーションが実現したパチンコ「P ゴジラ対エヴァンゲリオン ~G細胞覚醒~」。これに搭載される新曲「Teardrops of hope」をシンガーである高橋洋子自身が作詞作曲した。自身初の全編英語作詞の様子を中心に、「残酷な天使のテーゼ」の編曲を手がけた大森俊之との収録の様子、最新のツアーレポートや5月開催の“「EVANGELION KABUKICHO IMPACT」高橋洋子スペシャルライブ”について話を聞いた。INTERVIEW & TEXT BY 日詰明嘉英語歌詞に挑戦!「何を言いたいか伝わることが一番大事」――昨年12月にはコロナ禍以降、初めての海外公演としてスペイン・バルセロナで開催された“The festival Manga Barcelona”に出演されましたが、いかがでしたか?高橋洋子 これまで様々な国にお呼ばれしてまいりましたが、私の中でスペインがNo.1の経験になりました!まず、人が素晴らしいんです。賑やかだったりアバウトな人が多いのかなと思っていたら、とても繊細ですし時間にも正確。繊細でシャイで日本人にちょっと似てるなと感じました。――そうなんですね。そうした皆さんであれば、碇シンジくんの気持ちもきっと理解してくれるでしょう。高橋 本当に、やはり行って体験しないとわからないことがたくさんありますね。歌のステージ以外に公開インタビューもあったのですが、スタッフの方が非常に繊細な部分を理解したうえで、言葉の行間や裏まで読んで質問してくださる場面が何度もありました。コンサートでも皆さんシャイななか、盛り上がるところは盛り上がって拍手してくれたし、静かに聴いてほしいところのタイミングもわかってくれて、私を含めたスタッフ皆が感動する場面が何度もあったスペイン訪問でした。――素晴らしい経験でしたね。さて、今回の新曲「Teardrops of hope」はパチンコ「P ゴジラ対エヴァンゲリオン ~G細胞覚醒~」の搭載曲ですが、どのように作られていったのでしょうか?高橋 最初に「高橋さんの作詞作曲で」と言っていただいて、「ありがとうございます」とお返事したあと、「歌詞は英語で」「はい。わかりました……英語!?」と驚きました(笑)。今は配信の時代ですから、せっかくであれば世界中の皆さんに聴いていただきたい。ただ、私の稚拙な英語では作品に申し訳ないなと思っていたところ、それを突破する考えが思い当たりました。――それは何だったのでしょう?高橋 実は私の娘がイギリスに住んでいるんです。それでまず私が歌詞を書いて訳したものをチェックしてもらうことにしました。フラットメイトの皆さんも手伝っていただき、出したものに赤線を引いて返してくれて、「このメッセージであれば、こういった表現のほうが適切」だとか、「これでは子供っぽく聞こえる」といったやり取りを何度も重ねました。人生でこんなにSVOCを意識したのは初めてでした(笑)。――高橋さんは1995年にロサンゼルスに留学をされていますから、英語はお得意だったのでは?高橋 私が当時身につけたのはアメリカ英語だったんです。それを今回、ブリティッシュイングリッシュに修正する必要もありましたし、結果的にこのジャケットにもそれが合っていたなと思います。シェイクスピアの言い回しとか伝統的な詩集のフレーズを入れてみたら、娘からは「これは日本語で言うと、“~ござる”だよ」って言われたりして(笑)。でも段々と書いていくうちにコツが掴めてきて、韻を踏んだり、伝えたい歌詞と音のフレーズがどうしても合わなかったら発音せずに繋げたりといった工夫をしていきました。そうやって手応えを覚えてきたころに作業が終わるんですよ(笑)。最終的に娘やフラットメイトが言うには「ネイティブである必要性はない。何を言いたいか伝わることが一番大事だ」と。それもそうですよね。日本の場合でも海外から来られて歌っている方がいらっしゃいますが、そのときだって発音の良し悪しよりも、本人が伝えたい思いを大事にしますから。私も等身大で伝えられる機会をいただけたので、チャンスがあればまたチャレンジしてみたいなと思いました。