それぞれのプライドを胸に競い合うアイドルたちの熱い物語を描くメディアミックス作品「IDOLY PRIDE」より、星見プロダクションのニューシングル「Gemstones」が5月24日にリリースされた。表題曲は、星見プロダクション所属の10名にとって特別な存在である伝説のアイドル・長瀬麻奈が遺した楽曲のカバー、という設定のもと制作された優しく温かなバラード。
彼女たちにとって、そして作品全体にとっても大きな意味を持つ1曲になっている。今回は同曲の歌唱メンバーのうち、麻奈と最も縁の深い3人のキャラクターを演じる、橘 美來(長瀬琴乃役)、菅野真衣(川咲さくら役)、佐々木奈緒(佐伯遙子役)に、歌に込めた想いやライブでのこだわりについて話を聞いた。

INTERVIEW & TEXT BY 北野 創(リスアニ!)

琴乃・さくらのソロ曲ライブ初披露に注いだ情熱とこだわり
――まずは今年2月に行われたライブイベント「LAWSON presents IDOLY PRIDE VENUS STAGE 2023 “未来”」の感想をお聞かせください。自分は夜公演を現地で拝見したのですが、素晴らしかったです。

佐々木奈緒 スリクス(ⅢX)さんがシークレットで出演されましたね。

菅野真衣 バン、バーン!(ⅢXの楽曲「Bang Bang」」のフレーズを口ずさむ)。最高だったよね~!お昼公演はリズノワ(LizNoir)さんが出演されて。

佐々木 サプライズが多くて、初披露の楽曲もたくさんあったよね。ソロやデュエット曲もそうだし、「パジャマパーティー」(新ユニット・ぱじゃパ!の楽曲)もあって。

――ご自身がパフォーマンスした楽曲の中で印象深いものを挙げるとすれば?

橘 美來 私はお昼公演でソロ曲の「未来模様」をライブ初披露したのですが、そのために練習を重ねて、この楽曲とすごく向き合ったんです。(長瀬)琴乃のストーリーを、皆さんにどう見てもらおうかをたくさん考えて……こう言うのもアレなのですが、パフォーマンスしたことでようやくこの楽曲の意味を知れた気がしていて。だからもう一度レコーディングをやり直したい(笑)。


菅野佐々木  え~!いやいや(笑)。

 もちろんレコーディングのときも自分なりに気持ちを組み立てて歌ったのですが、ライブで歌ったことで、琴乃がどう思っているのかを、より理解できた気がしたんです。

――というのは?

 私の中でこの楽曲は、「1人でやる」ということを心に決めていた琴乃が、仲間たちと出会うことで道を拓いていく、というイメージを持っていて、そのうえでレコーディングにも臨んだのですが、全編「初期の琴乃」みたいな歌い方になった気がしていて。でも、2月のライブで歌ったときに、もちろんそこで歌っているのは琴乃1人なのですが、仲間がいるから今こうしてステージに立てている、というイメージがすごく浮かんだんです。しかも後日、そのときの映像を観させていただいたら、自分の表情もすごく開けた感じで、「私、こんな顔できるんだ……!」と思ったくらいで。それはもちろん琴乃の力を借りているからだと思いますし、琴乃とすごくリンクできたパフォーマンスだったのかなって思います。

――ステージ上では1人で歌っていたとはいえ、ライブはほかのメンバーたちと一緒に作り上げるものだったわけで、その状況の差が気付かせてくれた部分もあったのかもですね。

 確かにそうかもしれない!いつもダンスの先生や同期のメンバー、色んな方からの力を借りていて。あの日の「未来模様」も、音響さんや照明さんに自分の中にあるイメージをお伝えしたうえで、皆さんが思う「未来模様」の形を聞いて、ようやく形にできたものだったんです。

佐々木 ライブを通じて新しいものを作れたのがすごいよね。まいまい(菅野)もソロ曲でスタッフさんと色々話し合ったんだよね?

菅野 そう!私が夜公演で歌った(川咲)さくらちゃんのソロ曲「もういいよ」は、サニピ(サニーピース)のときの元気なさくらちゃんとは違って、楽曲自体に「不安を抱えているのかな?」と思わせるようなメロディラインや歌詞が入ってるので、私は最初に楽曲を受け取ったときにどう表現すればいいのかわからなくて、楽曲を作ってくださったたむらぱん(田村歩美)さんにレコーディング現場で直接聞いたんです。そうしたら「実はこの楽曲には暗い要素は一切ないんです」と説明を受けて。


佐々木 そうなんだ!

