INTERVIEW & TEXT BY 北野 創
新機軸のリード曲「テレポーテーション」から浮かぶ2人の絆と関係性
――今回の新作『POLAROID』は早くも3枚目のミニアルバムになりますが、ひと言で表すとしたらどんな作品になりましたか?
村上奈津実 過去も未来も現実もファンタジーも切り取って、写真集のような作品にする、というのがテーマなんですけど……他に何かあるかな?
田中ちえ美 今までの作品とは雰囲気が全然違う曲もあって、よりファンの人と1つになれるような作品、変化球ではなく割と王道のアルバムになったと思います。
村上 王道と言いつつ、NACHERRY的には新開拓だよね。
田中 うん。それこそ今までのNACHERRYらしさから少し冒険して、また新たなNACHERRYを見せる方向になっているので。もちろん今までのNACHERRYらしい楽曲もあるんですけど、例えばリード曲の「テレポーテーション」は、今までのNACHERRYを知っている人からすると意外に感じると思いますし。
村上 でも、「みんな、こういうの、好きやろ?」っていう(笑)。なので、ひと言で言うなら「皆さんの好きに寄り添ってみたアルバム」だと思います。
田中 「こういうの、好きでしょ?」って自信をもって言えるし、みんなに刺さるだろうことは、楽曲をいただいた時点で感じたので、自信作ではあります。ジャケットだけ見ると、いつもの元気で明るい感じなんですけど。
村上 確かに。常夏感があるよね。
――今お話にあがったリード曲の「テレポーテーション」は、確かに今までの元気でポップなNACHERRYとは一味違う、胸がギュッと締め付けられるような夏ソングに仕上がっています。
田中 爽やかで「水色」や「青春」というイメージがあるので、私の中では清涼飲料水のCMソングっぽいなと思いました。楽曲を聴いた瞬間、海の景色が浮かんだんですけど、MVも初の外ロケで海をバックに撮影していて、楽曲の世界観とピッタリな内容になっています。
村上 私も最初に聴いたとき、イントロから「これをNACHERRYで歌うんだ!」と思うくらい新しさを感じて。歌詞からも「青春の未熟さ」や「若者感」を感じたので、今までのNACHERRYの明るく元気になれる感じとは違う、その曲の世界観に浸ってエモーショナルな気持ちになれる楽曲だなあと思いました。
――その意味では、歌のアプローチもいつもと違うものになったのではないでしょうか?
村上 これまではパワフルな曲が多かったので、気持ちやノリで歌えた部分があったのですが、この曲は力に頼ってはいけないし、むしろ力を抜くことが大事だったので、たくさん練習をしたし、色々工夫するようにしました。レコーディングでも、最初は緊張もあって力んでしまっていたんですけど、その緊張をほぐしながら歌っていきました。この曲、リズムや譜割りが独特のところがあるので、そこは田中と合わせるのに苦戦しましたし、私の中では新たな挑戦でした。
田中 世界観がある楽曲だったので、それを音やメロディだけでなく我々の歌でも伝えられるようにしたくて、今回収録されている楽曲のなかでも、一番歌い方を考えました。例えば、歌い出しの“君は風の中で”の“き”の音は、優しい寄り添う感じにしたいけど(歌声が)弱すぎてもダメなので、何回か録ったうえで調整したり、サビやラスサビをより盛り上げるために、Aメロ・Bメロの部分はどの程度の落ち着きをもって歌うべきかを色々研究して。特に最初のサビの歌い出しの“走れ”は、全体的に優しい言葉遣いが多いなか、この部分だけ力強いフレーズだったので、ここを強調するために他の部分の歌い方のバランスを考えました。
村上 ここだけ命令形だもんね。
田中 でも、そこがいいんですよね。
――歌詞では過去に対する心残りが表現されていますが、共感できる部分はありましたか?
