DJをテーマに、アニメ、ゲーム、ライブなど様々なメディアミックス展開を行うプロジェクト「D4DJ」。そのTVアニメ2期『D4DJ All Mix』が、2023年1月から放送をスタートした。
連載第7回では、アニメの第9話「ホシトカミ」でPhoton Maidenとのコラボライブを大成功させた、お嬢様学校に通う高校生ユニット・Lyrical Lily(通称:リリリリ)のキャストインタビューを敢行。反田葉月(桜田美夢役)、進藤あまね(春日春奈役)、深川瑠華(白鳥胡桃役)、渡瀬結月(竹下みいこ役)が、前述のコラボライブで披露された新曲「妙なる星と」の話題も含め、これまでの『All Mix』全体を振り返るような話をたっぷり届けてくれた。
INTERVIEW & TEXT BY 須永兼次
演じ手として、視聴者として――『All Mix』の印象深いエピソードを語る
――最初に、先日放送されたTVアニメ第9話までの中で、皆さんの印象に残っている作中のエピソードからお聞きできますでしょうか?
反田葉月 まずはリリリリのみんなが動いていること自体が嬉しくてしょうがなくて……! そのなかでも、リリリリがフィーチャーされた第3話のライブシーンは印象深いです。『D4DJ First Mix』(TVアニメ第1期)の頃から「ライブシーン、いいなぁ」とずっと思っていましたし、しかも今まで「グルミク」(ゲーム「D4DJ Groovy Mix」)の中でしか描かれていなかった曲作りの過程まで描かれたうえでの初めてのライブシーンだったのもあって、私の中ですごく感慨深いものになりました。それに第3話はちょうど私たちの3rdワンマンライブ(※1月22日に開催された“Lyrical Lily 3rd LIVE「猫の手招き」”)の直後だったので、ライブとリンクするところもあって、すごく嬉しかったのを覚えています。
進藤あまね 私は(春日)春奈にいい感じの気持ち悪さが出始めたところが印象に残っていて……(笑)。「グルミク」では(桜田)美夢ちゃんや燐舞曲の(三宅)葵依さんに、風紀委員や淑女らしからぬ行為をし始めていたのですが、アニメで完璧にそれが出始めたんですよ!
――動きもついて(笑)。
進藤 いやぁ、すごいですよね(笑)。実はそれって、私がたまにオタクなところを出してしまっている様子を見た水島(精二)総監督が、それを春奈に取り入れてくださったみたいなんです。しかも、「グルミク」を開発されているDONUTSの方たちも、元々「春奈と葵依を絡ませよう」と考えていたらしくて、そのシンクロにも驚きましたし、アニメのアフレコでもよく「わかるよ、その気持ち……!」となっています(笑)。
――演じるときに、より共感しやすくなっているというか。
進藤 そうですね。
深川瑠華 私は第9話が一番印象に残っています。(白鳥)胡桃ちゃんはVJ担当で、第3話のライブでもVJをやっていましたけど、第9話のライブでは星空をVJで表現した胡桃ちゃんがすごく褒められるシーンがあるんです。
――ライブ前から、かなり積極的に奔走していましたよね。
深川 そうなんです! 胡桃ちゃんはよくいたずらをする子なのであまり真面目に見られないのですが、第9話では他のユニットのVJの子たちに協力を仰いで、Photon Maidenさんとのコラボライブで星空を作り上げるためにすごく努力して……それがすごく、愛おしいんです。
渡瀬結月 そもそも胡桃ちゃんがいたずらをする理由って、「みんなを笑顔にしたい!」だもんね。
深川 そう!
渡瀬 それを春奈ちゃんに仕掛けるから怒られるけど(笑)、「本来はこういうことやりたいんだろうなあ」って思った。
反田 ついついやりすぎちゃうからね(笑)。
渡瀬 私は、自分自身の好きなMerm4idさんの担当回(※第5話「ネガ/ポジ」)がすごく思い出深いです。出番がなくて台本をいただいていなかったので、お客さんと同じ目線で観ることができたうえに、特にフィーチャーされていた(日高)さおりちゃんも大好きなので、なんだか親みたいな目線で見守っていました(笑)。
――特に第8話・9話では、アニメでは初めて観るようなリリリリの姿も結構ありました。
渡瀬 たしかに。第1話の最初でも少し歌っていましたけど……。
深川 第8話では練習前の声出しで歌っていて、割と長めに流れたんだよね。
渡瀬 ね。レコーディングもしたなぁ。
反田 賛美歌は1人ずつ録ったので、みんなの歌声が合わさったのを聴いたのはアニメが初めてだったんですけど、やっぱり4人で歌うとユニゾンがきれいだよね?
深川 うん!
進藤 私の友達に、リリリリみたいに毎日賛美歌を歌っている子がいるんですけど、その子がアニメを観て「本格的ですごいね!」と言ってくれたのは、嬉しかったですね。
渡瀬 あと、「ライブみんなと一緒に歌いたい!」みたいな話も出たよね。
進藤 ディグラーさん(※「D4DJ」ファンの総称)にも歌ってもらって……。
渡瀬 1曲目に「まずは声出しから!」っていう感じで(笑)。
――また、アフレコを重ねていくなかで皆さんの掛け合いが馴染んでいくところもありましたか?
反田 アフレコの回数を重ねるごとに、みんなでタイミングを合わせてしゃべるところが合うようになりました。最初は「せーの」で合わせてもごちゃってなって、3回くらいでやっと揃う感じだったんですけど、最後のほうには1回で揃うようになって。
渡瀬 そういえば、まだ放送されていない回の話で、みんなでカウントダウンするシーンがあったじゃん? あのときの「さん!!!」が面白かったよね。
一同 あー!(笑)。
――「さん!!!」ですか?
渡瀬 はい。そのシーンは最初、胡桃ちゃんだけがセリフを言うものと思っていたので、瑠華ちゃん以外の3人は全員座っていたんですよ。でも、そこは全員でカウントダウンを録る流れだったんです!