――実際にこの曲を聴いた海外の方の反応はいかがでしたか?高橋 戦地にいて故郷をなくしてしまった方が、「自分の気持ちにすごくシンクロしている」と書き込んでいたりとか、「『エヴァ』は日本のアニメだから、高橋が歌っていることに説得力がある」とか。やはり英語にすることによって、本当に聴いてくださる方の幅が広がった実感があります。そういう人たちからすると、「Teardrops of hope」、「涙の先に希望がある」という言葉を単純にその単語だけを受け止めているのではなく、世界観を汲み取ってくれているような気がします。自分の中にあることとシンクロする聴き方をしていただけたのは私の中の新しい出会いでした。次ページ:5月には新設のホールで「エヴァ」をテーマにしたスペシャルライブ5月には新設のホールで「エヴァ」をテーマにしたスペシャルライブ――大元にされた歌詞はどんな思いで書かれたのでしょうか?高橋 1人の少女がこの星を救っていくストーリーという設定があり、それを私の解釈で書かせていただけるとのことでした。そこで、どんな過酷なことがあったとしても、希望ある未来であってほしいし、この登場人物がみんな救われていく未来だという気持ちであらすじを書いて、最後には大丈夫だと笑顔で手を振るという1人の少女の姿を描いています。そのなかでミサトさんのことやシンジくんのことを思ったりして、全体的な中でみんなが涙を流したその先に繋がるような言葉や音は何だろうかとかと書いたつもりです。当初、私はこのタイトルを「The Girl」としていました。ストーリーを読んだうえでタイトルの「The Girl」のことを指すようにしていたのですが、先方から「“涙”はどうですか?」と言われ、それだけだと悲しすぎるので、歌詞の中にある「Teardrops of hope」にしました。――この楽曲は作曲も高橋さんがなされていますが、どのように?高橋 先方からはミドルテンポでかつ、今までと違うアプローチでという要望があったので、そこで世界観のあらすじを書いたうえでそれに合うメロディを書き、あとは先方が既存のイメージ曲をいくつか提案されたのでそのイメージを残しつつ、今まで歌ったことがないコード進行を心がけて作ってみました。サビの畳みかけるフレーズは、切なさもありつつですが、強くて悲しい言葉を韻を踏むように載せています。――そうして作られた楽曲を、お馴染みの大森俊之さんが編曲をされています。どのようにお伝えされましたか?高橋 今回は譜面を書いてからiPhoneで歌った音声を送って、LINEで少し補足説明をお伝えしました。大森さんのすごいところはどんな場合でも想像以上の仕上がりにしてくださるところです。その後、「だいたい出来たよ」というご連絡を受けて大森さんのスタジオに行き、そのデモに対する私の要望をお伝えして、お茶を飲んで待っていると完成しているという(笑)。――大御所同士でも存外、カジュアルなツールを使って遣り取りされているんですね。高橋 あとはミュージシャンを誰にするかなどは大森さんが決められて、別のスタジオでレコーディングに入ります。この曲は最後の1行“I can see the girl waving at me smiled”で、すべてがポジティブに転換するのですが、そこをメジャーコードにされているのが、私的にはブラボーな感じです。そこから弦の世界がどんどん拡張され、ギターソロも駆け上がるように派手になって、最後もゴージャスになる作りになっています。それを現場で体感できるのがとても幸せな時間でした。コロナ禍以降、みんなが集まってするレコーディングも少なくなっていましたが、今回は弦もたくさん入っていて、大森さんが弦の練習の時から指揮をされる姿も久々に見ることができて、またこういう感じで一緒に仕事ができて、本当に嬉しかったです。――高橋さんは歌のレコーディングでOKテイクを出すのがいつも早いそうですが、今回はいかがでしたか?高橋 今回は英詞でもあったので、普段よりはちょっと手こずりましたね。イギリスの皆さんと時間を合わせて、同時に聴いてもらえる状況を作ってテイクを聴いてもらって、その修正をしてと、歌入れだけでは2時間ほど、全体で5時間ほどかかりました。