村上 この曲は過去を振り返っている部分が多いんですけど、サビは現在の私、最後は未来の話をする構成になっていて。私は「過去にテレポーテーションして自分の気持ちを伝えたい」とか「あのとき、ああ言っておけば良かった」みたいな経験があまりないので、物語として、そういう心情になりきって気持ちを作りました。なので感情面では、声優のお仕事に近い感じだったと思います。
田中 私は逆に過去を振り返ることの多い性格で、よく「ああしておけばよかった……」みたいにネガティブな気持ちになるんですけど、この曲は「それでも私たちはどんどん成長していく」という方向に持っていくので、自分自身も励まされた部分がありました。「たられば」を考えてしまう自分がすごく嫌だったんですけど、そう思いながらも自然と大人になっていくし、「そういう風に思っていてもいいんだ」と思うことができて。多分みんなもそういう部分があると思うんですよね……まあ、なっちゃん(村上)は過去を振り返らないらしいですけど(笑)。
村上 ウフフ(笑)。
田中 でも、過去を振り返ることは悪いことではないし、この曲を聴いた人にも、「もし過去にテレポーテーションできるとしたら、どんなことを伝えようかな」と想像してもらえると嬉しいです。
――ちなみにこの楽曲、お二人のソロ歌唱バージョンが【なっちゃん盤】と【ちぇみー盤】にそれぞれ収録されますが、お互いの歌の感想を聞かせてもらってもいいですか?
村上 上手い!
田中 えっ、上手いかな?(笑)。
村上 この曲にすごく合っていて、私は田中のバージョンのほうが好きです。レコーディング前から「この曲は田中にめっちゃ合うだろうな」と思っていたし、実際に聴いたら思った通りのものがきたので「これだ!」と思って。
田中 ずっと「この曲は特に田中の声が合う」って言ってくれているんですよ。私の感想は、別に自分を上げるわけではないんですけど、なっちゃんの歌を聴いたとき、自分がお姉さんでなっちゃんが妹みたいな感じに聴こえたんですよね。(村上の歌には)かわいさがすごくあるというか……。
村上 かわいさ……!? そんなのあったかな(笑)。
田中 切り取り方が違うというか。リズムの乗り方も、私はそのまま歌っているところを、なっちゃんはアクセントを入れたりしていて、それによってかわいく聴こえるんですよ。声質の問題ではなく、なっちゃんは歌い方がかわいいなと思っていて。だから同じ曲でも歌う人によって全然印象が変わることを、この曲でより感じました。
村上 へー。じゃあ(自分の歌を)妹として聴いてみようかな。
田中 なら私の歌はお姉ちゃんとして聴いてみて(笑)。
――ちなみに、もしお二人が実際に姉妹だとしたら、どちらが姉でどちらが妹だと思いますか?
村上 それはもう、田中が姉ですね。
田中 でも、そういう感じになったのはNACHERRYになってからじゃない?だってNACHERRYを結成する前は、私のことをお姉ちゃん的ポジションで見てなかったでしょ?
村上 確かに見てなかったかも……!
田中 「友達」とか「飲み友」くらいだったと思う。
村上 あとは「おもしれー奴」とか(笑)。
田中 でも、そう言ってくれるのは嬉しい。自分は実際は末っ子で、しかも兄とは年が離れているので、お姉ちゃんのポジションに憧れはあったんです。ただ、私もなっちゃんに対して頼っている部分はあるから、あまりはっきりと私が姉でなっちゃんが妹って分かれている感じではないですけど。
村上 私、お姉ちゃんになってるときあるかな?
田中 なってるなってる。私は結構ぴえんってなることが多くて、思ったことを自分の中に溜めこむのが無理なので、そういうときはなっちゃんに「話を聞いてよ」ってなることが多いんです。そういうときのなっちゃんはお姉ちゃんですね。
村上 そうかな?私も実際は妹で根っからの末っ子気質だから。
田中 いや、私もそうだよ(笑)。
――「テレポーテーション」の話に戻しまして、MVの撮影はいかがでしたか?