進藤 それで私たちは慌てて、なるべく音を立てないよう目の前のマイクに向かって走って「さん!!!」って(笑)。あれは焦りましたね。
反田 しかも、私たちは慌てすぎて、誰もキャラクターの声になってなかったし(笑)。
深川 私はそのまま1人で録るんだと思っていたら、みんなが横からバッ!って入って来て。びっくりした。
渡瀬 たぶん圧がすごかったよね(笑)。
――ただ、その他の部分ではどんどん息が合うようになっていった。
進藤 そうですね。
“アニメの顔”と“リリリリらしさ”を両立させた「Maihime」
“アニメの顔”と“リリリリらしさ”を両立させた「Maihime」
――さて、そんな『All Mix』のオープニングを毎回彩っているのが、皆さんの歌うOPテーマ「Maihime」です。
進藤 この曲は、レコーディングチームがいつものステキミュージック(※中村 航を中心とした楽曲制作チーム)さんではなく、Photon Maidenチームの方々でもある一二三(Hifumi,inc.)の皆さんだったんです。しかもサウンド感も、今までのリリリリとは全然違ってすごく新鮮でした。
反田 「Maihime」は、最初から明るさがパッと出るようなリリリリ曲とは違って、楽曲の中に結構波があるようにも感じて。しかも私は最初にレコーディングしたので、「最初はスッと入るように」とか、楽曲の雰囲気に合わせながら試行錯誤して歌った覚えがあります。
――そのなかで、特にその試行錯誤が活きた部分は?
反田 レコーディングの最後の段階で、水島総監督から「歌い出しの“はじまりは One step,”の前にブレスを入れてみたい」とご相談をいただきまして。それを実際に入れてみたら、始まりの一歩にピッタリな、深呼吸の一発目の息を吸うような感じになって、そこで一気に「Maihime」が「Maihime」になった感じがしたんです。
――そのブレスで、「Maihime」の“らしさ”が生まれたんですね。
反田 はい。しかもリリリリらしい明るさも出たので、「曲って少し工夫するだけで全然変わるんだ!」って思いました。
進藤 水島総監督といえば、たしか私、「Maihime」を録ったあとにレモネードをいただいた覚えがあって。
渡瀬 へぇー。おつかレモネード?
進藤 そうかも。ただ、その印象が強すぎて、ちょっとレコーディングの具体的な記憶が……(笑)。あ、でも皆さんすごく褒めて伸ばしてくださったのは覚えてます! ステキミュージックさんも褒めて伸ばしてくださるんですけど、またそれとは違った方向の褒め方なんです。
渡瀬 だから「えっへへぇー」みたいに、照れてだんだん溶けていっちゃうよね(笑)。
進藤 それに、サウンドもめっちゃオシャレだし!
渡瀬 ただ、そのサウンド感に合わせながら“竹下みいこ”として歌うにはどうすればいいのかは、私はすごく気にしていました。みいこちゃんとして歌うときは常に口角をギュィィィン!って上げて、マ行やタ行をなるべく丸く言うように意識しながら歌っているんですけど、「その歌い方は、この曲に合うのかな?」と思ったんです。それで、試しに声出しで1回歌ったら、水島総監督に「もう少し地声に寄せてもみいこちゃんになるから、もっと自然体でいいよ」と言ってもらえて。それで普段の感じよりももう少し爽やかな、今の形になりました。あと私、以前の取材でお話しした瑠華のパートがすごく楽しみだったんですけど、想像以上にいい味を出しているんですよ!
深川 この曲では、作編曲のTAKU INOUEさんから「ファルセットを使わずに録りましょう」というディレクションをしていただきまして。地声で歌うには結構ギリギリの音の高さだったんですけど、「お、出るね出るね!」みたいに声をかけていただきながら、サビの部分を録っていきました。
――深川さんも、褒めて伸ばしてもらった部分が。
深川 はい(笑)。あと、1番Bメロの“軽やかに One step, Two step”を「あまりかわいくなりすぎず、歌詞の通りしとやかで軽やかに、落ち着きを持たせて歌ってみてください」というディレクションもいただきました。なので、さっきはーちゃん(反田)が言っていた曲に合わせたメリハリみたいなものも考えながら、でもおしとやかにしすぎると胡桃ちゃんらしさがなくなるので、そこを加減しながら歌っていきました。
――そんなこの楽曲は、1月に行われた“Lyrical Lily 3rd LIVE「猫の手招き」”で初披露もされました。
反田 この曲のダンスは難しくて、かなり動くうえにカウントも裏で取ることが多いので、みんなですごく練習したんです。だからこそ本番は緊張もあったのですが、後からライブ映像を観たら、みんな超いい顔をしていたんです! 繰り返しになりますけど、このときも「Maihime」が「Maihime」らしくなったなと感じて……緊張感も含めて“一歩目”という感じがしました。
渡瀬 私も「Maihime」は、すっごく緊張して! この曲は前から、はーちゃん、瑠華ちゃん、渡瀬の順で、縦一列のフォーメーションから始まるのですが、最初は私が歌わないから、ずーっと下を向きながら「はーちゃんが息を吸ったら横に出るんだ!」って考えていて(苦笑)。私は歌よりも、ダンスのほうが不安だったかもしれません。
深川 私も。元々ダンスが苦手なうえに、ちょっとでもズレたらどんどん遅れていっちゃうような曲で、リズムが全然うまく取れなかったんです。だからライブで曲が始まるときは……ずっとはーちゃんの後頭部を見ていました(笑)。
進藤 あははは!(笑)。
反田 私の後頭部を見てたんだぁ(笑)。
深川 練習のときも鏡ではーちゃんのことをよく見て動いていたので、割と安心感を持ってライブに臨めたように思います。あと2番のBメロかな? ゆーちゃん(渡瀬)が歌っているとき、手を伸ばしてはーちゃんと入れ替わりをするところで、毎回はーちゃんが目を合わせてニコニコしてくれるから、そこで1回安心できるの。
反田 あ、それは私も! メンバーと目が合うとすごく嬉しくなっちゃう。あと、シンメ同士で目を合わせるのは結構意識しているかも。あまちゃん(進藤)も、DJブースにいるけどよく目が合うよね。
進藤 みんなが後ろを向いたとき、私のことを超見てくれるから(笑)。私がニヤニヤしながら下を向いていたら、だいたいメンバーと目を合わせていると考えてもらっていいかもしれないです(笑)。あと、「Maihime」は私としては、久しぶりにしっかりと踊る曲になったんですよね。しかも、私はDJなので動きがみんなと違うんです。最近はDJプレイをする部分を増やしていたので、すごくハラハラでした。
美しいハーモニーを響かせる「妙なる星と」、第一印象は全員“困惑”!?