菅野 そのときに、この楽曲は、壁を乗り越えられていない過去のさくらちゃんと、それを乗り越えた今のさくらちゃん、2人のさくらちゃんを描いていることを教えていただいたんです。それでレコーディングでは無事歌うことができたのですが、ライブでは絶対に披露したくないなと思って……。

――それはなぜですか?

菅野 すごく難しいからです(苦笑)。そもそも息継ぎができない箇所があるのでレコーディングでは別録りしたくらいだったので、スタッフさんに「ここはライブでどうしたらいいですか?」と聞いたら、「……できるところまでやってみましょう!」と言われて(笑)。それに2人のさくらちゃんの楽曲なので、パートによって歌い方をガラッと変えているんですよ。優しく背中を押してくれるような歌声と低音でちょっと不安さを感じさせる歌声、それをライブで瞬時に切り替えるのがすごく難しくて。でも、ライブでやると決まってからは、「さくらちゃんが乗り越えたように、自分も乗り越えて最高のものを届けるしかない!」と決心して自宅で猛練習しました。

――で、スタッフさんと話し合ったというのは?

菅野 この曲は、ラスサビ前に音が一瞬無音になる部分があるんですけど、家でさくらちゃんになりきって練習していたときに、その静寂の時間はもう少し長いほうが、次の扉を開くさくらちゃんの気持ちに合うんじゃないかと個人的に思って。なので、それまで自分から何かを提案したことはなかったんですけど、スタッフさんから「すごく厳しい方」と教えられていた音響さんに、自分から「実は……!」ってお話してみたんです。

――思い切って。

菅野 そうしたらその音響さんがすごく喜んでくださって!それからは私なりの解釈をお伝えするようになりました。ライブのときは、その静寂から歌い始めるまでの秒数を決めずに、私がマイクを持ったタイミングに音響さんが合わせてくれる形にしたんです。
なので、リハとはまた違う、実際にステージに立ったときのさくらちゃんの気持ちを表現することができましたし、反響もたくさんいただけてすごく嬉しかったです!

――あの無音の演出は、自分も観ていて引き込まれました。

菅野 あと、そのソロ曲で新衣装もお披露目したんです。まだ写真は公開していないので、今のところ、その場にいた方だけしか見ていないんですけど、すっごくキラキラな衣装で!

 ね!私のソロ曲でも同じテイストの新衣装を着ていて。いつかまた公開されると思うので、2月のライブに来られなかった方も想像しながら楽しみに待っていただければと思います。

――佐々木さんはライブを振り返ってどんなことが印象に残っていますか?

佐々木 今回、楽曲の間の演出で(キャラクターの)ボイスがたくさん流れたのが印象的でした。サニピが登場するときも、まだ結成直後で不安が残っていた頃のみんなのボイスが流れて、そこから「でも大丈夫だよ!」ってなるボイス演出からの、サニピが覚醒して成長したときの歌「SUNNY PEACE for You and Me!」を歌う流れだったんです。それでステージに出たら、泣いているファンの方がいたんですよね。私のポジションから見て少し左側の5列目くらいにいた、青い「IDOLY PRIDE」のTシャツ姿の人。

――よく覚えていますね(笑)。

佐々木 私、お客さんのことをすごく見るし、めっちゃ覚えているんです。

菅野 さすがファンサの神。

佐々木 それに声出しも解禁になってきたので、お客さんも反応してくださるのが楽しくて。


菅野 特にサニピはコールありきの楽曲が多いので嬉しいです。

長瀬麻奈の存在が繋ぐ、3人の関係と絆
――そのライブで初披露されたのが、星見プロダクションのメンバー10名による今回のニューシングルの表題曲「Gemstones」。ライブでも意味深な演出と共に披露されて、その後、アプリゲームにも実装されましたが、改めてこの楽曲は星見プロダクションにとって、どんな楽曲になっているのでしょうか。

 元々は(長瀬)麻奈の楽曲だったものを、星見プロダクションの10人がカバーして歌ったというストーリーがあるので、詳しく知りたい方はぜひアプリゲームをチェックしていただければと思うのですが(笑)、その意味でも重要だしターニングポイントになる楽曲だと感じました。背中を押してもらえる楽曲なので、聴いていても歌っていても元気をもらえますし、必然なのか偶然なのか、月スト(月のテンペスト)とサニピが切磋琢磨している様子を描いているようにも見えて。

佐々木 あ~、確かに!