田中 今回は室内のシーンもあるのですが基本外で撮らせてもらって。ロケーションも良くてすごく楽しかったです。
村上 楽しかったよね!
田中 1番のところはツーショットがないんですよ。こんなに1人ずつで撮ったMVも初めてのことで。私が歌っているときになっちゃんが映ったり、なっちゃんが歌っているところでは私が映っているシーンが多くて、お互いに歌っている感じがするんですよね。まだ1人ずつだけど……みたいな。
村上 そう、お互いに思いあって歌うっていう。MVを観て、この曲はそういう見方もできるんだと思いました。一方が撮っている間はロケバスの中で1人で待機していたんですよね。
田中 あれはカメラをセッティングしている間の待機の時間で、そのときに2人で雑談して遊んでいただけだったのに、それが最後のシーンに使われていました。
NACHERRY流ヒーローソングから大人の色気を追求したナンバーまで!
――ここからはその他の収録曲について聞かせてください。「NACHERRY PARK」は、今年5月に開設されたNACHERRYのファンクラブのテーマソング。従来のNACHERRYらしい元気いっぱいな楽曲です。
田中 NACHERRYらしさしかない楽曲というか、歌詞にも今までの楽曲のタイトルが散りばめられていて、NACHERRYとナチェメイト(NACHERRYファンの呼称)以外には歌えない楽曲だと思います(笑)。意外とこういう会場が1つになれるような楽曲がなかったので、NACHERRYとナチェメイトみんなの楽曲ができました。ファンクラブイベント(“Welcome! NACHEMATE #1”)で1度だけ披露したのですが、そのときも初披露だったにもかかわらず、みんなすごく盛り上がってくれたので、きっとこれからのライブでもすごく盛り上がる曲になると思います。
村上 みんなで“N.A.C.H.E.R.R.Y”って言うところがあるんですけど、イベントでこの曲を歌ったとき、私はリハの段階で「これは突然には言えないよ」と思っていたんですよ。でもみんな1回目からできていたので、「あれ?この曲、みんな知っていたの?」と思って(笑)。それに加えて、夜公演になったら「フワ!フワ!」みたいな皆さん独自のコールが付け加わっていたので、感動してしまって。そのイベントでも直接言ったんですけど、「私、みんなのことなめてた」と思いましたし、なんて頼りがいのあるファンなんだろうって思いました。
田中 そのイベントのときに録ったナチェメイトの皆さんの音声が、今回の音源にコールとして入っているので、より「みんながいるからこの曲がある」という感じになったと思います。
――しかもNACHERRYの楽曲としては初めてブラスが入っているんですよね。それもあってすごく華やかなサウンドになっていて。
田中 テーマパークをイメージした楽曲なので、そういう世界観にはブラスが合うだろうということで。「NACHERRY PARKに遊びに来た!」という雰囲気の楽曲になりました。
――そして「WE ARE THE “HEROES”!!」は、お二人がヒーローに扮して歌うNACHERRY流のヒーローソングです。
村上 この曲はインパクトあるよね。
田中 しかも今までにないタイプの曲なので、新しいNACHERRYらしさという意味でも、これが今回のリード曲かな?と思っていたくらいで。キャラソンではないけど、それくらいコテコテでみんなが好きそうな曲調だし、この曲もコールがたくさん入っているので、「みんなで騒ぎたい!」「とりあえず楽しみたい!」という人にはピッタリの曲だと思います。歌詞も明るくてキャッチ―なので、励まされる人も多い気がしていて。
村上 これはライブが本当に楽しみ。小芝居したい(笑)。
田中 (音源も)ヒーローの小芝居から始まっているしね(笑)。
村上 この「チェミールピナス」と「ナチャーンコスモス」というヒーロー名は自分たちで考えたんですよ。語呂の良さそうなものを考えたときに、お花の名前を付けるとかわいいかなと思って。最初は宝石の名前とか色々な案を考えていて、お酒の名前を調べたりもしていたんですけど、それだと某黒の組織っぽくなるかなと思って(笑)。
田中 ルピナスとコスモス、語感も合っていいよね。
――この曲を歌うときは自分たちもヒーローになりきって歌ったわけですか?