――さて、第9話でPhoton Maidenとのコラボ曲「妙なる星と」もオンエアとなりました。皆さんは楽曲を初めて聴いたとき、どんな印象を持たれました?
反田 「なにこれ、むずっ!」ってならなかった?(笑)。
進藤 なった(笑)。「な、な、なんだこれー!」って。
深川 しかも、みんな違うパートを歌っているから、助けを求められなかったんだよね。
渡瀬 私、資料のメールをめっちゃ確認したもん。「わ、私はいったいどこを歌うんですか!?」って(笑)。
反田 いただいた曲のデータも、普段なら「メイン」「上ハモ」「下ハモ」みたいに、3つくらいに分けられているものが、今回はとんでもない数のデータがあって!
進藤 だから「どれが私のパートなんだろう?」って(笑)。私、レコーディングスタジオに到着したら、まず「私はこのパートを歌うので合っていますよね……?(ニコニコ)」って……。
渡瀬 最終確認したんだ(笑)。
進藤 「もしかしたら美夢ちゃんのところも歌うのかな?」と思って一応練習していったんですけど、「ここは……?あ、歌わない、わかりました!(ニコニコ)」って(笑)。
反田 私も2番Aメロのコーラスの歌詞割に「Lyrical Lily」と書いてあったので歌ったら、「あ、そこは大丈夫です」って言われた(笑)。その直後に美夢ちゃんのソロがあるので、よくよく考えたら「そりゃあねぇ」って感じなんですけど。
――しかも歌い出しの部分は、コーラス3人のパートが全部違いますし。
渡瀬 そうなんです。今みんな一緒に歌ったら、すごい不協和音になっちゃいそう……(笑)。今回ははーちゃんがメインパートで、他の3人はずっとコーラスだったから、私は中学の合唱コンクールみたいな気持ちでレコーディングしたなぁ。
反田 さっき雑談してたときも「合唱コンクールで『妙なる星と』を使ってほしい!」って言ってたよね。たしかHiがみいこちゃんで、Lowが春奈ちゃん?
進藤 そう。で、Midが胡桃ちゃんだった。
――そういう点もあって、音源を受け取った時点で困惑するというか、歌う前から皆さん「あ、これヤバいな」と思われたというか。
深川 はい。なので、とりあえずまずは自分のパートをひたすら聴いて……歌うところだけはちゃんとなぞれるようにしました。
渡瀬 私も、お風呂でずっと歌ってた。主線と全然違うから引きずられないように、自分が歌うところが主メロだと思い込んで覚えていきました。
深川 私、実はメインのはーちゃんの歌を聴かずにレコーディングに行ったんです(笑)。私は普段ハモを録ることがあまりないんですけど、今回は完全にハモだけだったので、(メインのメロディに)つられずに音をたどれるか不安で。レコーディングでは譜面に歌詞がついたものをいただけたので、それを見ながら必死に音符をたどっていきました。
渡瀬 私はHi担当だったのでキーがすごく高かったんですけど、先に録られていた佐藤日向さん(福島ノア役)の声を薄く流していただいて、それに支えられながら録っていきました。曲に馴染むように目立ちすぎず、でも「いますよ……」くらいになるイメージで(笑)。
進藤 普段は渡瀬ちゃんがLowで私がHiのハモを歌うことが多いもんね。だからそういった面でも「水島総監督やHifumiのスタッフさんからは、私たちはこう見えるんだ」って、外からの見られ方みたいなものがちょっとわかった気がします。
渡瀬 ね!
進藤 私は普段のリリリリのレコーディングでは「みんなが浮けるように、進藤さんは地面を作ってください」と言われるんです。ただ、この曲では「(新島)衣舞紀と一緒に、完全に下で支えてください!」と言われたので、そういう部分でも今までとは全然違うなと思いました。
反田 逆に私はメインで歌うパートがたくさんありましたし、しかも(出雲)咲姫ちゃん……つむつむさん(紡木吏佐)と声を重ねる部分が多かったので、自分のパートを何回も聴いて覚えた後、咲姫ちゃんだけのデータを聴きながら、そこにうまく歌声が重なるように練習していました。
どうなる!?“招き猫作戦”!『All Mix』終盤の見どころを語る
――ちなみに、皆さんが「妙なる星と」のサウンドの中で気に入られている部分を挙げるなら?
進藤 低音がしっかりとあるところです! リリリリの楽曲にもその要素はあるのですが、やっぱりPhoton Maidenさんの曲は、壮大な宇宙を感じさせる、こもった感じのローが効いているじゃないですか。そういった、クラブで聴いたときに体に馴染むようなローが溢れているところにすごさを感じましたし、惹かれました。
反田 私はずっと一定の感じで流れているけど、大サビで一気に壮大な雰囲気が出るところがすごく好きで。サビはみんなも一緒に歌っている部分なのでスケールが一気に大きくなりますし、Photon Maidenさんの透き通った声や雰囲気もあってリリリリだけでは出せない透明感が生まれていると思うんです。
深川 私はPhoton Maidenさんの曲調がすごく好きなので、こういうサウンドの楽曲を歌えてすごく嬉しかったです。ただ、こんなに清らかなパートを歌ったことがなかったので、「本当に私のこの声で、歌っていいのかな?」と思って。それこそ第8話で賛美歌を歌っているのを聴いたとき、「1人だけ、幼稚園児みたいなのがいる!」と感じたくらいなので(笑)、「妙なる星と」でも「私の声はちゃんと混じれてるかな?」ってまだ不安なんです。
反田 でも、それが胡桃ちゃんらしさでもあるからね。特徴的な声だから。
進藤・渡瀬 うん。
深川 そう? 1人だけ、すごくたどたどしく聴こえる気がして。なんか、幼稚園児のカラオケみたいで……(笑)。
反田 気持ち良く歌っているのよ、胡桃ちゃんは(笑)。
渡瀬 歌の話なら、私は2番Aメロの“流星”のところがすごく好きです。たしかディレクションで、「滑らかに尻下がりになるよう歌ってください」と言われたのですが、そうやって滑り台みたいに段階を踏みながら低くしていく歌い方は初めてだったので、悩みつつ録ったんですけど、それがすごくいい味を出していると思うんです。3月15日から楽曲配信がスタートしているので、ぜひその部分も含めて、フルサイズで聴いていただきたいです!