 琴乃としては、ゲームのストーリーで描かれていたように、自分のことを「劣っている」と思ってしまう状態、サニピがBIG4になって輝いているのを見て、自分はまだまだだと思っているなかでの今回の楽曲だったので、内容的には優しい曲調なのですが、レコーディングのときは最初、結構負けん気の強い感じ、強めで張り上げるような歌い方をしていたんです。ただ、現場でのディレクションで優しさも意識するようにおっしゃっていただいて。琴乃の気持ちも汲みながらバランスを取って歌ったことを覚えています。

――ゲームのストーリーでは琴乃のネガティブな一面が色濃く出ていたエピソードでしたものね。

 そうなんです。さくらとまた話ができるようになった意味では進歩しているのですが、月ストがサニピと比べると振るわない状況は変わらないわけで。琴乃的にはまだ完全復活とは言えないので、皆さんも見守っていただきたいなと思います。
私も見守りたいし、琴乃が笑顔になるときを待っているので。

――一方で、さくら役の菅野さんは、この楽曲をどう受け止めましたか?

菅野 まず麻奈さんの楽曲をカバーすること自体が、星見プロダクションとしては今回が初めてだったので、大きな意味があるんだろうなと思いました。歌詞も前向きですし、星見の楽曲には今までにないタイプの、すごくゆったりとしたバラードだったので、アイドルオタクとしてもいいなと感じる部分があって。

――というのは?

菅野 よく卒コン(卒業コンサート)とかでまったりバラードを歌うことがあるじゃないですか。やっぱりアイドルにとってバラードは、意味があるときに作られることが多いと思うんです。しかもストーリーで、麻奈さんが後輩と歌いたかった楽曲だと知って、歌詞の内容がより入ってきましたし、これまでの麻奈さんの楽曲とリンクする部分もたくさんあって。それこそ作曲のさかいゆうさんは「song for you」を書かれた方ですし、振付にも「First Step」と同じ動きが入っていて、みんなの中に麻奈さんが忘れずずっとあることを思わせてくれる、優しくもあり、見守ってくれているような、素敵な楽曲だと思います。ライブで歌ったときも「前向きになれるいい曲だなあ」と思いました。

――ストーリーでは、さくらから距離を取ろうとする琴乃に対して、悩みながらもいつも通り前向きにアプロ―チするさくらが印象的でした。

菅野 さくらちゃんはいつも前向きですけど、琴乃ちゃんが落ち込んでいるのを見て「どうしたらいいんだろう……」と悩んでいるところを、(佐伯)遙子さんに支えられて元気づけてもらって。これは「Gemstones」にも物語にも通じるところで、1人だけでは抱えきれないことがあるからこそ、みんなで支え合って互いの光になれるように、というメッセージがリンクしているように思います。

――さくらは琴乃を無理やり食事に誘って、一緒にとんかつ定食を食べに行くことで打ち解けましたが、そのきっかけを作ったのが佐々木さん演じる遙子の助言だったんですよね。


佐々木 昔、遙子さんが落ち込んでいたときに、麻奈ちゃんがカレーを食べに誘ってくれたというエピソードがあって。琴乃のサニピに追いつけなくてもやもやした感情は、遙子さんの麻奈ちゃんだけ成功して自分が取り残されているように感じる気持ちと重なるもので、昔の遙子さんが今の琴乃ちゃん、麻奈ちゃんがさくらのポジションになるんですよね。そんな遙子さんも今は「輝いてどこまでも行けるよね」というメッセージが込められた「Gemstones」を歌えるようになって。きっと麻奈ちゃんと過ごした日々があったからこその、今の遙子さんなんだなって思いました。

――そのストーリーでは、遙子はかつて麻奈にこの楽曲を一緒に歌うことを誘われたけど、そのときは決心がつかず歌えなかったことにも触れられていました。

佐々木 それを踏まえるとより意味を感じますよね。ライブで初披露したときは、そういった情報がまだ表に出ていなかったので、ファンの方もこの曲の背景を知らなかったはずなんですけど、立ち位置的に私たち3人が真ん中で、ラスサビの歌割りが「さくら→さくら・遙子→琴乃」の順番になっているところからも、麻奈に関わる楽曲という可能性を感じることができる演出になっていて。なおかつ「First Step」と同じ動きの振りを見て、プロのマネージャー(「IDOLY PRIDE」ファンの呼称)は気づいたみたいですね(笑)。

菅野 (「Gemstones」の歌唱前に)ボイスドラマも流れたしね。

 そのボイスドラマの内容から、(ゲーム内コンテンツの)「麻奈の日記」で触れているこの楽曲のことでは?って推測しているファンの方もちらほらいて。

菅野 え~!すごい!