田中 はい。ヒーローの気持ちになって歌いました。
村上 私は『パワパフ(パワーパフガールズ)』のイメージで歌いました(笑)。
――これまでにも「silly silly silly」「リブラ」「MY FIRST DAY」といった楽曲を手がけてきたTAXMAN(THE BAWDIES)さんは今回、大人っぽいロックチューン「Queen bee」を提供。歌詞は岡田マリアさんが書かれていますが、どのように解釈して歌いましたか?
田中 強くて、ちょっとエロスな、大人な女として歌いました(笑)。最初に一応、「これはエロスな感じで歌っていいんですか?」ってスタッフの方に聞いたんですよ。そうしたら「はい」と言われたので、じゃあ頑張るしかないなと思って。
村上 私は「Queen bee」というタイトルなので、女王様、「Sな女」になりきって歌おうと思って。エロく、強気に歌うようにしました。首輪をつけて鎖で引っ張っている感じというか(笑)。
田中 これもキャラソンではないですけど、自分にはない感性のところではあるので、いかに自分の中でそうい女性像を描いて「私はこういう女なんだ!」と思いながら歌って。最初は自分が入ってきてしまって照れや恥ずかしさもあったのですが、歌っていくなかで慣れて、後半のほうはかなり入り込んでいきました(笑)。
――田中さんのソロパートの“ちょっとだけじっとして”のフレーズがすごく色っぽいんですよね。
村上 あそこ、いいですよね!
田中 この曲はお互いのソロパートがたくさんあって、どっちも「大人の女」ではあるけど違ったアプローチの仕方なので、きっとファンからしたら「えっ!?どうしよう、俺?」ってなってくれると思います(笑)。
村上 レコーディングのときは「これ、大丈夫?」っていうくらい大げさに大人っぽくやっていたんですけど、実際に歌になってみると、全然ノリが良く聴こえるなあと思って。なのでまだまだいけるかも。
田中 じゃあライブでさらにエロスなうちらを見せようか。
村上 脱ぐ?
田中 そういう形から入るのは嫌です(笑)。
――田中さんは村上さんのどのパートがお気に入りですか?
田中 落ちサビの後ろの音が静かになるところの歌い始めがなっちゃんなんですけど、そこの入りがめちゃエロくてドキドキしちゃいます。歌い方がヌルッとしているというか。
村上 湿り気を感じた?
田中 うん。これは全体を通してなんですけど、なっちゃんは元気で明るくて笑顔が素敵というイメージなのに、「なっちゃんのこと、そんな風に見ていいの?」みたいに感じてしまって。語彙をなくしてしまって「なっちゃん……!」ってなる感じです(笑)。
村上 みんなもそうなってくれるのかな(笑)。
大きな夢に向けてナチェメイトと一緒に――ファンへの気持ちを込めたソロ曲
大きな夢に向けてナチェメイトと一緒に――ファンへの気持ちを込めたソロ曲
――そして今回は【なっちゃん盤】と【ちぇみー盤】に、それぞれのソロ曲が収録されます。村上さんのソロ曲「weather rain」は、ご自身で作詞だけでなく作曲にも関わっていますが、どんなイメージで作ったのでしょうか?