――さて、『All Mix』の放送も残すところあと僅かとなりました。そこで終盤に向けて注目してほしいポイントを、アニメを楽しみにされているディグラーさんへいただけますか?
渡瀬 今、残り僅かと聞いて、改めて衝撃を受けていますが……元々『All Mix』は、1年を通して描くことを主軸に掲げていて、毎回の話数に「Jan.」みたいに月の名前がついているんです。だから皆さんは……もうすぐ次の年を迎えてしまうということを、念頭に置いていただいて(笑)。
進藤 あはは(笑)。
渡瀬 さっきお話した、私たちの勢い余ったカウントダウンが最終的にどんなふうになったのかも観ていただきたいです(笑)。あと、レコーディングしたけどオンエアされていない楽曲がまだありまして。それも今後アニメの中で聴けるはずなので、そういうところも含めて、これからもぜひ聴いて、目で観て、体で感じて楽しんでいただければと思います!
深川 第1話で胡桃とみいこが「どうすれば委員会」を発足したところから“招き猫作戦”を軸にしたお話が始まって、それから色んなユニットさんの新曲やライブも絡んだお話がありましたけど、最終的に「どうすれば委員会」はどれだけ商店街を盛り上げられたのかを楽しみにしておいてほしいです。それと『All Mix』には6ユニットみんなが揃ってアニメに登場しているので、リリリリはもちろん、みんなの動く姿を引き続き目に焼き付けてもらいたいです。
進藤 『All Mix』は1年間を描いている作品なので、第3話のひな祭り回のリリリリの新曲「春とショコラ」で「うれしいひなまつり」が使われていたように、季節に合わせた楽曲が楽しめたりするんですよ。なので、残りの話数も含めて『All Mix』を通じて出会った曲を、みんなが街中とかでふと聴いたとき、「あ、これ知ってる!」となってくれたら嬉しいですね。あと、1ヵ月ごとのお話なので、全話の放送が終わったあとも毎月その月に合わせたお話をみんなに観てほしいです!
反田 『All Mix』は今あまちゃんが話したような季節ごとの楽曲のほかにも、服装や背景の描写の中にも季節感が出ているんですよね。そうやって1年間繰り広げられてきた“招き猫作戦”が一体どうなるのか……私もまだどんな映像に仕上がっているのかはわからないので、クライマックスは皆さんと同じ目線で観ることになると思います。放送が終わるのはちょっと寂しいですが、リリリリとほかのユニットさんとの絡みなども楽しみながら、“招き猫作戦”がいい締め括りを迎えられるよう、ディグラーさんにも最後までどうか見守っていただけたら嬉しいです!
●作品情報
『D4DJ All Mix』
TOKYO MX:1月13日(金) 23:00~23:30
BS日テレ:1月13日(金) 23:00~23:30
KBS京都:1月13日(金) 25:00~25:30
サンテレビ:1月14日(土) 22:30~23:00
AT-X:1月13日(金) 23:00~23:30
配信情報
DMMTV:1月8日(日)~ 毎週日曜 23:00
Hulu:1月13日(金)~ 毎週金曜 23:00
Amazon Prime Video:1月13日(金)~ 毎週金曜 23:00
U-NEXT:1月13日(金)~ 毎週金曜 23:00
dアニメストア:1月13日(金)~ 毎週金曜 23:00
ひかりTV:1月13日(金)~ 毎週金曜 23:00
アニメタイムズ:1月13日(金)~ 毎週金曜 23:00
GooglePlay:1月13日(金)~ 毎週金曜 23:00
バンダイチャンネル:1月13日(金)~ 毎週金曜 23:00
HAPPY!動画:1月14日(土)~ 毎週土曜 12:00
ビデックス:1月14日(土)~ 毎週土曜 12:00
TELASA:1月16日(月)~ 毎週月曜 24:00
J:COMオンデマンド: 1月16日(月)~ 毎週月曜 24:00
milplus(みるプラス): 1月16日(月)~ 毎週月曜 24:00
auスマートパスプレミアム: 1月16日(月)~ 毎週月曜 24:00
※放送日時・内容は予告なく変更される場合があります。予めご了承ください。
【あらすじ】
奉仕の心を理念とする伝統ある有栖川学院に通う、桜田美夢、春日春奈、白鳥胡桃、竹下みいこは、
みんなを笑顔にする奉仕の一つとしてDJユニット「Lyrical Lily」としての活動を認められていた。
ある日、春奈が商工会に呼ばれ、新年から一年を通して地域活性化イベントの依頼を受けることになる。
自分たちだけで実現出来るか不安になるが、思い浮かんだのは初めてのライブを一緒に成功させた面々、そして来場者の笑顔だった。
奉仕の心、Lyrical Lilyの想いは、DJの祭典《D4 FES.》で共に称えあった各ユニットに次々と繋がり、
ついに新年に相応しい新しいステージが幕を開ける―――
【STAFF】
原作:ブシロード
ストーリー原案:中村 航
キャラクター原案:やちぇ
総監督:水島精二
監督:鈴木大介
シリーズ構成:雑破業
アニメーションキャラクターデザイン:茶之原拓也、八森優香
モデリングディレクター :原岡大輔、髙岡真也、横山貴央
リギングディレクター:矢代 奈津子
色彩設計:松山 愛子 (颱風グラフィックス)
撮影監督:小林俊介
美術監督:池田裕輔
美術設定:綱頭瑛子
編集:榎田美咲
音響監督:長崎行男
音楽:佐高陵平、グシミヤギ ヒデユキ
アニメーション制作統括:松浦裕暁
アニメーション制作:サンジゲン
関連リンク
TVアニメ「D4DJ All Mix」公式サイト
https://anime.d4dj-pj.com/all-mix/
D4DJ公式サイト
https://d4dj-pj.com/
個性豊かな音楽性と魅力を持った6ユニットの活躍が描かれる本アニメを、リスアニ!では連載企画「Diggin’『D4DJ All Mix』」として徹底特集!