――確かにライブのときのボイスドラマで、これから歌う楽曲は映画の主題歌だったみたいな話をしていて、これまでの物語と何かしら繋がりのあるのかな?とは思いました。

 そうなんです。みんなで「原作も好き」とか「カツカレー食べたい」みたいな話もしていて(笑)。

――あの「カツカレー」のくだりは、さくらと琴乃が食べたとんかつ定食と麻奈と遙子が食べたカレーを合わせた案、ということなんでしょうかね。

 そういうことだと思います!

菅野 えっ!?そうだったんだ!私は麻奈ちゃんがカレーの中でもカツカレーが好きなんだと思ってた(笑)。

次ページ:それぞれの輝きが合わさった「Gemstones」の特別なハーモニー

それぞれの輝きが合わさった「Gemstones」の特別なハーモニー
――先ほど橘さんからレコーディングのお話も出ましたが、この楽曲を歌った感想や個人的なお気に入りポイントがあれば教えてください。

菅野 終盤の“信じてる 強く 強く”のあとに、すごくきれいな音楽が流れて、みんなで「ラララ~♪」ってハーモニーを聴かせる場所があるんですけど、そこで盛り上がって、静かになって、さくらが歌い出すところの音楽、「ジャン、ジャン、ジャジャン!ラ~ラ~♪」って始まるところがすごく好きで。

――文字に起こすのがなかなか難しいですね(笑)。

佐々木 音がすごく盛り上がって、一瞬静かになって、ラスサビに入るところだよね。

菅野 そう!みんなのハーモニーがキラキラしていたなかで、スッと静かになるところに引き込まれて。ここはライブでも観ているみんなが引き込まれるパフォーマンスができるよう、個人的に頑張ったところです。その後の“願い込めた”で遙子さんと一緒に顔を見合わせて歌うところは、歌詞のお互い支え合うというメッセージにも通じますし、1人から2人、5人、10人と増えていく歌割りも盛り上がりポイントだと思います。

佐々木 私、ここのさくらちゃんのソロが本当に好きで。ラジオ(「IDOLY PRIDE コンバンハから始まる物語」)でも話したんですけど、やっぱりすごく上手いんですよね。

菅野 いやいや~、でも嬉しい!

佐々木 そこにさくらしか存在しないような気分になるというか。そこから私を迎え入れて2人で歌う空気作りもすごく上手いんです。かつ、この部分で私たち(さくら以外の9人)は振り付きで動いているんですけど、さくらだけは違っていて。

菅野 裏話が出た!実はレッスン中に、美來ちゃんが提案してくれたことがあって。

 ここは音楽が静かになるところなので、私たちは振りをしないで、さくらにだけ振りを付けるのがいいんじゃないか、という提案を振付師さんにしたんです。

菅野 でも振付師さんの解釈で、そこは私を含めたみんなで振付をすることになったんです。なんですけど……。

――なんですけど?

菅野 実はライブ本番のとき、この場面で菅野の感情が沸き上がりすぎてしまって、みんなが踊っているなか、私は歌に専念してしまって、振付をしなかったんですよ。

佐々木 私はそれで良かったと思う!

 私も。この場面は、さくらにフォーカスが当たるのがいいと思っていたので。

菅野 私も意図的にそうしたわけではなくて、自分の中で「歌いたい!」っていう気持ちが先行してしまって、振付ができなかったんです。(ラスサビの歌い出しの)“君と”の部分から、もう、さくらちゃんの記憶しかなくて、踊るはずだった菅野の記憶はまったくないので(笑)。ただ、結果的にいい方向になれたんじゃないかなと個人的に思っています……振付師さんには内緒でお願いします!(笑)。

――皆さんで提案し合いながらライブを作り上げているんですね。お話を聞いていると、本当に星見プロダクションの面々と重なるように思います。

佐々木 わぁー!

 嬉しいです。

菅野 えへへ~。

――橘さんのお気に入りポイントは?

 お気に入りとはちょっと違うんですけど、歌詞の話で言うと、ちょっとネガティブな言葉は、ほとんど月ストのメンバーが歌っているんです。

佐々木 えっ!?ウソでしょ!