村上 まず今回のソロ曲は2人とも「ファンの人に向けた楽曲」というテーマがあったのですが、その中でも、落ち込んだときや元気がないときに寄り添えるような楽曲、いつもの元気な村上とは違う優しい歌にしたいというのがありまして。で、雨の日にSNSで「おはよう」とつぶやくと、「今日は雨で憂鬱です」というような返事をくださる方が結構いらっしゃるんですね。私もその気持ちはわかるし、私たちのことを応援してくださる方にはいつも笑っていてほしいので、そんな雨の日も笑顔になれるように、あえて「雨」をテーマに描きました。雨のときに私たちのことを思い出してほしくて。私もナチェメイトのことを思い出すから、「お互い同じ空の下に生きてるね!」って思えたら、雨もいいよねっていう。
――作曲は山森大輔さん、作詞は岡田マリアさんとの共作名義になっていますが、どのようにして作られたのですか?
村上 作曲は今回も私がまず鼻歌みたいな感じで作ったんですけど、メロディは結構大きく変わって。でも、自分の「こうしたかった」というイメージに近いものになっていたので、歌詞はスムーズに浮かんできました。雨をポジティブに捉えられるような表現を、比喩で誌的に書いてみたりして。あとは普段ファンの方に「大好きだよ」みたいなことを言うのは恥ずかしいんですけど、メロディに乗せた歌だったら言えるかな?と思って入れてみました。前回のソロ曲(「Let’s Roll」)は歌詞を結構添削してもらったんですけど、今回は9割くらい残してもらえたので、成長できたのかな?と思えて良かったです。
――田中さんがこの楽曲を聴いた感想は?
田中 なっちゃんのイメージとは全然違う楽曲、バラードでしかも「雨」をテーマにしていたのが意外でした。それこそ「雨」は少しマイナスなイメージが強いですけど、それをなっちゃんが雨ごと自分を優しく包み込んでくれるような、まるで母のような歌になっていて。温かい気持ちになれる、ファンの人に寄り添った歌だなと思いました。それと普段「大好き」とは素直に言えないタイプなのも知っているので、そんななっちゃんが書くからこそ「大好き」がすごく響くし、そのことをわかっているファンの人も、よりキュンとするんじゃないかと思います。
村上 えへへ(照)。
――一方、田中さんのソロ曲「SPARK」は、どんなイメージで制作しましたか?
田中 私のほうは「みんなと1つになって楽しもう!」という楽曲にさせていただきました。もちろんファンの人に寄り添った部分もありますけど、私のことをもっと知ってほしい、もっと好きになってほしい気持ちがあるので、自分のパーソナル的なことも結構歌詞に盛り込んでいて。ファンに寄り添うというよりも、「私とみんなの歌」みたいな感じなので、ライブでは楽しく歌えると思いますし、みんなの手拍子や声が入って完成する曲だと思います。
――歌詞は田中さんと岡田マリアさんの共作名義になります。
田中 ファンの人に向けて書いた部分は、私が書いたものをほぼそのまま採用していただいたんですけど、逆にパーソナル的な部分は、私がバーッと箇条書きしたものをマリアさんが音にハメ込んでくれました。“友達、昼寝、ゲーム 澄んだ秋の空気が好きで”のところはそのままですし、ワンピースを着るのが好きなので“ワンピで風船持って”というフレーズになっていたりして。
――曲名の「SPARK」に込めた意味も気になるところです。直訳すると「輝き」や「キラキラ」という意味ですが。
田中 私がそういう存在でありたいからです(照笑い)。今までは私がファンの人に頼っていた部分が結構あって、みんなの応援がないとステージに立てないし、アーティスト活動もできないと思っていたし、今もそう思っているんですけど、でもファンの人に「ちぇみーに会えて嬉しいです」と言ってもらえることが多くて。私はみんなのことを光だと思っているけど、私もそうでありたい。そういう気持ちがこの歌には込められています。だから「私とみんなの歌」なんです。
――村上さんはこの楽曲を聴いた印象は?