連載第7回では、アニメの第9話「ホシトカミ」でPhoton Maidenとのコラボライブを大成功させた、お嬢様学校に通う高校生ユニット・Lyrical Lily(通称:リリリリ)のキャストインタビューを敢行。反田葉月(桜田美夢役)、進藤あまね(春日春奈役)、深川瑠華(白鳥胡桃役)、渡瀬結月(竹下みいこ役)が、前述のコラボライブで披露された新曲「妙なる星と」の話題も含め、これまでの『All Mix』全体を振り返るような話をたっぷり届けてくれた。
INTERVIEW & TEXT BY 須永兼次
演じ手として、視聴者として――『All Mix』の印象深いエピソードを語る
――最初に、先日放送されたTVアニメ第9話までの中で、皆さんの印象に残っている作中のエピソードからお聞きできますでしょうか?
反田葉月 まずはリリリリのみんなが動いていること自体が嬉しくてしょうがなくて……! そのなかでも、リリリリがフィーチャーされた第3話のライブシーンは印象深いです。『D4DJ First Mix』(TVアニメ第1期)の頃から「ライブシーン、いいなぁ」とずっと思っていましたし、しかも今まで「グルミク」(ゲーム「D4DJ Groovy Mix」)の中でしか描かれていなかった曲作りの過程まで描かれたうえでの初めてのライブシーンだったのもあって、私の中ですごく感慨深いものになりました。それに第3話はちょうど私たちの3rdワンマンライブ(※1月22日に開催された“Lyrical Lily 3rd LIVE「猫の手招き」”)の直後だったので、ライブとリンクするところもあって、すごく嬉しかったのを覚えています。
進藤あまね 私は(春日)春奈にいい感じの気持ち悪さが出始めたところが印象に残っていて……(笑)。「グルミク」では(桜田)美夢ちゃんや燐舞曲の(三宅)葵依さんに、風紀委員や淑女らしからぬ行為をし始めていたのですが、アニメで完璧にそれが出始めたんですよ!
――動きもついて(笑)。
進藤 いやぁ、すごいですよね(笑)。実はそれって、私がたまにオタクなところを出してしまっている様子を見た水島(精二)総監督が、それを春奈に取り入れてくださったみたいなんです。しかも、「グルミク」を開発されているDONUTSの方たちも、元々「春奈と葵依を絡ませよう」と考えていたらしくて、そのシンクロにも驚きましたし、アニメのアフレコでもよく「わかるよ、その気持ち……!」となっています(笑)。
――演じるときに、より共感しやすくなっているというか。
進藤 そうですね。
春奈はすごくお嬢様で、私とは全く違う育ち方をしていますし、言葉遣いも難しいので演じるうえで悩むことも多かったんです。でも、今では昔よりも寄り添うことができていて、嬉しさを感じます。
深川瑠華 私は第9話が一番印象に残っています。(白鳥)胡桃ちゃんはVJ担当で、第3話のライブでもVJをやっていましたけど、第9話のライブでは星空をVJで表現した胡桃ちゃんがすごく褒められるシーンがあるんです。
――ライブ前から、かなり積極的に奔走していましたよね。
深川 そうなんです! 胡桃ちゃんはよくいたずらをする子なのであまり真面目に見られないのですが、第9話では他のユニットのVJの子たちに協力を仰いで、Photon Maidenさんとのコラボライブで星空を作り上げるためにすごく努力して……それがすごく、愛おしいんです。
渡瀬結月 そもそも胡桃ちゃんがいたずらをする理由って、「みんなを笑顔にしたい!」だもんね。
深川 そう!
渡瀬 それを春奈ちゃんに仕掛けるから怒られるけど(笑)、「本来はこういうことやりたいんだろうなあ」って思った。
反田 ついついやりすぎちゃうからね(笑)。
渡瀬 私は、自分自身の好きなMerm4idさんの担当回(※第5話「ネガ/ポジ」)がすごく思い出深いです。出番がなくて台本をいただいていなかったので、お客さんと同じ目線で観ることができたうえに、特にフィーチャーされていた(日高)さおりちゃんも大好きなので、なんだか親みたいな目線で見守っていました(笑)。
――特に第8話・9話では、アニメでは初めて観るようなリリリリの姿も結構ありました。
例えば、賛美歌を歌うシーンだったり……。
渡瀬 たしかに。第1話の最初でも少し歌っていましたけど……。
深川 第8話では練習前の声出しで歌っていて、割と長めに流れたんだよね。
渡瀬 ね。レコーディングもしたなぁ。
反田 賛美歌は1人ずつ録ったので、みんなの歌声が合わさったのを聴いたのはアニメが初めてだったんですけど、やっぱり4人で歌うとユニゾンがきれいだよね?
深川 うん!
進藤 私の友達に、リリリリみたいに毎日賛美歌を歌っている子がいるんですけど、その子がアニメを観て「本格的ですごいね!」と言ってくれたのは、嬉しかったですね。
渡瀬 あと、「ライブみんなと一緒に歌いたい!」みたいな話も出たよね。
進藤 ディグラーさん(※「D4DJ」ファンの総称)にも歌ってもらって……。
渡瀬 1曲目に「まずは声出しから!」っていう感じで(笑)。
――また、アフレコを重ねていくなかで皆さんの掛け合いが馴染んでいくところもありましたか?
反田 アフレコの回数を重ねるごとに、みんなでタイミングを合わせてしゃべるところが合うようになりました。最初は「せーの」で合わせてもごちゃってなって、3回くらいでやっと揃う感じだったんですけど、最後のほうには1回で揃うようになって。
渡瀬 そういえば、まだ放送されていない回の話で、みんなでカウントダウンするシーンがあったじゃん? あのときの「さん!!!」が面白かったよね。
一同 あー!(笑)。
――「さん!!!」ですか?
渡瀬 はい。そのシーンは最初、胡桃ちゃんだけがセリフを言うものと思っていたので、瑠華ちゃん以外の3人は全員座っていたんですよ。でも、そこは全員でカウントダウンを録る流れだったんです!