――特にご自身のお気に入りのフレーズは?高橋 サビの畳みかけるところも好きなんですけど、皆さんが英語として聴きやすく心に引っかかってもらえるかなと思うのは、“Catch me If you can”の辺りの“翼を切り取って、私をこの地に繋ぎとめて。行きたくないの”というブロック。この辺りは気に入っています。あとはやはり最後の“I can see the girl waving at me smiled”。笑いながら手を振っているところで、上手くストーリーを完結させることができたなと思っています。――先ほどの海外のファンの方のように、この曲はライブを通じて広く長く育てていけるのではないかなと思います。そんな「エヴァ」のスペシャルライブ“YOKO TAKAHASHI EVANGELION ultimate Live「月十夜」”が新しくオープンするZepp Shinjuku (TOKYO)で5月28日に開催されます。どんな内容になりますか?高橋 これは私にとって初めての、『エヴァンゲリオン』をテーマとした単独の有観客ライブになります。すべて『エヴァンゲリオン』に関連する楽曲で構成していて、古い曲ももちろん入ってますし、いつもは演らないような楽曲もセットに予定しています。現在、演出面についてスタッフと打ち合わせを重ねております。ぜひお来しいただいて、『エヴァ』の世界観に浸っていただければと思います。●配信情報デジタルシングルパチンコ『Pゴジラ対エヴァンゲリオン ~G細胞覚醒~』搭載曲「Teardrops of hope」配信中<収録内容>M1. Teardrops of hope作詞:高橋洋子 作曲:高橋洋子 編曲:大森俊之M2. Teardrops of hope off vocal ver.高橋洋子 EVANGELION SONGS PLAYLISTはこちら●ライブ情報高橋洋子のスペシャルライブ開催が決定!YOKO TAKAHASHI EVANGELION ultimate Live「月十夜」2023年5月28日(日) 16:00開場/17:00開演会場:Zepp Shinjuku (TOKYO)※『エヴァンゲリオン』シリーズをテーマとした初の単独公演となります<チケット情報>1階スタンディング自由席:8,800円(税込) 限定お土産グッズ付2階スタンディング自由席:8,800円(税込)限定お土産グッズ付限定お土産グッズは「ネックストラップ付き 特製「月十夜」観測記念カード(エヴァンゲリオン仕様)」となります。※ご入場の際に別途ドリンク代が必要です。※3歳以上は有料となります。・エヴァンゲリオン公式アプリ超先行受付期間:2023年2月4日(土)10:00~2023年2月20日(月)23:59申し込みはこちらから※申し込みにはエヴァンゲリオン公式アプリ「EVA EXTRA」ダウンロードが必要となります。エヴァンゲリオン公式アプリ「EVA EXTRA」はこちら・高橋洋子公式HP先行受付期間:2023年2月23日(木)15:00~2023年3月6日(月)23:59申し込みはこちら・プレイガイド先行受付期間:2023年3月9日(木)15:00~2023年3月15日(水)23:59申し込みはこちら・一般販売発売日:2023年3月25日(土)10:00~申し込みはこちらお問い合わせ:ローソンチケットインフォメーション※お申込み・入金方法に関してのご質問は、必ず期間内にお問い合わせください。受付終了後にお問い合わせいただきましてもご対応できませんので、予めご了承ください。©カラー関連リンク高橋洋子 オフィシャルサイトhttp://king-cr.jp/artist/takahashi/高橋洋子オフィシャルYouTubehttps://youtube.com/playlist?list=PLQyvkHBZA_xCzoAR40srSOBJpjdIlOXnb高橋洋子オフィシャルTwitterhttps://twitter.com/yoko_t_official