村上 パーソナルな部分が結構入っているので、「ああ、田中、そうだなあ」とか、逆に「そうだったんだ」と感じる部分もあって、より田中を知ることができました。だからこそファンのみんなへの気持ちを書いた部分もすんなり入ってきて。特に落ちサビのところは、言葉がスッと入ってきて、泣いちゃいそうになりました。ここは私への言葉のようにも感じて……今回は私に宛てた曲じゃないのはわかっているんですけど(笑)。
――前回のお二人のソロ曲(「Let’s Roll」「We Fly We Sing」)はお互いに向けて歌詞を書いていましたものね。曲調もロック寄りで、田中さんのロック好きが反映されているのかなと思いました。
田中 そうですね。でも、歌い方はそこまでロックしていないというか、優しく寄り添う感じで、聴いてくれる人がリラックスしてくれるように意識しました。
――新しいタイプの楽曲も満載で充実した作品になりましたが、今回の作品を通して今後、NACHERRYの輪はどのように広がっていくと思いますか?
田中 今回のアルバムは今までの楽曲と全然違うので、「こんなNACHERRYもあるんだよ」というものを見せることができたからこそ、「ほかにどんな表情を見せてくれるんだろう?」という可能性が広がったと思いますし、ファンの方と直接お話する機会があると、他のファンの方のお薦めやラジオ番組、色んなルートで私たちのことを新しく知ってくれているみたいなので、その意味ではまだまだ輪は広がり続けるだろうし、もっと大きくなれ!と思っています。
村上 リード曲の「テレポーテーション」はまさに新開拓の1曲になりましたし、今までのMVは振りが付いていて「魅せる」感じの表現が多かったですけど、今回はすごく自然体で、そういう部分を見せるのも初めてでしたし、皆さんの反応によっては今後のNACHERRYも変わってくるだろうなと思っていて。今回すごく自信作ですけど、皆さんの反応を見たうえでまた新しい夢を考えていけたらなと思います。
――夢の話で言うと、昨年11月にKT Zepp Yokohamaで開催した1stライブの最終公演で、村上さんがMCで「いつかNACHERRYとして武道館に立ちたい」とおっしゃっていましたよね。
田中 私、全然知らなかったので、横で聞きながら「いきなりすごいこと言い出したな」と思って(笑)。
村上 いやあ、私たちはどこを目指して活動しているのかを、言っておかないといけないなと思って。ナチェメイトもどこに向かって応援すればいいかわからなくなるだろうし、かなえられるかどうかよりも、「私はそこを目指したい!」って言うこと自体が大事だと思ったので。
田中 そういうところ、私にはできないことなので、尊敬します。まだデビューする前の、アーティストをやりたいかどうかの話もそうだったんです。なっちゃんは「やりたい!」と言っていたけど、私は内心ではやりたいと思っていたくせに「ちょっと……」っていう感じだったので(笑)。武道館も立ちたい気持ちはありましたけど、「さすがに言えない」と思っていたところを、なっちゃんが言ってくれるから、尊敬もするし、ありがたいし、頼もしい。
村上 いやいや(照)。
――そんな目標に向けて、10月8日にはヒューリックホール東京でのワンマンライブ“NACHERRY 2nd LIVE ~WE ARE THE “NACHERRY”!!~”の開催が決定していいます。最後にライブに向けての意気込みをお願いします。
田中 1stライブがすごく盛り上がったので、今回の2ndライブもそれ以上のものにできたらと思っているんですけど、今回はバンドなしでのライブになるので、自分たちだけで作り上げていくとなると、よりみんなと1つになれるようなステージにできればと思っていて。しかも前回のライブと違って声出しも解禁になるので、みんなを巻き込んで一緒に楽しめるような、NACHERRYらしいライブができたらいいなと思っています。でも、今回の「テレポーテーション」や「Queen bee」みたいに、ちょっとドキッとさせられる部分もあると思うので、みんなも覚悟して来てほしいです!(笑)。