進藤 それで私たちは慌てて、なるべく音を立てないよう目の前のマイクに向かって走って「さん!!!」って(笑)。あれは焦りましたね。
反田 しかも、私たちは慌てすぎて、誰もキャラクターの声になってなかったし(笑)。
深川 私はそのまま1人で録るんだと思っていたら、みんなが横からバッ!って入って来て。びっくりした。
渡瀬 たぶん圧がすごかったよね(笑)。
――ただ、その他の部分ではどんどん息が合うようになっていった。
進藤 そうですね。
それこそ(竹下)みいこと胡桃は特にセリフを合わせるシーンが多かったのですが、ゆづるかちゃん(※渡瀬と深川のこと)が2人で顔を見合わせて「一緒に!」「うんっ!」みたいに息を合わせていて。「あ、本当にみいこちゃんと胡桃ちゃんがいる!」と思いました。
“アニメの顔”と“リリリリらしさ”を両立させた「Maihime」
“アニメの顔”と“リリリリらしさ”を両立させた「Maihime」
――さて、そんな『All Mix』のオープニングを毎回彩っているのが、皆さんの歌うOPテーマ「Maihime」です。
進藤 この曲は、レコーディングチームがいつものステキミュージック(※中村 航を中心とした楽曲制作チーム)さんではなく、Photon Maidenチームの方々でもある一二三(Hifumi,inc.)の皆さんだったんです。しかもサウンド感も、今までのリリリリとは全然違ってすごく新鮮でした。
反田 「Maihime」は、最初から明るさがパッと出るようなリリリリ曲とは違って、楽曲の中に結構波があるようにも感じて。しかも私は最初にレコーディングしたので、「最初はスッと入るように」とか、楽曲の雰囲気に合わせながら試行錯誤して歌った覚えがあります。
――そのなかで、特にその試行錯誤が活きた部分は?
反田 レコーディングの最後の段階で、水島総監督から「歌い出しの“はじまりは One step,”の前にブレスを入れてみたい」とご相談をいただきまして。それを実際に入れてみたら、始まりの一歩にピッタリな、深呼吸の一発目の息を吸うような感じになって、そこで一気に「Maihime」が「Maihime」になった感じがしたんです。
――そのブレスで、「Maihime」の“らしさ”が生まれたんですね。
反田 はい。しかもリリリリらしい明るさも出たので、「曲って少し工夫するだけで全然変わるんだ!」って思いました。
進藤 水島総監督といえば、たしか私、「Maihime」を録ったあとにレモネードをいただいた覚えがあって。
渡瀬 へぇー。おつかレモネード?
進藤 そうかも。ただ、その印象が強すぎて、ちょっとレコーディングの具体的な記憶が……(笑)。あ、でも皆さんすごく褒めて伸ばしてくださったのは覚えてます! ステキミュージックさんも褒めて伸ばしてくださるんですけど、またそれとは違った方向の褒め方なんです。
渡瀬 だから「えっへへぇー」みたいに、照れてだんだん溶けていっちゃうよね(笑)。
進藤 それに、サウンドもめっちゃオシャレだし!
渡瀬 ただ、そのサウンド感に合わせながら“竹下みいこ”として歌うにはどうすればいいのかは、私はすごく気にしていました。みいこちゃんとして歌うときは常に口角をギュィィィン!って上げて、マ行やタ行をなるべく丸く言うように意識しながら歌っているんですけど、「その歌い方は、この曲に合うのかな?」と思ったんです。それで、試しに声出しで1回歌ったら、水島総監督に「もう少し地声に寄せてもみいこちゃんになるから、もっと自然体でいいよ」と言ってもらえて。それで普段の感じよりももう少し爽やかな、今の形になりました。あと私、以前の取材でお話しした瑠華のパートがすごく楽しみだったんですけど、想像以上にいい味を出しているんですよ!
深川 この曲では、作編曲のTAKU INOUEさんから「ファルセットを使わずに録りましょう」というディレクションをしていただきまして。地声で歌うには結構ギリギリの音の高さだったんですけど、「お、出るね出るね!」みたいに声をかけていただきながら、サビの部分を録っていきました。
――深川さんも、褒めて伸ばしてもらった部分が。
深川 はい(笑)。あと、1番Bメロの“軽やかに One step, Two step”を「あまりかわいくなりすぎず、歌詞の通りしとやかで軽やかに、落ち着きを持たせて歌ってみてください」というディレクションもいただきました。なので、さっきはーちゃん(反田)が言っていた曲に合わせたメリハリみたいなものも考えながら、でもおしとやかにしすぎると胡桃ちゃんらしさがなくなるので、そこを加減しながら歌っていきました。
――そんなこの楽曲は、1月に行われた“Lyrical Lily 3rd LIVE「猫の手招き」”で初披露もされました。
反田 この曲のダンスは難しくて、かなり動くうえにカウントも裏で取ることが多いので、みんなですごく練習したんです。だからこそ本番は緊張もあったのですが、後からライブ映像を観たら、みんな超いい顔をしていたんです! 繰り返しになりますけど、このときも「Maihime」が「Maihime」らしくなったなと感じて……緊張感も含めて“一歩目”という感じがしました。
渡瀬 私も「Maihime」は、すっごく緊張して! この曲は前から、はーちゃん、瑠華ちゃん、渡瀬の順で、縦一列のフォーメーションから始まるのですが、最初は私が歌わないから、ずーっと下を向きながら「はーちゃんが息を吸ったら横に出るんだ!」って考えていて(苦笑)。私は歌よりも、ダンスのほうが不安だったかもしれません。
深川 私も。元々ダンスが苦手なうえに、ちょっとでもズレたらどんどん遅れていっちゃうような曲で、リズムが全然うまく取れなかったんです。だからライブで曲が始まるときは……ずっとはーちゃんの後頭部を見ていました(笑)。
進藤 あははは!(笑)。
反田 私の後頭部を見てたんだぁ(笑)。
深川 練習のときも鏡ではーちゃんのことをよく見て動いていたので、割と安心感を持ってライブに臨めたように思います。あと2番のBメロかな? ゆーちゃん(渡瀬)が歌っているとき、手を伸ばしてはーちゃんと入れ替わりをするところで、毎回はーちゃんが目を合わせてニコニコしてくれるから、そこで1回安心できるの。
反田 あ、それは私も! メンバーと目が合うとすごく嬉しくなっちゃう。あと、シンメ同士で目を合わせるのは結構意識しているかも。あまちゃん(進藤)も、DJブースにいるけどよく目が合うよね。
進藤 みんなが後ろを向いたとき、私のことを超見てくれるから(笑)。私がニヤニヤしながら下を向いていたら、だいたいメンバーと目を合わせていると考えてもらっていいかもしれないです(笑)。あと、「Maihime」は私としては、久しぶりにしっかりと踊る曲になったんですよね。しかも、私はDJなので動きがみんなと違うんです。最近はDJプレイをする部分を増やしていたので、すごくハラハラでした。
美しいハーモニーを響かせる「妙なる星と」、第一印象は全員“困惑”!?