 “哀しい色には 染まらないで”とか“痛みを乗り越えた先に”とか。

菅野 ホントだ!

 なので本当に今の月ストとサニピの関係性みたいになっているなと思って。実際にそこまで考えたうえで歌割りを決めたのかは、私にはわからないんですけど……それに気付いたときにはウワーッ!てなりました。

菅野 確かに私も歌詞割りを覚えるとき、「マイナスな言葉じゃないほう」っていう覚え方をしていたかも。

佐々木 でも“どれだけ歪な形だって”のところはサニピだし、そこまで考えてないのかなっても思うけど……。

 私の思い込みなのかな?さっき気付いたので(笑)。でも、レコーディングのときにも“痛み”とか“ぶつかり合う”っていう言葉を意識して歌っていたので、もしかしたらそうなんじゃないかなって思って。偶然なのか必然なのか。

菅野 もしかしたら歌声の差が関係あるのかも。月ストは5人とも声が力強い印象があるし、サニピの5人は優しい声のタイプが多いから、その意味で強いワードの部分は月スト、明るくて優しいワードの部分はサニピが歌うと、音楽的にも聴いていてスッと入ってくるような気がしていて。サニピと月ストではハーモニーの印象も全然違うし。

 サニピの声が入るとパッと明るくなって、月ストの声になるとグッと締まっている感じになって。その対比が交互になっているところも楽しめる楽曲だと思います。

――ちなみに、シングルには本楽曲の「琴乃&さくら ver」も収録されますが、この楽曲を2人で歌う意味についてどのように受け止めていますか?

菅野 実は私は2人バージョンが収録されることを、レコーディングの段階では知らされていなくて、「IDOLY PRIDE生放送」で自分たちでシングルの内容を告知するときに初めて知ったんです(笑)。

 私もこの3人ではなくて2人になる意味は特に知らされていなくて。ただ、実際に2人バージョンを聴いたときに、琴乃とさくらが、ライバルとして、仲間として歩んできた今までのストーリーとすごく重なって、これはこれでいいなと思いました。

佐々木 2番の歌詞にある“いつか 交差する道の途中”“ぶつかり合う そんな時さえ”のところも、この2人っぽいもんね。

菅野 アニメでも「ライバルだよね」って2人で言い合うシーンがあったので、その意味で2人の物語にも当てはまる歌詞ですし、聴く人それぞれの解釈で聴いてほしいと思います。それこそ美來ちゃんの歌声と菅野の歌声のカラーが全然違うので、その意味で「Gemstones=原石」には色んな形があって、その全然違うハーモニーが合わさることでまた新しい景色が見えたりすると思うので。10人バージョンもそうだし、「もし麻奈さんバージョンがあるとしたらどんな感じになるんだろう?」って想像したり。

――そのお話を聞くと、10人それぞれのソロバージョンもいつか聴いてみたいですね。

一同 聴きた~い!

佐伯遙子、待望の初ソロ曲!そして初の2デイズライブに向けて
――今回のシングルにはもう1曲、佐々木さん演じる佐伯遙子の初ソロ楽曲「voyage」も収録されます。

佐々木 ようやくソロ曲ができました!歌詞の方向的には「Gemstones」にも似た、前向きで明るい楽曲なんですけど、多分みんな聴いた瞬間に、80~90年代のアイドルソングを思い出すんじゃないかなって思います。前からサニピ内で「遙子さんのソロ曲はこんなのがいいなあ」という話をすることがあったんですけど、特に一ノ瀬 怜役の(結城)萌子はすごく遙子推しで、「ソロ曲まだなの?」みたいな感じで言ってくれていたんですよ(笑)。

――結城さん、そんなに遙子推しだったんですね(笑)。

佐々木 「このアイドルのこういう曲が合いそう」みたいなこともずっと言っていて。その彼女もこの楽曲は解釈一致だったみたいで。私は特にBメロの“変わらない風景が続いて もしふいに胸が騒いだら 後ろ振り返ってみて? ちゃんと進んでいるよ”という歌詞が好きなんです。遙子さんやほかのアイドルを含めて自分たちの夢に向かって進む旅路を「voyage=航海」に例えている楽曲だと思います。

――そういった懐かしい雰囲気をもった、往年のアイドル歌謡やシティーポップを彷彿させる本楽曲を歌うにあたり、どんなことを心がけましたか?