村上 今、田中の話を聞きながら、そういえば1stライブは(観客の)声出しはなかったんだと思って。私の記憶の中では、みんなの盛り上がりがすごすぎたのに、あれで声出しじゃなかったんだったら……えっ!? 2ndライブがいい意味で恐ろしくなってきた(笑)。
田中 ナチェメイトの未知なる可能性が恐ろしい(笑)。
村上 声出しになったらどうなっちゃうんだろう?っていう。でも、ナチェメイトの反応がめちゃめちゃ楽しみですね。前回はバンドの皆さんの演奏に頼っていたところもありましたけど、今回は私たち2人でどこまでいけるのかを、試されているところもあって……試されると燃えるタイプなので(笑)、私たち2人vsナチェメイトのみんなで、どれだけやれるのかを見せつけたいし、私たちに1stライブを越えるものを見せつけてくれよな!っていう気持ちです。
●リリース情報
NACHERRY 3rdミニアルバム
『POLAROID』
8月2日発売
■mora
通常/配信リンクはこちら
ハイレゾ/配信リンクはこちら
【NACHERRY盤 (初回限定、CD+BD)】
価格:¥3,520(税込)
品番:LACA-35058
仕様:CD1枚 Blu-ray1枚
フォトブック、スリーブ付
<CD>
01.NACHERRY PARK
作詞:岡田マリア / 作曲・編曲:青柳 諒
02.WE ARE THE “HEROES”!!
作詞:ZAQ / 作曲・編曲:綿貫直行(Dream Monster)
03.Queen bee
作詞:岡田マリア / 作曲:TAXMAN / 編曲:TAXMAN、山森大輔
04.テレポーテーション
作詞・作曲:金澤ダイスケ / 編曲:山森大輔
<Blu-ray>
01.「テレポーテーション」Music Video
02.Music Video & Photo Shoot Making
【なっちゃん盤(通常盤A、CD)】
価格:¥2,420(税込)
品番:LACA-25058
<CD>
01.NACHERRY PARK
作詞:岡田マリア / 作曲・編曲:青柳 諒
02.WE ARE THE “HEROES”!!
作詞:ZAQ / 作曲・編曲:綿貫直行(Dream Monster)
03.Queen bee
作詞:岡田マリア / 作曲:TAXMAN / 編曲:TAXMAN、山森大輔
04.テレポーテーション
作詞・作曲:金澤ダイスケ / 編曲:山森大輔
05.weather rain
歌 : 村上奈津実 / 作詞:村上奈津実、岡田マリア / 作曲:村上奈津実、山森大輔 / 編曲:山森大輔
06.テレポーテーション(なっちゃんver.)
歌 : 村上奈津実 / 作詞・作曲:金澤ダイスケ / 編曲:山森大輔
【ちぇみー盤(通常盤B、CD)】
価格:¥2,420(税込)
品番: LACA-25059
<CD>
01.NACHERRY PARK
作詞:岡田マリア / 作曲・編曲:青柳 諒
02.WE ARE THE “HEROES”!!
作詞:ZAQ / 作曲・編曲:綿貫直行(Dream Monster)
03.Queen bee
作詞:岡田マリア / 作曲:TAXMAN / 編曲:TAXMAN、山森大輔
04.テレポーテーション
作詞・作曲:金澤ダイスケ / 編曲:山森大輔
05.SPARK
歌 : 田中ちえ美 / 作詞:田中ちえ美、岡田マリア / 作曲・編曲:山田貴洋
06.テレポーテーション(ちぇみーver.)
歌 : 田中ちえ美 / 作詞・作曲:金澤ダイスケ / 編曲:山森大輔
●ライブ情報
「NACHERRY 2nd LIVE ~WE ARE THE “NACHERRY”!!~」
2023年10月8日(日)
会場:ヒューリックホール東京
開場:16:30(予定) 開演:17:30(予定)
チケット料金 :
〈FC限定グッズ付き〉 9,800円(税込)
〈全席指定〉7,800円(税込)
※別途ドリンク代 600円
関連リンク
NACHERRYオフィシャルサイト
https://nacherry.jp