――さて、第9話でPhoton Maidenとのコラボ曲「妙なる星と」もオンエアとなりました。皆さんは楽曲を初めて聴いたとき、どんな印象を持たれました?
反田 「なにこれ、むずっ!」ってならなかった?(笑)。
進藤 なった(笑)。「な、な、なんだこれー!」って。
深川 しかも、みんな違うパートを歌っているから、助けを求められなかったんだよね。
渡瀬 私、資料のメールをめっちゃ確認したもん。「わ、私はいったいどこを歌うんですか!?」って(笑)。
反田 いただいた曲のデータも、普段なら「メイン」「上ハモ」「下ハモ」みたいに、3つくらいに分けられているものが、今回はとんでもない数のデータがあって!
進藤 だから「どれが私のパートなんだろう?」って(笑)。私、レコーディングスタジオに到着したら、まず「私はこのパートを歌うので合っていますよね……?(ニコニコ)」って……。
渡瀬 最終確認したんだ(笑)。
進藤 「もしかしたら美夢ちゃんのところも歌うのかな?」と思って一応練習していったんですけど、「ここは……?あ、歌わない、わかりました!(ニコニコ)」って(笑)。
反田 私も2番Aメロのコーラスの歌詞割に「Lyrical Lily」と書いてあったので歌ったら、「あ、そこは大丈夫です」って言われた(笑)。その直後に美夢ちゃんのソロがあるので、よくよく考えたら「そりゃあねぇ」って感じなんですけど。
――しかも歌い出しの部分は、コーラス3人のパートが全部違いますし。
渡瀬 そうなんです。今みんな一緒に歌ったら、すごい不協和音になっちゃいそう……(笑)。今回ははーちゃんがメインパートで、他の3人はずっとコーラスだったから、私は中学の合唱コンクールみたいな気持ちでレコーディングしたなぁ。
反田 さっき雑談してたときも「合唱コンクールで『妙なる星と』を使ってほしい!」って言ってたよね。たしかHiがみいこちゃんで、Lowが春奈ちゃん?
進藤 そう。で、Midが胡桃ちゃんだった。
――そういう点もあって、音源を受け取った時点で困惑するというか、歌う前から皆さん「あ、これヤバいな」と思われたというか。
深川 はい。なので、とりあえずまずは自分のパートをひたすら聴いて……歌うところだけはちゃんとなぞれるようにしました。
渡瀬 私も、お風呂でずっと歌ってた。主線と全然違うから引きずられないように、自分が歌うところが主メロだと思い込んで覚えていきました。
深川 私、実はメインのはーちゃんの歌を聴かずにレコーディングに行ったんです(笑)。私は普段ハモを録ることがあまりないんですけど、今回は完全にハモだけだったので、(メインのメロディに)つられずに音をたどれるか不安で。レコーディングでは譜面に歌詞がついたものをいただけたので、それを見ながら必死に音符をたどっていきました。
渡瀬 私はHi担当だったのでキーがすごく高かったんですけど、先に録られていた佐藤日向さん(福島ノア役)の声を薄く流していただいて、それに支えられながら録っていきました。曲に馴染むように目立ちすぎず、でも「いますよ……」くらいになるイメージで(笑)。
進藤 普段は渡瀬ちゃんがLowで私がHiのハモを歌うことが多いもんね。だからそういった面でも「水島総監督やHifumiのスタッフさんからは、私たちはこう見えるんだ」って、外からの見られ方みたいなものがちょっとわかった気がします。
渡瀬 ね!
進藤 私は普段のリリリリのレコーディングでは「みんなが浮けるように、進藤さんは地面を作ってください」と言われるんです。ただ、この曲では「(新島)衣舞紀と一緒に、完全に下で支えてください!」と言われたので、そういう部分でも今までとは全然違うなと思いました。
反田 逆に私はメインで歌うパートがたくさんありましたし、しかも(出雲)咲姫ちゃん……つむつむさん(紡木吏佐)と声を重ねる部分が多かったので、自分のパートを何回も聴いて覚えた後、咲姫ちゃんだけのデータを聴きながら、そこにうまく歌声が重なるように練習していました。
どうなる!?“招き猫作戦”!『All Mix』終盤の見どころを語る
――ちなみに、皆さんが「妙なる星と」のサウンドの中で気に入られている部分を挙げるなら?
進藤 低音がしっかりとあるところです! リリリリの楽曲にもその要素はあるのですが、やっぱりPhoton Maidenさんの曲は、壮大な宇宙を感じさせる、こもった感じのローが効いているじゃないですか。そういった、クラブで聴いたときに体に馴染むようなローが溢れているところにすごさを感じましたし、惹かれました。
反田 私はずっと一定の感じで流れているけど、大サビで一気に壮大な雰囲気が出るところがすごく好きで。サビはみんなも一緒に歌っている部分なのでスケールが一気に大きくなりますし、Photon Maidenさんの透き通った声や雰囲気もあってリリリリだけでは出せない透明感が生まれていると思うんです。
深川 私はPhoton Maidenさんの曲調がすごく好きなので、こういうサウンドの楽曲を歌えてすごく嬉しかったです。ただ、こんなに清らかなパートを歌ったことがなかったので、「本当に私のこの声で、歌っていいのかな?」と思って。それこそ第8話で賛美歌を歌っているのを聴いたとき、「1人だけ、幼稚園児みたいなのがいる!」と感じたくらいなので(笑)、「妙なる星と」でも「私の声はちゃんと混じれてるかな?」ってまだ不安なんです。
反田 でも、それが胡桃ちゃんらしさでもあるからね。特徴的な声だから。
進藤・渡瀬 うん。
深川 そう? 1人だけ、すごくたどたどしく聴こえる気がして。なんか、幼稚園児のカラオケみたいで……(笑)。
反田 気持ち良く歌っているのよ、胡桃ちゃんは(笑)。
渡瀬 歌の話なら、私は2番Aメロの“流星”のところがすごく好きです。たしかディレクションで、「滑らかに尻下がりになるよう歌ってください」と言われたのですが、そうやって滑り台みたいに段階を踏みながら低くしていく歌い方は初めてだったので、悩みつつ録ったんですけど、それがすごくいい味を出していると思うんです。3月15日から楽曲配信がスタートしているので、ぜひその部分も含めて、フルサイズで聴いていただきたいです!