佐々木 その時代のアイドルで言うと、母が好きで私もよく耳にしていた、松田聖子さんみたいな雰囲気も出したいなと思っていました。サニピのときは「ルンルン♪」みたいな気持ちで歌っているんですけど(笑)、それとはまた違う優しい明るさを意識して。あとはAメロ・Bメロからサビに入るときにはパッと弾ける感じもイメージしました。

――歌声からはキュートなだけでなく優しさも感じて、そこは星見プロダクションのメンバーの中では一番年上でお姉さんポジションの遙子ならではの魅力が出ているように感じました。

佐々木 嬉しい!リーダーとして引っ張るというよりは、みんなを優しく包んで導いてあげるよっていう、遙子さんの雰囲気が全面に出ている楽曲だと思っていて。ソロ曲は初めてだったので、歌詞も自分で解釈しながら気持ちを入れて歌いました。

菅野 私も先に聴かせてもらったんですけど、サニピのグループLINEに即、「ちょっと!最高なんだけど!」って送りました。サニピLINEはいつもうるさいんですけど(笑)、みんなで「これだよこれ!」ってなっていて、満場一致で「最高!」って言っていましたね。ぜひライブで観たい。昔のアイドルの応援みたいに「L・O・V・E!遙子!」ってコテコテのコールを入れたい(笑)。

佐々木 めっちゃ想像できるよね。間奏のところで「みんな~、ありがと~!」って言ったりして(笑)。本当に遙子さんにピッタリの曲だと思います。

――はい。最後に、7月15日・16日に幕張メッセ イベントホールで行われるライブイベント“IDOLY PRIDE VENUS PARTY The First”への意気込みをお聞かせください。

佐々木 幕張メッセは「IDOLY PRIDE」の初めての単独イベント(“IDOLY PRIDE – VENUS STAGE / RE:BEGINNING -”)を開催した場所なので、そこでまたライブをやるということにも意味があると思っていて。個人的に、そのイベントのときに歌った「Fight oh! MIRAI oh!」で、納得いかない箇所が一部あったんです。そのリベンジをしたいですし、せっかくソロ曲もできたので、それも歌えたらいいなあと思っています。声出しライブになると思うので、サニピの夏曲もやりたいですし、楽しみです!

 幕張メッセで最初の単独イベントをやったときを振り返ると、会場がすごく広かった思い出と、自分たちはまだまだだったなっていう思い出があって。なので7月のライブでは「あそこからここまでやってきたんだぞ!」というものを見せたいですし、今まで積み重ねてきたものを踏まえて、より良いものをお届けしたいです。初の2デイズになるので緊張もありますけど、楽しいことができたらいいなって思います。

菅野 2デイズは初めてなので、もうドキドキですよね。さくらちゃんの言葉を借りるわけじゃないですけど、胸の高鳴りが止まらないくらいで。それこそサニピはゲームのストーリーでBIG4になったので、私たちもキャラクターに負けないくらいかっこいいところを見せなくちゃいけないと思っていて。ただ、個人的に2月のライブでソロ曲を歌ったときに、菅野としても、さくらちゃんとしても、一区切りできたなと思えるくらい素敵なものを届けられた自信があったので、逆にそれを超えるパフォーマンスをしなくてはならないっていう意味で、プレッシャーがヤバくて(笑)。きっとみんなも期待してくれていると思うので、1回目の幕張メッセのライブ映像を恥ずかしくて観返せなくなるくらい成長を見せられる、ファンの方にとっても私たちにとっても素敵なライブを届けられるように頑張ります!

佐々木 そういえば2デイズということは、もしかして泊りになるのかな?もしそうだとしたらめっちゃ楽しみ!

菅野 やったー!みんなでリアル「パジャマパーティー」しよう(笑)。

●リリース情報
「Gemstones」
発売中

【初回生産限定盤(CD)】

価格:¥3,500(税込)
品番:SMCL-819~820

【通常盤(CD)】

価格:¥1,500(税込)
品番:SMCL-821

01. Gemstones/星見プロダクション
02. Gemstones(琴乃&さくらver.)/長瀬琴乃(CV:橘 美來)×川咲さくら(CV:菅野真衣)
03. voyage/佐伯遙子(CV:佐々木奈緒)

関連リンク
『IDOLY PRIDE』公式サイト
https://idolypride.jp/

『IDOLY PRIDE』公式Twitter
https://twitter.com/idolypride

『IDOLY PRIDE』公式YouTube
https://www.youtube.com/channel/UCOuzrlRFF7aSkooORw0XWRA
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