――さて、『All Mix』の放送も残すところあと僅かとなりました。そこで終盤に向けて注目してほしいポイントを、アニメを楽しみにされているディグラーさんへいただけますか?
渡瀬 今、残り僅かと聞いて、改めて衝撃を受けていますが……元々『All Mix』は、1年を通して描くことを主軸に掲げていて、毎回の話数に「Jan.」みたいに月の名前がついているんです。だから皆さんは……もうすぐ次の年を迎えてしまうということを、念頭に置いていただいて(笑)。
進藤 あはは(笑)。
渡瀬 さっきお話した、私たちの勢い余ったカウントダウンが最終的にどんなふうになったのかも観ていただきたいです(笑)。あと、レコーディングしたけどオンエアされていない楽曲がまだありまして。それも今後アニメの中で聴けるはずなので、そういうところも含めて、これからもぜひ聴いて、目で観て、体で感じて楽しんでいただければと思います!
深川 第1話で胡桃とみいこが「どうすれば委員会」を発足したところから“招き猫作戦”を軸にしたお話が始まって、それから色んなユニットさんの新曲やライブも絡んだお話がありましたけど、最終的に「どうすれば委員会」はどれだけ商店街を盛り上げられたのかを楽しみにしておいてほしいです。それと『All Mix』には6ユニットみんなが揃ってアニメに登場しているので、リリリリはもちろん、みんなの動く姿を引き続き目に焼き付けてもらいたいです。
進藤 『All Mix』は1年間を描いている作品なので、第3話のひな祭り回のリリリリの新曲「春とショコラ」で「うれしいひなまつり」が使われていたように、季節に合わせた楽曲が楽しめたりするんですよ。なので、残りの話数も含めて『All Mix』を通じて出会った曲を、みんなが街中とかでふと聴いたとき、「あ、これ知ってる!」となってくれたら嬉しいですね。あと、1ヵ月ごとのお話なので、全話の放送が終わったあとも毎月その月に合わせたお話をみんなに観てほしいです!
反田 『All Mix』は今あまちゃんが話したような季節ごとの楽曲のほかにも、服装や背景の描写の中にも季節感が出ているんですよね。そうやって1年間繰り広げられてきた“招き猫作戦”が一体どうなるのか……私もまだどんな映像に仕上がっているのかはわからないので、クライマックスは皆さんと同じ目線で観ることになると思います。放送が終わるのはちょっと寂しいですが、リリリリとほかのユニットさんとの絡みなども楽しみながら、“招き猫作戦”がいい締め括りを迎えられるよう、ディグラーさんにも最後までどうか見守っていただけたら嬉しいです!
●作品情報
『D4DJ All Mix』
TOKYO MX:1月13日(金) 23:00~23:30
BS日テレ:1月13日(金) 23:00~23:30
KBS京都:1月13日(金) 25:00~25:30
サンテレビ:1月14日(土) 22:30~23:00
AT-X:1月13日(金) 23:00~23:30
配信情報
DMMTV:1月8日(日)~ 毎週日曜 23:00
Hulu:1月13日(金)~ 毎週金曜 23:00
Amazon Prime Video:1月13日(金)~ 毎週金曜 23:00
U-NEXT:1月13日(金)~ 毎週金曜 23:00
dアニメストア:1月13日(金)~ 毎週金曜 23:00
ひかりTV:1月13日(金)~ 毎週金曜 23:00
アニメタイムズ:1月13日(金)~ 毎週金曜 23:00
GooglePlay:1月13日(金)~ 毎週金曜 23:00
バンダイチャンネル:1月13日(金)~ 毎週金曜 23:00
HAPPY!動画:1月14日(土)~ 毎週土曜 12:00
ビデックス:1月14日(土)~ 毎週土曜 12:00
TELASA:1月16日(月)~ 毎週月曜 24:00
J:COMオンデマンド: 1月16日(月)~ 毎週月曜 24:00
milplus(みるプラス): 1月16日(月)~ 毎週月曜 24:00
auスマートパスプレミアム: 1月16日(月)~ 毎週月曜 24:00
※放送日時・内容は予告なく変更される場合があります。予めご了承ください。
【あらすじ】
奉仕の心を理念とする伝統ある有栖川学院に通う、桜田美夢、春日春奈、白鳥胡桃、竹下みいこは、
みんなを笑顔にする奉仕の一つとしてDJユニット「Lyrical Lily」としての活動を認められていた。
ある日、春奈が商工会に呼ばれ、新年から一年を通して地域活性化イベントの依頼を受けることになる。
自分たちだけで実現出来るか不安になるが、思い浮かんだのは初めてのライブを一緒に成功させた面々、そして来場者の笑顔だった。
奉仕の心、Lyrical Lilyの想いは、DJの祭典《D4 FES.》で共に称えあった各ユニットに次々と繋がり、
ついに新年に相応しい新しいステージが幕を開ける―――
【STAFF】
原作:ブシロード
ストーリー原案:中村 航
キャラクター原案:やちぇ
総監督:水島精二
監督:鈴木大介
シリーズ構成:雑破業
アニメーションキャラクターデザイン:茶之原拓也、八森優香
モデリングディレクター :原岡大輔、髙岡真也、横山貴央
リギングディレクター:矢代 奈津子
色彩設計:松山 愛子 (颱風グラフィックス)
撮影監督:小林俊介
美術監督:池田裕輔
美術設定:綱頭瑛子
編集:榎田美咲
音響監督:長崎行男
音楽:佐高陵平、グシミヤギ ヒデユキ
アニメーション制作統括:松浦裕暁
アニメーション制作:サンジゲン
関連リンク
TVアニメ「D4DJ All Mix」公式サイト
https://anime.d4dj-pj.com/all-mix/
D4DJ公式サイト
https://d4dj-pj.com/
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